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スマホの処分方法を間違えるとデータ流出の恐れも
スマホの寿命は、一般的に2〜3年と言われています。この時期になるとスマホの調子も悪くなるため、買い替えを検討する人も増えるでしょう。新しいスマホに買い替える際は、古いスマホを適切に処分する、あるいは手放す必要があります。しかし、この時に処分方法を間違えてしまうと、スマホに入っていたデータが流出したり、悪用されてしまう恐れがあるので注意が必要です。
実際に、ある調査会社の報告によると、中古市場で流通しているスマホの約7割から個人情報が復元可能だったという驚くべき結果が出ています。これは、多くの人がスマホの処分方法を誤っていることを示しています。
スマホには、個人情報をはじめ、連絡先やアカウント情報、写真、決済情報など重要な情報が記録されています。これらの情報が悪意のある第三者の手に渡れば、様々な犯罪行為に利用される可能性があります。そのため、スマホを処分する際は個人情報を安全に保護するため、必ず正しい手順でデータを完全削除した上で手放すようにしてください。
それでは、スマホを処分する際に絶対に避けるべきNG行為と、安全な処分方法について詳しく見ていきましょう。
スマホを処分するときのNG行為7選
スマホを処分する際は、必ず正しい方法で処分しなければいけません。個人情報を悪用するリスクを高めてしまうスマホを処分する時のNG行為には気をつけましょう。
1. データをバックアップする前に処分する
スマホを処分する場合、新しいスマホを買った際にデータを復元するため、処分前にデータのバックアップを忘れてはいけません。データをバックアップせずに処分してしまうと、いざ新しいスマホが手元にやってきた際に、以前使用していたデータを復元できず、使えないアプリやアカウントができてしまう恐れがあります。また、撮影した写真や動画なども復元できなくなる恐れがあるので、必ずデータのバックアップは取っておきましょう。
iPhoneの場合は、iCloudを利用するとiPhone側の操作だけでバックアップを取れるので便利です。Androidの場合は、Googleアカウントのクラウドストレージ経由でバックアップすると、スマホ側の操作だけでデータを保存できます。
ある調査によると、スマホユーザーの約3割が定期的なバックアップを行っていないという結果が出ています。大切な思い出や重要な情報を失わないためにも、日頃からこまめなバックアップを心がけましょう。
2. データを消去せずに手放す
スマホを処分する時にデータを消去せずに手放してしまうと、個人情報が流出したり、スマホに残っているデータを悪用されたりする恐れがあるので注意が必要です。
スマホに残っているデータの消去は、スマホの初期化や物理的な破壊によって消去可能です。安全にデータを保護するためにも、スマホを初期化してから物理的に破壊することで、安心して処分できるでしょう。ただし、下取りや売却に出す場合は破壊せずに初期化やデータ削除のみ行ってください。
初期化の方法は機種によって異なりますが、一般的にはiPhoneの場合、「設定」→「一般」→「リセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」の順にタップします。Androidの場合は、「設定」→「システム」→「リセット」→「初期化」の順にタップします。
ただし、初期化だけではデータが完全に消去されない場合があります。専門的な復元ソフトを使用すれば、初期化後でもデータを復元できてしまう可能性があるのです。そのため、重要なデータが含まれている場合は、専門業者によるデータ消去サービスを利用することをおすすめします。
3. スマホのアカウントからサインアウトし忘れる
スマホのアカウントからサインアウトしたり、アカウント削除したりせずに処分してしまう人が多いですが、初期化する前にアカウントからサインアウトしなければ、保護機能が働き上手く初期化できない恐れがあります。
保護機能が働いてしまうと、その後は正式な手続きを踏まなければスマホが使えなくなってしまうため、初期化できずスムーズに処分ができない事態に陥ることも…。必ず初期化前にスマホのアカウントからサインアウトするか、スマホからアカウント削除を行いましょう。
iPhoneの場合は、「設定」→「ユーザー名」または「iCloud」→「サインアウト」の順にタップします。Androidの場合は、「設定」→「アカウント」または「ユーザーとアカウント」→「Google」→「アカウントを削除」の順にタップします。
特にiPhoneの場合、「iPhoneを探す」機能がオンになっていると、アクティベーションロックがかかってしまい、他の人が使用できなくなる可能性があります。これは盗難防止のための機能ですが、処分時には忘れずにオフにしておく必要があります。
4. SIMカードを挿し込んだまま手放す
スマホに入っているSIMカードには、契約情報や個人情報など重要なデータが多く入っています。このSIMカード(あるいはSDカード)を抜かず、挿し込んだまま手放してしまうと、データを悪用されるリスクが高まります。普段はSIMカードを見ることはあまりないので忘れがちですが、必ずスマホを処分する際はSIMカードを抜いてから手放しましょう。
また、SDカードを利用していた場合も同様です。SDカードには写真や動画、連絡先などが記録されている可能性があります。必ず処分前に取り外し、必要なデータをバックアップした上で適切に処理してください。
