みかんは冷蔵庫に保存してはいけない?正しい方法について

普通のみかん

冬には安く出回るためついつい大量購入しがちなみかん。こたつで寛ぎながら食べる物として欠かせない冬の醍醐味ですが、全部食べきる前にカビが生え始めてしまった経験はありませんか?みかんはあまり保存方法について語られることが無いもの。そこで今回はみかんを少しでも長持ちさせる保存方法についてご紹介したいと思います。

記事の監修
管理栄養士、野菜ソムリエプロ

管理栄養士取得後、病院で1000人以上の食事サポート、栄養・給食管理を経験。現在は「食の力で、心身ともに”健幸”になり、彩り豊かな人生を自己実現できる社会を作りたい!」思いから独立しセミナーや個別サポートを行っている。その他、事業立ち上げ、商品開発、記事監修、特定保健指導、講師活動などを行っている。

みかんには、健康にも美容にも嬉しい栄養素がたくさん含まれています。ビタミンの中でも特にビタミンCの含有量が多く、免疫力を高めてくれる働きがあるため、冬の季節には風邪予防の効果があります。他にも、シミやそばかすの原因となるメラニン色素の原因となるチロシナーゼという酵素の働きを抑える働きもあるので、美肌作りにも欠かせません。そして、紫外線から皮膚や目を守る働きのある抗酸化作用のあるβ-クリプトキサンチンも豊富に含まれているので、冬だけと言わず夏の時期にも食べたい果物です。季節によって、みかんの保存方法を分けることで、新鮮なみかんを食べることが出来るので参考にされてくださいね。

みかんを冷蔵庫に入れるのはNG!

冷蔵庫の中に入れられたみかん

みかんを長持ちさせようとした時、真っ先に浮かぶのは冷蔵庫への保存。しかし実はそれはあまり良い方法とは言えません。

みかんは購入時でも活動を続けており、適温で保存しておくことでクエン酸を分解し続けることで甘みを増していくのですが、冷蔵庫に入れるとその活動が止まってしまいます。

みかんは1年を通して食べられる果実ではあるものの、安くなるのは旬の冬。つまり大量にまとめ買いして保存に頭を悩ませるのもほぼ冬なので常温が適温帯であることが多く、冷蔵庫よりも常温のほうがより適温に近い温度になっています。

またみかんの活動を阻害しないために通気性も必要とされており、空気が停滞している冷蔵庫ではその点でも問題があります。

みかんを冷蔵庫で保存するとどうなる?

みかんを剥く

みかんの保存方法を知らずに冷蔵庫に入れてしまうとどうなるのか、3点に分けてご説明します。

乾燥でカサカサのカチカチに

冷蔵庫は中に入れた物の水分が奪うため、みかんはあっという間にシワシワに干からびてしまいます。

いつまでも酸っぱいまま

ミカンは常温で呼吸をしてクエン酸を分解することで相対的に甘みを増します。しかし冷蔵庫に入れると適温から外れた低温によってそれが鈍ります。また水分が抜けていくせいでいずれその僅かな活動すらも停止し、酸っぱさが抜けなくなってしまうのです。

低音障害を引き起こす

3℃以下で低温障害を引き起こし糖度や酸味が抜け始め、1℃以下では油胞黒変症による変色が起こることも。またそれらによって傷んだミカンは腐りやすくカビの発生も引き起こします。

みかんを長持ちさせる正しい保存方法

大量のみかん

せっかく家にあるみかんをダメにしてしまうのはもったいないですよね?ここではみかんの適切な保存方法をご紹介します。

ヘタを下にして保存する

ミカンはヘタの切り口から水分が蒸発していきやすいので、逆さにして置くことで水分の出口を防ぎ乾燥を抑える事ができます。

保存する時はキッチンペーパーか新聞紙で包む

生鮮食品の保存に通気性はとても大事。みかんも例外ではなく、野菜を保存する時のように新聞紙で包むことでより腐りにくくすることができます。またこの際みかん一つ一つを個別に包んでおくことで、万が一カビが発生してしまったときに他のみかんまで巻き込まないようにできます。

冬は常温保存

みかんは購入時点でもまだ生きて呼吸をしており、その代謝よってクエン酸が消費されて酸っぱさが抜け、甘さを増していくことがわかっています。ですので、適温で保存することが味と賞味期限の延長を両立させるポイント。

肝心のみかんの適温ですが5~15℃とされていますので、冬であれば常温での保存まさしくその温度。暖房のある部屋や直射日光の当たる場所は避け、カビの発生を抑えて痛みにくくするためにも風通しの良い場所置いておくと良いでしょう。

