黒糖にもデメリットがある?メリットばかりでない理由とは

黒糖

黒糖にはメリットがある反面、デメリットもあるのはご存じですか?日常的に使われている白砂糖と比べると、風味はもちろんのこと健康に良い栄養素やミネラルを豊富に取り入れることができる黒糖ですが、使い方次第ではメリットばかりではない理由があるようです。ここでは黒糖がもたらすデメリットを、白砂糖と比べながら具体的に説明していきます!

黒糖のデメリット5つ!

乳児ボツリヌス症イメージ

真っ白な「白砂糖」も濃い茶色をした「黒砂糖」も同じ原料から作られています。

黒糖は、サトウキビを絞って煮詰めるシンプルな製法で作るため、サトウキビ本来のミネラルやカリウムなどの栄養成分が残ったまま、まろやかな味わいが特徴です。

一方白砂糖は、手間をかけて真っ白になるまで不要な成分を取り除いたもので、黒糖に比べるとすっきりとした味わいです。

では、精製しない黒糖にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?

黒糖のデメリット1:乳児ボツリヌス症の危険性

サトウキビから黒糖に加工する工程で、ボツリヌス菌が入り込むことがあります。

このボツリヌス菌のほとんどは体内に入ると消化されるので、大人の体に入っても特に問題はありません。しかし、1歳未満の乳幼児には与えてはいけない食品の1つです。

胃腸のバランスがとれていない1歳未満の子供の体に入ると、嘔吐や下痢、呼吸困難などが起こり最悪の場合は死亡する可能性があるからです。

黒糖と同じく、ボツリヌス菌が含まれているはちみつを1歳未満の子供に与えて死亡したケースも実際にあるので気をつけなくてはいけません。

黒糖のデメリット2:どんな料理にも使えるわけではない

黒糖には独特の匂いがあり色もついています。白砂糖とは違った風味となるため、どんな料理にも使えるわけではありません。

和食は醤油で味付けをすることが多いので、黒糖の色は気にならないかもしれませんが、お菓子作りに使用する場合は色や風味が変わってしまいます。

また、粉タイプの黒糖ではなく、固形の場合は削ってから使うことになるため、日常的に使う場合はその都度手間がかかってしまいます。

黒糖のデメリット3:上白糖より価格が高い

他の砂糖に比べると、黒糖の価格は高くなっています。黒糖は沖縄県や鹿児島県など国内で生産されていて、流通も白砂糖に比べると少ないため、どうしても価格が高くなってしまうのです。そのため、日常的には輸入された白砂糖を使っています。

黒糖のデメリット4:種類によっては不純物が多く含まれている

黒糖には「純黒糖」と「加工黒糖」の二種類があります。「純黒糖」は黒糖だけで作られた純粋な黒糖ですが、「加工黒糖」になると粗糖や黒蜜など不純物が多く含まれています。

純黒糖と違って加工された原料を使用するので、流通やコストの面でメリットがある一方、サトウキビ本来の風味、栄養素やミネラル分は純黒糖に比べ少なくなってしまいます。

同じ黒糖でも「純」と「加工」に分かれていることを頭に入れて、原材料を確認してから購入するようにしましょう。

黒糖のデメリット5:表面が白いのはカビが生えているから?

黒糖を保存していると、いつの間にか表面が白くなっていることがあります。

一見カビのように見えるのですが、実はカビではなく黒糖の表面が溶けて結晶化したものが白くなっているだけです。保存状態に問題がなければ、普通に食べることができるので心配ありません。

ところが、湿気が多い場所に長い間黒糖を置いていると、表面が溶けてベトベトになってカビが生えてしまうこともあるようです。

《 ポイント 》

  • ボツリヌス菌が含まれている可能性があるため1歳未満の乳幼児には与えない。
  • 色や風味が変わるため、どんな料理にも使えるわけではない。
  • 他の砂糖に比べて価格が高い。
  • 加工黒糖には粗糖や黒蜜など不純物が多く含まれている。
  • 湿気が多い場所に長い間置いているとカビが生えやすい。

黒糖の摂り過ぎによるデメリット

血糖値

食べ過ぎると血糖値を急激に上げてしまう

一口サイズにカットされているまろやかな味わいの黒糖を、おやつの代わりに食べる人もいるようです。

上白糖よりカロリーもGI値も低いとは言え、食べ過ぎれば血糖値が急激に上昇し、インスリンという血糖値を下げるホルモンが分泌されます。

このインスリンは血糖値を下げるだけでなく、脂肪を体に蓄えようとする特性があるため、低血糖の症状を引き起こしたり肥満に繋がる可能性があります。

よって、おやつとして黒糖をそのまま食べるのは適切とは言えないでしょう。

カロリーの過剰摂取による影響

黒糖はそのままお菓子として食べることができるからと、パクパク食べてしまったらカロリーの過剰摂取になりやすいので注意が必要です。

黒糖100gあたりのカロリーは352kcalで、一般的な食品と比べても高カロリーな食品だと言えるでしょう。

疲れた時など甘いものを食べたくなったときに、手軽に食べやすいのでついつい手が出てしまいます。これが肥満や糖尿病などの引き金になって、健康を損うことになりかねません。

虫歯のリスクが高くなる

白砂糖に比べ、体に良いと言われがちな黒糖ですが、食べ過ぎれば虫歯になる可能性も高まります。

黒糖の中には普通の黒糖と違い粗糖や黒蜜を混ぜて作った「加工黒糖」と呼ばれるものがありますが、こちらは普通の黒糖に比べて糖分が高いので、虫歯のリスクが高くなるでしょう。

