目次
普段の「小さなクセ」が車を傷めている!
車は一度買ったらできるだけ長く大切に使いたいですよね。けれど実際には、多くの人が何気なくやっている日常的な行動が、気付かないうちに車の寿命を縮めてしまっていることがあります。
運転中のちょっとしたクセや駐車方法、日頃の手入れなど、「悪気なく」していることが積み重なり、部品の劣化や故障の原因になるのです。
車の寿命は、あなたの日常の扱い方で大きく変わります。
「何気なくやっていた行動が、まさかこんなに車を傷めているなんて!」と気付いて後悔する前に、今日から見直していきましょう。
車の寿命を縮める15のNG行為
車を長く乗り続けるためには、まず「車に良くない行為」を理解し、避けることが重要です。日常生活の中で、ついやってしまいがちなNG行為を詳しくご紹介します。
普段の自分の行動と照らし合わせながら、チェックしてみてください。
1. 停車したままハンドルを回す「据え切り」
駐車場で狭いスペースに停める時、つい停車したままハンドルを回していませんか?これが「据え切り」と呼ばれる行為で、車のタイヤとステアリング系に大きな負担がかかります。
据え切りをすると、タイヤが地面に擦れたまま強い圧力でねじられるため、タイヤの溝が偏って減ったり、サスペンションが傷んだりします。
タイヤが早く摩耗してしまい、結果として維持費も高くつきます。駐車の際はほんの少しでも前後に動きながらハンドルを切ることで、タイヤの負担を大きく軽減できます。
2. エンジン始動直後に急発進・急加速する
エンジンをかけた直後の急発進や急加速は、エンジン内部にオイルが十分行き渡らないうちに大きな負荷をかけることになります。
エンジンオイルはエンジンを守る大切な役割をしているため、エンジン内の摩擦や劣化を防ぐのに欠かせません。エンジン始動直後は、まだオイルが十分に循環していないため、金属同士が直接触れて傷つきやすい状態です。
冷えたエンジンを急に回すのは、人間が寝起きに全力疾走するようなもので、部品の寿命が確実に短くなります。発進後、最低1分間はゆっくり走行する習慣をつけましょう。
3. 信号待ちで「N」や「P」に切り替えるクセがある
信号待ちでシフトレバーを「N(ニュートラル)」や「P(パーキング)」に入れてしまう人がいますが、これはかえって車に負担をかけます。
停止中の頻繁なシフトチェンジはオートマチックトランスミッション内部の部品を無駄に動かし、ギアやベアリングを摩耗させる原因になります。
実際、メーカーでも信号待ち程度の停車であれば「D(ドライブ)」のままブレーキを踏むことを推奨しています。Dのままなら内部の機械が安定した状態を保てるため、余計な摩耗を防ぐことができます。
4. 急ブレーキや急カーブを頻繁に行う
急ブレーキや急カーブを多用すると、車体のさまざまな部品が激しく消耗します。特にブレーキパッドやタイヤ、サスペンションなどにかかる負担は相当大きく、寿命を著しく短縮します。
急な操作は燃費を悪化させるだけでなく、タイヤやブレーキの交換頻度を早め、家計の負担にもつながります。ゆっくり穏やかに運転することで、タイヤやブレーキパッドを長持ちさせ、安全性と経済性を両立できます。
5. 完全停止前にシフトレバーを切り替える
完全に止まりきる前にシフトレバーを「D」から「R」、または「R」から「D」に動かすのはNGです。この操作によってトランスミッション内部のギアが無理やり逆方向に動かされ、内部部品に強い衝撃が加わります。
その結果、ギアや軸受けの破損、トランスミッションの寿命短縮を引き起こす可能性があります。焦らず完全停止を確認してからシフト操作を行うだけで、愛車の健康寿命を伸ばせます。
6. 車止めにタイヤを強く押し当てて駐車する
駐車する時に、勢いよくタイヤを車止めに押し付けていませんか?
