ごぼうは食べ過ぎるとどうなるの?腹痛や胃痛になる理由や食べる量の目安を紹介

カットごぼう

食物繊維が豊富で健康のためにたっぷり食べたいごぼう。ただしごぼうを食べ過ぎてしまった場合、お腹がはるなど体調への影響があることも。今回はごぼうを食べ過ぎた場合の影響や、「どのくらい食べたら良いのか?!」について紹介します。

記事の監修
サステナブル料理家

都内のイタリア料理店数店舗で勤務後、大手レストラン企業本部スタッフ。2016年開業後はガス会社料理教室講師やCSRイベント講師等。現在はレストラン商品開発、レシピ提供、BtoB案件、ご家庭向けの簡単SDGsを伝える活動等を展開。Healthy Beauty Ecology なサステナブル・クッキングを展開。SDGsを取り入れた簡単おうちコンシャスごはん。日本茶アンバサダー。趣味は日本茶ペアリング

ごぼうを食べ過ぎるとどうなるの?

お腹が痛い女性

ごぼうは食物繊維が豊富な野菜です。その含有量は、根菜類の中でもトップクラス。

また、ごぼうには水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方がバランス良く含まれています。水溶性食物繊維は果物類、海藻類、野菜類などに多く含まれる食物繊維で、糖質の吸収をゆるやかにして食後血糖値の急激な上昇を抑えたり、コレステロールを吸着し体外に排出させるはたらきなどがあることから、様々な生活習慣病の予防に効果があるといわれています。

不溶性食物繊維は穀類、いも類、野菜類などに多く含まれる食物繊維で、便のカサを増して腸壁を刺激することで腸のぜん動運動を活発にし、便通を促進します。また、食物繊維は腸内の善玉菌のエサになりその増殖を助け、結果として腸内環境を整えることに繋がります。

そのため、食物繊維をたっぷり含むごぼうを食べることで

  • 便秘の解消
  • 成人病の予防
  • 便秘に関連する不調の緩和

などへの良い影響が期待できますが、いくら身体に良いからと言って、ごぼうを仮に食べ過ぎた場合、次のような不調の原因となってしまうことも。

ごぼうの食べ過ぎでお腹がはる、痛くなる

昔から「さつまいもを食べるとおならが多くなる」といわれるように、食物繊維をたっぷり含んだ食べものはガスの量を増やすといわれているので大量摂取には注意が必要です。

ガスが溜まってしまうとお腹が張ってしまい痛くなることがあります。

食物繊維の摂り過ぎで逆に便秘がひどくなることってある?

便秘の予防に効果的な食物繊維ですが、なんでもかんでも摂ればいいというわけではなく、効果的に作用を得るには2種類のバランスが大切です。

(例えば、もともとひどい便秘の人が、便のカサを増す作用のある不溶性食物繊維を摂りすぎてしまうと、便秘が悪化してしまう可能性があるので注意が必要です。)

食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、水溶性食物繊維は水分を保持し便にうるおいを与え
不溶性食物繊維には便のカサを増す作用があります。

ごぼうに含まれる食物繊維は

  • 水溶性食物繊維 2.3g
  • 不溶性食物繊維 3.4g

2種類の食物繊維がバランス良く含まれています。

ごぼうの食べ過ぎでおならが出やすくなる

食物繊維が豊富なごぼう。食物繊維をたっぷり含んだ食べものは腸内で発生するガスの量を増やすといわれており、おならが出やすくなることが考えられます。

おならが出ると恥ずかしいと思ってしまうかもしれませんが、ごぼうを食べて出るおならはそれほど臭うことはありません。

これはごぼうに含まれている食物繊維をエサに増える善玉菌が多いとでるおならが、においのないおならだからです。食物繊維をじょうずに摂って善玉菌を効果的に増やし、より良い腸内環境づくりに努めたいですね。

ごぼう×ダイエット

ごぼうとダイエットとの相性はどうでしょうか。ごぼうは噛み応えがあり、よくかむことが必要なため早食いや食べすぎが防げます。また、腹持ちが良いので、間食を減らすことにも繋がります。

ただし、糖質は100gあたり9.7g※¹ 含まれているため、糖質制限ダイエットをしている人は、食べ過ぎに注意が必要です。

※¹日本食品標準成分表2015年版(七訂)に記載の炭水化物量より食物繊維総量を差し引いた値を記載

《 ポイント 》

  • ごぼうは食物繊維が豊富な野菜で水溶性・不溶性の2種類の食物繊維がバランスよく含まれているため、効率的にバランス良く食物繊維が摂取できる。便秘には2種類の食物繊維をバランス良く摂取することが大切。
  • ごぼうを食べ過ぎた場合には、お腹が痛くなってしまったり、下痢や便秘がひどくなってしまったり、おならが出やすくなってしまうことがあるので、食べ過ぎに注意する。
専門家による補足

