クレマチスの育て方!初心者でも失敗しないお手入れ方法

クレマチス

初心者はもちろん、上級者も必見!クレマチスの失敗しない育て方についてお答えします。ガーデニング愛好者からの人気が絶大のつる性のクレマチスは、花の色も豊富で、咲き方も品種によってさまざま。300種類もあるという品種の中から好みに合わせて選べるのも大きな特徴でしょう。この記事では、クレマチスの育て方、剪定方法など初心者でも失敗しないクレマチスの育て方を解説します。

クレマチスを育てる前に

2種のクレマチス

美しい花を咲かせるクレマチスは、キンポウゲ科クレマチス属に分類されるクリスマスローズやアネモネと同じ仲間で、北半球の国々を中心に世界中に分布しています。

まずは、クレマチスの育て方の基本として知っておくべきことをご紹介いたします。

クレマチスの特徴

クレマチスの育て方は種類によって異なります。クレマチスは種類や品種もたくさんあることから、つる性植物の中でもっとも人気のあるもののひとつです。

クレマチスは比較的丈夫な花

クレマチスは丈夫な性質なので、誘引や剪定などの育て方を上手におこなうことで、初心者の方でも見事な花を咲かせることができます。

おしゃれな育て方として、クレマチスをフェンスやアーチなどの構造物に絡ませれば、庭の雰囲気が華やかになり、ガーデナーにとっても自分の手で育たせ楽しみたいと思う花のひとつでしょう。

1年で2回咲く

クレマチスは1年のうち、開花の時期が春と秋の2回あり、開花時期が長いのが特徴です。

また、剪定の仕方によっては更に開花時期を延ばすことができますので、クレマチスの育て方さえ覚えれば初心者の方でも四季を通して楽しみながら鑑賞できるでしょう。

主に、一重の花が出回っていますが、ベル型、八重咲き、チューリップ咲きなども存在し、性質も落葉性のものから常緑のもの、一季咲きから四季咲きに近いもの、また冬咲きのものなどバラエティーに富んでおり多種多様に楽しめる魅力が満載の花なのです。

クレマチスの種類

クレマチスには3つの種類があります。クレマチスの育て方において、どの種類の苗なのかによって植え替え時期、剪定の仕方が違ってきますので、どんなタイプなのかを把握することはとても重要なことです。

クレマチスは咲く時期によって「新枝咲き」「旧枝咲き」「新旧両枝咲き」の3つの種類に分けられますが、選ぶ際に役立つそれぞれの特徴を紹介しましょう。

新枝咲き

新梢(しんしょう)と言って新しく伸びた枝にだけ花がつくタイプが「新枝咲き」です。四季咲がほとんどなので、1年間に数回花を咲かせるのですが、前年の枝には花がつかないので冬になったらばっさりと切って短くします。

比較的コンパクトに育てることができるので、鉢植えに向いていることから初心者の方は四季咲きの新枝咲きから試してみてはいかがでしょうか?

旧枝咲き

前年に伸びた古い枝に花がつくタイプのクレマチスが「旧枝咲き」です。旧枝咲きには一季咲のものが多く、古い枝に1年に1回花を咲かせます。

つるを伸ばして花を咲かせるタイプなので、庭や家の壁に這わせたり支柱に絡ませて観賞します。

新旧両枝咲き

新枝咲きと旧枝咲きの特徴を併せたタイプが「新旧両枝咲き」で、新しい枝と古い枝の両方に花がつきます。四季咲のものが多い新旧両枝咲きは4月~10月の間に数回花を咲かせて楽しませてくれるでしょう。

鉢植えでもよく育つので、ベランダガーデニングにもおすすめです。

クレマチスの品種

クレマチスを代表する品種をご紹介します。

クレマチス・モンタナ

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クレマチスの中でもたくさんの花を咲かせるモンタナは、ヒマラヤから中国を原産とする原種として知られています。よい香りのものが多いので、美しさと香りを楽しみたい人に向いているでしょう。

