目次
ひまわりの育て方の前に
ひまわりの育て方の前に、ひまわりの特徴、栽培時期、苗の選び方、土づくりなど、ひまわりの育て方に必要な情報をご説明します。
ひまわり栽培の特徴
ひまわりの栽培は種から始めても比較的簡単に育てられます。
日当たりのよい場所で育てること、旺盛に生育するので、花が咲くまでは追肥を絶やさないこと、このふたつのポイントを押さえておくことで、お子様はもちろんのこと、どなたでも手軽に栽培できるでしょう。
最近で色や咲き方だけでなく、高性種から矮性種など丈も様々な多くの品種がでまわっています。
また、1本立ちで咲くタイプから分枝して咲くタイプのものなど、生長の仕方も多種多様なので、自分好みに合ったひまわりを選んで、種まきから始めて育ててみてはいかがでしょうか。
栽培カレンダー
- 開花期:7~9月
- 種まき:4月下旬~6月
- 植え付け:4月下旬~6月
- 肥料:4月下旬~8月
ひまわりは生育するのには20℃以上の気温が必要です。よって温度が上がった4月下旬以降に種まきをします。夏の間に堂々とした姿で咲き誇った花は、その後たくさんの種がなり、晩秋には枯れてしまいます。
苗の選び方
ひまわりの苗は初夏~8月ごろまで市場に出回っています。ひまわりは移植が苦手なので、本葉が5~6枚までが移植のタイミングだと思ってください。なので、苗を購入する際はあまり大きくなり過ぎていないものを選ぶようにしましょう。
他には、葉っぱが生き生きとした緑色で、つぼみがついてあるもの、そして花と葉の表と裏をよく観察して病害虫がついていないかどうかをチェックして選んでくださいね。
土づくり
ひまわりは特に土質を選ばなくても育てられる丈夫な花なので、肥えている土地であれば、肥料を与えなくても育ちます。
中性に近い弱酸性で水はけのよい土を好みますので、市販の草花用培養土に腐葉土か堆肥を混ぜ込んだものが適しているでしょう。強い酸性土壌の場合は石灰を施し、よく耕してから栽培するようにして下さい。
鉢植えの場合も、水はけが良く、適度な保水性と排水性のある土がよいでしょう。
《 ポイント 》
- 日当たりのよい場所で育てる。
- 花が咲くまでは追肥を絶やさない。
- 種まきは20℃以上の気温になる4月下旬以降。
- 苗は大きくなり過ぎていないものを選ぶ。
- 病害虫がついていないかどうかをチェックして選ぶ。
- 中性に近い弱酸性で水はけのよい土を好む。
ひまわりの種まき方法
種まきのポイント
ひまわりの育て方として、発芽温度も大切なポイントです。
ひまわりの発芽適温は20℃~25℃なので、種まきに適している時期は、4下旬〜6月の間です。移植を苦手とする植物ですので、直まきするのがよいでしょう。
種まきの手順
- 穴をあける
直まきをする場合は、深さ1~2センチ程度の穴をあけて種を1カ所あたり2~3粒まきます。 - 種を埋める
日当たりを好むひまわりの生育に影響を及ぼさないように、高性種の大きなものは50cmの間隔で、切り花用などの矮性種のひまわりは20cmほど間隔をあけて点まきし、1cm程度覆土します。 - 水をあげる
種まきの後は、発芽するまで朝と晩の2回水やりを行い、土の表面が乾かないように注意します。 - 間引きする
10日ほどで発芽しますので、元気そうな苗を残して、それ以外の苗をていねいに間引きし、別の場所に植え直して栽培することができます。
《 ポイント 》
- 移植を嫌うので直まきをする。
- 日当たりが必要なので間隔をあけて点まきする。
- 元気な苗を残して、それ以外の苗を間引きする。
ひまわりの育て方
植え付け
種まきから始める場合もそうですが、買った苗もしくは苗ポットで育てた苗の植え付けは、4月下旬~6月中旬が適期です。
いずれ、根が地中深く伸びていくので、地植えの場合は40~50㎝ほど土を掘って、たい肥や腐葉土を混ぜてからよく耕してから植えるとよいでしょう。
鉢植えにする場合は、3号鉢くらいのなるべく深めの鉢を選び、水はけをよくするために底石を敷き、用土被せ庭植えと同じように、最初は細めの支柱を立てます。
置き場所
土質を選ばずに育つ丈夫なヒマワリですが、半日陰で育ててしまうと、草丈も伸びず花も大きくなれないので、日当たりと水はけがよい肥沃な場所に越したことはありません。また、風通しがよい場所に植えると、蒸れを防げて病害虫予防にもなります。
ですが、直射日光によって極端に乾燥しすぎると葉が縮れてしまうので、水やりなどで水分量を調整するようにしましょう。
水やり
ひまわりはじめじめしている多湿を嫌うので、水のやり過ぎは禁物です。
