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お風呂に入ると疲れるのはなぜ?
疲れを取るために気持ちよく湯船に浸かっていたのに、いざお風呂から出たらなぜかぐったり。疲れすぎて横になったまま、何もできなくなってしまった…ということってありませんか?
もしかすると「お風呂は疲れるから嫌い!」という方もいるかもしれませんね。
入浴後に疲れるのは、お風呂の入り方に問題があるようです。
お風呂に入る行為は、想像以上に体力が必要です。そのためお風呂の入り方を間違うと、疲れを取るどころか疲労の原因となり体の不調を招くことに。
ではさっそく、お風呂に入ると疲れる理由について見ていきましょう。
《 ポイント 》
- お風呂の入り方を間違うと、疲労の原因となる
- お風呂に入る行為は、想像以上に体力を消耗する
お風呂に入ると疲れる理由
お風呂に入ると疲れる主な原因として、以下の3つがあげられます。それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。
湯船に浸かる時間が長すぎる
湯船にしっかりと浸かると、体全体にほどよい水圧がかかり、下半身から徐々に血行が促進されてリンパの流れがスムーズに。筋肉もほぐれるので疲れが取れるはずなのですが、長時間湯船に浸かると血圧と心拍数が上がり、心臓に負担がかかってしまいます。
とくに高齢者や心臓に疾患を持つ方は、長時間湯船に浸かることで疲れやすくなり、体調を損ねる可能性も。長時間の入浴をした後は、健康な方であっても疲れを感じるでしょう。
また、女性のなかには半身浴を習慣にしている方もいるかもしれませんが、肩がお湯から出た状態で長時間過ごすことになるので、肩や首が冷えて血行不良の原因に。
その結果、入浴後に疲労を感じてしまうのです。半身浴をする場合は、肩にタオルをかけるなどして肩を冷やさないようにしましょう。
《 ポイント 》
- 湯船に浸かる時間が長すぎると、心臓に負担がかかる
- 半身浴は、場合によっては体を冷やし疲労の原因になる
お風呂に入る時間帯とタイミングが適切ではない
入浴後は副交感神経が高まるので、体も心もリラックス状態。お風呂に入る時間帯は、入浴後にゆっくりできる夕方以降の時間帯がベストです。
以下のタイミングでお風呂に入るのは、あまりよくありません。
- 朝起きた後
- 運動をした直後
- 食事をした直後
それぞれ詳しく見ていきましょう。
朝起きた後の入浴
朝入浴することで、これから活動するぞというときに気怠さを感じたり眠くなったりします。朝風呂を続けると、自律神経が乱れて自律神経失調症を招くことも。仕事にも身が入らなくなるので、朝の入浴はやめましょう。
運動後の入浴
運動後は、血液が筋肉に集中し酸素と栄養を補っています。運動後すぐにお風呂に入ると、筋肉に血液がうまく供給できません。
さらに水圧により毛細血管が収縮し、心臓への負荷がかかります。入浴時には心拍数が上がるため、心臓への負担を減らすためにも運動後すぐの入浴は避けましょう。
食事後の入浴
食事をした直後は、カロリーを消化するために胃に血液が集中しています。食事後すぐに入浴すると胃腸に集まるべき血液が体全体に回ってしまうので、消化不良の原因に。
入浴は食事の前に済ませておくのが理想的ですが、やむを得ず食事の後に入浴する場合は、1時間~2時間は食休みしましょう。
《 ポイント 》
- 朝や深夜の入浴は疲労を招く
- 運動後、食事後すぐの入浴はNG!
お湯の温度が高い
湯船に浸かって温まることで、温熱作用により血管が拡張し血流アップにつながります。しかし湯温が熱すぎると汗をかきすぎて体力を消耗し、心臓にも負担をかけることに。
41℃以上の熱いお湯に浸かったとしても、体の表面が温まるだけで体の芯から温まるわけではありません。それどころか、高温のお風呂に入ることで血圧が急上昇し、ヒートショックを起こす危険も。
また、美容やダイエットに良いとされる「塩風呂」にも要注意。塩風呂はぬるめのお湯が基本ですが、塩を加えることでかなり汗が出ます。
大量に汗をかくと体力を消耗するので、お風呂から出るころにはぐったり。体調がすぐれないときや疲れ気味のときには、塩風呂に入るのは控えたほうがいいでしょう。
《 ポイント 》
- 41℃以上のお風呂に入ると体に負担がかかる
- 塩風呂は汗をたくさんかくので、体力を消耗する
お風呂の正しい入り方
正しい方法でお風呂に入れば、疲れを感じることなくリフレッシュできます。入浴後に疲れないお風呂の入り方を見ていきましょう。
「夕方~夜8時」までに入浴するのがベスト
仕事の関係上難しいかもしれませんが、入浴の時間帯としてベストなのは夕方の日が暮れる前~夜の8時まで。夜8時を過ぎると、体は休息を求めはじめます。
入浴自体が体力を使う行為なので、入浴の時間が遅ければ遅いほど体に負担をかけてしまうのです。遅くとも、夜の10時までに入浴を済ませるように心がけましょう。
《 ポイント 》
- 疲れないためには、遅くとも夜の10時までにお風呂に入るようにする!
