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IHクッキングヒーターの電気代は朝・昼・夜で異なる
「もっと光熱費を安く抑えたい!」とお思いの方もいらっしゃるかと思います。中でもいつも自炊をされる方であれば、調理の費用は抑えやすいポイントになり得ます。
IHクッキングヒーターの電気代を考える上で、いつ使っても同じ電気代がかかるのかは知っておいた方が良いでしょう。ガスは一日中同じ単価で供給されていますが、電気も同じなのでしょうか。それぞれの違いを見ていきましょう。
IHクッキングヒーターを使ったときにかかる電気代は24時間、いつでも同じというわけではない可能性があります。
契約プランによって電気代が異なる
昔であれば電気代は朝でも昼でも夜でも同じでしたが、今では電気会社を選べる機会もできてきましたが、電気料金プランの選び方によって違いが生じることがあるのです。
日中と夜間に分けられていたり、早朝から夕方、夕方から夜、夜から早朝といった形で三つの料金が設定されていたりする電気料金プランがあります。
電気の単価もプランにより異なる
また、電気の単価も契約しているプランによって大きな違いがあるため、電気代は個々にどのような契約をしているかによってかなり違うものになるのが現状です。特にオール電化にしている場合には朝・昼・夜で料金が異なるプランにしていることが多いでしょう。
夜に電気を使ってお湯を沸かしておき、昼間は保温しておいた熱湯を使ってお湯を使えるようにするというシステムがよく用いられているからです。
電気の使用量も多いので、たくさん使うと単価が下がるプランにしていることもよくあります。その点も念頭に置いて平均的にはどのくらいの電気代がかかるのかを考えてみましょう。
IHクッキングヒーターの平均的な電気代
それではIHクッキングヒーターの平均料金はどうなっているのでしょうか。
IHクッキングヒーターの消費電力は1kW〜5kWというのが一般的です。ここでは仮に3kWで調理したときのことを考えてみましょう。そして、朝、昼、夜の電気の単価を1kWhあたり10円、30円、20円としてみると1時間あたりの料金を簡単に計算できます。
1時間あたりの電気代(3kWの場合)
時間帯 | 電気代の計算方法 | 電気代 |
朝 | 3kW×1時間x10円/kWh | 30円 |
昼 | 3kW×1時間x30円/kWh | 90円 |
夜 | 3kW×1時間x20円/kWh | 60円 |
※1kWhあたり朝10円、昼30円、夜20円、かつ3kWを使って調理した場合
1ヶ月あたりの電気代とすると計算はやや複雑になります。それは家庭によって使い方が大分異なるからです。
三食のうち毎回調理をしていて、一回あたりの使用時間が20分程度と考えると、1日あたり1時間の使用時間になります。
1ヶ月を30日とすれば、単純に30時間使うことになるでしょう。朝昼夜の平均的な価格である20円/kWhを使って計算すると次のような結果が得られます。
1ヶ月あたりの電気代
- 各時間帯の平均:月間600円(30時間x20円/kWh)
- 昼の時間帯のみ:月間900円(30時間x30円/kWh)
※ただし、実際には格安な朝料金のときに料理をすることは稀であり、三食ともに昼料金になってしまっていることも珍しくありません。その場合にどうなるかも以下で詳しく解説します。
このように毎食料理をしても1ヶ月あたり1000円にも満たない計算になるのです。なので、IHクッキングヒーターを使うご家庭の中でも、節約を意識されている方は朝に一通りの調理を済ませている方もいらっしゃいます。
例えば、夫婦が共働きだとしても、朝の時間を有効に使い朝食〜夕食の準備をしておくと夜の調理時間も短縮できるのです。
IHクッキングヒーター・都市ガス・プロパンガスの料金比較
ガスコンロで料理した場合にはIHクッキングヒーターを使うよりも高くなるのか、安くなるのかというのも興味があるところでしょう。その比較は二つの観点から考える必要があります。
エネルギーコストの比較
まず、一つ目がエネルギーコストを比較するという観点です。1kWhのエネルギーを生み出すためにどれだけの費用がかかるかを見てみましょう。
種類 | 1kWのエネルギーを作る料金 |
