弟切草(オトギリソウ)の花言葉とその由来。ちょっと怖い言い伝え

弟切草

弟切草という花をご存知ですか?日本に古くから自生し山野の中でひっそりと黄色い花を咲かせる弟切草は、名前からイメージするように、ちょっと怖い花言葉をもっていることでも知られています。今回は、そんな弟切草とはどんな植物なのか、また花言葉や名前の由来になったちょっと怖い言い伝えの他、効能や効果などについて詳しくご紹介します。

弟切草の花言葉とその由来

オトギリソウ

弟切草(オトギリソウ)の花言葉は、

  • 迷信
  • 敵意
  • 秘密
  • 恨み

です。

花言葉の「迷信」は、ヨーロッパでこの植物が魔よけに使われたことに由来し、「秘密」「恨み」といった花言葉は、鷹匠である兄が弟を斬り殺した伝説に纏わる花言葉のようです。

弟切草自体はとても小さくて可憐な花なのですが、「恨み」や「敵意」というネガティブすぎる花言葉を持っているため、人に贈るのは控えたほうが無難でしょう。

どうしても人に贈りたい場合は、いらぬ誤解を招かないためにも、メッセージカードに、花言葉は関係ないという一文を添えるなどの工夫が必要です。

弟切草の西洋での花言葉である「迷信」「盲目」「盲信」は、ヨーロッパに伝わる風習が関係しているようで、中世では、魔除けの力が宿っている草だと信じられ、スピリチュアルな儀式や御守としても使われていました。

弟切草のドイツでの花言葉は、「hoffnung(希望)」「zuversicht(信頼)」「mitgefuh(思いやり)」心と身体の傷を癒す薬草のイメージ、もしくは、聖ヨハネの功徳のイメージからきているようです。日本での花言葉に比べ、ポジティブな感じがしますよね。

《 ポイント 》

  • 弟切草の花言葉は、「迷信」「敵意」「秘密」「恨み」
  • 弟切草の西洋での花言葉は、「迷信」「盲目」「盲信」
  • 弟切草のドイツでの花言葉は、「希望」「信頼」「思いやり」

弟切草とは

オトギリソウ

科名属名

弟切草は、オトギリソウ科・オトギリソウ属に分類される多年草です。

草丈は20~80cmに生長し、茎には細い楕円形の葉っぱが向かい合っており、長く伸びた茎の先に、直径が15~20mmほどの黄色の小さい花を咲かせます。

5枚ある花びらと葉っぱには、黒く細かい斑点や黒い線がいくつも入っています。この赤黒い斑点が血のように見えることから、弟切草の花言葉の由来が怖い話しになっているようです。

ガーデニングでよく見かけるものは、ヨーロッパで品種改良されたもので、「ヒペリカム」や「西洋弟切草」と呼ばれ、日本原産の弟切草とは区別されています。他にも「金糸梅」「美容柳」など中国原産のものや、「ヒペリカム・サンバースト」などの園芸品種がガーデニングによく利用されています。

昔ながらの弟切草を購入したい場合は、「ヒペリカム」ではなく、「弟切草」と表記されているものを購入するようにしましょう。比較的簡単に育てられる植物でなので、鉢植え、庭植えのどちらでも育てることが出来る初心者向けの植物です。

和名別名

  • 血止め草(チドメグサ)
  • 鷹の傷薬(タカノキズグスリ)
  • 青薬(アオクスリ)
  • 小連翹(しょうれんぎょう)

などがあります。

西洋での花名

弟切草は日本にだけ自生しているのではなく、海外にも生息している植物で、欧米ではオトギリソウ属の植物をセントジョンズワート(St.John’s wort)と呼び、こちらはハーブとしても知られています。

正確には、セントジョーンズワートを、日本では「西洋弟切草」といい、古くから魔除けとして使われていたようです。

セントジョーンズワートにも日本の弟切草と同じように、花に黒い濁点が見られるのですが、この濁点は洗礼者ヨハネを斬首した時の血だと考えられているようです。日本でも海外でも、黒い濁点を血に例えているところが共通しています。

