目次
長芋の旬と収穫時期
長芋の旬はいつ?
長芋は年に二回、旬を迎えます。
一回目の旬は、11月から1月の間です。11月から1月が旬の長芋のことを「秋掘りの長芋」と呼んでいます。そして、二回目の旬は、4月から5月の間です。4月から5月が旬の長芋のことを「春掘りの長芋」と呼んでいます。
なぜ、長芋の旬は二回あるのか
長芋の旬が年に二回あることには理由があります。
長芋は、基本的には、積雪量の多い地域で栽培されています。長芋は、夏にたっぷりと太陽の光を浴びることで栄養を蓄えます。そして、秋から冬にかけた寒い時期に旬を迎えるのです。
しかし、積雪量の多い地域で、たくさんの長芋を収獲することには限界があります。
秋から冬の間に全ての長芋を収獲する農家さんもいらっしゃるようなのですが、収獲を終えられない農家さんもいらっしゃるようです。
そのため、秋から冬の間に収獲することができなかった長芋は、雪がとけたあとの4月から5月にかけて収穫されるのです。
どちらの旬の方が美味しいのか
秋掘りの長芋は、シャキシャキとした歯ごたえが魅力の長芋です。
細切りにして食べるのがおすすめです。もちろん、とろろにしても美味しいです。半分を細切りに、半分をとろろにして、ごはんにかけて食べると、とろとろ感とシャキシャキ感の両方を味わうことができます。
春掘りの長芋は、冬の寒さや冷たさを乗り越えたため、長芋に含まれているデンプンが糖質へと変化します。そのため、秋掘りの長芋の比べて、糖質が増えたことによって、甘味が増します。
細切りやとろろにしても美味しいですし、糖質や甘味を活かしたいのであれば、天ぷらにして食べるのもおすすめです。塩であっさりと食べても美味しいですし、お醤油を垂らして食べても美味しいです。
どちらの旬の長芋の方が美味しいのかは、個人差があると思います。
しかし、季節や旬によって違った味わいを楽しむことができるため、どちらの方が好きというよりも、それぞれの魅力を味わって楽しむ長芋ファンが多いようです。
長芋の特徴
なぜ、長芋はすりおろすと変色してしまうのか
長芋をすりおろしにしておくと、時間が経つと共に、変色していまいます。切って余った長芋も、切り口が変色してしまいます。
黒っぽく、赤っぽく、赤黒くなど変色する原因は『酸化』です。
長芋には「ポリフェノールオイシターゼ」という成分が含まれているのですが、空気中の酸素と反応することで、酸化してしまうんです。
すりおろしてすぐに変色してしまうことがありますが、その日のうちに食べる分には問題はありません。品質への影響もないでしょう。変色してしまうことに抵抗があるのであれば、食べる直前にすりおろすと良いと思います。
どうしても白くて美しいすりおろした長芋が食べたい!という時は、ほんの数量のレモンやお酢を混ぜてみてください。酸っぱくなってしまわないよう、ほんの一滴か二滴で良いです。
レモンやお酢の酸の力によって、酸化や変色を防ぐことができます。
長芋で手が痒くなってしまう原因
長芋には、「シュウ酸ナトリウム」という成分が含まれています。長芋をすりおろしたり切ったりするときに、シュウ酸ナトリウムが皮膚に触れることで痒みを引き起こします。
痒みの程度には個人差があり、全く痒みがないという人もいます。しかし、ひどく反応してしまう人の場合、強い痒みと共に、赤み・熱・腫れなどを引き起こすことがあります。
山芋による痒みを抑制するためには、一度、山芋を冷凍させると良いとされています。冷凍させたことで、シュウ酸ナトリウムの影響を受けにくくなるのだそうです。
また、シュウ酸ナトリウムはアルカリ性の成分ですので、その反対である酸性のレモン汁やお酢を使うのもおすすめです。手にレモン汁やお酢をつけてから山芋を扱ったり、山芋にレモン汁やお酢をかけてから扱うなどです。
ニオイのことを考えると、レモン汁の方が良いでしょう。
長芋の主な生産地
全国トップクラスの生産量を誇る「青森県」
