目次
美味しいお米の研ぎ方
お米を研ぐ理由
お米を炊く前にお米を研ぐ理由は、「お米についているぬかや汚れを洗い流す」ためです。
精米技術の精度が低かった昔のお米は、臭みの元になる糖を取り払うために、しっかりと洗うことが必須でした。こすり合わせるようにして洗わなければ、ぬか臭いご飯になってしまうからです。現代は昔よりも精米技術が向上しているので、簡単に研ぐだけでも充分といわれています。
しっかり精米された現代のお米は、精米後にわずかに残った「肌ぬか」を取ることがメインになります。肌ぬかは表面に少し残っているぬかのことなので、強く洗うよりも優しくスピーディーに洗うことが大切です。ぬかや汚れを落とすとより美味しいお米になるので、面倒でも毎回研ぎましょう。
ゴミや汚れを落とすために軽くすすぎをしてから研ぐ作業を始めるのが、基本的な順序となります。
用意するもの
- お米の計量カップ:1合180ml
- お箸
- お米(必要な量)
お米の軽量カップ(1合180ml)にお米を山盛りに入れ、一度軽くカップをゆすります。カップにお米がしっかり詰まったら、はしでカップのお米をすりきり、余分なお米をはらえば1合ぴったりになります。
お米をすすぐ
- ボウルに水を張ります。素早くすすぐためにも先に水を入れておきましょう。
- 計量したお米をいれて、すぐにサッと2回~3回ほど混ぜ、白い濁った水をすぐ捨てましょう。最初にお米を水ですすぐ時は、即座に水を捨てることが重要です。
- 続いてお米が浸るくらいに水を入れてサッとかき混ぜたらすぐに水を捨てます。
これを3回繰り返します。重要なのはスピードですので、軽く混ぜたらすぐ水を捨ててください。
お米のすすぎはこれでOKです。
お米をすすぐポイント
すすぎの一番のポイントは、手早く行うことです。
お米が水を吸うのは「最初に水を入れた時」「研いでいる時」です。このときに、約6割の水を擦ってしまいます。水を入れてすぐ捨てないと、ぬかや汚れがついた水を吸い取ってしまうのです。そうするとお米がぬか臭くなりますので、必ずすぐ水を捨ててください。
特に最初の水は注意が必要です。乾いたお米は1回目の水を多く吸い込みますので、可能でしたら一番初めの水は水道水では無く、浄水やミネラルウォーターなど美味しいお水を使用することをおすすめします。一番初めのお水にこだわることで、美味しいお米に仕上げることができるのです。
お米を研ぐ
- ボウルの水がほぼ無い状態で、お米を研ぎます。
- お米と研ぎ方は、ボールを握るような手つきで、大きく円をかくように20回程度かき回します。
- お米を研ぎ終わったら水を入れ、力を入れず素早くさっと底から2回転ほど混ぜて白く濁った水を捨てます。この作業を3回してください。
- 合計3回のすすぎ後、お米がうっすら透けて見える程度でOKです。
これでお米の研ぎは完了です。あとはお米の量に合わせた規定の量の水をいれて炊いてください。
お米を研ぐポイント
お米を研ぐときは、優しく扱うことが大切です。キレイにしたい一心で、力を入れてぎゅうぎゅう押しながら研ぐことはしないでください。お米が割れて美味しさを損なうことがありますので、注意しましょう。
またボウルに水を入れたまま研がないでください。水を入れたままだとお米同士がこすり合わないので、キレイに研ぐことができないようです。
お米の研ぎ方のコツ
手早く作業する
手早く作業するのが一番重要なポイントです。
お米は給水力が高いので研いでいる間にもその研ぎ水を吸ってしまいますので、ぬかの付いた水を吸収しないために、素早く研いで水を入れ替えてすすぎを繰り返しましょう。研ぎ終わるまでの時間は1分~3分以内にしましょう。
力を入れすぎない
お米を研ぐ時は力を入れすぎないでください。力を入れすぎてしまうとお米を割ってしまいますので注意が必要です。
お米を研ぐのはお米の表面のついているぬかや汚れを取るためですので、指を立てて底からさっと素早くかき混ぜるだけでOKです。
すすぎは3回ほど