タイヤに強い力がかかったまま駐車すると、タイヤの内側にあるベルトやコードが損傷したり、サスペンションのブッシュが変形したりします。
長期間この状態が続くと、タイヤの寿命が短くなるだけでなく、走行時の振動や不安定さを引き起こす原因にもなります。車止めから数cm手前で停車するクセをつけると、車の部品寿命は大幅に伸びます。
7. 長期間車に乗らずに放置している
車を長期間動かさないまま放置すると、タイヤが変形(フラットスポット)したり、バッテリーが完全に上がったりします。
さらにエンジン内部のオイルが下がってしまい、次にエンジンをかけた時に潤滑不良で部品が傷つきます。特に屋外で放置すると、湿気や直射日光によって車体が劣化します。
車は定期的に走行させることで健康を保つよう設計されています。週1回でも20分程度の走行を行えば、この問題は防げます。
8. サイドブレーキを使わずに「P」レンジだけで駐車する
オートマチック車で「P」レンジだけで駐車すると、車の重量がすべて小さな部品(パーキングロック)に集中し、大きな負担をかけます。
坂道などで特に危険で、パーキングロックが損傷する可能性があります。駐車する時は必ずサイドブレーキを併用して、車体への負荷を分散しましょう。
9. タイヤの空気圧をチェックしていない
タイヤの空気圧は、適正値より少しでも下回ると車の寿命に大きな影響を及ぼします。
空気圧が不足すると、タイヤが偏った状態で路面と接触し、特定の箇所が極端に摩耗します。さらに転がり抵抗が増えるため、燃費の悪化や走行性能の低下も起こります。
一方で空気圧が高すぎると、タイヤ中央部分だけが集中して摩耗し、乗り心地が硬くなり、振動が激しくなります。またタイヤの空気圧は季節の変化で変動します。
特に気温が急激に変化する春や秋は、意識的に空気圧を確認しましょう。月に1度、ガソリンスタンドや整備工場で空気圧をチェックするだけで、タイヤ寿命が最大で1.5倍以上伸びることもあるのです。
10. ガソリンを満タンにしないことが多い
ガソリンを常に少量しか入れず、ギリギリの状態で運転する習慣がある場合は要注意です。
ガソリンタンクの中にガソリンが少ないと、燃料ポンプがむき出しに近い状態となり、冷却効果が弱まります。その結果、ポンプが熱を持ってしまい、ポンプ本体や関連部品が早期に劣化しやすくなります。
また、タンク内に空気が多い状態で長期間放置すると、タンク内に結露が生じ、水分が燃料系統に侵入する可能性があります。水分が混入すると、エンジンの不調や燃料系統の腐食を引き起こす原因になります。
なるべく給油の際は満タンに近い状態まで給油し、最低でもタンク容量の半分以上を維持するよう心掛けましょう。燃料ポンプの寿命を伸ばし、愛車を長持ちさせる簡単かつ効果的な方法です。
11. 荷物を積んだままにしている
トランクや後部座席に重い荷物を積んだままにすると、車の燃費が悪くなるだけでなく、サスペンションやタイヤに余計な負担をかけてしまいます。荷物が多いと、加速やブレーキ時に余計な力が必要になり、ブレーキパッドやエンジンへの負担が増します。
また、荷物を積んだままだと車のバランスが崩れてタイヤの偏った摩耗を招くこともあります。使わない荷物は早めに車内から降ろし、車を軽くしてあげましょう。ちょっとした手間が愛車の寿命を伸ばします。
12. 洗車をほとんどしない(または洗車をしすぎている)
洗車を怠ると車体に泥や鳥のフン、虫の死骸などが長期間付着したままになり、塗装面を傷めてサビを誘発します。特に海沿いや冬場の融雪剤が撒かれる地域では、塩害で車体が腐食する可能性があります。
