寝る前にやってはいけないNG行動9つ…「眠れない」「疲れが残る」人は要注意

寝る前のちょっとした行動が、実は眠れない原因や朝の疲れのもとになっているかもしれません。本記事では寝る前にやってはいけないNG行動を解説。なぜ眠りの質を下げるのか、その理由をわかりやすく紹介します。

眠りは「行動の積み重ね」で決まる

睡眠は、体を休めるだけでなく心のリセットにも欠かせません。

しかし「寝る前の過ごし方」が乱れていると、脳と体は休息モードに入れず、眠りが浅くなります。スマホを手放せない、つい夜食に手を伸ばす…。誰にでも心当たりのある行動が、実は睡眠を妨げているのです。

質の良い眠りを手に入れるために、まずは避けるべき行動を知ることが大切です。

寝る前にやってはいけない9つのNG行動

ここからは多くの人がやってしまいがちな寝る前の習慣を取り上げます。なぜそれが眠りを妨げるのか、そしてどう改善すればいいのかを一つひとつ解説していきます。

1. 寝る直前までスマホを見る

布団に入ってからも、ついスマホを手にしてしまう。SNSをチェックしたり、動画をスクロールしたり…気づけば30分以上経っていた、そんな経験はありませんか。

スマホの光に含まれるブルーライトは脳に「まだ昼間だ」と勘違いさせます。眠気を促すメラトニンの分泌が抑えられ、自然な眠りが遠ざかってしまうのです。

さらに厄介なのは光だけではありません。SNSの通知や終わりのない動画は脳を刺激し、心を興奮状態にします。これでは眠りが浅くなるのも当然です。

完全に手放すのが難しくても、就寝の1〜2時間前にはスマホから距離を置くことが深い眠りへの近道になります。

2. 寝酒としてアルコールを飲む

「お酒を飲むと寝付きが良くなる」そう思っていませんか。実際は逆で、アルコールは睡眠の質を大きく下げます。

飲酒後は一時的に眠りやすくなりますが、体内で分解される過程で交感神経が刺激され、夜中に目が覚めやすくなります。さらに利尿作用でトイレに行きたくなり、熟睡を妨げます。

つまり、寝酒は「眠れたように見えて、体は休めていない」状態をつくるのです。お酒を楽しむなら就寝の3〜4時間前までに済ませ、眠りをアルコールに頼らない習慣をつけましょう。

3. 寝る直前の食事や夜食

仕事や勉強で遅くなり、夜中にお腹が空いて食べてしまうことはありませんか。

しかし食べ物を消化するには数時間かかります。布団に入っても胃腸が働き続け、体は休む準備ができません。結果として入眠が遅れたり、眠りが浅くなったりします。

さらに高脂肪の食事やスパイシーな夜食は胃に負担をかけ、逆流や胃もたれの原因にもなります。理想は就寝の2〜3時間前までに食事を終えること。どうしても空腹なら、バナナやヨーグルトなど消化の良い軽食を少量にとどめるのが賢明です。

4. 夕方以降のカフェイン摂取

「コーヒーを飲んでも眠れるから大丈夫」と思っている人も多いですが、それは体が慣れているだけかもしれません。カフェインの効果は人によって4〜7時間続くとされ、眠りの深さを確実に妨げます。

コーヒーや紅茶だけでなく、緑茶やエナジードリンク、さらにはチョコレートにもカフェインは含まれています。夕方以降に口にすると、寝付きの悪さや夜中の覚醒につながりやすいのです。

カフェインに敏感な人は、午後の早い時間までに摂取を終えるのが安心です。

5. 寝る直前の激しい運動

「運動すると疲れて眠れるのでは?」そう思う人もいるでしょう。確かに日中の適度な運動は睡眠に良い効果を与えます。

しかし寝る直前の激しい運動は別物です。心拍数が上がり、体温が急激に上昇し、交感神経が活発に働きます。この状態は体が「戦闘モード」に入っているのと同じで、リラックスして眠りに入るのが難しくなります。

