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冷凍庫の温度は「-18度」
冷凍庫を使用するにあたって、何度にすべるのが最適か、知らない方が多いのではないでしょうか?
ここでは、冷凍庫の設定温度を-18度で設定すべき理由などを説明します。
設定温度は安全に基づくルール
家庭で使用する冷凍庫の温度は-18度に設定されており、これは「JIS規格」により-18度以下と決められているからです。
「日本工業規格」のことで、簡単に言うと安全な物作りをするためのルールです。
「-18℃」は食中毒を防ぐための温度
なぜ-18度に設定されているかと言うと、微生物が増殖できない温度だからです。この温度だと微生物は繁殖することができず、食中毒を防ぐことができます。
しかし、冷凍保存は微生物の増殖を防ぐことはできますが、細菌を殺菌することができませんので注意しましょう。
-18度以下にすると「食品の劣化を防げる」
-18度以下に設定することにより、食品の品質に影響を及ぼす酸化や活性酸素などの劣化を防ぐことができます。-18度で保存することで、食べ物を長い間保存することができるでしょう。
ちなみに、業務用の冷凍庫は-20度~-30度ぐらいに設定おり、家庭用の冷凍庫よりも低い温度で設定されています。これは家庭用と業務用では使う目的が異なっているからです。
業務で使う場合、冷凍する食品の種類が違いますし、ドアを開閉する機会が多いため、冷却機能が高めに設定されているようです。
≪ポイント≫
- 「JIS規格(日本工業規格)」で冷蔵庫の温度は-18℃以下と定められている
- 「食中毒を防止する」ため-18℃以下と規定されている
- 「食品の劣化を防ぐ」ため-18℃以下と規定されている
冷凍庫の温度が下がらない原因
冷凍庫の温度が下がらないと、中に入れている食品が溶けたり、細菌が繁殖して食中毒のリスクがアップしたりなど、大変なことになってしまいます。冷凍庫の温度が下がらない原因を紹介しましょう。
ドアの開閉を頻繁にしている
冷凍庫の中身を確認したり、暑い日に冷凍庫を開けて涼んだりなど、ドアの開閉を頻繁にしてはいませんか?
扉を開けると外気から温かい空気が冷凍庫に流れていってしまい、一時的に庫内の温度が上がります。15秒間解放しただけで10度前後上昇し、閉めたとしても元に戻るまで10分近くかかってしまうのです。用のない時はドアを開閉しないようにしなければなりません。
ドアが開いている
冷凍庫のドアが開いている場合、中の冷気が外に逃げるのと同時に外気が入り込んでしまい、庫内の温度が上昇してしまいます。
- うっかり閉めるのを忘れた
- ナイロン製の袋がドアに挟まっていた
- 扉のパッキンが汚れていた
など、このような事で扉がきちんと閉まらなくなってしまうので注意しなければなりません。
食品を詰め込みすぎる
食品を詰め込みすぎると、冷気が出ている部分を塞いでしまうことがあります。また、調理したばかりのものや、まだ温度が高いものを入れると、庫内の温度を上げることに繋がってしまうでしょう。
実は、冷蔵庫の場合は食品を入れすぎると冷気が全体に行き渡らなくなってしまいますが、冷凍庫の場合は物をある程度入れた方が冷気に逃げにくいとされています。
凍った食材同士がお互いを冷やすので、庫内が冷えやすいのです。食品を入れる時は、冷気が出ている所を塞がず、温かいものを入れないようにしましょう。
温度設定のミス
温度設定のミスも冷凍庫の温度が下がらない原因に繋がります。間違って弱設定にしたり、寒い冬の日に節電の為に設定を下げたままにしていたりなど。
設定を弱のままにしていると、真夏のような暑い日には-18℃の庫内温度を保つことが難しくなってしまいます。温度が下がらない場合は、初歩的ですがまずは設定温度を確認しましょう。
≪ポイント≫
- ドアを開けると、15秒で10℃下がる。元の温度に戻るのに10分近くかかる。
- ”うっかり”で「ドアが開きっぱなし」にならないように注意する
- 冷気を出す部分を塞がないように、「食品を詰め込みすぎない」ようにする
- 冷蔵庫の「温度設定」が原因で温度が下がる場合が有るので注意
最適温度に保つための方法
冷凍庫の温度が上がっている場合、食品が溶けていたり、腐敗したりしてしまうので、最適な温度を保つ必要があります。まず、最適温度に保つために温度設定をしっかり行いましょう。
季節ごとに温度設定を調整する
