ニスの落とし方!油性・水性それぞれの違い、床・手・服に付いた場合の対処法などを解説

塗料の入った容器を持つ手(ゴム手袋)とハケ

ニスには水性と油性があり、それぞれ落とし方が違います。また、ニスが付いた素材によっても落とし方が違います。服・手・床に付いたニスの落とし方、木材・コンクリート・プラスチック・タイルに付いたニスの落とし方、ハケ・筆に付いたニスの落とし方を分かりやすく解説します。

ニスの種類と落とし方の違い【水性・油性】

木材にハケでニスを塗る様子

大人の方のDIYや子供さんの工作などで使われることの多い「ニス」は、作品を美しく仕上げることができるアイテムです。しかし手に付きやすく、誤って服・床・壁・家具などに付けてしまうこともあります。

また扱いやすい塗料ではありますが、付いてしまうと落としにくい場合があります。まずは、お使いのニスが水性なのか油性なのかをご確認ください。

水性の場合

水性のニスは、比較的落としやすいです。石鹸・洗濯洗剤・ニス薄め液などで落とすことができます。自宅にあるものを使って、落とすことができる可能性があるため、子供さんの手や服に誤って付いてしまったニスも、安全に落とすことができる場合があります。

油性の場合

油性のニスは、比較的落としにくいです。除光液・ベンジン・シンナーなどの薬剤を、使用して落とさなければならない可能性があります。強烈なニオイを発する薬剤もありますし、室内での使用には十分に注意し、換気を行いながら使用する必要があります。

また、ニスを落とすために薬剤を必要とする場合、子供さんが使用する時は必ず大人の方が付き添わなければなりません。

誤って付いたニスの落とし方【服・手・床】

白い服のシミを手洗いする様子

服に付いた『水性ニス』の「洗濯洗剤(液体)」を使った落とし方

服に付いた水性ニスは、洗濯洗剤を使って落とすことができます。水性ニスが付いてしまった部分に、洗濯洗剤の原液を数滴落とします。指で叩くようにして洗います。もみ洗いをしても良いです。水ですすぎ洗いをし、水性ニスが落ちたかどうか確認し、後はいつも通り洗濯します。

水性ニスが服に付いてから時間が経ってしまった場合には、頑固な汚れも落とせる部分洗い用の洗濯洗剤を使うのがおすすめです。

服に付いた『油性ニス』の「シンナー」または「ベンジン」を使った落とし方

服に付いた油性ニスは、シンナーまたはベンジンを使って落とすことができます。どちらも落とし方の手順は同じです。

油性ニスが付いた服の裏側に当て布をします。別の布にシンナー、またはベンジンを染み込ませ、叩くようにして油性ニスを落とします。シンナーもベンジンも揮発性が高いため、すぐに乾燥してしまいます。

少量ずつ布に染み込ませ、油性ニスが落ちるまでトントンと叩くのを繰り返します。落ちた後は自然乾燥させるだけでも良いですし、いつも通り洗濯しても良いです。

シンナーには、油性ニスを溶解して液状化する働きがあり落としやすいです。ただし、人の体には悪影響を及ぼす危険性のある薬剤です。シンナー、またはベンジンを使用する時は、窓を二カ所以上開けて常に換気をし、ゴム手袋とマスクを着用しましょう。

制服や大切な衣類に付いたニスの落とし方

子供さんの制服や大切な衣類にニスが付いてしまった時は、すぐにクリーニング店に持って行きましょう。水性ニスなのか、油性ニスなのかを伝えると良いです。自分で落とそうとすると傷めてしまいやすいため、自宅で洗剤や薬剤を使って落とすことはおすすめしません。

手に付いた『水性ニス』の「石鹸」を使った落とし方

手に付いた水性ニスは、石鹸を使って落とすことができます。ただし、手に付いてからすぐに石鹸を使って洗い落す必要があります。

時間が経ってしまうと水性ニスが固まってしまい、石鹸でただ手を洗うだけでは落としにくくなってしまいます。爪を使ってゴシゴシ洗いすると、手荒れの原因になりますのでご注意ください。

もしも時間が経って固まってしまった時は、ぬるま湯を使って落としてみてください。水よりも落としやすくなります。固まってしまった水性ニスは、一度では落としきれないことがありますが、何度か石鹸を使って手を洗ううちに、いつの間にか落ちていることがあります。

手に付いた『油性ニス』の「除光液」を使った落とし方

手に付いた油性ニスは、除光液を使って落とすことができます。除光液の主成分である、アセトンという成分が油性ニスを溶解する働きがあります。コットンやティッシュに除光液を染み込ませ、手に付いた油性ニスを拭き取ります。

時間が経って固まってしまった場合には、綿棒に除光液を染み込ませ、油性ニスが付いた部分を優しく擦るように落としてみてください。落とした後は、手を石鹸などで十分に洗ってください。