古米(こまい)は力を入れて研ぐ
作って1年以上たった古米(こまい)の場合は、お米の表面が劣化しています。その劣化部分を落とすために、力を入れて研ぎましょう。古米の場合は、強く研ぐ方が美味しさや風味が良くなるといわれています。
お米の研ぎ方の注意点
水が透明になるまで研がない
お米を研ぐ際、水が透明になるまで研がないでください。
お米が白く濁っていると心配になるかもしれませんが、白いのはお米の表面のでんぷん質が溶け出したものです。おかゆなどを作ると汁が白くなりますよね。それと同じです。
実はお米の栄養や美味しさや食感などはこのでんぷん質に含まれていますので、水を透明になるまで研ぐとお米の旨みまで無くなってしまうことになります。
でんぷんが無くなったお米を炊くと、炊き上がりがべたつく、お米がふっくらしない、お米のいい匂いが少ない、などになりますので気をつけましょう。
お米はお湯で研がない
お米をお湯で研がないでください。
冬場に冷たい水で研ぐのは辛いですがお湯で研ぐと、お米の吸収力が高まってしまい、ぬか臭さや汚れをすぐ吸収してしまいます。
また、お米がお湯で温まると炊飯器でご飯を炊く際に加熱にムラができてしまいべちょっとした部分ができてしまいますので注意しましょう。もし、冬場の水が辛すぎる方は米研ぎ棒を使ってすすいでみてください。
ボウルに水を張ってからお米を入れる
最初にお米をすすぐ際、ボウルに水を張ってから乾いたお米を入れましょう。
お米を入れてから水道水で水を注ぐと、水がいっぱいになるまでの時間にどんどん水道水を吸い込んでいきます。ぬかの臭いや汚れも一緒に吸い込まないよう素早くすすぐためにも、先に水を入れておきましょう。
ザルでお米を洗わない
ザルを使ってお米を研がないでください。ザルを使ってお米を研ぐと網目でお米が削れてしまい、お米の美味しさや食感が逃げてしまいます。ザルはお米の水分を取りたい時にだけに使用しましょう。
炊飯器の内釜で研いでもOK
通常、ボウルの変わりに炊飯器の内釜でもOKですが、炊飯器によっては絶対NG!のものありますので取り扱い説明書を確認しましょう。
お米を美味しくする方法
新米でも水の量を減らさない
新米を炊くときの水分量ですが、昔は新米は水分が多いので水の量を減らして炊いていたようですが、現在のお米の水分量は新米も古米もさほどかわりません。
これは、昔よりも保管環境が良くなったためです。変わったとしてもほんのわずかですので、やみくもに水を減らすのは止めましょう。新米を炊く場合は水の量よりも、浸水時間を減らすことの方が重要になります。
浄水した水で炊く
炊くときのお水は水道水ではなく、浄水やミネラルウォーターがおすすめです。
水道水は塩素が入っているので、炊きあがったときに美味しさを邪魔してしまいます。水道水を使うにしても、浄水器で塩素を取り除いた水を使うのがおすすめです。
また料理全般にいえることですが、硬水よりも軟水の方が料理には向いています。日本の水道水は軟水が基本ですが、海外のミネラルウォーターには硬水のものがあります。ミネラルウォーターを使いたい場合は、確認しておくといいでしょう。
冷たい水で研ぐ
冷たい水で研いで、冷たい水で炊きましょう。冷たい水がお米の水分の吸収速度を遅くしますので、ぬか臭さの吸収も少なくなります。
また、冷たい水で炊くと味の甘みが増すそうです。冷たい水で研いだ方が美味しくなるといっても、氷を入れたままで炊かないでください。
炊飯器の場合水加減が重要ですので、氷の水分量も味や炊き上がりの食感に影響する可能性があります。
一時間ほど冷蔵庫で浸水させる
きれいに研いだお米は、すぐに炊かずに浸水させると美味しくなります。お米が水を含み、ふっくらと柔らかいご飯になるためです。研いですぐにお米を炊くと、表面は柔らかくても芯が堅いご飯になってしまいます。
30分程度浸したお米と1時間浸したお米では、美味しさがまったく変わってきます。冬場は水温が低いので、2時間程度浸水させてもいいでしょう。収穫したての新米の場合は細胞壁が弱いので、30分程度で構いません。
