目次
水仙を育てる前に
まずは水仙の基本的な情報をおさえておきましょう。水仙に適した植え付け時期や球根と苗の選び方などについてまとめました。
水仙の栽培カレンダー
水仙の苗と球根の植えつけ期は、暑さがやわらぐ9月後半頃から11月半ば頃です。冬になる前までに植えておきましょう。
1 月 |
2 月 |
3 月 |
4 月 |
5 月 |
6 月 |
7 月 |
8 月 |
9 月 |
10 月 |
11 月 |
12 月 |
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植え付け | 〇 | 〇 | 〇 | |||||||||
開花期 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
上記の植えつけ時期を守ったうえで、苗と球根を地植えか鉢植えにしておけば、11月半ば~4月まで花が咲き続けます。地植えなら、3年ぐらいは掘り上げずに植えたままで大丈夫です。水仙の栽培は手がかからず、とても簡単です。
《 ポイント 》
- 水仙の苗と球根の植え付け適期は9月後半~11月半ば頃
- 水仙の開花期は11月半ば~4月頃まで
- 3年間は植えっぱなしでOK!
球根、苗の選び方
水仙の球根や苗を買うときは以下の点に注意して、なるべく丈夫なものを選びましょう。
水仙の球根の選び方
- 丸くふっくらしている
- ずっしりとした重みがある
水仙の苗の選び方
- 株元がぐらつかずしっかりしている
- 葉の色が鮮やかな緑
- 茎に花芽が付き、伸びている
細長くて軽い球根は、しっかり育たずに花が咲かない可能性があるので注意してください。
《 ポイント 》
- 水仙の球根は丸みがあり重いものを選ぶ
- 水仙の苗はしっかりとした株で緑が濃いものを選ぶ
水仙の育て方
水仙は、正しい時期に適切な方法で植えさえすれば、美しい花を咲かせてくれます。ここで水仙の球根と苗の植えつけ方を紹介します。
球根の鉢植え
水仙の球根を鉢植えにする場合は、以下の手順を参考にしてください。
用意するもの
- プランター
- 用土(草花用培養 7:腐葉土orピートモス 3)
- 鉢底石
- 鉢底ネット
水仙の球根を鉢植えにする手順
- プランターの底に鉢底ネットを敷き、鉢底石を敷き詰める
- プランターの8分目ぐらいまで用土を入れる
- 球根を、球根の高さの約2倍ほどの深さに植える
- 土をしっかりかぶせる
- じょうろで水をたっぷりかける
腐葉土やピートモスを3割ほど加えることで、土がやわらかくなり、根を張りやすくなります。球根を植えるときは、球根と球根の間を5センチほどあけるといいでしょう。
《 ポイント 》
- 球根を植える深さは球根の約2倍
- 5センチずつ間隔をあけて植える
球根の地植え
水仙を地植えする際には、水が溜まってぬかるんでしまうような場所は避けてください。水仙は日光を好みますが、強い日差しを避けられるような半日陰がベストです。
用意するもの
- 腐葉土
水仙を地植えにする手順
- 土を掘り上げ、腐葉土を適量すき込む
- 球根を、球根の高さの約2倍ほどの深さに植える
- 土をしっかりかぶせる
- じょうろで水をたっぷりかける
地植えの場合は、15~20センチの株間をとりましょう。
《 ポイント 》
- 水仙は日なた~半日陰で、水はけのいい土壌に植える!
- 15~20センチの間隔をとって植える
苗の鉢植え
水仙の苗を購入後すぐに、プランターまたは地植えに適した場所に植えるようにしましょう。
用意するもの
- プランター
- 用土(草花用培養 7:腐葉土orピートモス 3)
- 鉢底石
- 鉢底ネット
水仙の苗を鉢植えにする手順
- プランターの底に鉢底ネットを敷き、鉢底石を敷き詰める
- プランターの8分目ぐらいまで用土を入れる
- 穴を掘る
- 水仙の苗の根鉢を崩さずに植える ※根鉢=土に根が張り、育苗ポットから抜いたときに固まった状態の形のこと
- 土をしっかりかぶせて、土の表面をギュッと押す
- じょうろで水をたっぷりかける
鉢植えの水仙も、適度に日の当たる場所に置きましょう。
苗の地植え
用意するもの
- 腐葉土
水仙の苗を地植えにする手順
- 土を掘り上げ、腐葉土を適量すき込む
- 穴を掘る
- 水仙の苗の根鉢を崩さずに植える
- 土をしっかりかぶせて、土の表面をギュッと押す
- じょうろで水をたっぷりかける
球根を植えるときと同様に、15~20センチの株間をとって植えつけましょう。
《 ポイント 》
- かならず根鉢を崩さずに植える!
