目次
ガスコンロの種類
ガスコンロには大きく分けて2種類のタイプがあります。ガスコンロの仕組みや法的な取り決めが異なる、
- テーブルコンロ
- ビルトインコンロ
の2つです。これに加えて使用するガスの種類で都市ガスとプロパンガスに分かれると、最終的には4種類に分けられます。
ここでは大きな区分であるテーブルコンロとビルトインコンロの2種類について解説します。
テーブルコンロ
テーブルコンロは「据え置きガスコンロ」や「ガステーブル」などとも呼ばれているタイプのガスコンロです。
テーブルコンロかどうかを見分ける最も簡単な方法は、キッチンにコンロ用のスペースがあってそこに配置し、ゴム管を使って設置するものは全てテーブルコンロです。
2口や3口などコンロの口数に幅はありますが、コンロが独立していて持ち運びが可能なものはテーブルコンロ、そうでないものはビルトインコンロなどの別のタイプ、と覚えると簡単でしょう。
ビルトインコンロ
ビルトインコンロという名前に含まれる「ビルトイン」という単語には、内蔵という意味があります。その名の通り、システムキッチンなどのキッチン設備にはめ込んで一体化していることが特徴です。
設置や取り外しには複雑な作業が必要になり、ピッタリ合ったものしか選べないという特徴から、テーブルコンロと見分けることは難しくないでしょう。
コンロとキッチンの隙間が無いため、稼働効率や掃除のしやすさにメリットがあります。
自分で設置できるガスコンロは?
ガスコンロは自分でも設置できます。ただし設置できる種類には条件があり、設置に資格が必要なタイプもあります。どのタイプのコンロが該当するのか、詳しく見ていきましょう。
ガスコンロはガスを使う関係上、設置に不備があるとガス漏れを原因とした重大な事故の要因となります。くれぐれも安易な考えで設置しないように注意してください。
テーブルコンロなら可能
テーブルコンロの設置に必要な資格はありません。
テーブルコンロは持ち運びも簡単ですし、設置に必要な作業はガス栓にゴム管を適切につなげるぐらいです。取扱説明書の注意事項や作業手順をよく読んで適切に作業すれば、自分で設置できます。
ビルトインコンロの設置は資格が必要
ビルトインコンロの設置は必ず有資格者が行わないといけません。
ガス機器の施工に必要な資格はいくつかありますが、ビルトインコンロの設置には「ガス可とう管接続工事監督者」か「液化石油ガス設備士」の資格が必要です。
この2つの資格は、使用するガスの種類によって使える資格かどうかが変わってきます。更に上の資格として「ガス機器設置スペシャリスト」という資格も存在します。
ガスコンロを設置する際の確認ポイント3つ
ガスコンロを設置する時には必ず確認しておくべきポイントが3つあります。これらを間違えてしまうと、そもそも設置や使用ができません。
また、ポイントを無視して無理やり設置すれば事故の原因にもなりかねません。設置しようとするガスコンロが条件にあっているか、必ず確認しましょう。
ポイント1:「都市ガス」か「プロパンガス」か
都市ガスとプロパンガスは供給方法が異なります。どちらにも対応できるよう作られた家でない限り、その家で供給されているガスを使うほかありません。
ガスの種類が異なるガスコンロを設置した場合、異常点火によって怪我や故障の原因になったり、一酸化炭素中毒によって最悪の場合死亡事故に繋がったりする恐れがあります。
ガスコンロのラベルや型番で使用するガスの識別ができるようになっているので覚えておきましょう。
ポイント2:ガス栓の形状
ガス栓の形状は旧式から最新式、安全機能の有無などの違いから10種類以上のタイプがあります。
新しいタイプのものは、ヒューズと呼ばれる安全装置がついています。もし旧式のガス栓を使い続けている場合には、ガスコンロの設置を機に新しいものに交換することも検討してみましょう。
長く使い続けているとガス栓が固くなって使いにくさを感じることもあります。こうした場合には、ガス栓そのものの交換も検討してみましょう。
ポイント3:ゴム管の「口径」と「種別」
ガスをガス栓からガス機器につなぐためには、ゴム製の管を使います。
- ガスコード
- ガスソフトコード
- 強化ガスホース
の3種類があり、口径も種類があります。それぞれ使えるガス栓の形状やガス機器の種類に差があります。