美容に関連して…ごぼうに含まれるポリフェノールの一種に「クロロゲン酸」があります。コーヒー豆などに含まれるポリフェノールで、様々な健康効果が期待出来るほか、美肌やアンチエイジングなど美容効果も期待できるといわれています。
この「クロロゲン酸」をムダなく摂取するためには、
・皮付近にクロロゲン酸が多く含まれるため、むかずに泥をこすり洗いして使うと良い
・あく抜きなどで長時間水にさらすと、クロロゲン酸も流れ出てしまうので注意。蒸したり、汁ものにして汁ごといただくのがおすすめです。

サステナブル料理家 佐々木綾子

ごぼうを食べる時の量の目安

ごぼうの食物繊維イメージ

厚生労働省が策定の「日本人の食事摂取基準」(2020年版)によると、食物繊維の一日の摂取目標量は以下の通りです。

  • 成人女性 18g以上
  • 成人男性 21g以上

ところが実際の摂取量は一日約5g程度不足している状況です。

仮に不足分の5gをごぼうで摂るとしたら、生の状態で「87g」ということになります。一本230g程度のごぼうなら、約1/3本。それなりのボリューム感です。

ごぼうを食べる量の上限などはありませんが、食物繊維がたっぷり含まれており、不溶性食物繊維には便のカサを増して腸壁を刺激するはたらきがあるため、お腹が敏感な方や、便秘のひどい方は様子をみながら食べる量を加減してみてください。

また、サプリメントや、食物繊維が含まれる栄養補助食品も同時に摂取した場合には、手軽に摂取出来るため気が付いたら過剰摂取となる場合があります。
上記の食物繊維の摂取目標量は、食べものから摂取した場合の目標値です。
食べものから摂取した場合、食物繊維以外にも含まれる色々な栄養素が同時に摂取できるので、食べものから食物繊維を摂ることがおすすめです。

専門家による補足

ごぼうをたっぷり食べたいときにおすすめな調理法は「蒸す」こと。10㎝長さ程度の棒状に切ったものなら、蒸気があがった蒸し器で20分程度蒸すことで「ポクッ」とした柔らかい食感になります。生姜醤油に漬けてからフライにすると美味しいですよ。子どもも沢山食べてくれます。

余談ですが、食品成分表によるごぼうの廃棄率は10%。それ以上は「過剰摂取による食品ロス」ということ…
これを実際やってみると、ごぼうの茎がついていた接続部分の固くて食べられないところや、先端部分を除くと「捨てる皮」はごく少量。ごぼうの皮にはポリフェノールがたっぷりな上に香りも良いので皮はごく薄くこそげるようなイメージで、ロスなく、成分も無駄なくいただきましょう。

サステナブル料理家 佐々木綾子

《 ポイント 》

  • 食物繊維の一日の不足分約5gをごぼうで補うとしたら、約87g!1本約230gのもので約1/3本分となります。

ごぼうの食べ過ぎに関するQ&A

きんぴらごぼう

Q.毎日ごぼうを食べてはだめですか?

A.毎日食べても問題ありません。日本人は1日あたり5g程度の食物繊維が不足しているといわれています。食物繊維が豊富な食べもので美味しく摂取しましょう。一度に大量に食べるのではなく、一定の量を毎日食べることがおすすめです。

Q.子供の場合のごぼうの量の目安はどのぐらいですか?

A.あくまで副菜のひとつとして、他のおかずとのバランスを見ながらいつものおかずの量に準じて加減してください。

ごぼうも含め、そのほか色々な食べものから、バランス良く食物繊維を摂取しましょう。
食物繊維を含む食べものは、一度に大量に食べるのではなく、一定の量を毎日食べることがおすすめです。

専門家による補足

蒸してからささがきにしてごぼうサラダにしたり、ピーラーで縦にスライスしリボン状にしてパリパリに揚げたり、食感や見た目を変えてあげると飽きずに美味しくいただけます。

サステナブル料理家 佐々木綾子
Q.きんぴらごぼうなど、調理したごぼうでも腹痛になりますか?

A.食物繊維の過剰摂取によりお腹がはったり、痛くなったりする場合があります。一度に大量に食べるのではなく、他のおかずとの兼ね合いをみながらバランスよく食べましょう。
<コメント>
きんぴらごぼうなど味のしっかりしたメニューの場合は、たくさん食べるとむしろ、「塩分」の摂りすぎになってしまうので注意しましょう。
カットを大き目にすると多少減塩できるほか、辛みや胡麻の香りを効かせるといつもより少ない調味料でも美味しくいただけます。

まとめ:ごぼうの食べ過ぎに注意しましょう

ごぼう料理

ごぼうには多くの食物繊維が含まれていて腸内環境を整えて便通を良くしてくれるなどの効果が期待できます。

また、ごぼうをたくさん食べると、おならがでやすくなってしまうことがありますが、においはほとんどしません。

食物繊維は豊富なごぼうを日々のごはんにこまめに取り入れて、美味しくヘルスケアをしましょう。

<参考資料>

  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」
  • 厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維の必要性と健康」
  • 厚生労働省e-ヘルスネット「食物繊維」
  • 厚生労働省e-ヘルスネット「腸内細菌と健康」
  • 文部科学省 食品成分データベース「検索」
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