床に付いた『水性ニス』または『油性ニス』の「ニス薄め液」を使った落とし方

工作用のニスをうっかりフローリングに落としてしまった時は、水性ニスも油性ニスもニス薄め液を使って落とすことができます。ニス薄め液には、「水性用」と「油性用」があります。お使いのニスが水性なのか、油性なのかを必ず確認してから使用してください。ホームセンターで購入することができます。

ニス薄め液をフローリングに使用した場合、フローリングのツヤ出しなどのワックスも落としてしまうことがあります。再びワックスを塗って仕上げてください。

素材別のニスの落とし方【木材・コンクリート・プラスチック・タイル】

茶色い三枚の紙ヤスリ、サンドペーパー

木材に付いた『水性ニス』または『油性ニス』の「紙ヤスリ」を使った落とし方

木材に付いたニスは、紙ヤスリ(サンドペーパー)を使って落とすことができます。付いてしまったニスのみ、上手く落とすことができれば良いのですが、木材に塗られている塗料を一緒に削り落としてしまったり、木材そのものを削ってしまうことがあります。少しずつ、慎重に削るようにしてください。

コンクリートに付いた『水性ニス』の「水」を使った落とし方

コンクリートに付いた水性ニスは、水で洗い落とすことができます。ただし、付いてしまってからすぐに水を流しながら、擦り洗いする必要があります乾いてしまった場合には、水性専用のニス薄め液または剥離剤を使用してみてください。

コンクリートに付いた『油性ニス』の「ニス薄め液」を使った落とし方

コンクリートに付いた油性ニスは、油性専用のニス薄め液、または、剥離剤を使って落とすことができます。ただし、コンクリートに付いた油性には落とすことが非常に困難です。落としきれない可能性があります。

プラスチックに付いた『水性ニス』の「除光液」を使った落とし方

プラスチックに付いた水性ニスは、除光液を使って落とすことができます。コットン・ティッシュ・綿棒などに除光液を染み込ませ、水性ニスが付いた部分を拭き取ります。仕上げに水拭きをしてください。

ただし使用する除光液によっては、プラスチックを白く変色させてしまう可能性がありますので、ご注意ください。変色することを心配される場合には、次にご紹介するニス薄め液を使った落とし方をおすすめします。

プラスチックに付いた『水性ニス』または『油性ニス』の「ニス薄め液」を使った落とし方

プラスチックに付いたニスは、ニス薄め液を使って落とすことができます。ニス薄め液には水性専用と油性専用がありますので、落としたいニスの種類に合わせて購入してください。

タイルに付いた『水性ニス』の「除光液」を使った落とし方

タイルに付いた水性ニスは、除光液を使って落とすことができます。コットン・ティッシュ・綿棒などに除光液を染み込ませ、水性ニスが付いた部分を拭き取ります。仕上げに水拭きをしてください。

タイルに付いた『水性ニス』または『油性ニス』の「ニス薄め液」を使った落とし方

タイルに付いたニスは、ニス薄め液を使って落とすことができます。ニス薄め液には水性専用と油性専用がありますので、落としたいニスの種類に合わせて購入してください。

道具に付いたニスの落とし方【ハケ・筆】

刷毛(ハケ)、白い背景

ハケや筆に付いた『水性ニス』または『油性ニス』の「中性洗剤」を使った落とし方

ハケや筆に付いたニスは、まずは布や紙を使ってできる限り拭き取ります。そして、ハケや筆に中性洗剤の原液を数滴付けます。根本からしっかりもみ洗いをします。泡立ちにくくても気にしなくて良いです。一度、流水で洗い流してみましょう。

ニスを落としきれていない場合には、もう一度中性洗剤を数滴付けてもみ洗いします。ニスが落としきれるまで繰り返し行ってみてください。ニスを落とせたら、洗剤のすすぎ残しがないように十分に流水で洗い流してください。そして、十分に乾燥させてください。

ハケや筆に付いたニスが乾燥してしまった場合

もしもハケや筆にニスが付いたまま放置してしまった場合、少し乾燥してしまった程度であれば、ニス薄め液や剥離剤を使って落とすことができる可能性があります。

放置してから時間が経ってしまい、ニスがカチカチに乾燥してしまった場合、ニス薄め液や剥離剤を使っても、完全には落としきれないことがほとんどです。新しくハケや筆を購入しなければならない可能性が高いです。

最後に

ヘアブラシとオイルで木製のテーブルのグレージング

ニスの落とし方は、水性ニスと油性ニスとで違います。手・服・床に付いたニスの落とし方、木材・コンクリート・プラスチック・タイルに付いたニスの落とし方、ハケや筆に付いたニスの落とし方をそれぞれ解説しました。

ニスを塗る時に使用するハケや筆には、油性ニスに適したもの・水性ニスに適したものがあります。ハケや筆の手に持つ部分に、水性ニス用または油性ニス用と書かれています。使用するニスに適したものと異なるハケ、または筆を使用してしまった場合、固まりやすくなってしまいます。これから購入される予定があれば、ぜひご参考ください。

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