テッセン

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長いつるを伸ばすテッセンは、日本に自生している新旧両枝咲きのクレマチスで、春から秋にかけて大きな花を咲かせます。

クレマチス・カートマニー・ジョー

クレマチス・カートマニー・ジョー

花が小柄であまり大きくならないのが特徴なので、ベランダなどでも育てやすいでしょう。

クレマチス・カートマニー・アバランチェ

同系統の多種と比べて少し大きめの花が咲きますので、大鉢で仕立てるのにも向いています。

クレマチス・ジョセフィーヌ

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上品な容姿と歴史的な名花として知られているクレマチスでは、花の中心がこんもりと盛り上がっているのが特徴で、海外でも人気の高い品種です。

クレマチスの植えつけ時期と方法

クレマチスの植えつけ時期と方法をご紹介します。

植えつけは基本的に1年中可能ですが、中でも休眠中の12月~2月中旬頃がもっとも適しています。ただし、寒冷地では、厳冬期の植え付けは避けるようにしましょう。

日当たりのよい場所を好むクレマチスを地植えで育てる場合には、日当たりがよく、風通しのよい、蔓が絡みやすいフェンスなどの近くに植えることもポイントです。

《 ポイント 》

  • バラエティーに富んでおり多種多様に楽しめる
  • 植え替え時期、剪定の仕方が異なる3つのタイプに類できる
  • 植え付け時期は休眠中の12月~2月中旬頃

クレマチスを育てるための準備

紫のクレマチス

クレマチスの苗の選び方

クレマチスには、12月の時期を1回越えた「1年苗」と、2回越えた「2年苗」がありますが、葉が青々として茎が太い2年苗を選ぶようにします。

他に、以下の状態の苗を選びましょう。

  • 葉っぱの色やツヤが良いもの
  • 株元から枝が何本も出ているもの
  • ラベルに苗の品種が記載してあるもの
  • 初心者向けには新枝咲きの四季咲き

クレマチスに適した土の作り方

クレマチスに適した土作りが、上手に育てる大きなポイントになりますので、水はけがよい弱酸性の土を選びましょう。

市販のクレマチス専用培養土が手に入ならなければ、「硬質赤玉土:4、硬質鹿沼土:3、完熟腐葉土:3」の割合でブレンドしたものに元肥を加えた土を使います。または、市販の培養土に少量の赤玉土や完熟腐葉土を混ぜたものでもOKです。

早春から晩秋にかけての生育期間中は、定期的に肥料を施すようにしますが、真夏を除いて1~2か月に1回「緩効性肥料」を、そして月に2~3回「液体肥料」を与えましょう。

また、冬に寒肥を施しておくことにより春の新芽の生育がよくなります。

その他の準備

クレマチスを育てるなら、種をまくよりは、苗または鉢植えの株を購入するようにします。その際に、鉢植え、地植え共に準備するものは次のとおりです。

  • クレマチスの苗
  • 肥料
  • 支柱
  • ラベル
  • ジョウロ
  • 鉢、またはプランター(鉢植えの場合)
  • 鉢底ネット(鉢植えの場合)
  • 鉢底石(鉢植えの場合)

《 ポイント 》

  • 1年苗より2年苗を選ぶようにする
  • 水はけがよい弱酸性の土が適している
  • 緩効性肥料は1~2か月に1回、液体肥料は月に2~3回与える

クレマチスの育て方

クレマチスをシャベルで植える

クレマチスの「鉢植え」の手順

  1. 支柱を立てる
    緩効性化成肥料を混ぜた土を鉢に入れ支柱を立てます。
  2. 苗を植えつける
    ポットから取り出した苗を植えつけ、残りの土を苗の周囲にかぶせます。
  3. 水やりをする
    鉢の底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。

クレマチスの「地植え」の手順

  1. 穴を掘る
    直径、深さともに40㎝以上の穴を掘ります。
  2. 土をブレンドする
    穴の底にクレマチス専用培養土、または硬質赤玉土、硬質鹿沼土、完熟腐葉土を4:3:3でブレンドした土を半分ほど入れます。
  3. 植えつける
    苗を根鉢から丁寧にはずして穴に入れ、根元から2番目の葉が隠れるように土をかけます。
  4. 水やりをする
    たっぷりと水やりをします。