夏などは室内温度が高く、庫内の温度も上がりやすいので、冷却モードを強めに設定します。逆に冬は室内温度が低いため、設定を弱にしておいても大丈夫です。季節によってきちんと温度設定を調節しましょう。
ドアのパッキンに劣化や汚れがないか確認する
ドアの開閉に注意し、パッキンに汚れやゆるみがないか確認します。劣化があった場合はドアがきちんと閉まらないので、パッキンを交換しなければなりません。
温度が上昇する入れ方は避ける
一度に色々なものを詰め込んだり、温かいものを入れてしまったりすると、庫内の温度は一気に上昇してしまうので少しずつものを入れていきましょう。
庫内についた霜は定期的に取り除く
霜がついていると少しずつ庫内の面積を圧迫し、温度調整が利きづらくなります。庫内が霜だらけになってしまったならば、コンセントを抜いて霜を取り除きましょう。
冷凍庫のドアを全開にし、少し時間が経った後にドライヤーやヘラで霜を取り除くことができます。
≪ポイント≫
- 夏場は強め、冬場は弱め、など季節に合った冷蔵設定にする
- ドアパッキンに汚れやゆるみが無いか定期的にチェックする
- 冷蔵庫に物を入れるときは「すこしずつ」入れる
- 冷蔵庫内の「霜」は定期的に取り除く
電気代を安くする方法
大体の家庭では冷蔵庫・冷凍庫は24時間365日稼働させるので、電気代もかかりやすいです。
家電の中でも電気代がかかりやすい冷凍庫ですが、ちょっと工夫をするだけで電気代を安くすることができるようになります。
最初は温度の設定から見直す
まず、庫内の温度の設定をしてみましょう。強や弱だけでなく、中というものもあります。
例えば、強から中に設定した場合、年間61.7kWh節電できるそうです。季節によって温度設定を調節・見直してみましょう。
冷凍庫に入れる際の注意点
また、冷凍庫は冷蔵庫と違い、ものをある程度入れておいた方が冷凍してある食品同士が保冷材の役割をするので節電に繋がります。
しかし、ものを入れるために何回もドアを開けたり、調理したての温かい食品を入れたりすると、庫内の温度が上がって電気代がかかってしまいます。
扉の開閉時間・開閉回数に注意し、温かい食材は冷ましてから入れましょう。温度の大きな上昇を防ぐことが節約に繋がります。
冷凍庫と壁の隙間をあける
また、冷凍庫が壁にくっつきすぎたり、周りにものが置かれたりしていると電気代がかかりやすくなってしまいます。
冷凍庫が冷える仕組みに放熱があり、冷凍庫の周りにスペースがないと放熱がしづらくなり、余計な電気代がかかってしまうのです。冷凍庫の周りにはものを置かないようすることが大切です。
≪ポイント≫
- 季節に合わせて「温度の設定を見直す」
- 冷蔵庫にはものをある程度入れておくと保冷剤の代わりになる
- 扉の開閉回数はなるべく少なくする
- 食品は冷ましてから入れる
- 冷蔵庫を設置す際は「周りにある程度スペースを空けておく」
家庭用冷蔵庫の平均温度設定は「約3度」
衛生状態を保つためには、冷凍庫だけでなく、冷蔵庫の温度設定もしっかりしないといけませんよね。
冷蔵室の平均温度設定は、約3度となっています。冷蔵室は、JIS規格により0度から10度の範囲内で設定するように定められているのです。ほとんどの細菌類は10度以上で活動してしまうので、しっかりと平均温度設定にしましょう。
チルド室の温度は「約0度」
チルド室は入れるものが凍る一歩手前の温度に保たれるスペースなので、約0度が平均温度設定になります。
凍らせてはいけない食品や、納豆やヨーグルト、チーズなど発酵が進みやすい食品の保存に適しているでしょう。
野菜室の温度は「約6度」
野菜室は野菜を入れる所で、野菜の保存に適しているのは約6度となっています。平均温度設定を保つためには、冷凍庫と同じように、ドアの開閉を少なくしたり、温かい食品を入れたりしないように心がける必要があります。
何度に調整するかわからなくなった時は、平均温度設定を参考にしましょう。平均温度を保てれば、食品をより良い状態で保存でき、電気代の節約にも繋がっていきます。
最後に
食品を安全な状態で保存するためには、冷凍庫や冷蔵庫の温度を最適温度に保つ必要があります。冷凍庫や冷蔵庫の温度を最適の状態に保つということは、そんなに難しいことではありません。
温度を調節したり、ドアの開閉に気をつけたり、霜を取り除いたりなど、すぐにできることばかりです。冷凍庫や冷蔵庫の温度を最適温度に保ち、食品の品質をしっかり守りましょう。