ですが、地植えしたひまわりは発芽から生育初期にかけて、十分に根を張らせる時期なので、表土が乾いたらたっぷりと水やりを行います。そして生育が進むにつれて徐々に水やりを減らしていきます。
鉢植えの場合は、梅雨の時期に入る前は2~3日に1回の頻度で、夏には毎日水を与えます。
肥料
ひまわりは土質を特に選ばなくても育つ丈夫な花ですので、肥えている土地であれば肥料がなくても育ちます。
鉢植えの場合は、水はけが良く、排水性と適度な保水性のある土が適していますので、市販の草花用培養土に腐葉土か堆肥を混ぜ込むとよいでしょう。
肥料は植え付け時に元肥として緩行性の肥料を施し、その後は追肥を行います。下葉が黄色く枯れこんできた時が、肥料が切れた目安と思ってよいでしょう。
支柱立て
草丈が高くなる高性種のひまわりは、成長が早く、茎が倒れたり曲がったりすることが多いので、成長に応じて支柱を立てるようにします。庭や鉢植えにヒマワリを植え付けたら、細めの支柱をさし風で根が動くのを防ぎます。
ポイントは「8の字」になるように支柱とヒマワリの茎の間で、ひもをねじるように結ぶことです。そうすることにより、茎をきつく縛りすぎず、ヒマワリがどんどん太く成長していきます。
やがて草丈がのびた時に、ヒマワリの花の重みに耐えられるよう、今度は太くて長い支柱に差し換えます。
《 ポイント 》
- たい肥や腐葉土を混ぜて日当たりと水はけがよい場所に植える。
- 発芽から生育初期はたっぷり水やりし、生育が進むにつれ水を減らす。
- 風通しがよいと蒸れを防いで病害虫予防にもなる。
- 茎が倒れたり曲がったりしないように支柱を立てる。
ひまわりの育て方で気をつける病害虫
ひまわりは梅雨時にべと病にかかりやすくなりますので、見つけ次第薬剤散布をします。また、高温多湿の時期には、ハダニやオンシツコナジラミなどの害虫が発生しやすいので、葉をこまめにチェックして状態が悪いときは早急に対処するようにしましょう。
ひまわりに関するQ&A
A.花色、形、草丈の違うさまざまな品種がある中で、人気なのは八重咲きの「テディベア」です。他にもゴッホが描くひまわりのような花を咲かせる「ゴッホのひまわり」や、「モネのヒマワリ」など、画家の名前がついた品種も人気があります。最近では、花色がクリームやチョコレート色の品種も注目されています。
A.太陽の影響を受けているのは花ではなく、実は茎の部分なんです。ひまわりの茎の部分にあるオーキシンという成長ホルモンは、おもしろいことに茎に太陽に当たらないことで生長が促進されて伸びます。その結果、太陽にあたっている茎のほうが短くなって前屈みになり、花が太陽に向かっている状態になります。ちなみに、太陽のほうを向くのはひまわりの花だけでなく、効率的に光合成ができるように葉も同時に太陽に向かって広がります。
A.「崇拝」「愛慕」「憧れ」「あなただけを見つめる」などの花言葉があります。
育てたひまわりの花がら摘みと種の収穫方法
花がら摘み
ひまわりの種を採取するのであれば、花がら摘みをする必要はありません。ただし、ひとつの茎に何本も咲く多花性の品種であれば、散ってきた花びらを摘み取ると、次の花が育ちやすくなります。その場合は、思い切って脇芽の上を切り取り、しおれてきた葉っぱも取り除いてしまいましょう。
種の収穫方法
ひまわりの種は、開花した後、およそ1ヶ月半~2ヶ月で種になります。花びらが落ちてすぐは、まだ種はできていないのですが、葉が次第に枯れ、花首が徐々に下を向いてきたら種ができ始めている合図です。
種の色が黒く変化して固くなってきたら花茎ごと収穫して数日間、天日干しにします。カビが生えないようにしっかりと乾燥させた後は、一粒一粒種を取り出し、袋に入れて冷暗所で保存します。
《 ポイント 》
- 多花性の品種は花がら摘みをすると次の花が育ちやすくなる
- 種はカビが生えないようにしっかりと乾燥させる
最後に
ひまわりの育て方はいかがでしたか?私たちに元気を与えてくれる明るく鮮やかなひまわりは、栽培が簡単で、お子様はもちろんのこと、初めての方にとっても育てやすい花です。
背丈が高く伸びるので地植えが一般的ですが、最近では切り花用にできる手ごろなサイズの品種も増えていますので、鉢植えやプランターで育てる方が増えてきています。
ひまわりと言えば「黄色」のイメージですが、色のバリエーションも豊富になり、黄色だけでなく赤やオレンジ、赤褐色などの花色をしたものや、八重咲きの花びらをもつものまで栽培することができます。
種まきから始めてキレイに咲かせるコツをしっかりおさえて、お気に入りのひまわりを咲かせてみませんか。