クレマチスの根は旺盛なので、混植する場合は、バラなど他の植物を傷めることがないよう、仕切り板内や塩ビ管にクレマチスを植えるようにします。

《 ポイント 》

  • 支柱を立て、水をたっぷり与える
  • 地植えの場合は他の植物を傷めないように仕切り板内や塩ビ管を利用する

クレマチスの育て方のポイント

クレマチスを摘む手

クレマチスがどんな種類のどんなタイプなのかを把握すること

四季咲き、春咲き、冬咲きのどれなのか、新枝咲き、旧枝咲き、新旧枝咲きのどの種類の苗なのかによって植え替え時期、剪定の仕方が変わってきます。

置き場所

クレマチスの育て方で重要なのは置き場所です。日当たりが悪いと、花が咲かない、枝が細いなど生育不良になってしまいます。そうならないためにも半日以上の日当たりと、風通しがよい場所で育てるのが理想です。

少なくとも、1日に4時間以上日が当たる場所を選ぶようにしてください。また、雨水によって根腐れを起こさないよう、庭植えの場合は、軽石などを加えて水はけをよくしておくことをおすすめします。

水やり

クレマチスの育て方で注意するのは水やりです。乾燥を嫌うので、株元にたっぷり与えて常に土が水で湿っているような状態を心がけましょう。

鉢植えの場合は表面の土が乾いてきたら鉢底から出てくるくらいにたっぷりと与えます。

地植えの場合もほぼ同じですが、春から夏にかけては毎日、真夏は朝夕の涼しい時間に1日2回、梅雨時期は少し回数を減らします。秋はまだ開花する種類のものがありますので、毎日欠かさず与えましょう。

追肥

クレマチスは比較的肥料を好みます。

  • 緩効性肥料を2か月に1回
  • 液体肥料を月に2~3回

上記を目安に与えますが、真夏は肥料を施す必要がありません。

庭植えは寒肥と花後にお礼肥を与えます。特に四季咲きは肥料切れに注意してください。

花がら摘み

花が咲き終わったら、花首をこまめに切ってください。花がらをそのままにしておくと、タネができて栄養を取られてしまうので株が弱ってしまいます。

病害虫

クレマチスの育て方で気をつけるのは病害虫です。

【アブラムシ】

アブラムシは春に植物が芽吹く時期に大量に発生し始めます。そうならないように、冬の間にオルトラン粒剤を根本にまいておくと、根から吸収して茎や葉に行き渡り、アブラムシが付かないように予防できます。

【ハダニ】

葉の裏に発生して白っぽくなってしまうハダニは、水をかけて駆除しますが、それでもダメな場合はハダニ専用の殺虫剤を散布して早めに対処します。

その他にも、クレマチスには、アオムシ、ナメクジ、コガネムシ、ヨトウムシなどが発生する場合がありますので、定期的に葉裏などを調べて植えつけの際に土壌に粒剤を混ぜ込むなどの工夫が必要です。

【立ち枯れ病・うどんこ病】

カビが原因で枝が枯れたように茶褐色になってしまう立ち枯れ病になっていまったら、葉や花の弱っている部分だけを切り取ってしまいます。

葉や枝が白っぽく粉を吹いたようになるうどんこ病は、植物と植物の間が詰まって風通しが悪い状態になるとかかりやすくなります。

下に生えている雑草から乾燥すると移ったりするので、水やりを頻繁に行うようにします。それでもダメな場合には市販の治療効果のある薬剤を使いましょう。

《 ポイント 》

  • どんな種類のどんなタイプなのかを把握しておくこと
  • 半日以上の日当たりと、風通しがよい場所で育てるのが理想的
  • 花が咲き終わったら花がらを摘んでおく
  • 害虫や病気は殺虫剤を散布して早めに対処すること