青森県は、昭和49年から平成21年までの間、長芋の生産量日本一でした。
青森県には、上北地域と呼ばれている地域があり、青森県内で最も長芋を生産している地域です。青森県十和田市の公式ホームページによりますと、十和田市は上北地域内で、長芋の生産量が4番目に多いのだそうです。
長芋を購入されるときは、青森県・十和田市・上北地域などの記載がある長芋を手に取ってみてはいかがでしょうか。
明治時代には長芋を自家用として作っていた「長野県」
長野県では、松代藩真田十万石の時代より、長芋の自家用栽培の形跡があったそうです。
北信州千曲川沿岸の沖積地帯では、販売用の長芋が栽培され、昭和40年以降には、長野県内での裁判面積が急速に広がったそうです。
長野県内での長芋の主な生産地は、中信の山形村と北信の松代地区です。長芋を購入されるときは、長野県・中信(山形村)・北信(松代地区)などの記載がある長芋を手に取ってみてはいかがでしょうか。
美しい肌と長くまっすぐな長芋が自慢の「鳥取県」
鳥取県には、“砂丘ながいも”と呼ばれる長芋があります。鳥取県中部の砂丘地で栽培されています。
砂丘ながいもの特徴は、肌が美しいこと・長くて真っすぐなことです。一般的な長芋と比べて、サラッとしていて、適度な粘りがあります。とろろはもちろん、かき揚げやお好み焼きとして食べるのも美味しい長芋です。
「北海道」JAきたみらいのトロフィー1066(トロロ)
北海道北見市にある“JAきたみらい”では、「トロフィー1066(トロロ)」という長芋が栽培されています。
複数の微生物によって発酵させた海藻ミネラルを使用するなど、長芋を育てるための土づくりにもこだわっています。トロフィー1066(トロロ)は、とっくり型のような形が特徴的な長芋であるため、「だるま芋」として親しまれています。
長芋の栄養と効果
食物繊維
長芋には、食物繊維が豊富に含まれています。便秘や軟便の改善への効果を期待することができます。
しかし、食物繊維が豊富に含まれているからといって、食べ過ぎにはご注意ください。長芋は、意外と糖質を多く含んでいます。とくに、とろろごはんは、糖質やカロリーを摂りすぎてしまうかもしれません。
ビタミン
- ビタミンB
- ビタミンC
- ビタミンD
- ビタミンE
- ビタミンK
このように、長芋には豊富なビタミンが含まれています。とくに、ビタミンB1やビタミンCの含有量が多く、スーパーフードと呼ばれるほどです。
健康にも美容にも効果を期待することができます。ビタミンB1やビタミンCには抗酸化作用があり、シミやシワやたるみの予防など、女性に嬉しい作用を期待することができます。
長芋の保存方法
常温で保存する場合
長芋を常温で保存したい場合には、「冷暗所」に置いておきましょう。約1ヵ月ほど、保存しておくことができます。新聞紙に包んで保存する方法や、おがくずに入れて保存する方法がおすすめです。
冷蔵で保存する場合
長芋を冷蔵で保存する場合、「野菜室」がおすすめです。1ヵ月から3ヵ月ほど、保存しておくことができます。新聞紙に包んで保存する方法や、おがくずに入れて保存する方法がおすすめです。
冷凍保存する場合
長芋を冷凍で保存する場合、皮付きのまま保存するのがおすすめです。後から、使う分だけを解凍したい場合、切って小分けにして冷凍しておくのが便利です。
しかし、切り口が変色してしまう可能性があります。冒頭でもご紹介したように、切って小分けにして冷凍したい場合には、切り口にレモン汁を少量つけて保存することで、変色を抑えることができます。
最後に
長芋に限らず、どんな野菜も食材も、最も美味しいとされている「旬の時期」に食べることで、美味しさは変化します。
旬の時期であることには、美味しく食べること以外にも、食材の本来の味を楽しんだり、高い栄養素を摂ったり、季節の雰囲気を味わうなどの目的もあります。
お買い物の際は、旬の長芋を発見したら、ぜひ、味わってみてくださいね。