IHクッキングヒーター | 10円(朝) 30円(昼) 20円(夜) |
都市ガス | 12円程度 |
プロパンガス | 22円程度 |
このようにして見ると特別に割安な朝の時間帯に使った場合を除くと都市ガスの方が安いとわかります。また、最も使用頻度が高い昼間でプロパンガスと比較すると、プロパンガスの方に軍配が上がってしまうのです。
ただ、これはあくまでエネルギーを生み出すために必要な料金です。エネルギーを熱に切り替えて初めて調理ができるので、その変換効率も考慮しなければなりません。
1リットルの水を沸かすのに必要な料金の比較
研究結果としてよく知られているのが1リットルの水を沸かすのに必要な料金の比較です。この場合にはどのようになるのでしょうか。
種類 | 1リットルの水を沸かす料金 |
IHクッキングヒーター | 2円10銭 |
都市ガス | 3円 (IHの約1.5倍) |
プロパンガス | 5.6円 (IHの約2.7倍) |
熱を逃がしにくいのがIH調理器の特徴で、このようにして考えるとIHクッキングヒーターの方の料金が安上がりになることがわかります。炒め物ではなく、煮物やカレーといった茹でる料理をすると調理にかかる費用が抑えられます。
では次に具体的な節約方法をご紹介していきます。
IHクッキングヒーターの電気代を節約する方法
IHクッキングヒーターは工夫次第で電気代を節約することが可能です。それぞれどうすれば光熱費を安くできるのか、4つの方法をご紹介します。ご自宅でも実践しやすいものばかりなので、ぜひ参考にしてみてください。
電気料金プランを見直す
電気の単価が低ければ低いほどIHクッキングヒーターの使用にかかる電気料金は安くなります。
他の家電の使い方との兼ね合いも考える必要がありますが、電気料金プランを見直して安くできるかを検討してみるのがまず簡単な対策です。
生活スタイルや使用する家電が変われば最適なプランも違うものになります。電力会社も増えているので、一通り比較してできるだけ安くできるように選び直してみましょう。
調理する時間帯を検討する
オール家電向けの料金プランを使っている場合には朝昼夜で電気料金が違うので、できるだけ安い時間帯に調理するのが良い方法です。
料理をするのは食事の時間に合わせたいかもしれませんが、お湯を沸かしてポットに入れておくのなら、安い時間帯に沸かすという工夫ができます。思い切って食事の時間帯を少しずらしてしまうのも良いでしょう。
高性能なIHクッキングヒーターを使う
IHクッキングヒーターはどのメーカーの製品もほとんど同じと思ってしまうかもしれませんが、実はかなり性能に違いがあります。無駄に電気を使わないようにマイコン制御が行われているIHクッキングヒーターもあり、節約するのに役立つ機能でしょう。
エコの時代になっているので各社が細かな点にまで目を配って電力消費の無駄をなくす工夫をしています。最新のIHクッキングヒーターを比較して、より安くできるものを探し出しましょう。
熱効率の良い調理器を使う
工夫が凝らされているのはIHクッキングヒーターの本体だけでなく、使用するフライパンや鍋も同様です。
IHクッキングヒーターから発せられる磁場を効率よく熱エネルギーにして水や食材に伝えられるように各社が工夫をしています。熱効率が良いと調理時間が短くて済むので電気代が安くなります。それに加えて時間も節約できるのでメリットは大きいでしょう。
熱効率が優れている調理器はやや価格が高いこともありますが、長期的に見れば電気代を安くしてくれます。本当に良い調理器を手に入れることができれば元を取れる可能性もあるでしょう。
まとめ:IHクッキングヒーターは工夫次第で安くなる
高熱費を抑えるためのポイントとしてIHクッキングヒーターやそれ以外の光熱費をまとめました。調理にかかる光熱費を考えるとできるだけ安いものを選びたいというのはもっともなことです。
IHクッキングヒーターは使い方によってガスコンロよりも高くなる場合もあれば安くなる場合もあります。電気料金プランを見直し、マイコン制御などの工夫が凝らされているIHクッキングヒーターと熱効率の良い調理器を選ぶといった工夫をすれば安上がりにできるでしょう。
「塵も積もれば山となる」とよく言われます。ぜひご自宅で少しずつ実践してみてください。