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豆腐を洗う派と洗わない派の意見
「豆腐は洗うでべきではない」「洗うとしても流水でさっと流すだけが良い」と食品メーカーは推奨しています。しかしどれだけ新鮮であろうと心理的に「洗いたいな」と思う人もいるでしょう。豆腐を洗う派と洗わない派、両者の意見をまとめたのでご覧ください。
洗う派
- 豆腐屋で買った新鮮なものはさすがに洗わないけど、スーパーの豆腐は洗う
- パックに入った液体が何なのかわからないのでとりあえず洗うことにしている
- 豆腐に優しく水をかけて洗い流すと美味しくなるとテレビで言ってた
- おばぁちゃんからも「洗いなさい」と教えられてきた
- 工場で作られた豆腐は異物や菌が混入していると怖いので念のために洗うようにしている
洗わない派
- パックに入った水が汚いわけじゃないので特に洗わない
- 豆腐のような清潔な水で作る生鮮食品は洗わなくても良い
- 特に味が変わらないので洗わない
- 栄養学科で豆腐を洗うなんて聞いたことがない
- 面倒くさい、洗う必要があるならそもそもパッケージに書いてるはず
以上が豆腐を洗う派と洗わない派の意見でした。様々な意見が飛び交っておりますが、実際はどちらが正しいのでしょうか?実は食品メーカーによると「洗うべきではない」が正解だそうです。なぜ豆腐を洗うべきではないのか、その理由をご覧ください。
豆腐は洗うべき?
「豆腐は洗うべきだ」という意見も多数ありますが、水で洗わなくても全く問題ありません。むしろ水に浸かるほど豆腐が固くなってしまうからです。食品メーカーによると賞味期限内の未開封なら洗う必要は全くないと説明があります。パッケージに入ったままでも十分衛生面が守られているからです。
どうしても洗わないと気になるという方は流水でさっと洗い流すのが良いでしょう。実は豆腐屋さんや調理師の中にも「優しく洗えばにがり成分が取れて美味しくなる」という方もいます。
メーカーとプロの調理人の間は完全に意見が割れていますが実際の所はどうなんでしょう。その問題はパッケージに始めから入っている「水」の役割から推測していきましょう。パッケージされた水は普通の水となんら変わりませんが大事な役割を担っています。
豆腐パッケージの水の役割
豆腐のパッケージに入った液体の正体をご存知でしょうか?実はあの液体はただの「水」です。にがり成分や苦味が染み込んでいるので少しだけ色味が付いています。そのため水自体に栄養が含まれているわけでもありません。
ではなぜ水に付けているのでしょうか。理由は3つです。
- クッション代わり
- 菌の繁殖を防ぐ
- 乾燥から守る
豆腐は成分のほとんどが水分でできており非常に崩れやすいため、キレイな形を保てるように水をクッション代わりで入れています。
また菌の繁殖と乾燥を防ぐ役割も果たしています。豆腐は外気に触れているとあっという間に菌が繁殖する上、水分が抜けてすかすかのスポンジのような状態になり、豆腐本来の美味しさや口当たりがが失われてしまうのです。そのために水に浸して衛生面を保ち、豆腐の柔らかさや滑らかさを維持しています。栄養が含まれているわけではありませんが、豆腐の美味しさを保つために無くてはならない水です。
それでは豆腐の栄養は何によって変わるのでしょうか?実は豆腐の栄養は種類によって変わります。絹ごし豆腐と木綿豆腐、2つの豆腐の違いを見ていきましょう。
絹ごし豆腐と木綿豆腐の違い
絹ごし豆腐と木綿豆腐の違いはご存知でしょうか?絹ごしは柔らかくて木綿は硬いという違いがある程度で、他は一緒じゃないかと思われがちです。しかしこの2つの豆腐は歴史や作り方、用途も大きく変わります。豆腐によって相性のよい料理もご紹介します。
絹ごし豆腐
絹ごし豆腐とは名前の通り絹のように滑らかな食感が特徴の豆腐です。木綿豆腐よりも味はあっさりめで喉越しが良いので、味噌汁やお吸い物との相性がとても良いです。