筋トレやランニングは就寝3時間前までに終えることを意識し、寝る前は体をゆるめるストレッチや深呼吸を取り入れるのが安心です。

6. 熱すぎるお風呂に入る

一日の疲れを癒やすお風呂。しかし42℃を超える熱いお湯に浸かると、かえって眠りを妨げてしまいます。熱すぎるお湯は交感神経を刺激し、体を覚醒させるからです。

眠気は体温が下がるときに自然に訪れるため、就寝の60〜90分前に38〜40℃程度のお湯で10〜20分浸かるのが理想的です。入浴で一度体温を上げ、その後ゆっくりと下がる過程で眠気が訪れる仕組みをうまく利用しましょう。

7. 眠れないのに布団で粘る

「眠れないけど布団で横になっていればそのうち眠れるだろう」そう思って長時間ベッドで過ごしていませんか。これは危険な習慣です。

眠れない時間が続くと、脳は「ベッド=眠れない場所」と学習してしまいます。これが不眠を長引かせる原因になります。

もし20分経っても眠れない場合は、一度布団を出て、暗めの環境で静かに過ごすことがおすすめです。紙の本を読む、軽くストレッチをするなど、眠気が戻るまでリラックスできる行動を選びましょう。

8. 夕方以降や長すぎる昼寝

昼寝は集中力を回復させる効果的な方法ですが、タイミングや時間を誤ると夜の眠りを奪います。

特に夕方以降の昼寝や30分を超える長い昼寝は、夜に眠気が訪れにくくなります。深い眠りに入ってしまうと寝起きもスッキリせず、かえって体がだるくなることも。

昼寝をするなら午後15時までに15〜20分程度にとどめるのがベストです。これなら頭もすっきりし、夜の眠りにも悪影響を与えません。

9. 明るい照明の中で過ごす

寝る直前までリビングの白い蛍光灯の下で過ごしていませんか。実はこれも眠りを妨げる原因です。

昼白色や昼光色の強い光は青みが多く、脳を昼間の状態に近づけてしまいます。眠気を促すメラトニンが分泌されにくくなり、寝付きが悪くなるのです。

おすすめは寝る1〜2時間前から暖色系の電球色に切り替えること。照度も少し落として、間接照明やフロアランプを使えばリラックスしやすい雰囲気が整います。光の工夫で眠りはぐっと変わります。

寝る前におすすめの習慣

「ダメなことばかり並べられても、結局どうすればいいの?」と感じる方もいるでしょう。そこで、ここでは寝る前に取り入れると眠りやすくなる行動を紹介します。

スマホやカフェインを我慢したあとに空白の時間ができてしまうと逆にストレスになります。代わりにできるリラックス習慣を用意しておくと安心です。

紙の本を読む

スマホをやめたあと、手持ち無沙汰でまた画面を見てしまう…そんな人におすすめなのが紙の本です。電子書籍ではなく紙の活字に触れることで、自然と目や脳が落ち着きます。

内容はホラーやサスペンスのように刺激が強いものではなく、エッセイや軽い小説など心が和むものを選ぶとより効果的です。柔らかい光の中で静かにページをめくる時間は、眠気を誘う入眠儀式として役立ちます。

穏やかな音や音声を楽しむ

静かな音楽や環境音を流すと、気持ちが落ち着き副交感神経が優位になりやすくなります。クラシックやヒーリングミュージック、雨音や波の音など自然音もおすすめです。

スマホを使う場合も、画面は見ずに音だけを楽しみましょう。ポッドキャストやオーディオブックも良い選択肢です。目を閉じて声に耳を傾ければ、余計な考えごとが頭から離れ、自然に眠気が訪れます。

軽いストレッチや呼吸法

激しい運動は逆効果ですが、体をゆるめる程度のストレッチは眠りをサポートします。肩や首をゆっくり回す、ベッドの上で脚を伸ばすなど、リラックス目的で行うのがポイントです。

