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みかんは消化に良い?悪い?
果物は消化が良いイメージがありますが、みかんに関してはどうなのでしょうか。いつもみかんを箱買いしている…という方は、とくに気になると思います。
ではさっそく、みかんが消化に良いのか悪いのか詳しく見ていきましょう。
みかんは消化に悪い果物
結論から言うと、みかんはあまり消化の良い果物ではありません。また、みかんに含まれるクエン酸は胃酸の分泌を促すため、胃が疲れている場合はさらに胃に負担をかけてしまいます。
ただし、間違った食べ方さえしなければ、みかんは栄養価に富んだ健康食材です。
《 ポイント 》
- みかんは消化に悪い!さらにクエン酸により胃に負担をかけてしまう
みかんが消化されにくい原因
みかんが消化されにくい原因は、みかんの果肉を包んでいる袋状の薄皮である「瓤嚢(じょうのう)」にあります。多くの方は、みかんの外側の皮は剥いても、瓤嚢は剥かずにそのまま食べているのではないでしょうか。
瓤嚢には食物繊維が多く含まれており、体に良い部分ですが、消化時間が長いです。そのため、みかんを食べれば食べるほど、胃に負荷をかけることになってしまいます。
《 ポイント 》
- みかんの果肉を包む「瓤嚢」の消化にとても時間がかかる
食べ過ぎると消化不良を起こす場合も
みかんの8割以上は水分なので、食べすぎると冷えの原因となり、消化不良を招くことがあります。
また、柿やメロン、イチジクなどの甘みが強い果物とみかんを一緒に食べるのもNGです。みかんに含まれるペクチンには、甘い果物に含まれる消化酵素の働きを妨害する作用があるため、さらに消化に時間がかかってしまいます。
《 ポイント 》
- みかんの8割は水分!食べすぎると体が冷えて消化不良を招く
- 甘い果物とみかんを一緒に食べると消化に時間がかかってしまう
みかんを食べる時の量の目安
みかんをたくさんもらったり箱ごと購入したりすると「カビが生えないうちに食べなければ」と、焦って一日に何個も食べてしまいますよね。しかし、みかんは消化に悪いので、節度を持って食べなければ胃を壊してしまいます。
ここで、みかんを食べる時の量の目安について見てみましょう。
みかんは一日2~3個を目安にする
体の調子が良く胃が元気なら、みかんを食べる量は一日に2~3個がベスト。みかんを3個食べると、一日に必要なビタミンCの摂取量である100mgを摂取することができます。
みかんを3個食べたとしても、カロリーは120キロカロリーほど。ダイエット中の方は、スナック菓子やチョコレートの代わりにみかんをおやつにすることをおすすめします。
《 ポイント 》
- 一日に食べるみかんの量は、3個まで!
- みかんを3個食べれば、一日に必要なビタミンCの摂取量をまかなえる
みかんを食べて良い時・悪い時
みかんは消化があまり良くないため、体調によっては食べるのを控えたほうがいい場合もあります。みかんを食べて良い時と悪い時がどんな時なのか、詳しく紹介しましょう。
健康な時は積極的にみかんを食べよう
体調が良くて胃の状態もいつもと変わらなければ、みかんを毎日食べても大丈夫です。みかんにはビタミンCや食物繊維、βクリプトキサンチン、ヘスペリジン(ポリフェノールの一種)などの栄養素が豊富に含まれているので、健康のためにも積極的に食べたい果物。
ただし、消化に悪いので、くれぐれも食べる量には気をつけましょう。
《 ポイント 》
- みかんは栄養たっぷりなので、健康な時なら毎日食べてもOK!