お米がしっかり水を吸うと、最初の半透明の状態から白く変化します。これを目安に浸水させるといいでしょう。ただし浸水させる工程があらかじめ備わっている炊飯器もあるので、その場合には浸水作業は不要です。
少量ずつ炊く
お米を炊くときは、一度にたくさん炊きすぎないことも大切です。釜を満杯にして炊いてしまうと、底部のお米がつぶれてしまう可能性があります。
3号炊き、5号炊きなどさまざまなサイズの炊飯器がありますが、いずれの場合も7割程度にとどめておくと美味しく炊けます。
炊いた後のお米はすぐにほぐす
お米は炊き上がってからすぐほぐすことでふっくらした仕上がりになります。すぐほぐさないとお米とお米がくっついて美味しさが減ってしまうようです。
またほぐすのには、お米の堅さを均一にするという目的もあります。炊いたばかりのお米は、下の方に水分がたまり柔らかくなっているからです。
なるべくタイマー機能は使わない
美味しいご飯を食べたいときは、できるだけ炊飯器のタイマー予約を使わないことをおすすめします。長時間浸水させると、お米がふやけてべちょっとした仕上がりになるからです。
お米はおおよそ2時間の浸水で吸水力を失うのですが、そのあとは徐々にお米がふやけてしまいます。途中で気になってかき混ぜたりすると、お米が割れてしまうこともあるのです。
また夏場のタイマー予約は、雑菌の繫殖にも気を付けなければいけません。
翌朝の時短のためにどうしてもお米を研いでおきたい場合は、釜に入れて冷蔵庫で保存しましょう。お水と一緒に氷を入れて保冷しても効果があります。なるべく温度が高くならないようにすると、お米が傷んだり劣化するのを軽減できます。
研ぎ方を失敗したお米のリメイク
お米を強く研ぎすぎて、べちゃべちゃになってしまったご飯のリメイクの一番はおかゆ・リゾットです。炊飯失敗したご飯を使った、おすすめのレシピをご紹介します。
基本のおかゆのレシピ
基本のおかゆは、最も簡単でシンプルにご飯を味わえます。そのままいただいても美味しいですが、付け合わせでアレンジするのもいいでしょう。
材料
- ごはん:1合
- 水:600cc
- 塩:小さじ1杯
- お好みの付け合せ:梅干、味付け昆布。しらす、つけものなど。
手順
- 鍋に水とご飯を入れて混ぜ合わせます。
- 弱火でかき混ぜながらコトコト煮込みます。
- ぷくぷく泡がでてきたら火を止め、蓋をして5分ほど蒸らします。
- 器に入れてお好みの付け合せを添えてできあがり。
トマトリゾットのレシピ
しっかりとしたトマト味が美味しいリゾットは、子どもにも人気です。トマト味を染み込ませるため、下準備としてご飯を水洗いして粘り気を取り払います。
粉チーズやブラックペッパーは、お好みで足すといいでしょう。
材料
- ごはん:1合
- たまねぎ:1/2個
- ベーコン:30g
- エリンギ:1本
- ニンニク:一片
- オリーブオイル:大さじ1杯
- トマトピューレ:250g
- 白ワイン:大さじ1杯
- コンソメキューブ:2個
- ローリエ:2枚
- 塩胡椒:適量
- 砂糖:大さじ1,5杯
- 粉チーズ、ブラックペッパー、バジル:お好み
手順
- 炊いたご飯を洗い、サラサラにしておく。
- フライパンにオリーブオイルをひき、具材を炒める。
- トマトピューレ、白ワイン、コンソメ、バジルを入れ、しばらく煮込む。
- 洗ったご飯を入れ、さらに煮詰める。
- 塩・胡椒、砂糖で味付けしたらできあがり。
まとめ
正しいお米の研ぎ方をご紹介いたしましたがいかがでしたでしょうか?
ご飯の美味しさはお米の研ぎ方で決まるといわれています。研ぎ方ひとつで味が変わってしまいますので「素早く力を入れない」というポイントはおさえておいてくださいね。せっかくの美味しいお米がぬか臭くなるのは本当に残念ですよね。やってはいけないお米の研ぎ方を再度チェックして、ふっくら、もちもちしたお米を毎日たべましょう。