目次
水仙の花言葉
水仙の花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」です。この花言葉は、ギリシャ神話に出てくる、自分の姿に恋をして水仙になった美少年ナルキッソスにちなんだものと伝えられています。
和名の「水仙」は、中国の古典に記載されている言葉、「仙人は、地にあるを地仙、水にあるを水仙という」が由来で、 水辺に咲く水仙の姿を仙人に例えたと考えられています。
色別の花言葉
黄色の水仙
黄色い水仙の花言葉は
- 「もう一度愛してほしい」
- 「私のもとへ帰って」
と、失恋をイメージしてしまいます。どちらの花言葉も、ギリシャ神話でペルセポネーが冥界へ連れ去られたときの伝説に由来しています。
「もう一度愛して欲しい」はペルセポネーへと向けられた冥界の神ハデスの強引な愛情、「私のもとへ帰って」は、最愛の娘ペルセポネーを奪われたデメテルの心情が由来です。
他にも西洋で黄色は“最後の晩餐の時にユダが来ていた服の色”ということで避けられていることが多く、花言葉でも黄色い花だけが悪い意味になっていることが少なくありません。
黄色のラッパズイセンに「尊敬」という花言葉があるのは、稀有な例のひとつでしょう。このように生きる糧になるよう、ポジティブに解釈したほうが気持ちがいいですよね。
白い水仙
白い水仙は、冬の寒さにも負けず、凛とした様子で咲く純白の美しい花にピッタリの花言葉、「神秘」です。この花言葉のイメージもあってか、白い水仙は結婚式で使用する春用ののブーケや、髪飾りなどに使用されています。
種類別の花言葉
スイセンの種類によっても花言葉が違います。
スイセンの種類 | 花言葉 |
日本水仙 | 「自己愛」「神秘」 |
黄色い水仙 | 「もう一度愛して欲しい」「私のもとに帰って」 |
白い水仙 | 「神秘」「尊敬」 |
ラッパスイセン | 「尊敬」「報われぬ恋」 |
黄色いラッパ水仙 | 「心遣い」「あなたを待つ」「自尊」 |
クチベニズイセン | 「すてきな装い」「詩人の心」 |
英語の花言葉
水仙の英名である「ナルシサス:Narcissus」の神話は日本でも有名ですが、ギリシャ神話に出てくるナルキッソスという名の美少年が、水面に映る自分の姿に恋をして、その姿が水仙になってしまいます。そのことから花言葉の由来が「うぬぼれ」「自己愛」「報われぬ恋」となったのです。
《 ポイント 》
- 水仙の花言葉は「うぬぼれ」「自己愛」
- 花言葉はギリシャ神話が由来
- 英語の花言葉は自己愛(self-love)うぬぼれ、自己中心(egotism)報われぬ恋(unrequited love)
花名・花言葉の由来
ナルキッソスの神話
水仙に関するギリシア神話を紹介しましょう。
若さと美しさを兼ね備えていたナルキッソスは、多くの女性たちから言い寄られましたが、いつも冷たい態度をとりました。
森の妖精エーコーもナルキッソスに恋をしてしまうのですが、相手にしてもらえませんでした。悲しみのあまり姿を失ったエーコーは、声だけの存在になってしまいます。
これを見た女神ネメシスは怒り、ナルキッソスが水面に映る自分の姿に、恋をしてしまうという呪をかけてしまいます。そしてナルキッソスはその呪い通りに、水面に映る自分である美少年から離れられなくなり、やせ細って死んでしまいました。そして水辺でうつむきがちに咲く水仙になったのです。
ちょっと怖いこの神話は、自己陶酔型の人を意味する「ナルシスト」の語源です。また、こだまや反響を意味する「エコー」は、森の妖精エーコーに由来します。
ハーデスの神話
実は、水仙にまつわるギリシャ神話はもうひとつあり、黄色い水仙の花言葉はこちらからきています。大地に恵みをもたらす女神デルメルは、夫であるゼウスとの間の一人娘ペルセポネを大切に育てていました。
ある日、闇の帝王ハデスが、お花畑で遊んでいるペルセポネを見て恋をしてしまいます。ペルセポネがその香りにひかれて水仙の花に手を伸ばした瞬間、大地が割れ 馬車に乗ったハデスに連れ去られてしまいました。そして後に残ったのは黄色い水仙だけだった、というお話です。
狂ったように娘を探す母のデルメル、そしてハデスに連れ去られて泣いてばかりいるペルセポネ。ペルセポネは、生涯に渡りハーデスの気持ちを受け入れることはありませんでした。
ここから黄色の水仙の花言葉は、母デルメルの気持ちの現れである「私の元に帰ってきて」と、ハデスの心情を代弁する「もう一度私を愛してほしい」「報われぬ恋」そのものなのでしょう。
ちなみにこの場面は「レンブラント」や「ルーベンス」により、絵画になっていますので、機会がありましたら是非ご覧ください。
人々を勇気づける春を告げる花
最も寒さの厳しい時期に開花し、まっすぐの細い茎の先にややうつむき加減に花を咲かせる水仙ですが、ヨーロッパでは、いち早く春を告げてくれる「希望の花」としてシンボライズされるようになりました。
寒さに打ち勝って、凛として春を待つ姿は、人々を勇気づけてくれるのでしょう。その流れから、ガン患者を支援する団体の多くが、水仙の花をシンボルとしています。
また、ヨーロッパ北西部に分布するラッパズイセンは、イギリス・ウェールズの国章にもなっています。日本では、1995年(平成7年)に起きた阪神淡路大震災の被災地に、皇后美智子様が皇居に咲いていた17本の日本水仙を献花したと話題になりました。
《 ポイント 》