下痢・腹痛になる

黒糖を過剰に食べると腹痛や下痢を引き起こすことがあります。サトウキビを煮詰めて作られた黒糖には、食物繊維やオリゴ糖が豊富に含まれています。

整腸効果があるとはいえ、これを食べ過ぎると体質によっては体調を崩すこともあるので、腸が弱い方は注意してくださいね。

《 ポイント 》

  • 血糖値が急激に上昇してインスリンが分泌される。
  • カロリーの過剰摂取により肥満や糖尿病などの引き金になる。
  • 「加工黒糖」は普通の黒糖より糖分が高く虫歯になるリスクが高まる。

黒糖の効果やメリット

ビタミンとミネラル

白砂糖に比べて栄養が豊富な黒糖は、デメリットだけではなくメリットもあります。

ビタミンやミネラルが豊富

黒糖には鉄やナトリウムをはじめカリウム、カルシウムそしてマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。中でもカルシウムは白砂糖の100倍以上ともいわれています。

また、ビタミンB1、B2、B6などが豊富なので、その効果を期待して普段使いの白砂糖から黒糖に切り替える人もいるようです。

このように、白砂糖やグラニュー糖よりも栄養価が高く、はちみつなどと比べてもビタミンやミネラルが優秀な砂糖です。

体のエネルギーになりやすい

黒糖は体のエネルギーになりやすく、疲労回復に大きな効果を発揮します。

黒糖も白砂糖も「ブドウ糖」と呼ばれる糖分ですが、黒糖には白砂糖にはない成分、「オフタコサノールが含まれており、体内へ素早く吸収されます。

また、疲労回復に効果があるビタミンB1は、スポーツをしている時や集中力が必要な時に、適量取り入れると良いでしょう。

低糖質でダイエット向き

黒糖はミネラルやビタミンなどの成分が含まれている分、白砂糖よりも糖質が若干低めです。砂糖を使って作る料理の場合、白砂糖から黒糖に切り替えることで、わずかですが糖質を抑えられるでしょう。

コクのある味わいが出せる

煮物や酢豚、蒸しパンなど、料理にコクを出したい時には白砂糖よりも黒糖がおすすめです。

黒糖は色がついているため、色の薄い料理には向きませんが、醤油や味噌を使った料理など料理全体の色合いに影響が及ばない範囲で使うと料理に深みやコクを出してくれます。

また、蒸しパンやあんこに黒糖を入れるなど、お菓子作りに用いると黒糖の豊かな風味が加えられてより深い味わいを楽しめますよ。

料理によっては、まれに相性が合わないものもあるので注意が必要ですが、ぜひ一度黒糖で甘味付けをして黒糖独特のコクと風味を味わってみてください!

《 ポイント 》

  • ミネラルが豊富でカルシウムは白砂糖の100倍以上。
  • 体内へ素早く吸収され疲労回復に効果を発揮する。
  • 白砂糖よりも糖質が若干低め。
  • 色合いに影響が及ばない料理に使ってコクや風味を出す。

黒糖と普通の砂糖の違い

黒糖と普通の砂糖

黒糖のデメリットをご説明してきましたが、黒糖と白糖の違いはなんでしょうか?

黒糖、白砂糖のどちらもさとうきびを原料として作られていますが、その製造方法で栄養素とミネラルに大きな違いがあるようです。

黒糖の製造方法はとてもシンプル

細かく刻んだサトウキビを搾り、その搾り汁に食用水酸化カルシウムを加えて釜で煮詰めて、水分を蒸発させて固めます。

そのため、黒糖にはサトウキビの栄養素やミネラルがそのまま残っていて、いろいろな味が混ざり合い濃厚でコクのある甘味が感じられます。

白砂糖はショ糖以外の成分を徹底的に取り除く

白砂糖は、サトウキビの搾り汁から作るのは同じですが、そこからさらに濾過(ろか)したり、お湯で洗ったり、活性炭などを使ってショ糖以外の成分を徹底的に取り除く作業が加わります。そして、遠心分離機にかけてショ糖の結晶を取り出したのが白砂糖です。

白砂糖の成分ほとんどがブドウ糖(カロリー)なので、甘さに雑味が無く繊細な味料理やお菓子の甘味付けに向いています。

このようにして精製された白砂糖は、日本でもっとも一般的に使われているお砂糖です。

《 ポイント 》

  • 黒糖にはサトウキビの栄養素やミネラルがそのまま残っている。
  • ショ糖以外の成分を徹底的に取り除いた白砂糖は繊細な味の料理に向いている。

最後に

黒糖

デメリットの理由を5つ紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

白砂糖やはちみつなどと比べてビタミンやミネラルが豊富な黒糖には、メリットばかりでなくデメリットもあるんですね。

黒糖は料理に深みやコクをプラスしてくれますが、その一方で、食べ過ぎると血糖値が上がり、体に悪影響を及ぼしてしまいます。

食べやすい分、カロリーオーバーになり肥満の原因にもなるので、栄養価に優れているからと言って食べ過ぎは厳禁だということですね!

また、繊細な日本料理やお菓子作りには向きませんが、煮込み料理に入れれば料理に深みやコクをプラスしてくれるので、黒糖の性質を把握してバランスよく取り入れてみましょう!

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