原産国

オトギリソウ属の植物は、アジアの熱帯地域から亜熱帯を中心に、約250~300種あり、日本の各地や朝鮮半島、中国大陸に分布し、日当たりの良い赤土の道端や草地、山野に自生しています。

花名の由来

薬草として効能のある弟切草ですが、漢字にしてみると「弟を切る草」となっています。なぜこのような名前がつけられたのでしょうか。実は兄が弟を殺したという古い伝説が由来となっているようです。

誕生花

弟切草が誕生花となっているのは6月24日と11月19日です。

開花時期

弟切草の開花時期は7月~8月で、夏が旬の季節となります。

花の色

弟切草は2cmほどのとても小さい花で、夏になると、長く伸びた茎の先に、黄色い花を咲かせます。花びらと葉っぱに黒くて細かい斑点や線がいくつもあるのが特徴的でしょう。

花の色は黄色一色のみなので、弟切草は色別の花言葉はつけられていません。日本全国の日当たりのよい草地に自生しているので、黄色い花を探すと簡単に見つけられるかもしれませんね。

《 ポイント 》

  • オトギリソウ科・オトギリソウ属に分類される多年草。
  • 欧米でのセントジョンズワート(St..John’s wort)はハーブとして知られている。
  • 日本の各地や朝鮮半島、中国大陸に分布。
  • 誕生花は6月24日と11月19日。
  • 開花時期は7月~8月。
  • 花びらと葉っぱに黒くて細かい斑点や線がいくつもある。
  • 花の色は黄色一色で、色別の花言葉はなし。
  • 日本全国の日当たりのよい草地に自生している。

弟切草の言い伝え

弟切草

弟切草の花言葉「秘密」「恨み」「敵意」の由来

オトギリソウを漢字にすると「弟切草」になりますが、これは平安時代の悲しい伝説が由来となっています。

江戸時代中期の漢方医「寺島良安」の手によって書かれた、日本初の百科事典「和漢三才図会(わかんさんさいずえ)」によると・・・晴頼(せいらい)という名前のとても優秀な鷹匠(たかじょう)は、鷹が傷を負うと秘伝の傷薬である薬草を使い、鷹の傷をあっという間に治していました。

他の鷹匠たちは、その薬草の名前を知りたがりましたが、晴頼は誰にもその秘密をあかしませんでした。ところがある日、晴頼ととても仲のよい弟が、秘密にしていた薬草のことを口をすべらせて他人に話してしまったことで、晴頼は激怒し弟を斬り殺してしまったのでした。

その時に飛び散った血が、弟切草の花びらや葉にある赤黒い斑点になったという、悲しい物語が名前の由来となったと伝えられています。実は、それと異なるストーリーがもう一つあります。

あるところに顔も性格も食べ物の好みもそっくりな、とても仲の良い兄弟がいました。しかし、好みまで同じだったからなのでしょうか、ある女性を2人とも好きになってしまい、そのせいで兄弟の仲は険悪になってしまいました。

そして、とうとう殺し合いになり、兄は弟を斬り殺してしまったのです。兄は切り殺してから我に返るのですが、どんなに後悔しても弟が戻ってくることはありません。兄はお墓に咲いている弟切草を見て胸が押しつぶされそうになったのか、それからは罪悪感を抱えながら一人で生きていったそうです。

どちらにせよ、怒った兄が弟を斬り殺したという伝説になっています。そのようなことから、弟切草の花言葉は「迷信」「敵意」「秘密」「恨み」になったのでしょう。

聖ヨハネの草(St. John’s wort)

古くからヨーロッパでは、聖ヨハネ(Saint John)の日である6月24日の前夜に、薬草をあつめる風習があります。その薬草(弟切草)には、魔よけや病気をなおす不思議な魔力があるということが由来となり、「迷信」「盲目」「盲信」という花言葉が付けられたそうです。

