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お風呂場の窓は開けっ放しが正しい?
お風呂場の窓を開けっ放しにして乾燥させる方は少なくないようですが、はたして窓を開けっ放しにするだけでお風呂場の喚起はできるのでしょうか?
カビは高温多湿の場所を好むので、空気中の湿気や水分が多いお風呂場ほどカビは発生しやすくなります。そのため、お風呂場を換気して湿気がこもるのを避けることこそが、もっとも大切なことです。
そこで、以下のポイントを実践してみましょう。
換気扇がない場合は2つの窓を開ける
換気扇を使わずにお風呂の換気をする場合、お風呂場の窓を開けっ放しにして空気の通り道を作ることはどなたでも思いつきますよね。
窓を開けっ放しにして外の空気を取り込む方法で換気できますが、ただし、1ヶ所だけ開けても、取り込んだ空気を排出することができないので、効率よく換気がおこなえません。よって、空気の流れを作るためにもお風呂場の窓の他に、対角線上にある窓も開けることが重要なポイントになります。
対角線上に窓がない場合には、次の3つの方法で空気の循環を促し、換気扇なしでも効率よく換気を行いましょう。
- お風呂のドアと脱衣所の窓を開ける
- 扇風機をお風呂全体に向けて回す
- 一つの窓を、給気口用として半分、排気口用に半分開け、左右両側が開くようにする
換気扇があるお風呂場では、窓を開けて換気扇を稼働させる
換気扇がある場合は、お風呂を使っていないときでもできるだけ稼動させるようにしましょう。
浴室内の空気の流れを促し、効果的に換気を行なうことでカビの発生を抑える効果があります。また、窓を開けて換気扇を回すと、より一層効果的に換気することができます。
24時間換気システムが備えられているお住まいでは、住居全体の空気の循環を妨げないよう、常に稼働させていますが、さらにお風呂場の窓を開けることで、空気の循環を効率的に行えることでしょう。
《 ポイント 》
- 換気扇がない場合はお風呂場の窓の他に、対角線上にある窓も開ける。
- お風呂場の窓を開けて換気扇を回すと、より一層効果的に換気できる。
お風呂場の換気で窓の開けっ放しはNG?
お風呂場の換気をするには、窓を開けっ放しにした方がよいという説がある一方で、換気扇を稼働させる場合は、窓を開けない方がよいという考えもあります。
窓を開けっ放しにしただけでは床や壁の湿気はとれない
換気の基本は、お風呂場全体の空気を回すことです。
窓を開けっ放しにして換気しようとしても、窓まわりの空気が循環されるだけで、低い位置に空気は流れにくく、カビの発生しやすい床や壁の湿気はなかなか取り除くことができません。
換気扇を回した方が効率よく換気できるので、それがカビ防止にも繋がるのです。ドアにも同じことが言えます。
お風呂場の湿気を外に出すためには、室内にお風呂場の湿った空気が流れ出てしまわないようにドアを閉めて換気扇を回すのが正解です。
窓やドアを閉めた状態で換気扇を回せば、お風呂場全体をくまなく換気できるので、まずは、換気扇をつけて湿気を外に逃がし、その後で窓を開けっ放しにするとよいでしょう。
窓を開けて換気扇を回すと、外の湿気を吸ってしまう
湿度の多い空気をお風呂場から出して、湿度の低い空気を取り込む流れを作るようにすることがポイントなのですが、外気の湿気が多い時には、開けっ放しにしている窓から、逆に湿気をどんどん取り込んでしまいます。
窓を開ける必要がないということは、湿気の多い雨の日でも十分に換気ができるということなのです。
寒い季節は結露が発生する
外気が冷えている季節は窓を開けっ放しにすると、外の冷たい空気がお風呂場を冷やし結露を発生させてしまいます。湯気が結露になって壁を濡らしてしまい、お風呂場が湿った状態になってしまうのです。
《 ポイント 》
- お風呂場の窓を開けっ放しにしても低い位置に空気は流れにくい。
- お風呂場の換気扇で湿気を外に逃がしてから窓を開けっ放しにする。
- お風呂場の外気の湿気が多い時には、逆に湿気を取り込んでしまう。
- お風呂場の外気が冷えている季節は結露が発生する。
お風呂場を効率よく換気をする方法
24時間換気機能
最近の住宅は気密性が高い建物が多く、改正建築基準法の施行により、「機械換気設備の設置」が建築物に義務付けられました。その中の一つである「24時間換気システム」とは、気密性の高い住居内の空気がこもるのを防ぐための設備です。
通常の換気扇とは別に備えられた機能で、住居全体の空気を停止することなく常に換気することで、一時間に部室内の半分以上の空気が入れ替わるようになっています。
お風呂場や脱衣所に24時間換気システムが設置されている場合は、自動的に換気が行われています。
お風呂場のドアをきちんと閉める
使用した後は水蒸気が充満している状態なので、 お風呂場の窓やドアを開けっ放しにすると大量の湿気が室内に流れ込んでしまいます。お風呂場の中でしっかりと換気ができるよう、ドアはきちんと閉めた状態で換気扇を回しましょう。