クレマチスの植え替えと剪定

ピンクのクレマチス

クレマチスの植え替えの時期と手順

クレマチスの育て方として、クレマチスは1年中植え替えをすることができますが、基本的に植え替えは、クレマチスの芽や根の休眠期間である12月~2月中旬頃に行うのが適切です。

植え替えをせずに生育を続けていると、根が鉢の内部で詰まってしまい、株が弱り病気にかかりやすくなりますから、鉢の底から根がはみ出してきたら、植え替えを行うようにしてください。

クレマチスの植え替えの手順

  1. 大きな鉢を用意
    鉢の底から根が見えてきたら、現在のものよりひと回りほど大きな鉢を用意します。
  2. 軽石を敷く
    鉢の底に大粒の軽石を敷いて水はけをよくします。
  3. 植えつける
    鉢の半分まで土を入れたら、クレマチスを元の鉢からやさしく抜き植えつけます。
  4. 土を入れる
    根元から2番目の葉が出ているところが隠れるように残りの土を入れます。
  5. 支柱を取りつける
    株の大きさやつるの長さに合った支柱を取りつけます。
  6. 水と肥料を入れる
    水をたっぷりと与え、緩効性化成肥料を施します。

クレマチスの剪定の時期とやり方

クレマチスの花を咲かせるためには、花にだんだんと元気がなくなってきた時に剪定作業を行うようにします。

ポイントは花が散る前に枝や葉を短く刈り込むこと。品種によっては剪定を行う時期や場所が異なるので、どのタイプなのか確認しておく必要があります。

旧枝咲きのタイプの剪定方法

5月頃の花が咲き終わった後に、開花した枝を花首から1節か2節程度のところで切り戻しましょう。そうすることによって、二番花が咲きやすくなり次々と花が咲くようになります。

その後、夏を過ぎて花が咲かなくなった時に、株全体を2節ほど切り戻します。伸びすぎた枝をカットしておくと、新しい脇芽が伸びて花芽が育つので翌春が待ち遠しくなります。

新枝咲きタイプの剪定方法

2月~3月頃の剪定は、生え際から枝の2〜3節を整えるようにします。

一番花が咲き終わった5月頃に半分くらいを残して切り戻しをすると、二番花・三番花がつきやすくなります。その後、開花シーズンが終わった8月頃に、地表から何節かを残して剪定します。

新旧枝咲きタイプの剪定方法

開花シーズン中は、咲き終わった花首を1節~2節を残して切り戻しをします。開花シーズン終了後は、地上部が枯れたら新芽が出ていない枝をカットします。

クレマチスの増やし方

クレマチスは、4月下旬~7月下旬頃まで「挿し木」で増やすことができます。今年伸びた蔓の少し硬くなった部分を2節ずつ切り、挿し穂にしますが、挿し穂の下部の葉を除去してから清潔な培養土に挿します。

ポイントは、下の節が土に埋まるようにすること。種類や品種によって発根時期が異なりますが、ほとんどの場合、約2か月で発根しますので、その後、鉢に植え替えましょう。

《 ポイント 》

  • 植え替えは鉢の底から根が見えてきたとき。休眠期間である12月~2月中旬頃が適期
  • タイプごとに剪定方法が異なる
  • 挿し木は4月下旬~7月下旬頃の間に行う

最後に   

クレマチス

初心者でも失敗しないクレマチスの育て方はいかがでしたか?

クレマチスを育てる時には、種類ごとに異なる特徴をしっかりと把握しておく必要性をおわかりいただけたと思います。

クレマチスは種類によって好む環境や苦手なことが違いますので、育てたいクレマチスの特徴を調べておくときれいな花を咲かせやすくなります。

また、剪定の仕方をしっかりと学ぶことで花の咲かせ方を豪華にする事ができます。ちょっとくらい剪定方法を間違ったとしても毎年咲くのですからチャンスはいくらでもあります。

怖がらずにバリエーションに富んだクレマチスを育ててみてくださいね。

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