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湯たんぽの効果
足が寒くて眠れないときなどに使われることの多い湯たんぽ。湯たんぽは足を温める以外にも、さまざまな体の不調を緩和させる効果があります。
就寝中だけではなく日中にも利用すると、さらにいい効果をもたらしてくれるということはあまり知られていませんよね。
仕事中や出先で湯たんぽを使うことができない場合は、入浴前に各部位を湯たんぽで3~10分間温めるだけでも効果があります。一日家にいられるときは、湯たんぽのお湯がぬるくなるたびに沸かし直して、こまめに熱いお湯に入れ替えると暖かさを保てます。
それでは、湯たんぽの効果と症状ごとの効果的な使い方を、具体的に見ていきましょう。
冷えとり・冷え性の改善
湯たんぽを使うことで、患部が温まるとともに体全体の血流が向上します。そのため、暖房器具を使うよりも、効率的に体の冷えを解消できます。
湯たんぽの熱量は非常に高く、体に直接あてることができるので、冷えとりや冷え性の改善にもってこいです。冷え性に悩む方は、冬だけでなく夏場も湯たんぽを活用しましょう。冷房によって体が冷えてしまうときに、お腹や腰にあてておくと体が温まります。
効果的な使い方
冷えに悩んでいる方は、寝るときにだけ湯たんぽを使うのではなく、できる限り継続して湯たんぽをあててください。
温める箇所
- 二の腕
- お腹
- 太もも前面
- おしり
- 足元
入浴前に湯たんぽで体を温めておくと、入浴時に体全体を効率的に温めることができます。
《 ポイント 》
- 湯たんぽを使うことで、体全体の血流が上がる
- 冬だけでなく夏にも湯たんぽを使えば、冷房による冷え対策になる!
生理痛の緩和
生理痛は、冷えが原因で骨盤まわりの血流が悪くなり、起こりやすくなります。
湯たんぽをあてて骨盤内のうっ血症状が改善できれば、痛みが楽になるでしょう。また、冷え性自体が改善されることで、生理痛も起こりにくくなります。
効果的な使い方
生理中は、骨盤周辺を湯たんぽで温めるのと同時に、腹巻などを利用するのがおすすめ。ふだんから湯たんぽを使って温活し、体を冷やさないように注意しましょう。
温める箇所
- お腹(子宮のあたり)
- 腰
- 内くるぶしの頂点から指3本上の部分(三陰交のツボ)
《 ポイント 》
- 骨盤まわりを温めると生理痛がやわらぐ
- 生理痛がひどい場合は、ふだんから体を冷やさないようにする
睡眠の質の改善
寝つきが悪い方は、自律神経が乱れている可能性があります。布団に入ってからも交感神経が高まっているのでリラックスできず、眠りにつきにくい状態に。
湯たんぽで下半身を温めることで、頭部でうっ血していた血液が体全体に循環し、副交感神経が高まります。
自律神経が整えば、布団に入る頃にはウトウトしはじめ、スムーズに入眠できるようになります。湯たんぽが足元にあれば、朝までぐっすりですよ。
効果的な使い方
最低でも、寝る2時間前までに湯たんぽを布団に入れておきましょう。布団に入ったときにはすでにホカホカに温まっているので、心地よく眠れます。
温める箇所
- 腰
- おしり
布団に入ったら、はじめに腰のあたりを温めて、おしり→太もも→足先のほうに動かしていくと、質の高い睡眠が得られます。
《 ポイント 》
- 湯たんぽで体を温めることで自律神経が整い寝つきがよくなる
- 湯たんぽで下半身を温めて寝れば朝までぐっすり!