お風呂場に湿気を溜め込まない
カビの繁殖を抑制するために、急激に高まったお風呂場の湿度を下げるには、お風呂から上がった後のちょっとした習慣で対応できます。
例えば、使用した後はバスタブのお湯を抜くというのもその一つでしょう。バスタブのお湯を一日限りで捨ててしまわずに、翌日も追い炊きして使うという方もいますが、これはおすすめできません。
水のシャワーでお風呂場を洗い流す。
お風呂からあがる直前に、冷たいシャワーを浴室全体にかけて洗い流すのも効果があります。バスタブや床、壁などがお湯で温まっている状態だと湿度が高くなり、カビが増殖しやすいのですが、そこに冷たいシャワーをかけると、湿度を低く抑えることができるのです。
壁や床の水をふき取る
換気扇がないお風呂場でも湿気がこもるのを防ぐ方法はあります。それは、浴室の使用後に壁や浴槽の水をふき取ることです。面倒に思われますが、さっと拭く習慣をつけることで湿気が長時間こもるのを防ぐことができます。
《 ポイント 》
- お風呂場の24時間換気システムとは、住居全体の空気を停止することなく常に換気する機能。
- お風呂場の 窓やドアをきちんと閉めてから換気扇を回す。
- お風呂場を使用した後はバスタブのお湯を抜く。
- お風呂場からあがる直前に、冷たいシャワーを浴室全体にかける。
- お風呂場の使用後に壁や浴槽の水をふき取る習慣をつける。
お風呂場の給気口は開けておこう
給気口の機能
空気を入れ換えるには、給気から空気を取り入れて室内の空気を外に排出することで成り立つ、ということが、お分りいただけましたね?
お風呂場では、換気扇で排気が行われますが、給気がなければ換気がうまくできないので、「給気口」が重要なポイントになります。
お風呂場の殆どのドアには、給気口となる「ガラリ」がついています。ガラリの開口は小さめにできているので、お風呂場の外の空気を吸い込み、その吸い込んだ空気が床、壁、天井へと流れていき換気扇から排出される仕組みです。
よって、換気扇を回す際には、給気口以外は密閉させることが浴室の換気効率を高めることにつながります。給気口が機能し、換気効率が上がれば床や壁が乾きやすくなるので、このことからも給気口がとても重要になってくるのです。
給気口がないドアの場合
最近の浴室には、給気口としてドアにガラリがついています。もしもガラリがついていないとしたら、ほんの少しだけドアを開けておき、浴室の外の空気を吸い込ませます。ただし、ドアを開けすぎるとお風呂場の換気効率が低下し、湿気を脱衣所に送ることになってしまいます。
また、ドアを開けすぎた状態で換気扇を回すと、ドア上部の空気ばかり吸い込むことになり、空気の流れが偏り、下半分が乾かないということになります。
つまり、ドアを給気口代わりにする際は、ほんのちょっとだけ開けるように注意しながら 換気扇を回せば換気効率を高められます。
《 ポイント 》
- お風呂場の換気扇を回す際は、給気口以外は密閉する。
- お風呂場にガラリがない場合は、ほんの少しだけドアを開けて給気口にする。
カビが発生しにくいお風呂場とは
カビが発生する条件は、
- 温度
- 水分
- 酸素
です。
ということは、空気中の水分が多い高温多湿のお風呂場にカビが発生しやすいのは、当然のことでしょう。そのため、カビの予防においてまずやるべきことは「浴室に湿気がこもるのを避けること」でしたね。
カビの胞子は、外よりも圧倒的に建物内部に多いので、湿気がこもらないようにするとカビの胞子は育ちません。現在、出回っているユニットバスは、在来工法の浴室と比べると水はけが格段によく、カビがつきにくい構造になっています。それだけでなく、防菌抗菌加工が施された壁や床など、バリエーションも年々増えているようです。
長い年月にわたり、使用してきたタイルの目地にこびりついたカビは、なかなか落とすことができないので、劣化がかなり進んでいる場合には、思い切って浴室そのものをリフォームしてしまう、というのも一つの手段かもしれません。
《 ポイント 》
- 高温多湿のお風呂場にカビが発生しやすいのは、当然のこと。
- 最近は防菌抗菌加工が施されたユニットバスが増えている。
最後に
お風呂場の窓は開けっ放しが正しいのかどうか、また、換気扇を使う時の窓の扱い方、換気扇がない場合の注意点についてご紹介しました。
換気扇を稼働させながら窓を開けてしまうと、空気の通り道に偏りが生じてしまいます。そのため、窓を閉めてお風呂場を密閉にし、換気扇で浴室内の空気を循環させるのですが、その際には新しい空気も必要となるため、給気口の確保が必要になります。
出口は「換気扇」、そして入り口は「ガラリ」、この空気の出口と入り口が重要なポイントです。まずは換気扇をつけて湿気を外に逃がし、その後で窓を開けっ放しにするのも良いでしょう。
給気口がついているお風呂場であれば、換気扇を使う際には窓もドアも開けない方が良いということを把握したうえで、効率的に浴室内の換気を行い、快適なバスタイムを楽しんでくださいね。