ポピーの花言葉!カラフルな春の花が持つ色別の意味とは

天空のポピー

色鮮やかなポピーの花言葉を知っていますか?春から夏の初めにかけて花を咲かせ、風に揺れる姿がかわいいポピーには、ギリシア神話が由来の花言葉がいくつかあります。歴史上人物から愛され、有名な画家に描かれたほどのポピー。現代でも非常に人気の高い花です。ケシの花という和名でも知られるポピーの特徴や名前の由来、色別、品種別の花言葉について解説してみましょう。

ポピーの花について

ピンクのポピーの花

ポピーの花言葉は、色や品種によって異なります。ポピーの花言葉をご紹介する前に、まずはポピーとはどんな花なのかをご説明します。

ポピーの特徴

種類が豊富なポピーは、ケシ科ケシ属に属する植物で、雛芥子(ヒナゲシ)や虞美人草(ぐびじんそう)などの和名でも知られています。

一年草と多年草の種類があり、日本では鑑賞用としてだけでなく、「ポピーシード」という名前で食用として重宝されてきました。

また、麻薬の原料になる種類のものは「ケシ」と呼んで区別しています。現在出回っている園芸品種は、アイスランドポピーが多く、花の開花時期は4~6月の春に、大きめの可愛らしい花を咲かせます。

ポピーの花びらは4枚の一重咲きのものや、八重咲のものなどさまざまありますが、その薄い花弁は紙のように柔らかで、風が吹くたびひらひらと揺れる姿がとても愛らしく感じるでしょう。

花の色は、白色や赤色、黄色やオレンジ色などあり、明るいグリーン色をした葉は、切れ込みのはいった特徴的な形状をしいます。

ポピーの花名の由来

ポピーの学名は「Papaver:パパーウェル」と言うラテン語で、「粥(papa)」という意味です。

催眠作用のあるケシの乳液を、赤ちゃんが食べる粥に混ぜて眠らせていたことに由来していると伝えられています。

このように、ケシ科の植物から採れる乳液を、紀元前400年頃のギリシアでは麻酔薬や睡眠導入薬として日常的に使っていたようです。

そのためでしょうか、ポピーの花言葉は「心の平静」「いたわり」など、催眠作用にちなんだものが多く、相手をいたわる気持ちや、助けたい気持ちを表現するときによく贈られる花です。

《 ポイント 》

  • 和名は「ヒナゲシ」や「虞美人草」など
  • 食用できる「ポピーシード」
  • 出回っているのはアイスランドポピー
  • 花の開花時期は4~6月
  • 花の色は、白色や赤色、黄色やオレンジ
  • 名前の由来はラテン語で、「粥」

ポピーの花言葉

ポピー

ポピーの花言葉は、麻薬成分がある怖いイメージの花に付けられるとは思えない、爽やかで可愛らしい見た目と同じ花言葉がつけられています。

「いたわり」「思いやり」

ポピーの品種のなかには、麻酔や睡眠作用があるという特徴から、「いたわり」「思いやり」の花言葉がつけられました。

「陽気で優しい」

赤や黄色のポップな花が風にゆれる様子はとても可愛らしいことから「陽気で優しい」という花言葉もあります。

「恋の予感」

とても魅力的な色とりどりの花を花束にしてプレゼントすれば、恋が始まりそうな予感がしてきます。そんな花姿からイメージされて恋の予感と言う花言葉がつけられました。

ポピーの色別の花言葉

白いポピーの花言葉「忘却」「眠り」

何色にも染まっていない白色というイメージと、ポピーの麻酔、睡眠作用から由来してつけられたのが、「忘却」です。

「眠り」という花言葉は、ギリシア神話の中で、娘を奪われた悲しみから不眠症になってしまったデメテルに、眠りの神であるヒュプノスが、ケシの実を与えて眠らせたことにちなんでいます。

赤いポピーの花言葉「なぐさめ」「感謝」

豊穣の女神デメテルは、花を摘み、心を癒していたそうです。「なぐさめ」という花言葉は、女神デメテルが悲しい時にはいつもポピーの花を摘んで自分の心を慰めていたとも言われています。

また、明るくて鮮やかな赤いポピーを摘んで花束にして贈れば、相手に感謝の気持ちを伝えることができると言われていることから、ポピーの美しい赤色と丸みを帯びた花模様からイ連想されてつけられた花言葉です。

黄色いポピーの花言葉・「富」「成功」

黄色のポピーの花は、太陽のように明るく、またコインのように輝いているようでもあり、そんな花姿からイメージされて「富」と言う花言葉がつけられました。

また、混じりけのない美しさの黄色のポピーは、記憶力や集中力をアップさせる効果があるとされるカラーなので、記憶力や集中力が高まれば、仕事などでの成功が期待できるというもの。そうしたポピーの鮮やかな花色から、「成功」という花言葉が生まれたのでしょう。

ポピーの品種別の花言葉

ヒナゲシ:「七色の恋」「心の平静」「乙女らしさ」「感謝」「別れの悲しみ」「休息」

ポピーの和名としても用いられるヒナゲシは、一番ポピュラーな自生種で、花びらが薄い八重咲きのものが多く出回っています。

中国の虞という名の女性の墓にヒナゲシの花が咲いたという伝説から、「虞美人草:グビジンソウ」とも呼ばれています。

アイスランドボピー(シベリアヒナゲシ):「慰安」「感謝」「承認」「七色の恋」

シベリアから極東の地域が原産のアイスランドポピーは、一番の早咲き品種で、咲いている期間が他の種類と比べて長いことから、切り花によく用いられます。

花びらは4枚、黄、白、赤などの花をつけ、咲き方も一重咲きや八重咲きなどがあります。

オリエンタルポピー(オニゲシ):「夢想家」「妄想」「繁栄」「容認」「やさしい愛」

「鬼」のイメージがいい印象を与えないことから、オニゲシではなく、英名の「オリエンタルポピー」と呼ばれている品種です。

淡い赤やサーモンピンク、白と赤の覆輪のものなど花色のバリエーションが豊富であり、ポピーの中では花、草丈ともに一番大きく、5~6月にかけて10〜20cmほどの大きな花を咲かせます。

