秋刀魚に赤い虫を見つけた時の対処法!食べても大丈夫?

さんま

秋の味覚として愛されている秋刀魚に赤い虫を見つけた時、みなさんはどうしていますか? 日本人は魚を生で食べることが多いのですが、この赤い虫はいったい何なのか!?それを食べても大丈夫なのかをご紹介します。安心して秋刀魚を食べることができるように、赤い虫の正体とその他の寄生虫について、そして秋刀魚の内臓の取り方をお伝えします。

秋刀魚に赤い虫を見つけたら

さんまの刺身

秋刀魚を食べようとしたときに、赤い糸のような虫がついているのを見つけたことはありませんか?

その赤い寄生虫のようなものを間違って食べてしまったとしたら、体に害はないのか不安になってしまいますよね。秋刀魚についている赤い虫のような物体について、2つのことが考えられますので、それぞれ解説していきましょう。

赤いヒモ状のものは「ラジノリンクス」

秋刀魚の内臓についている赤いヒモ状の正体は、「ラジノリンクス」という寄生虫です。秋刀魚の肛門からはみ出していることもあります。

ラジノリンクスは、秋刀魚やかつお、さばなどの腸管内に寄生し、内臓の中で見られる他、肛門から出ていたりもするのですが、人体に寄生することはありません。

とはいえ、気持ち悪く感じるのであれば取り除いてから食べるとよいのですが、完全に取り除くのは困難でしょう。

秋刀魚が食べたオキアミ

オキアミ

秋刀魚の内臓についている赤い物体の正体は、秋刀魚が食べた未消化の「オキアミ」の色素です。オキアミとは、魚釣りの餌として使われるエビのような容姿をしたプランクトンで、秋刀魚にとってのご飯です。

釣りをしたことがある方はご存じですよね。このオキアミは、魚肉ソーセージの原料として使われていた時代もあったようで、私たちが口にしても問題はありません。

《 ポイント 》

  • 赤いヒモ状の正体は、ラジノリンクスという寄生虫。
  • 内臓についている赤い虫のようなものは、秋刀魚が食べた未消化のオキアミの色素。

秋刀魚の赤い虫は食べても大丈夫?

魚寄生虫イラスト

秋刀魚の赤い虫が「寄生虫」ときくと、「怖い」「気持ち悪い」と思ってしまいますが、養殖でない天然の魚には寄生虫がつきものです。

その全てが危険なわけでは無く、秋刀魚の赤い虫は無害です。注意が必要な寄生虫はごく一部に限られています。

ラジノリンクス(赤虫)という寄生虫

秋刀魚の内臓に寄生する「ラジノリンクス」という寄生虫は、体長が2~3cmあり、秋刀魚以外にも、さばやかつおなどの青魚では珍しいものではありません。

ほとんどの秋刀魚に寄生しているのですが、人に寄生することはないので心配いりません。無害なので食べても大丈夫です。

色が鮮やかなため、食べる時に目につきやすく不快感を与えてしまうのですが、加工するときに完全に取り除くのは困難なのが現状です。生でも加熱した後でも赤い色をしていますが、生で食べてしまうとのどに引っかかる感じがあるので気を付けてください。

《 ポイント 》

  • 秋刀魚に寄生する赤い虫「ラジノリンクス」は人に寄生しないので食べても心配ない。
  • 加工時に赤い虫を完全に取り除くのは困難。

秋刀魚の寄生虫の種類と注意点

アニサキス

秋刀魚に潜む寄生虫にはラジノリンクスの他にもいくつか種類がありますので、安心して食べるための注意点をご紹介します。

サンマヒジキムシ

秋刀魚の赤い虫以外でよく見られるのが、黒い紐のような形をした寄生虫「サンマヒジキムシ」です。別名「ペンネラ」とも呼ばれ、見た目はひじきのように体が細長く、黒くて長いしっぽがついているような形状をしています。

秋刀魚の身体の中に頭部を突っ込んで寄生し、体のほとんどが秋刀魚の身体の外に飛び出しています。体長は7cm~10cmあり、大きいので目につきやすいのが特徴です。店頭に並べる前にチェックしているようですが、見逃されて残っている場合もあるようです。

人体には寄生せず食べても害はありませんが、サンマヒジキムシを見つけたらピンセットや毛抜きでゆっくりと引っ張って取り除きましょう。

サンマウオジラミ

秋刀魚のお腹の側面あたりに寄生するサンマウオジラミは、体長4~6mmほどの大きさです。

漁の最中に自然に剥がれ落ちてしまうので、お店に並ぶ時にはほとんど残っておらず、サンマウオジラミ自体をみることはほとんどないようです。

もし残っていたとしても、表面に着いているので簡単に取り除くことができます。ところで、黒っぽい穴が開いている秋刀魚を見たことはありませんか?それこそが、サンマウオジラミが寄生していた痕跡です。