夏は冷蔵庫もアリ

浜辺の冷蔵庫

夏になると気温が高くなり常温ではみかんの適温を軽く超えてしまうため、あっという間に腐ってしまいます。この場合は冷蔵庫に保存するほうがより長持ちします。

夏の気温上昇によっては冷蔵庫内の温度も上がり、みかんの適温になっていることは珍しくありません。この際水分が抜けてシオシオになるのを防ぐため新聞紙やキッチンペーパーに包んでおきましょう。

また冷蔵室よりもなるべく野菜室の方に保存すると良いです、これは冷蔵室と比べて野菜室のほうが1~2℃ほど高く設定されている事が多く、冷蔵庫に酔っては加湿機能が付いたものもあるのでよりみかんの保存に向いているからです。

重ねて置かない

みかんは大量購入した際ギュウギュウに箱や袋に詰められて居るものですが、家に持ち帰ってからはできるだけ早めに外に出してあげましょう。

当然ながら潰れてしまうとそこから腐食が進んでしまうためです。保存する際はなるべく上に物を置かないか、場所が無くてやむを得ずにみかん同士を積み重ねるにしても2段までとしましょう。

「みかんは揉むと甘くなる」と言われていますが、あれは破壊された組織を修復する際にクエン酸を消費して酸っぱさが抜けているためなので、食べる前にやる事です。保存を優先とすべき場合では無用にダメージを与えないようにしましょう。

痛みかけのものと一緒にしない

たくさん買ってくると選別が大変ですが、汁が出て水っぽい状態の物や痛みかけのものは一緒に入れないようにしましょう。他のみかんや他の野菜などにまで移ってしまうと一気にカビが繁殖してしまいます。

みかんは冷凍しても大丈夫?

冷凍されたみかん

みかんの冷凍保存は、実はとても良い方法です。

冷蔵庫だと低温により味が落ちてしまったり乾いたりと様々な弊害がおきますが、凍らせてしまえばその状態で固定でき、すぐに味が落ちることもが無いため美味しいままの長期保存が出来ます。

みかんの栄養素やビタミンCなどは冷凍することでは破壊されないのも冷凍保存がオススメの理由です。また冷凍みかんは日本人が昔から慣れ親しんだ食べ物ですし、シャーベット状で美味しく手軽に作れるデザートとして人気です。

通常みかんの賞味期限は常温保存で2週間から一ヶ月ほどと言われていますが、冷凍であれば一ヶ月~三ヶ月程度は美味しいまま食べることができるそうです。保存のみの目的であれば3ヶ月以上、1年もの長期保存ができたとの話もあります。

皮付きのまま冷凍する場合は?

冷凍保存での詳しい方法ですが、「皮付ききまるごとを凍らせる」場合は金属トレイなどの熱伝導率の良い物に乗せて素早く凍らせたら、一度水にくぐらせて再度冷凍してください。2度目の冷凍が終わったらフリーザーパック・ビニール・ラップの何れかで包んで保存します。

水で濡らすのは、みかんの外側に氷の被膜を作る事で乾燥を防ぐためです。解凍する際は自然解凍でも構わないのですが、流水にさらしておくかお湯にくぐらせるなどすると皮が取れやすくなります。

皮を剥いて冷凍もあり!

「事前に皮を剥いて小房に分けてから凍らせる」方法もオススメで、こちらは小房に分けた後金属トレイに乗せて凍らせたら、そのままフリーザーパックに入れて密封すればそれで完了です。凍ったままをそのまま食べられるため手軽で、場所も取らないためとても便利です。

薄皮などをそのままにしても良いのですが、デザートやヨーグルトにちょっと足して食べるなどの場合は食感がきになるので、白いスジや薄皮もすべて取り去ってから冷凍した方が、手間はかかる物のより使いやすくて口当たりも良くなります。

そのまま食べるから気にならないという場合は白い部分に高い栄養素があることが知られていますので、そのまま冷凍したほうが良いでしょう。

みかんはたくさん買っても大丈夫!適切な保存で長く楽しもう

みかんの皮を剥く子供

たくさん買って来てはそのいくらかを腐らせてダメにしてしまいやすいみかんですが、適切な保存方法を心がければほとんど捨てる事無く1ヶ月、冷凍も含めれば3ヶ月も保たせることができワンシーズンしっかり乗り切ることができます。

もちろん新鮮なうちにすべていただくのがオススメですが、それでも追い付かない分はこの保存方法を上手く活用してみて下さい。

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