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年末に大掃除するのは日本の伝統的な風習
皆さんは毎年、年末に大掃除をする習慣はありますか。また、今年はいつから大掃除を始める予定ですか。
年末に大掃除をするという風習は、日本では伝統的に受け継がれており、その歴史は平安時代まで遡るというから驚きです。当時は宮中行事として毎年年末に行われており、宮中全体をきれいに掃除するだけでなく、厄払いの意味合いが強かったと言われています。
そして、一般庶民に大掃除が定着したのは江戸時代でした。しかし、この頃は掃除用具も今ほど機能性は高くありませんし、種類も多くありません。また掃除の方法も違ったりお正月に向けて準備するものが多かったりと、今よりも大変だったと言います。
このように年末に行われる大掃除には古い歴史があり、それが今の日本でも受け継がれているのです。そう考えると、すごいことだと思いませんか。
『大晦日に大掃除をする』は誤解…大きな間違いだった!
年末に行われる日本の伝統行事でもある『大掃除』。大掃除に関して「大晦日に大掃除をするもの」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
しかし、実は大晦日に大掃除をするというのは大きな誤解です。むしろ、昔は大晦日には大掃除をしてはいけないと言われていたのです。
『大晦日に大掃除をする』がNGな理由とは?
なぜ大晦日に大掃除をしてはいけないのでしょうか。これは平安時代に行われていた『大掃除(煤払い)』に由来しています。
もともと大掃除は宮中をきれいに掃除するだけでなく、厄払いの意味合いが強い儀式の一環でした。この『煤払い』というのは、悪霊や厄を落とすことで、歳神様を清潔な状態でお迎えする準備だったのです。
そのため、歳神様をお迎えする1年の終わりである大晦日には、すでに煤払い、つまり大掃除を終わらせておかなければいけません。
歳神様がご家庭にやってきた時、家の者たちがバタバタと忙しそうに大掃除をしていたら…居心地が悪いですよね。これが大晦日に大掃除をしてはいけない理由です。
大掃除はいつからいつまでにするべき?
大晦日に大掃除をしてはいけない理由がわかったところで、大掃除は具体的にいつからいつまでに行うべきなのでしょうか。
縁起を考えると、昔の人は忌み数でもある9がつく12月29日は避けていたと言われています。
また、江戸時代には12月13日が「鬼宿日」と言われる婚礼に関わる事柄以外はすべてが上手くいく日、いわゆる大吉日であると考えられていたため、12月13日に大掃除を始めるのが一般的だったと伝えられています。
したがって、昔からの風習を取り入れて考えるのであれば、12月13日から12月28日の間に大掃除を行うのが伝統的な大掃除期間と言えるでしょう。
年末の掃除は計画的に、少しずつ行うのがベスト
しかし、そうは言っても平安時代や江戸時代とは現代の状況が全く異なります。女性も社会進出を果たし仕事をするようになっていますし、宮中のように多くの女中がいるわけではありません。
男女共に子育て、家事、仕事を並行して行わなければいけないため、12月13日からでは間に合わないというご家庭も多いでしょう。
そのため、無理に12月13日から始めず前倒しして始めることをお勧めします。実際、近年は多くのご家庭が12月に入ったタイミングで少しずつ掃除を進めており、中には11月から毎週末を利用して大掃除に取り掛かっているというご家庭も多いです。
新年を迎えるにあたって家全体をきれいにすることは簡単ではありません。そのため、なるべく早いうちから計画し、少しずつ進めていくのが現代の生活スタイルに合った大掃除術と言えるでしょう。
大掃除は28日までに終わらせて大晦日はゆっくり過ごそう
いかがでしたか。大掃除は想像していた以上に古い歴史を持つ伝統行事です。しかし、だからと言って平安時代と同じように大掃除を進める必要はありません。現代ではなるべく早めに大掃除に取り掛かり、12月28日までには終わらせ、大晦日は家族や夫婦でゆっくり過ごしましょう。