深呼吸や腹式呼吸も合わせると効果が高まります。例えば「4秒吸って、7秒止めて、8秒で吐く」といった呼吸法は自律神経を整え、眠りやすい状態へ導きます。

温かいノンカフェインの飲み物を飲む

寝る前の一杯を工夫することも睡眠の質を高めるコツです。白湯やホットミルク、カモミールティーなどのハーブティーは体を内側から温め、リラックス効果をもたらします。

飲みすぎは夜中のトイレの原因になりますが、少量であれば心を落ち着ける習慣になります。甘いジュースやカフェイン入り飲料の代わりに取り入れてみましょう。

日記やメモで頭を整理する

眠ろうとすると考えごとが止まらない人には、紙に書き出す習慣が有効です。

明日のやることをTo-Doリストにまとめる、今日の感謝できることを3つ書くなど、自分に合った方法で構いません。頭の中の情報を外に出すことで、脳は「もう考えなくていい」と安心します。

これによって悩みや不安が軽減され、入眠がスムーズになりやすいのです。

眠れないときのQ&A

「頭ではNG行動だとわかっていても、実際にはどうすればいいの?」という疑問を解決するために、よくあるシーンをQ&A形式で紹介します。自分の生活に照らして読んでみてください。

Q1. 夜中に目が覚めてしまったら?

A. 眠れないまま布団にいると脳が「ベッド=眠れない場所」と学習してしまいます。20分以上眠れなければ一度布団を出て、暗めの環境で静かに過ごしましょう。紙の本を読む、温かい飲み物を少し飲むなど、落ち着ける行動を選ぶのがコツです。

Q2. 夕食が遅くなったときは?

A. 就寝2〜3時間前に食事を終えるのが理想ですが、遅くなった場合は量を控えめにし、消化に良いものを選びましょう。うどん、スープ、ヨーグルトなどがおすすめです。脂っこいものや刺激の強いものは避けてください。

Q3. 寝る前にどうしてもスマホを触ってしまう

A. いきなり完全にゼロにするのは難しいものです。まずはナイトモードを使う、画面の明るさを下げるなど小さな工夫から始めましょう。さらに、動画やSNSのような能動的な操作は避け、オーディオブックやポッドキャストなど受動的なコンテンツに切り替えるのがおすすめです。

Q4. 昼間眠くてどうしても昼寝したい

A. 昼寝は悪いことではありません。むしろ短く区切れば有効です。午後15時までに15〜20分の仮眠をとりましょう。これなら夜の眠りを妨げず、頭もすっきりします。30分以上眠ると深い睡眠に入ってしまい、寝起きがつらくなるので注意してください。

寝る前のセルフチェック

柔らかな光の照明

「行動に移すのが難しい」という人も、チェックリストで振り返れば改善が続けやすくなります。寝る前に以下を確認してみてください。

  • 就寝1〜2時間前にスマホを手放した
  • 夕方以降にカフェインを摂っていない
  • お酒は就寝3〜4時間前までに済ませた
  • 就寝2〜3時間前に食事を終えた
  • 激しい運動は寝る3時間前までに終えた
  • 入浴は38〜40℃で10〜20分、就寝60〜90分前に済ませた
  • 寝室の照明を暖色系に切り替えた
  • 20分以上眠れなければ布団を出ると決めた
  • 昼寝は午後15時までに15〜20分以内で済ませた
  • 寝る前にリラックスできる習慣(読書・音声・ストレッチ)を取り入れた

この10項目のうち、半分でも実行できれば睡眠の質は大きく改善します。すべて完璧にこなす必要はありません。自分に合った項目から始め、徐々に増やしていくことが継続のコツです。

まとめ

寝る前の習慣は、思っている以上に翌朝のコンディションに直結します。深い眠りを妨げる行動を避けることはもちろんですが、同時に「眠りを助ける行動」を組み込むと効果が高まります。

スマホを手放したあとに紙の本や音声を楽しむ、ストレッチや呼吸で体をゆるめる、温かい飲み物で心を落ち着ける。そんな小さな工夫が積み重なり、眠りの質を確実に変えていきます。

睡眠は人生の3分の1を占める大切な時間です。だからこそ、自分に合った就寝前のルーティンを見つけ、明日を軽やかに始められる夜を整えてみてください。

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