絹ごし豆腐を作る際は木綿豆腐よりも濃い豆乳に凝固剤(にがりや塩化マグネシウム)を混ぜて固まるまで待ちます。歴史的には木綿豆腐よりも新しい豆腐で、硬くてキメの荒い木綿よりも完成度の高い豆腐を目指して誕生しました。
木綿豆腐
豆腐といえば一般的にこの「木綿豆腐」を表します。木綿豆腐は大豆から抽出した豆乳に凝固剤を加えて型取りした豆腐です。無駄な水分は残さないように作っているので表面や内部は硬く、形崩れしにくいです。豆腐の表面についた格子状の布目が名前の由来です。
硬くて崩れにくいので、油で揚げたり炒め物の具材としても扱われます。薄切りの豆腐ステーキにもできるので、お肉が苦手な人のためのメインディッシュとしても人気が高いです。
絹ごし豆腐と木綿豆腐の栄養素
より栄養のある食品を食べたい、ダイエット効果があるメニューにしたい、そう言った場合はどちらの豆腐で試せばよいのでしょうか?絹ごし豆腐と木綿豆腐、製造方法も特徴も全く別物ですが栄養素の方も違いが気になりますね。作り方が違うとはいえ材料は大豆と凝固剤です。ならば栄養素などに違いはないのでしょうか?100gの栄養素やカロリーを基にしたデータをもとにご覧ください。
絹ごし豆腐 100g
- 脂質 9.0g
- タンパク質 4.9g
- 炭水化物 2.0g
- 糖質 2.0g
- カロリー 56kcal
- カルシウム 43mg
- カリウム 150mg
- マグネシウム 44mg
- ビタミンK 12μg
- 鉄分 0.8mg
- 亜鉛 0.5mg
- 葉酸 11μg
引用元:一般財団法人 全国豆腐連合会
http://www.zentoren.jp/knowledge/seibun.pdf
絹ごし豆腐はよく濃厚なお味噌汁やお吸い物とセットで使用されます。冷やっこ以外は小さくカットして使用することが多いでしょう。しかしたくさん食べることはおすすめできません。実は絹ごし豆腐はさっぱり味で口溶けが柔らかなので、てっきり脂質や糖質が少ないと思いきや結構高いです。次に紹介する木綿豆腐と見比べればわかるでしょう。
木綿豆腐 100g
- 脂質 4.2g
- タンパク質 6.6g
- 炭水化物 1.6g
- 糖質 1.6g
- カロリー 72kcal
- カルシウム 120mg
- カリウム 140mg
- マグネシウム 31mg
- ビタミンK 13μg
- 鉄分 0.9mg
- 亜鉛 0.6mg
- 葉酸 12μg
引用元:一般財団法人 全国豆腐連合会
http://www.zentoren.jp/knowledge/seibun.pdf
木綿豆腐は表面が硬くて中もぎっしり詰まっています。その分カロリーや脂質糖質が絹ごしより多いかと思いきや、意外にも木綿豆腐の方がより低脂質、低糖質です。型崩れのしにくさから炒め物や揚げ物には相性ピッタリですが、実は成分を見ても栄養素バランスがいいので、油っこい料理のつけあわせにも最適だという事がわかります。
外見や触感からは逆に見えていた2つの豆腐。一見すると薄味で軽そうな絹ごし豆腐の方が栄養も高く太りやすい成分が少ないと思いきやそうではありません。絹ごし豆腐よりも木綿豆腐の方が糖質が少なく脂質も低いのでダイエットに向いています。絹ごし豆腐は脂質が多いため摂りすぎると太る原因になりますが、消化や吸収等の代謝促進効果に優れています。
まとめ
以上が豆腐を洗わない理由や絹ごし豆腐と木綿豆腐の違いでした。豆腐はパッケージから取り出してそのまま召し上がることができます。中を満たす液体の正体がわからない、または洗った方が美味しくなるという意見から豆腐を水で流していた人も多いでしょう。食品メーカーが「洗うべきではない」と推奨するのでそのまま使えば間違いないのでしょうが、やはり人間の心理的に洗わなければ不安だと思う人も多いはずです。その場合はさっと流すだけなら問題ありません。
また豆腐は種類によって栄養価や相性の良いお料理が変わります。豆腐の下処理や選ぶ種類を変えることで、よりおいしい料理を作れるよう参考にしてください。
豆腐専用の保存容器も市販されていますのでご紹介します。