肩こりの改善
湯たんぽで体全体の血流が高まれば、体の冷えからくる肩こりは少しずつ改善。長時間座りながらのパソコン作業や運動不足による血流悪化で凝り固まった肩まわりの筋肉も、温めることで少しずつほぐれていきます。
効果的な使い方
肩こりの方はもともと冷え性の場合が多いので、湯たんぽを使って体全体の血流を高めることが重要です。
凝っている箇所を温めるのも大切ですが、冷え性自体を改善させるためには、二の腕やお腹、太ももを温めるといいでしょう。寝るときには毎日布団に入れ、湯たんぽで腰まわりやおしりを温めてください。
温める箇所
- 首の後ろ
- 肩甲骨まわり
- 二の腕
- お腹
- 太もも前面
- おしり
- 足元
湯たんぽを首の後ろや肩甲骨あたりにあてるのは少し難しいので、使い捨てカイロや蒸しタオルを使うのもおすすめです。お風呂はシャワーで済まさず、湯船にしっかり浸かりましょう。
《 ポイント 》
- 血流悪化による肩こりは、湯たんぽで温めればほぐれる
- 湯たんぽの効果で冷えが改善できれば肩こりも軽減できる
ダイエット効果
脂肪は、私たちの体を寒さから守る働きがありますが、運動不足で血流が滞っている状態だと、体が温まらず脂肪が蓄積されやすくなります。
湯たんぽを習慣的に使うことで体が温まり、代謝が向上。代謝が上がれば脂肪が効率よく燃焼され、便秘もしにくくなるので、太りにくい体にすることができます。
効果的な使い方
冷えが気になる方は、湯たんぽを使える環境である限り、いつでも湯たんぽで体を温めましょう。入浴前も就寝時も、忘れずに湯たんぽを使ってくださいね。
温める箇所
- 腰
- お腹
- 太もも前面
- おしり
適度な運動をとり入れて、筋肉を動かすことも大切です。
《 ポイント 》
- 体が冷えると脂肪が貯まりやすくなる
- 湯たんぽの効果で体が温まれば代謝が上がり脂肪がつきにくくなる
免疫力を上げる
血行が促進され体が温まると、血液中のリンパ球の数が増えます。リンパ球が多い状態=免疫力が高い状態なので、湯たんぽで体を温めることが免疫力アップにつながるのです。
体がいつも冷えている人は、体が温かい人よりも免疫力が低く、風邪をひきやすい傾向にあります。免疫力を高めることで自律神経のバランスが整い、病気になりにくい健康な体を作ることが可能。冷え性の自覚がある方は、湯たんぽを使ってみてください。
効果的な使い方
全身の筋肉量のおよそ7~8割が、おしりからひざの間にあることを知っていますか? この部分を中心に湯たんぽで温めることで、効率的に体全体の血流を上げることができ、免疫力も高まります。
温める箇所
- 太もも
- おしり
- お腹
- 二の腕
《 ポイント 》
- 湯たんぽの効果で血流が上がると、血液中のリンパ球が増え免疫力が高まる
- おしり~ひざの間の筋肉を温めると、体全体の血流が高まる
湯たんぽを使う際の注意点
電気を使わず、空気を汚すこともなく体をじかに温めてくれる、やさしくてエコな保温器具である湯たんぽ。しかし熱いお湯を扱うので、使い方を誤ると大変危険です。
ここでは、湯たんぽを使う際の注意点を紹介します。湯たんぽを使う前に、しっかりチェックしておきましょう。
低温やけどに注意
湯たんぽを長時間同じ箇所にあてていると、低温やけどに。
低温やけどを起こすと、はじめに患部が赤みを帯び、時間がたつと水ぶくれを発症します。ヒリヒリと痛みをともない、場合によっては皮膚の深くまで及ぶことがあります。
湯たんぽにお湯を入れたら、カバーに入れてさらにタオルで包んでから使うとよいでしょう。湯たんぽを布団に入れたまま就寝する場合は、こまめに湯たんぽの位置を変えて、同じ部分にあて続けないようにしてください。
万が一低温やけどを起こしたら、念のため病院で診察を受けてくださいね。
《 ポイント 》
- 長時間同じ部分に湯たんぽをあてると、低温やけどを起こす
- 湯たんぽを使う場合は、カバーに入れてさらにタオル等で包むと安心
その他の注意点
湯たんぽの最適な温度は70℃前後とされていますが、70℃のお湯は想像以上に熱いです。湯たんぽにお湯を注ぐ際は火傷に十分注意し、蓋をきつめに閉めましょう。
またプラスチック製の湯たんぽは、お湯の量が少ないと変形してしまいます。蓋のふちまで、めいっぱいお湯を注いでください。
《 ポイント 》
- 湯たんぽには熱いお湯を入れるので、火傷に注意!