入浴は短時間で済ませる
湯船に浸かる時間が2分~3分程度でも、十分体は温まります。むしろ、体に負担をかけずに疲れを取るには、短時間の入浴がもっとも効果的です。
30分以上半身浴しないとすっきりしない…という方は、体力が有り余っているときや、次の日が休日のときだけにしたほうがいいですね。
長時間お風呂に入ることはデメリットの方が多いので、入浴は短時間で済ませましょう。
《 ポイント
- 湯船に浸かる時間は2分~3分でOK!
お湯の温度は38℃~40℃にする
基本的に、お風呂の温度はぬるめのほうが体に負担がかからず、風呂上がりにも疲れにくくなります。
お風呂のお湯の適正温度は、38℃~40℃です。熱いお湯のお風呂が好きな方もいるかもしれませんが、ちょっとぬるいかな、と感じるぐらいの湯温に設定しましょう。
入浴の前にかけ湯をすると、心臓にかかる負担を軽減できますよ。
《 ポイント 》
- お風呂に最適なのは38℃~40℃のぬるめのお湯!
- 入浴の前にかけ湯をすると、心臓にかかる負担が減る
お風呂を避けたほうがいい場合と注意点
入浴は本来体をいたわるはずの行為ですが、入り方を間違うと体に悪影響を及ぼします。場合によっては、お風呂に入るのを控えたほうがいいことも。
どんなときにお風呂を避けるべきなのか、詳しく見ていきましょう。
風邪で発熱しているとき
38度以上の高熱が出ているときにお風呂に入るのはNGです。発熱時は通常時よりも体が弱っているため、入浴によってかなり体力を消耗し疲れてしまいます。
また吐き気や下痢症状があるときに入浴すると、同居人にウイルスを感染させる恐れがあります。
風邪っぽくても、熱や頭痛といった症状がない場合はお風呂に入ってもOKです。入浴により体が温まることで免疫力アップが期待でき、早期回復につながります。
ただし、長く湯船に浸からずに5分ほどで上がるようにしましょう。くれぐれも湯冷めしないように注意してくださいね。
《 ポイント 》
- 38度以上の発熱時には入浴を避ける
- 吐き気や下痢、頭痛があるときには入浴しない
- 風邪のときでも無症状なら軽い入浴はOK!
病み上がりで元気がないとき
病気から回復して間もないときは、体力が万全ではありません。そのため、入浴によって再び調子を崩してしまうことがあります。高齢者はとくに注意が必要です。
無理に入浴せずに、蒸しタオルで足や体を拭くだけにしておきましょう。
どうしても病み上がりで入浴したい場合は、洗髪をせずにサッと湯船に浸かる程度にしてください。そして入浴後には、水分補給を忘れずに。寒い時期には脱衣所を暖房器具で温めておきましょう。
病気から回復したばかりでうつっぽい状態のときは、寝る1時間ぐらい前に入浴して就寝までの間にゆっくりリラックスすると、メラトニンの分泌が増えて次第に心が落ち着きます。
《 ポイント 》
- 病み上がりのときは、できれば入浴しない
- 病み上がりで入浴する際には、洗髪せずに短時間で済ます
妊娠後期の体調が不安定なとき
妊娠中は、普段よりも体調管理に気をつける必要があります。妊娠後期はかなりお腹が大きくなるので疲れを感じやすく、湯船に浸かるだけでお腹が張ったり、立ちくらみを起こしたりすることも。
熱いお湯に長時間入ることで、体力を消耗しやすく貧血を起こす可能性があります。体を温めるためにぬるめのお風呂に短時間浸かるのがベストですが、湯船に浸かるのがおっくうなときには、転倒に注意しながらシャワーを浴びるだけでも十分です。
《 ポイント 》
- 妊娠後期はお腹が大きいため、軽い入浴でも疲れやすい
- 無理に湯船に浸からず、シャワーだけでもOK
お酒を飲んだ後
お酒を飲んだ直後は、血中のアセトアルデヒド濃度が上がり血管が拡張します。その影響で低血圧になり、血圧維持のために交感神経が優位に。脈拍が早くなるので、このタイミングで入浴すると心臓に負担をかけることになります。
さらに酩酊状態で入浴すると、ケガや事故の危険性も。飲酒した後すぐにお風呂に入るのは、絶対にやめましょう。
《 ポイント 》
- 飲酒後の入浴は心臓に負担をかけるので危険!
- 酔った状態で入浴すると、ケガや事故のリスクがある
まとめ:正しい入浴方法で疲れをとろう!
お風呂にゆったり浸かると、とても気持ちがいいですよね。しかし長風呂をしたり熱すぎるお風呂に入ったりすることは、体に負担をかけ疲労を招く原因になります。
体調不良のときにも、無理にお風呂に入るのは禁物です。今回紹介した正しい入浴方法や注意点を参考にして、気持ちよくお風呂に入りましょう。