SIMカードやSDカードを取り外す際は、専用のピンツールや細い針金などを使用します。スマホの機種によって取り外し方が異なるので、取扱説明書やメーカーのウェブサイトで確認してから行いましょう。
5. 自治体が指定しているゴミ分類に従わない
スマホの処分方法にはいくつか種類があります。もしも自治体に家庭ゴミとして出す場合は、自治体のホームページなどを確認して、指定されているゴミ分類に従ってゴミ出ししてください。
自治体がしているゴミ分類に従わずにスマホをゴミ出ししてしまうと、正常に処分されないなどゴミ処理場でトラブルが発生する恐れがあります。また、ご家庭ごとにゴミを回収している場合は、分類外のゴミを回収してもらえないケースも多いので、必ず自治体が指定している処分方法でゴミ出ししましょう。
ただし、スマホにはバッテリーが内蔵されているため、一般的なゴミとして処分できない場合が多いことに注意してください。自治体によっては小型家電リサイクル法に基づいた回収ボックスを設置している場合もあるので、そちらを利用するのも一つの方法です。
実は、スマホには金やプラチナなどの貴重な金属が含まれています。これらの資源を有効活用するためにも、可能な限りリサイクルに回すことが重要です。環境保護の観点からも、適切な処分方法を選ぶことが求められています。
6. バッテリーが膨張したスマホを放置する
スマホのバッテリーは使用年数が経つにつれて劣化し、膨張することがあります。バッテリーが膨張したスマホを放置しておくのは非常に危険です。膨張したバッテリーは発火や爆発の恐れがあり、火災の原因になる可能性があります。
もし、スマホのバッテリーが膨張していることに気づいたら、すぐに使用を中止し、電源を切ってください。そして、専門店や製造元に相談して適切な処分方法を確認しましょう。決して自分で分解したり、無理に処分しようとしたりしないでください。
ある調査によると、スマホユーザーの約1割が、バッテリーの膨張を経験したことがあるそうです。日頃から自分のスマホの状態をよく確認し、異常を感じたら速やかに対処することが大切です。
7. 無許可の回収業者に依頼する
スマホの無料回収を謳う業者の中には、適切な許可を持っていない業者も存在します。このような無許可の業者に依頼すると、スマホが正しく処理されず、個人情報が流出するリスクが高まります。
回収業者を利用する場合は、必ず許可を持っている正規の業者かどうかを確認しましょう。一般廃棄物処理業の許可を持っているか、どのようなデータ消去処理を行っているかなどを事前に調べることが重要です。
また、無料で回収すると言いながら、後から高額な料金を請求される悪質な業者もいます。安易に無料回収をうたう業者に依頼せず、信頼できる業者や公的機関のサービスを利用することをおすすめします。
安全にスマホを処分するために押さえておくべきポイントは?
スマホには大切なデータや個人情報がたくさん含まれています。スマホを安全に処分するためには、以下の手順を踏んで正しく処分してください。
- 1. スマホデータのバックアップをとっておく
- 2. スマホアカウントからサインアウト(アカウント削除)する
- 3. スマホ本体を初期化する(データの削除)
- 4. SIMカードやSDカードを抜く
- 5. 自分の選んだ処分方法で手放す
この手順を踏んでデータを正常に削除することができたら、以下の方法でスマホを処分しましょう。
- 自治体の回収ボックスに入れる
- 自治体の処分方法に従ってゴミ出しする
- 携帯キャリアショップに引き取ってもらう
- スマホの買取業者に売却する
- 下取りしてもらう
- スマホ処分業者に依頼する
スマホの処分方法はいくつか種類がありますが、一般的にはキャリアショップに引き取ってもらったり、回収ボックスに入れて処分したり、下取りしてもらう人が多い印象です。スマホのデータ削除方法に不安が残る方は、スマホ処分業者に依頼して、目の前でデータのバックアップから削除までを行ってもらうと安心です。
実際に、あるキャリアショップでは、お客様の目の前でスマホのメモリ部分に穴を開けて物理的に破壊するサービスを行っていたこともあります。ただし、最近のスマホはバッテリー内蔵型が多くなったため、このような方法が難しくなっています。そのため、専門的なデータ消去サービスを利用することが増えています。
スマホは正しい手順でデータ削除してから処分しよう
いかがでしたか。スマホは正しい手順でデータ削除しなければ、手放した後にデータを悪用されたり流出したりする危険性があります。今回紹介した正しいスマホの処分方法を参考に、安全性を確かめた上で処分、買い替えを行いましょう。
また、スマホにはレアメタルなどの貴重な資源が含まれているため、可能な限りリサイクルに回すことをおすすめします。小型家電リサイクル法に基づいた処分方法を選ぶことで、環境保護にも貢献できます。
さらに、古いスマホを長期間放置することも避けましょう。バッテリーの劣化が進み、膨張や発火のリスクが高まる可能性があります。使わなくなったスマホは、できるだけ早く適切な方法で処分することが大切です。
安全な処分とリサイクルを心がけることで、個人情報を守りつつ、持続可能な社会づくりにも貢献できるのです。スマホの処分を考えている方は、ぜひこの記事を参考にして、正しい方法で処分してください。そうすることで、安心して新しいスマホライフを始められるはずです。