風邪の時はみかんを避ける
風邪で発熱し、寝込んでいる時にみかんを食べるのはおすすめできません。消化に時間を要するため、胃に負担がかかり、嘔吐を引き起こす可能性があります。
ただ、風邪をひいていても「どうしてもみかんが食べたい!」という時ってありますよね。そんな時は、缶詰のみかんがおすすめ。砂糖のシロップがたっぷりなので、少量でもエネルギー補給ができます。
とはいえ、風邪の時は体がいつもより弱っている状態なので、缶詰のみかんであっても、食べすぎると胃に負担がかかり、下痢につながる可能性も。風邪の時には、胃にやさしいものを食べるほうが安心です。
《 ポイント 》
- 風邪をひいた時には、なるべくみかんを食べない!
- 風邪の時にどうしてもみかんが食べたければ、缶詰のものを少量食べるようにする
胃腸炎の時にみかんは食べてはいけない
胃腸炎の時は胃腸の働きがかなり弱っている状態なので、胃腸をしっかりと休めなければなりません。もし、胃腸炎の時にみかんなどの柑橘類を食べると、クエン酸が胃に刺激を与えてしまいます。
食物繊維の多いみかんは消化しにくく下痢を誘発するため、胃腸炎の時にみかんを食べるのは絶対に避けましょう。
《 ポイント 》
- 胃腸炎の時にみかんを食べると症状を悪化させてしまう可能性がある
幼児に与える際は注意が必要
離乳食をスタートした赤ちゃんに、みかんを食べさせていいものかと悩む方もいるでしょう。離乳食を始めるのは生後5~6ヶ月頃ですが、この時期からみかんを食べさせてもOKです。
初めてみかんを与える時は少量ずつにし、軽く温めてあげましょう。赤ちゃんは消化する力が弱いため、かならず薄皮を剥き、果肉のみ与えるようにしてください。下痢気味の時には、みかんは与えないほうが良いですね。
薄皮を剥かずに食べさせるのは、1歳を過ぎてから。食べる量は、2歳までは2分の1個までにしてくださいね。
《 ポイント 》
- 離乳食が始まったら、薄皮を剥いたみかんを温めて少量ずつ与える
- 1歳を過ぎたら、薄皮を剥かずに食べてもOK! ただし2分の1個まで
消化に良い果物と消化に悪い果物
みかんは消化に悪い果物ですが、消化の良い果物には一体どんなものがあるのでしょうか。消化に良いといわれる果物の代表的なものを見てみましょう。
消化に良い果物
消化のいい果物の代表的なものは、以下の3つです。
- バナナ
- りんご
- 桃
体調が悪い時には、上記の果物を食べるようにしましょう。とくにバナナは手軽に食べられるので、おすすめです。
バナナには果糖がたっぷり含まれており、血糖値の上がり方も緩やか。食物繊維やビタミン、ミネラルも豊富で、とてもヘルシーです。忙しい時に朝食代わりに食べたり、ダイエット中のおやつにしたりするといいでしょう。
《 ポイント 》
- バナナ・りんご・桃は消化がいい!
消化に悪い果物
消化が悪い果物は、みかん以外にもあります。代表的なものは、以下の4つ。胃が弱っている時には、なるべく以下の果物を食べないようにしましょう。
- 柿
- 梨
- パイナップル
- キウイフルーツ
4つのなかで、とくに柿には注意が必要です。柿に含まれる食物繊維であるペクチンは消化時間が長いため、胃に負担がかかります。健康な時でも、柿を一日に2個以上食べるのは控えましょう。
《 ポイント 》
- 柿・梨・パイナップル・キウイフルーツは消化が悪い!
- 健康な時でも、消化の悪い果物を食べすぎないようにする
みかんは消化に悪いが健康食材!適量を食べよう
みかんのいいところは、手軽に食べられる点です。ほどよい酸味と甘さが後をひくため、ついつい食べすぎてしまいますよね。しかし、みかんは消化が悪いので、多くても一日3個までにしましょう。
たくさん食べるのはNGですが、みかんは食物繊維やビタミンCがたっぷり含まれている優秀な果物です。みかんの旬の時期には、量を守りつつ積極的に食べてくださいね。