使用するガスの種類によってゴム管が色分けされていて、プロパンガスはオレンジ、都市ガスは薄ピンクですので覚えておきましょう。
ゴム管も種類や口径を間違えると重大な事故の原因になります。
ホースエンド型のホース接続方法
ガス栓にはホースエンド型とコンセント型の2種類があり、それぞれ接続方法やホースの形状などに違いがあります。ここではホースエンド型の特徴と設置方法について紹介します。
最もわかりやすいポイントは
- 「丸さが目立ち赤い線が入ったガス栓」
- 「バンドで固定する」
の2つです。必要なものは、ホースエンド型のゴム管と固定用のバンド2つだけです。
コンロ側
ホースエンド型のコンロを選ぶかどうかは、自宅のガス元栓の形状がホースエンド型であるかどうかを基準にしましょう。ガス栓とコンロがホースエンド型で揃っていれば、ほぼ同じやり方で簡単に接続できます。
コンロ側の接続口の赤い線までホースを確実に挿し込み、バンドでしっかり固定すればコンロ側の接続は完了です。
ガス栓側
ガス栓側も栓の形状に大きな差はありません。栓に書いてある赤い線までしっかりとホースを差し込み、固定用のバンドで確実に止めましょう。
古いガス栓の場合、赤い線が消えてしまっていることもありますが、コンセント型のガス栓と比べて丸みがある形状をしているので、横から見て写真で比較すればわかりやすいです。
線が見えなくてもホースをしっかりと一番奥まで挿し込んで固定すれば大丈夫でしょう。
コンセント型のホース接続方法
次はコンセント型の特徴と設置方法を見てきましょう。コンセント型は電気のコンセントのようにホースの端にソケットがあり、それを差し込むための栓があるタイプです。
ホースエンド型と比べて設置が簡単で、抜いてから挿し直すこともできるため主流になりつつあります。ガス栓を横から見た時、ホースエンド型と比べてカクカクしているのが特徴です。
コンロ側
コンセント型の場合、ガスホースにガス管ソケットを付ける必要があります。コンロによっては、既にソケットが付いた状態のガスホースが付属している場合もあります。
キャップを開けて栓の奥まで挿し込み、カチッと音が鳴れば接続完了です。ホースエンド型と異なり、バンドの固定作業は不要です。
ガス栓側
ガス栓の形状がコンセント型であることと、ガスホースの端にソケットが付いていることが確認できれば、ガス栓側の接続も簡単です。
しっかりガス栓の奥までソケットを挿し込み、カチッと音が鳴れば接続完了で、それ以上手を加える必要はありません。
ガスコンロ設置時の注意点3つ
ガスコンロの設置作業には、ガス漏れをはじめ危険が付きまといます。ガスの特性や、異常が発生した場合の察知や対策など、しっかりと事前知識を入れておくことが重要です。
大前提として
- 「換気をしっかりすること」
- 「火の気がない状態で作業すること」
の2点は遵守しましょう。これらの点に気をつけておくだけでも、重大事故の危険性を大きく減らし安全に作業できます。
注意点1:作業時はガスの元栓確実にしめる
ガスコンロの設置中に、ガスを出す必要は一切ありません。
接続が一通り完了し、最後の確認として火をつけるまでは、必ずガス栓は閉めておくようにしましょう。安全装置がついているガス栓であれば、万が一栓が開いてしまっても自動的にガスが止まるようになっています。
こういった機械的な対策も効果的ですので、ガス栓が古い場合には新しいものに交換しておくとより安全な作業ができるでしょう。
注意点2:ホースの長さは適切に
ガスホースの長さは、長すぎても短すぎてもいけません。
折り曲げてしまったりピンと張るほど伸ばしてしまうと、その部分に大きな負荷がかかって亀裂が入ってしまったりする可能性もあります。ホースを自然な形にできるように、ガスコンロの位置なども気を配りましょう。
ホースが長すぎる場合にはハサミでカットして使いまます。ハサミは特殊なものは必要なく、切り方も栓と平行にまっすぐ切れば大丈夫です。
注意点3:設置後はガス漏れの確認を
ガスホースの接続が、コンロ側も元栓側も完了したことを確認したら、試しに火をつけて見る前に必ずガス漏れのチェックを行いましょう。ガスは目に見えるものではないので、臭いを感じ取るやり方で確認するのが簡単です。