- プラスチック製の湯たんぽを使うときは、蓋のふちまでお湯を入れる
湯たんぽ おすすめ5選
エコでナチュラルな暮らしをしている方に人気の湯たんぽ。素材は主に、ポリエチレン、トタン、ゴムの3タイプあります。かわいいデザインのカバーも販売されており、選ぶのも楽しいですね。
ここではおすすめの湯たんぽを厳選し、5点紹介します。自分の好みに合った湯たんぽを見つけてくださいね。
ポリエチレン湯たんぽ・大2.3L【無印良品】
出典:無印良品
ポリエチレン製の、シンプルな湯たんぽ。380gと軽量で、とても扱いやすいです。半透明なのでお湯を注いだときの湯量が見やすく、お湯が溢れてしまうのを防ぎます。カバーは別売りなので注意してください。
萬年 ゴム湯たんぽ 2L カバー付 MY-422【尾上製作所】
天然ゴム製でやわらかく、心地よく体にフィットします。アクリル生地のかわいいカバー付き。注ぎ口が広めの設計なので、お湯を注ぎやすくお湯を捨てるときも簡単。冷水を入れれば氷のうとして使えるので、夏場や発熱時にも使用できます。
湯たんぽ Aエース 2.5L 袋付【マルカ】
マルカの湯たんぽは、昔ながらのトタン製。底の部分がフラットで安定感があり、お湯を注ぐ際にもぐらつかず安心です。
IHコンロで直に温めることができますが、その際は火傷に注意してください。専用の袋とスペアパッキン付きです。
ソフトベロアカバー 湯たんぽ 1.8L【TONGMO】
やわらかなPVC素材で、劣化しにくく保温力も抜群。体のカーブに合わせてやさしく温めてくれます。水を入れて冷蔵庫で冷やせば、発熱時や熱中症対策に利用可能。
付属のカバーがかわいいので、使うたびに幸せな気分になりますよ。贈り物にも最適です。
湯たんぽ 注水式 2.8L【Pousutong】
ポリエチレン製で軽く、非常に使いやすい湯たんぽです。持ち手が付いているので、お湯を捨てるときや持ち運びの際にも便利。
使わないときには細いスペースに立てて収納できるので、コンパクトで場所をとりません。巾着型のカバー付きです。
湯たんぽに関するQ&A
湯たんぽに関する質問にお答えします。
A.湯たんぽを使うことで体が温まりすぎて、寝汗をかいてしまうと逆効果です。汗をかくことで体を冷やすことになります。暑いな…と感じる場合は、湯たんぽを使うべきではありません。
A.湯たんぽの材質によって多少異なりますが、熱の持続時間は平均して4時間程度です。ゴム製の湯たんぽは触り心地がよく扱いやすいですが、2~3時間しかもちません。
冷めてしまった湯たんぽでは効果がないので、可能な限りこまめに熱いお湯と入れ替えてください。
A.湯たんぽをカバーやタオルで包むことは大前提ですが、布団の中で使うと比較的長持ちします。イスに座った状態で足元を温めるために使う場合は、段ボールを横にして、ビニールやエアクッションでカバーをしたうえで足を入れると保温効果が持続します。
《 ポイント 》
- 湯たんぽで温めすぎて汗をかくと、体を冷やしてしまう
- 湯たんぽの効果時間は平均4時間
- 湯たんぽを袋やタオルで包んだうえで、段ボールやビニールでカバーすると冷めにくい
まとめ:湯たんぽの効果で健康な体を作ろう
シンプルながら、とても優秀な保温器具である湯たんぽ。湯たんぽで体を温めることにより、たくさんの健康効果を得ることができます。
体の冷えは免疫力を下げ、さまざまな不調を招く原因となります。健康な体作りに、湯たんぽを使って温活を始めてみませんか。使い続けるうちに、湯たんぽの健康効果を実感できるはずです。