英語の花言葉

Poppy(ポピー全般)

  • 「oblivion」忘却
  • 「sleep」眠り
  • 「imagination」想像力

赤いポピー(ed Poppy)

  • 「consolation」なぐさめ
  • 「pleasure」喜び

白いポピー(White Poppy)

  • 「sleep」眠り

黄色いポピー(Yellow Poppy)

  • 「wealth」富
  • 「success」成功

《 ポイント 》

  • 麻酔や睡眠作用があるという特徴からつけられた花言葉
  • 花姿からイメージされた花言葉
  • 色別、品種別にある花言葉

ポピーの花言葉の由来

初夏・ポピーの花

ポピーの花言葉の由来は、遠い昔、ギリシア神話の中の神様の伝説から始まります。

全知全能の神ゼウスと豊穣の女デメテルには、ペルセポネーという娘がいました。その愛娘が行方不明になったことを知ったデメテルは、太陽神リオスのもとへ、娘の居場所を聞くためにやってきました。するとペルセポネー冥界の神ハデスに連れ去らってしまったとのこと。

それには夫であるゼウスも関与していたとわかり、母デメテルは驚愕し心を痛め、眠ることも困難な状況が続いていました。その心の傷を癒そうと助けてくれたのが、眠りの神であるヒュプノスです。

「この花を胸に抱いて眠りなさい。そうすることで心地よく眠れて、あなたに癒しを与えてくれることでしょう。」と言って、ヒュプノスはポピーの花をデメテルに贈りました。

ポピーを抱いて眠ったその日から、デメテルはとても深い眠りに満たされ、心身ともに癒されました。

残酷な力を持った兄弟の中で、唯一癒しを与える存在であったヒュプノスのおかげでデメエルは元気を取り戻し、ハデスとゼウスのもとから無事にペルセポネーを救い出すことができました。

このようなギリシア神話の伝説から、ポピーには「いたわり」「なぐさめ」「思いやり」の花言葉がついたのです。

ポピーの花に関するQ&A

ポリーを摘む手
Q.ポピーの花摘み方法と持ち帰り方を教えて下さい。

A.綺麗に咲いている状態の花を摘みたくなるものですが、ポピーは摘んでしまうと1~2日しかもちません。どんどん萎れてあっという間に散ってしまいますので、「蕾」の時に摘み取るようにします。持ち帰る時は、保水させるため、茎の切り口をたっぷりと水を含ませたキッチンペーパーやティッシュで包み、その上からアルミホイルやビニールで覆います。

Q.ポピーの切り花を日持ちさせる方法はありますか?

A.ポピーの茎は軟らかく腐りやすいので、涼しい所に置き、水は少なめにして、こまめに取り替えてキレイな状態を維持するようにしましょう。

ポピーの花とケシの花の違いとは

瓶に入れたポピー

ポピーの中には麻薬に使われる成分を含んでいるものが存在し、栽培してはいけない品種も幾つかあります。

英名のpoppyはケシ科の植物の総称ですが、日本では麻薬の原料となる品種を一般的に「ケシ」と呼び、そうでないものを「ポピー」と呼んで区別しています。

切り花で出回っているポピーは、「観賞するためのケシ」のことなので栽培しても安全性に問題ありません。ケシの仲間はヨーロッパからアジアなど北半球の温帯地帯に広く分布しており、日本もその中に含まれています。

国内で麻薬に使われる成分を含んでいる品種は「ケシ」や「アツミゲシ」「ハカマオニゲシ」の3種類があげられますが、その中の一つに、北海道に自生する千島雛罌粟(としまひなげし)があります。ご存知の通り、日本では麻薬の所持、および製造は犯罪に該当しますので、これらの品種は流通することはなく、もちろん栽培自体行うことができません。

また、麻薬成分を含んでいるハカマオニゲシという種類はオニゲシとよく似ていて見分け方が難しいので十分に注意してください。小さな花をつけるアツミゲシもヒナゲシに間違えられることがあり、厚生労働省から注意喚起がされています。

ちなみに、ケシの果実からモルヒネの原料である阿片を採取する方法は、紀元前300年ごろからすでに行われていたと言われています。

《 ポイント 》

  • 麻薬成分有りが「ケシ」、そうでないものは「ポピー」に区別
  • 切り花で出回っているポピーは安全性に問題ない

最後に

ポピー

いかがでしたか?麻薬成分を含んでいる品種があるにもかかわらず、ギリシア神話由来の素敵な花言葉が多かったのではないでしょうか?

赤や黄色の一重咲きのオーソドックスなものから、珍しい花色やカラフルな色の品種まで、バラエティに富んでいるポピー。春の穏やかな日差しのなかで、風にゆらめく赤や黄色の丸いポピーの花は、フラワーアレンジメントとして他の花と合わせても綺麗にまとまるでしょう。

ガーデニングでは種まきから始めて栽培しやすいのが特徴のポピーです。色とりどりの花を摘んでポピーの花束を作り、素敵な花言葉を添えたちょっとしたプレゼントにしてみてはいかがでしょうか?

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