サンマウオジラミが秋刀魚を食べた跡が穴となって残っているというわけです。サンマウオジラミは人体に寄生しませんので、食べてしまっても問題はありません。

アニサキス

寄生虫の中で一番メジャーなのが「アニサキス」です。サンマヒジキムシやサンマウオジラミは人体に害のない寄生虫でしたが、アニサキスは注意しなくてはいけない寄生虫で、サバや鮭、スルメイカなどの魚類にも寄生しています。

体長が2~3cm、幅は0.5~1mmの白色の少し太い糸のような見た目をしています。刺身やたたきなど生で食べて、アニサキスが原因で食中毒になった人のニュースを目にすることも珍しくありません。

この生きたアニサキスの幼虫が私たちの体内に入ると、胃壁や腸壁を傷つけ腹痛や倦怠感、強いアレルギー反応を引き起こすことがあるのです。

アニサキスの幼虫は、魚の内臓に寄生するといわれていますが、内臓の鮮度が落ちると筋肉などの他の部分に移動して潜んでいることもあるので「アニサキス」と聞くだけで怖くなってしまいますよね。

加熱処理、もしくは冷凍処理をして殺してしまえば人体への影響はありませんので、スーパーで生食として販売されているものは冷凍処理をしてあります。人体に寄生することはありませんが、一度でも、アニサキスに当たってしまった人は気を付けなくてはいけません。

アニサキスが、アレルゲンになり症状が出る可能性が少なからずあるようで、胃痛・嘔吐・ジンマシンなどの症状が現れます。

そのようなことから「アニサキス=怖い」のイメージが強いようですが、適切な処理と知識があれば、それほど怖がる必要はありません。適切な処理をした秋刀魚を美味しく食べましょう。

《 ポイント 》

  • サンマヒジキムシとサンマウオジラミは人体に害のない寄生虫。
  • アニサキスが体内に入ると、胃壁や腸壁を傷つけ腹痛や倦怠感、強いアレルギー反応を引き起こす。

秋刀魚の赤い虫は缶詰にいることもある

秋刀魚の缶詰

秋刀魚の赤い虫は、秋刀魚やかば焼きの缶詰にも入っていることがありますが、こちらは食べても大丈夫なのでしょうか?

先ほど解説したように、生きたアニサキスを食べると食中毒や強いアレルギー反応を引き起こすことがありますが、加熱処理をしてある缶詰の中では生きられません。

缶詰を製造する際の内臓除去の工程で除去されているのですが、一部が除去しきれず残ってしまったケースもあります。生きていないアニサキスでしたら食べても人体には影響はありませんので安心して食べてください。

《 ポイント 》

  • 加熱処理をしてある缶詰の中ではアニサキスは生きられないので食べても影響はない。

秋刀魚の内臓の取り方

秋刀魚のさばき

全ての秋刀魚に赤い虫やアニサキスがいるわけではありません。できるだけ新鮮な秋刀魚を購入して、アニサキスの幼虫が身に移動しないように早めに内臓を取り出しておきましょう。

秋刀魚の内臓はお腹をさばかなくても、簡単に取ることができますよ。

<秋刀魚の内臓の取り方>

  1. 頭の部分に切れ込みを入れる
    秋刀魚の頭を左に向けて背を上にしてまな板に置き、エラのあたりに包丁がくるように、切り込みを入れます。頭を切り落とさないように、骨に到達した手応えがあったところで止めます。
  2. 肛門からお腹にかけて切れ込みを入れる
    秋刀魚のお腹側にある小さな穴が肛門です。この穴の少し手前(頭側)に包丁をあて、1cmほど切れ込みを入れると、後の作業で内臓がするすると取り出しやすくなります。
  3. 頭としっぽを持ちゆっくり引っ張る
    頭としっぽを持ったら、ゆっくりと両サイドに引っ張ります。お腹をさばかなくても、頭に内臓がくっついたまま抜けてくるので、手やまな板を汚さずに済みます。

最後に

さんま

秋刀魚に赤い虫を見つけた時の対処法を紹介しました。思った以上に寄生虫がいることに驚かれたかもしれませんね。秋刀魚だけに限らず、魚介類のほとんどに寄生虫は潜んでいるそうで、寄生虫がいない魚の方が珍しいようです。

体に害はないのがほとんどなので、あまり神経質にならなくてもいいのですが、「アニサキス」は体内に入ると、胃壁や腸壁を傷つけ腹痛や倦怠感、強いアレルギー反応を引き起こすので注意してくださいね。

今回の記事を参考にして、正しい知識を持って対処すれば秋刀魚は怖くありません。食べても害がないかどうかを確認するには、まずは寄生虫の種類と寄生虫による悪影響について把握しておくことが大切です。

秋刀魚の旬は短めで、最も美味しい秋刀魚が食べられる時期は9月から10月のおよそ1か月ほどです。脂がのった秋刀魚には、DHAやEPAという不飽和脂肪酸がたっぷり含まれていますので、アニサキスに注意しながら、秋刀魚を美味しくいただきましょう。

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