水仙の育て方のコツ
水仙の花をきれいに咲かせるコツをいくつか紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
置き場所
水仙は日光を好むので、日当たりがよく水はけのいい場所に植えつけましょう。水仙は寒さに強いので、冬の間も枯れることはありません。
ただし夏の暑さに弱く、夏の間は休眠します。休眠中の球根が埋まっている場所に強い日差しが当たらないよう、木の株元に植えるのがおすすめです。
《 ポイント 》
- 水仙は水はけがよく、多少日陰になる場所に植えるのがベスト!
- 水仙は寒さに強く暑さに弱い
水やり
生育期の鉢植えの水仙は、こまめな水やりが必要です。花が咲いている間は、土が乾いたら鉢底の穴から水が流れ出るくらい、たっぷり水やりしてください。
地植えの水仙は、雨がしばらく降らずに土が乾ききっているとき以外は、とくに水やりする必要はありません。
《 ポイント 》
- 鉢植えの水仙の場合、花が咲く時期は土が乾いたらたっぷり水やりする
肥料
水仙は肥料を与えすぎると、生育に悪影響を与える場合があります。ですから、基本的には無肥料で大丈夫です。
球根や苗の植えつけ時に、元肥として施す程度でOKです。窒素分が少なめの緩効性肥料を、根に当たらない場所にすき込んでおきましょう。
《 ポイント 》
- 水仙に肥料を与えすぎるのはNG!
病害虫
水仙は比較的丈夫ですが、まれにモザイク病にかかることがあります。モザイク病にかかると、葉に黄色っぽいまだら模様が入り、生育が悪くなります。
モザイク病はアブラムシが媒介するウイルスにより発症します。アブラムシを見つけたら、早めに駆除しましょう。
《 ポイント 》
- 水仙にアブラムシが付いていたら早めに駆除する!
開花後の管理
水仙の花が咲いた後にそのままにしておくと、種を作ろうとして株が弱ってしまいます。花が咲き終わったら、そのつど茎ごとカットしましょう。
そうすることで、元気な状態のまま株を維持できます。ただし葉はカットせずに、すっかり枯れるまで残しておきましょう。
《 ポイント 》
- 花が咲き終わったらすぐに茎ごとカットする
- 葉は枯れるまで切らない!
水栽培の方法
水仙は、室内で水栽培できます。ホームセンターなどで、水栽培用の水仙が販売されています。部屋のインテリアにもなるのでおすすめですよ。
用意するもの
- 水仙の球根
- 水栽培用の容器(細長くて小さめの花瓶)
水仙を水栽培する手順
- 容器に水を入れる
- 水仙の球根を、容器にのせる
- 室内の暗い場所に置く
水仙のお尻部分(下部)だけが水に浸かるようにしてください。根が伸びてきたら、日が当たる場所に移動させましょう。また、1週間に1度は水換えをしてください。
《 ポイント 》
- 水仙の球根の下部のみ水に浸かるようにする
- 根が出るまでは暗い場所に置く!
水仙の育て方に関するQ&A
水仙に関する疑問にお答えします。自宅で育てるときの参考にしてください。
A.もっともメジャーなのは、花被片(花びら)が白で副花冠(花の内側の部分)が黄色の水仙です。花被片と副花冠のどちらも黄色のタイプや、花被片が黄色で副花冠がオレンジのタイプもあります。また、花被片と副花冠がいずれも白い品種やグリーン、ピンクなどの珍しい水仙もあります。
A.水仙の原種は30種類あります。「英国王立園芸協会」に登録される園芸品種は1万種類を超え、12系統に分類されています。
A.水仙は全草に毒があり、口に入れると吐き気や嘔吐、皮膚炎などの中毒症状を起こします。誤って食べてしまい死亡した例もあるので、くれぐれも注意してください。ニラと水仙の葉は似ているので、間違えて食べてしまう危険があります。水仙をニラの近くに植えないようにしましょう。
《 ポイント 》
- 水仙には白や黄色、オレンジ、グリーン、ピンクなどの色がある
- 水仙には30種類の原種があり12系統に分けられる
- 水仙は全草に猛毒があり、食べると中毒症状を起こし最悪の場合死に至るので要注意!
水仙の増やし方
水仙を植えつけてから3年目の花後に、球根を掘り上げます。植えっぱなしの状態のままだと、球根が増えて土の中が窮屈になり、生育に支障が出てしまいます。
掘り上げると小さな球根が複数くっついているので、手で分球しましょう。植え付け期まで、球根を風通しのいい冷暗所で保管してください。植えつけの時期になったら、通常の植え方で球根を植え付けます。
《 ポイント 》
- 植えつけてから3年目に、花が終わったら分球する
- 植えつけ期まで、球根を風通しのいい冷暗所で保管しておく
最後に
水仙は決して華やかではありませんが、清らかな美しさがありますよね。上手に増やすことができれば、花が咲く時期は感動するほど見事です。
水仙を育てたことがない方も、ぜひ自宅の庭で育ててみてください。育て方はとても簡単です。秋になったら、忘れずに水仙の球根を準備しておきましょうね。