一方で洗車を頻繁にしすぎると、コーティングが剥がれたり、細かな傷が付いたりします。月に1~2回程度が理想的で、鳥のフンや虫の死骸が付いた場合は速やかに水でふやかして優しく落としましょう。適切な頻度での洗車は愛車を長持ちさせる基本です。
13. エアコンを作動させたまま急発進する
夏の暑い日にエアコンを最大にしている状態で急発進すると、エンジンに大きな負担がかかります。エアコン使用時はエンジンのパワーが一部奪われているため、急なアクセル操作でエンジンや駆動系部品が通常より無理な負荷を受けます。
これを繰り返すと、エンジンベルトやコンプレッサーなどが早く劣化します。暑い日でも発進時だけはエアコンの風量を少し抑えめにするだけで、エンジンへの負担は軽減されます。ぜひ今日から実践してみてください。
14. オイル交換や定期点検を忘れることが多い
エンジンオイルは車の健康を維持する重要な役割を果たしています。オイル交換を怠るとエンジン内部が摩耗して焼き付きなどの故障が発生します。
エンジンだけでなくブレーキフルードや冷却水、バッテリーなども定期的な点検が必要です。定期点検をしないまま車に乗り続けると、部品が早く劣化し、思わぬ重大なトラブルにつながることもあります。メーカーが推奨する交換時期をしっかり守ることが、愛車を長持ちさせる最大の秘訣です。
15. ワイパーの劣化に気づかない
ワイパーのゴムは雨の日しか使わないため、劣化に気づきにくい部品です。しかし、ゴムが傷んだまま使い続けると、ガラスに細かな傷が付いたり、視界が悪化して運転に危険を及ぼす可能性があります。
半年に一度程度、ワイパーのゴムを目視でチェックし、拭き取りが悪い場合は早めに交換しましょう。ワイパーのメンテナンスは安全運転だけでなく、ガラスを傷つけないためにも大切です。
愛車を長く大切に乗るために意識したいこと
車は使い方ひとつで寿命が大きく変わります。愛車を長持ちさせるためには、「いたわる気持ち」が大切です。そこで、日常的に意識すると効果が高いポイントをご紹介します。
やさしい運転をする
車に最も負担がかかるのは急な操作です。急発進、急ブレーキ、急カーブなどの「急」のつく動作を避けるだけでも、タイヤやエンジンの寿命がぐっと伸びます。
少し余裕を持ったスムーズな運転を意識すると、部品の劣化が遅くなるだけでなく、燃費が良くなり、安全性も高まります。
気づいたら早めに対処する
車の異変に気づいた時に、すぐに対処する習慣をつけましょう。
「ちょっと変な音がする」「振動が増えた」「警告灯が点いた」といった些細なことでも放置すると、部品が大きく傷んで修理費用がかさむ可能性があります。早期発見・早期対処を心がけるだけで、修理の規模を小さく抑えられます。
汚れや傷みをためこまない
洗車や車内清掃を定期的に行いましょう。放置した汚れは車体を傷め、サビや塗装剥がれの原因になります。
またエンジンオイルやタイヤ、ワイパーのゴムなど消耗品は、交換時期を守ることで車が良い状態で保たれます。「汚れや劣化に気づいたら早めにケアする」だけで、愛車は驚くほど元気な状態を保てます。小さな意識の積み重ねが、愛車との快適な日常を長続きさせます。
まとめ
車の寿命を縮める行動は、普段の何気ないクセや小さな油断の積み重ねによって生じています。一方で、これらのNG行為を見直すことで、大切な愛車を長く良い状態で維持できます。
また、車の調子が良いと日常の運転も快適になり、安全性も向上します。愛車を長く乗るためには、トラブルが起こってから対処するのではなく、日頃から意識的にケアする姿勢が大切です。
今日からさっそく気をつけて、大切な車とより長く安全で快適なカーライフを楽しんでください。