中でも、西洋弟切草の黄色い花に強力な魔力があるとされ、この植物をイギリスでは、「聖ヨハネの草(St. John’s wort)」と呼んでいます。

《 ポイント 》

  • 弟切草の怖い花言葉は平安時代の悲しい伝説が由来となっている。
  • 鷹匠の兄の秘伝薬に弟切草が使われているという秘密を他人に話してしまった弟を斬り殺したという説。
  • 弟切草は同じ女性を好きになった弟を斬り殺したという説。
  • 弟切草は聖ヨハネの草(St. John’s wort)の花言葉は「迷信」「盲目」「盲信」。

弟切草の効能とは

オトギリソウ

弟切草の花言葉で恐ろしい意味を持つことばかりに気を取られがちですが、一方では素晴らしい効能や効果も期待できる植物でもあるようです。

弟切草は、ワインや渋柿の渋味成分である「タンニン」を全草にたくさん含んでいます。これを内服することで月経不順の改善、茎や葉っぱの絞り汁を傷口や打撲症の患部に塗ることで、痛みを鎮める鎮痛作用があります。

漢方医学では、「小連翹(ショウレンギョウ)」という生薬名で、果実が成熟する頃に刈り取って乾燥させたものが利用されます。

《 ポイント 》

  • 弟切草はワインや渋柿の渋味成分である「タンニン」をたくさん含んでいる。
  • 弟切草の「小連翹(ショウレンギョウ)」は漢方医学での生薬名。

弟切草は日本に古来からあるハーブ

オトギリソウ

ネガティブな花言葉のイメージとは対照的に、弟切草は、日本各地で古くから民間薬として伝わる薬草、いわゆる日本原産のハーブです。タンニンを豊富に含んでいて、漢方医学では小連翹(ショウレンギョウ)という名で、古くから現在に至るまで生薬として使用されているのは先ほど紹介した通りです。

断崖絶壁のような厳しい地形、厳しい自然環境下で自生している弟切草が最も良く効くとも言われており、その効能は今でも多くの人に知られています。

このように日本の弟切草の薬効も素晴らしいのですが、西洋弟切草である「セント・ジョーンズ・ワート」は、古くから薬草として使われている西洋の代表的なハーブです。地上部全体がハーブティーとして用いられ、「ハッピーハーブ」という名前で親しまれています。「ハッピー」という名前からは「恨み」という花言葉は浮かびませんね。

現在では薬草ではなく花から油を抽出したものを活用しているようです。現代病のひとつであるうつ病にも効果があると言われているセントジョーンズワートですが、人や医師によっては、飲み合わせが悪いと副作用が出るという理由で否定的な意見もあるようです。なので、セントジョーンズワートを飲む際はくれぐれも注意して摂取するようにしてくださいね。

《 ポイント 》

  • 弟切草は古くから民間薬として伝わる日本原産のハーブ。
  • 厳しい地形、厳しい自然環境下で自生している弟切草が最も良く効く。
  • 弟切草のセント・ジョーンズ・ワートは、薬草として使われている西洋の代表的なハーブ。

最後に

オトギリソウ

名前の通り恐ろしい意味が隠されていた弟切草を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?

小さくて可憐な花でありながら、花屋で見かけることはほぼありませんが、草むらでは簡単に見つける事が出来るようです。

「迷信」「敵意」「秘密」「恨み」という花言葉が付いているだけに、自分だけで楽しむのなら問題はないものの、人にプレゼントするとなると注意が必要な花でしょう。

弟切草サウンドノベルゲーム出典:https://www.nintendo.co.jp/titles/20010000005427

余談ですがタイトルはそのままズバリ、『弟切草』というサウンドノベルゲームがあります。

このゲームでの弟切草の花言葉は「復讐」となっているのですが、実際に「復讐」という花言葉はゲームの中だけですので、お間違えのないように。

「復讐」という花言葉を持つ花は、アザミ、トリカブト、シロツメクサなどです。

弟切草

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