念のために為換気扇を回したり、窓を大きく開けて風通しを良くしたりするなどして、一度室内の空気を入れ替えるまでやると万全でしょう。
もしガス漏れを確認した場合、すぐに元栓をしめて換気を行い業者に電話をしましょう。
ガスコンロ(テーブルコンロ)の選び方
テーブルコンロタイプのガスコンロを選ぶ時に最も重要な3つのポイントについて説明します。
間違えてしまうと返品や業者による改造などが必要になり、時間もお金も余計にかかってしまうため、必ずチェックしておくべきポイントです。
設置先のガスの種類
家庭用のガスには
- 都市ガス
- プロパンガス(LPガス)
の2種類あり、いずれかに対応したガスコンロを選ばないと使用できません。自宅に供給されているガスがどちらなのかを知ることが、ガスコンロ選びの最初のステップになります。
都市ガスは地下のパイプを通して供給されますが、プロパンガスはガスボンベを自宅脇にある供給設備に設置することで使用します。家にガスボンベがある場合はプロパンガスと覚えておくと簡単でしょう。
設置スペース
テーブルコンロの設置スペースは、キッチンなどガスコンロ設置用に作られたスペースに置くことが基本です。
それ以外の場所での使用は、換気扇の位置やガス栓からの距離など様々な制約があるため、やむを得ない状況でない限りおすすめしません。
万が一キッチン以外に設置する必要があるのなら、専門家や家主などとよく相談し適切な方法で行いましょう。
必要なコンロの数
コンロには一般的に1口から3口までのタイプが有り、魚焼きグリルの有無でも差があります。
コンロの数が増えれば自ずとガスコンロ本体の大きさも変わってきますが、設置できるスペースと必要なコンロ数などを見極めながら機種を選びましょう。
コンロの数が増えるとそれだけ掃除やメンテナンスの手間が増えるので、本当に必要な数を把握することが重要です。
人気のテーブルガスコンロ
テーブルガスコンロは複数のメーカーから発売されています。特に人気が高い4種類を、人気の理由やおすすめしたいポイントと合わせて紹介します。
どれにするか迷っている人はまずこれらをチェックして、選ぶ時のポイントを明確にしてみるといいでしょう。
PA-E18F
Paloma(パロマ)が発売する、1口タイプのテーブルガスコンロです。
形状と操作はとてもシンプルで、とりあえず1口のコンロがほしいという一人暮らしの人に特におすすめです。プロパンガスタイプと都市ガスタイプが併売されています。
KG34NBEシリーズ
リンナイが発売する2口テーブルガスコンロシリーズであるKG34NBEシリーズは、3つの安全機能が搭載されていることが特徴です。
「ワイドごとく」を搭載し、しっかりと鍋を支えます。温度感知センサーや、消し忘れタイマーでもしものときも自動で消化してくれます。
グリルの使用を5分おきに音で知らせてくれる機能も魅力的です。都市ガスとプロパンガス、強化力が左右2パターンの計4種類が発売されています。
IC-N86シリーズ
Paloma(パロマ)が発売する2口タイプのテーブルガスコンロIC-N86シリーズは、料理の時についうっかりやりがちなミスを自動的に抑えてくれる下記の機能が搭載されています。
- 焦げ付き消火機能
- 調理油過熱防止機能
- 立ち消え安全装置高性能
都市ガスとプロパンガスそれぞれに、左右の強化力の計4パターンが発売されているので、どのような環境でも安心して使えます。
NW61SVシリーズ
ノーリツの発売する2口タイプのテーブルガスコンロNW61SVシリーズは、多彩な調理アシスト機能が特徴です。
- 290℃の高温炒め
- 160℃~200℃までの5段階の揚げもの温度調節機能
- 天ぷら油過熱防止機能
- グリル調理タイマー
- 一定時間経過すると作動する消し忘れ消火機能
などがあります。都市ガスとプロパンガス両方に、左右の強化力の計4パターンが発売されています。
ガスコンロを設置するときは安全に注意しよう
ガスコンロの設置には危険が潜んでいることを常に頭に入れておくことが大切です。
ガスの種類を知り、それに合ったガスコンロを選ぶところから始まり、作業の手順をしっかり守り適切な用具を使ってガスコンロを設置しましょう。
換気と火の気を取り除くことを怠らず、細心の注意を払いながら作業をし、少しでも不安がある場合には、費用や時間はかかってしまいますが業者に頼むと安心です。