- ギリシア神話に出てくるナルキッソスが「ナルシスト」の語源
- 花言葉の由来はハーデスの神話から
- 「希望の花」としてシンボライズされている
- ラッパズイセンはイギリス・ウェールズの国章
水仙について
水仙の特徴
スッキリとした花姿と甘い香りを持つ水仙は、冬から春にかけて咲くヒガンバナ科の球根植物です。本州以南の地域で野生化し、今でも日本水仙と呼ばれる野生種の群生地が見られます。2~4月に開花し、香りの良い春の草花として昔から親しまれています。
草丈は20cm~40cmで、白や黄色の花が一般的ですが、それ以外にもピンクや緑、オレンジ、など色とりどりの花を咲かせ、最近は、八重咲種など、咲き方にも色々な特徴を持った品種が増えつつあります。
数年間は植えっぱなしでよく、環境が合えば球根がどんどん増え、年々花が群生すると一面見事です。日本では比較的暖かい海岸近くで野生化した群生が見られます。特に福井県越前海岸、伊豆下田の爪木崎、兵庫県淡路市の群生が有名で、日本水仙は福井県の県花にもなっています。
水仙の毒について
厚生労働省の自然毒のリスクプロファイルによると、水仙は全草が有毒で、特に球根に毒成分が多く、致死量は10gと記載されています。
葉がニラに、球根がタマネギや山菜のノビルによく似ており、4~12月の花が咲いてない時期に食中毒が多く起きてしますようです。食べて30分以内で吐き気や下痢、発汗、頭痛などを起こしてしまいます。
水仙の育て方
チューリップやヒヤシンスなどと同じく、市場に出回る晩秋に球根を購入し、花壇や鉢に植えて育てます。
水仙は日本に自生する植物なので比較的育てるのは難しくないのですが、夏の時期になると暑さで葉が枯れやすいので球根を分球して植え替える必要があります。
いかにその球根に栄養が蓄えられているかが重要になりますので、しっかり球根に栄養が蓄えられるように、枯れた葉などは取り除いて、生きている葉っぱをたくさん光合成させてあげてください。そのためにも適度に日の当たる環境で育ててあげましょう。
水仙の増やし方
種でも増えますが、開花までには数年かかるため球根を分球させて増やします。水仙は日本の気候と相性が良いので、基本的には植え放しでも勝手に増えていきます。
球根が細分化するばかりで、開花しない場合は、土壌の窒素過多か、植え付けが浅すぎることが原因なので、夏場は地表面を別の植物で覆うとよいでしょう。
水仙のさまざまな花の形
種類 | 花の形 |
ラッパ咲きの水仙 | 副冠の長さが花弁の長さと同じかそれ以上のもの。 |
カップ咲きの水仙 | 副冠の長さが花弁の長さより1/3より長く花弁全体より短いもの。 |
小カップ咲きの水仙 | 副冠の長さが花弁の長さより1/3より短く花弁全体より短いもの。 |
八重咲きの水仙 | 花弁や副冠が八重咲きになるもの。 |
トリアンドロス咲きの水仙 | 下向きに咲くもの。 |
シクラメネウス咲きの水仙 | 花弁がシクラメンの花のように反転するもの。 |
スプリットコロナ咲きの水仙 | 副冠が1/3以上裂けているもの。 |
シクラメネウス咲きの水仙 | 花弁がシクラメンの花のように反転するもの。 |
スプリットコロナ咲きの水仙 | 副冠が1/3以上裂けているもの。 |
《 ポイント 》
- 球根がどんどん増え年々花が群生する
- 日本水仙は福井県の県花
- 水仙は全草が有毒で、特に球根に毒成分が多い
- 日本に自生する植物なので育てるのは難しくない
- 植え放しでも勝手に増えていく
スイセンの誕生花
スイセンの誕生花である1月8日生まれの人は、存在感や影響力があり、堂々と咲く水仙のように人に強い印象を与えます。
自身に満ちていて責任感が強く、与えられたものに対して自分の限界まで努力を惜みません。人生の後半は自分や他人といった境界を超越した広い視野を持つことがテーマになることでしょう。
《 ポイント 》
- 1月8日の誕生花
- 人に強い印象を与える誕生花
水仙(スイセン)の種類
日本水仙
- 花色:黄、白
- 開花時期:12月~2月
原産地は地中海沿岸で、中国を経由して日本へ渡来したと考えられています。
ラッパスイセン(喇叭水仙)
こちらも原産地は地中海沿岸で、花冠が花びらよりも長く、ラッパのように突き出ています。開花時期は3月~4月。
クチベニズイセン(口紅水仙)
原産地は中央・南ヨーロッパで、花びらは純白、副花冠は淡い黄色で紅色の縁どりがある香りの強い花です。開花時期は1月~4月。ナルキッソスが生まれ変わったのはクチベニズイセンと言われています。
《 ポイント 》
- 種類は日本水仙、ラッパスイセン、クチベニズイセン
スイセンの季節・開花時期
- 旬の季節:冬~春
- 開花時期:12~4月
- 花持ち期間:3~7日程度
- 出回り時期:10~4月
- 最盛期:12~4月
《 ポイント 》
- 水仙の開花時期は12月~4月
最後に
今回は「水仙の花言葉!人々を勇気づける春を告げる花」というタイトルでお送りしましたがいかがでしたでしょうか?
ひと言に水仙といっても、いくつかの種類があり、色の違いや形の違いで花言葉も違ってきます。
早春の訪れを告げる花として、多くの人たちに愛されている水仙ですが、風水では「大きな幸運の象徴」として、新年の贈り物にすると縁起がいいとされています。贈る相手の状況や心境、伝えたいことなどを想像するだけでもわくわくしてきます。
水仙の花言葉の由来を知ると同時に、美しさと芳香も思う存分楽しんでくださいね。