砂糖の賞味期限とは?表示されていない理由と捨て時のサイン

白砂糖

料理に欠かせない調味料といえば「砂糖」ですよね。西洋料理、和食、中華、イタリアン、フレンチ。それにお菓子に果物にお酒と、非常に幅広く活躍してくれます。どれくらい砂糖を消費するかは人によりけりですが、みなさんは砂糖の「賞味期限」を気にしたことはありますか? 砂糖の賞味期限って、あまり気にしたことのない方は意外に多かったりします。しかし砂糖も立派な食材ですから、当然「賞味期限」はあります。そこで今回は、普段あまり意識しない砂糖の「賞味期限」についてお話していきたいと思います!

砂糖に賞味期限は表示されていない

白砂糖の山

砂糖は腐らない

先に結論を言いますと、実は砂糖に厳密な意味で賞味期限はありません。というのも、国が定めた法律(JAS法と言われています)で賞味期限を表示しなくてもいいと決められているからです。別に、「腐っても大丈夫だから」という理由があるからではありません。

純度の高い精製からうまれた砂糖は、時間経過とともに見た目や色に多少とも変化は起こりますが、適切な保管を心がけていれば、腐るようなことはないのです。

「砂糖が腐った」なんて話、よく考えたら聞いたことがありませんよね。端的に言えば、砂糖や塩は腐らない調味料なのです。だから、わざわざ賞味期限を表示しなくてもいいという取り決めになっているのですね。

間違えた保存の仕方をするとダメになる

砂糖は基本的に腐るような調味料ではないので、よほどのことがない限り、いちいち「賞味期限」を気にする必要はありません。砂糖が足りなくなったら、そのつど補充するくらいの“ゆるいペース”でまったく問題がないわけです。

とはいえ、誤った方法で砂糖を保管すると、サラサラの状態で使えなくなってしまう恐れがあります。くれぐれも気をつけましょう。では、どんなやり方が間違った砂糖の保管方法なのでしょうか? それは、「湿気の多い場所」です。

砂糖はたいてい、キッチンの近くに置いてあると思うのですが、あまりに水回りに近い場所に置いておくと、湿気が砂糖ケースに入り込んでしまい、ガチガチに固まってしまうのです。なので、できるだけ水回りから遠ざけるように砂糖を保管しておくことをオススメします。

もちろん、遠すぎても料理のときに不便でしょうから、ある程度工夫して湿気を避けるようにしましょう。たとえば、振り向いたすぐ後ろに棚があるなら、そこに砂糖と塩を置くのもいいですね。あるいは、水気が飛ばないような高い位置(戸棚など)に置くのもオススメです。

砂糖の賞味期限が切れた状態とは

消費期限

「賞味期限」と「消費期限」の違い

みなさんは、「賞味期限」と「消費期限」の違いが判りますか? そこまで気にしたことのない人もきっといるはずです。せっかくなので、ここで両者の言葉について確認しておきましょう。

「賞味期限」は、パッケージや容器を開封しないままの状態で、なおかつ指定の保管方法を守っている場合に「品質(味や風味)が変わらずに美味しく食べられる期限」のことです。

比較的傷みにくい食品、たとえばペットボトル飲料、缶詰、チーズ、カップ麺類、スナック菓子などによく表示されています。「賞味期限〇〇年4月5日」と書かれていたのなら、その日付までに開封して食べれば、美味しくいただけるというわけですね。

ただし、その日付を超えても食べることはできます。多少味は落ちるかもしれませんが、身体に害があるわけではありません。

一方で「消費期限」は、パッケージや容器を開封しないままの状態で、なおかつ指定の保管方法を守っている場合に「安全に食べられる期限」のことです。お弁当、生もの、ケーキや生菓子など、傷みやすい食品によく表示されています。

「消費期限〇〇年4月5日」と書かれているなら、その日付までに開封して食べればお腹を壊したりするリスクが少ないということになります。ただし、表示された日付をこえている場合は、たとえ未開封であっても、くれぐれも食べないようにしましょう。

砂糖が溶けている

保存をうまく管理していれば、砂糖は長期間品質が持ちます。しかし、先ほども言ったように、湿気の多い場所に放置していると、砂糖がかなり劣化してしまいます。例えば、ドロドロとした状態になっている場合は、捨てたほうがいいでしょう。

もはやサラサラの砂糖として使うことはできません。それは、湿気が砂糖ケースに入り込んでしまったときに起こる典型的な現象です。そのドロドロ状態は、やがて乾燥してガチガチの塊に変わっていきますが、どのみち使い物になりません。

新しく砂糖を買いなおす場合は、ついでに湿気りにくい保管場所を考えておきましょう。そのケースの密封性も見直したほうがいいかもしれませんね。

変色している

砂糖はけっこうデリケートな食品です。長期保存に向いているとはいえ、時間経過とともに、真っ白かったはずの砂糖が「変色」し、茶色褐色になっていく場合があります。それは、いわゆる「酸化還元現象」の一つです。

長い間「空気」に晒されることで、砂糖が変色してしまうわけです。これはある意味仕方のないことだとは思いますが、品質が劣化していることもありますので、処分したほうがいいでしょう。

もしかすると、砂糖保管ケースの気密性に問題があることもあるので、念のため確認しておきましょう。「ケースに入れてからそんなに時間が経っていないのに、もう変色している!」という場合は、密封性が悪いかもしれませんね。ケースを買い替えることをオススメします。

固まった砂糖の戻し方

角砂糖

砂糖が塊になってしまった場合でも、「せっかく買ったんだから使いたい」と思う方もいるでしょう。ここでは、砂糖が固まってしまったときの“戻し方”について紹介していきます。

先ほども説明しましたが、砂糖が固まる原因は「湿気」です。

砂糖に水気が含まれてしまったために化学反応が起き、塊になってしまうのです。では、この塊をほぐすにはどうすればいいでしょうか?

粉状に戻す手順

小さなサイコロ程度の塊なら、すりつぶせば済む話ですが、ひどい場合には「丘」や「山」のような巨大な塊でガチガチに固まってしまうこともあります。

砂糖の塊をほぐして粉状に戻す方法としてよく知られているのは、あえて水をかける方法です。

まず、砂糖の塊の一部を新しいビニール袋に移します。それから、ビニール袋のなかに霧吹きでごく少量の水を吹き付けます。

そのまま数時間放置しておけば、塊は徐々にほぐれていきます。意外に思われるかもしれませんが、あえて砂糖の塊に水をかけるのがポイントです。

ただし、そのあとのフォローを忘れてはなりません。水気をとるために、「食パン」を容器に入れましょう。食パンは、湿気を吸収してくれる働きがあります。砂糖ケースの中に入れておくと容器内の湿度を適度に調節してくれるのです。

黒砂糖には賞味期限がある?

黒砂糖

さて、続いては「黒砂糖」についても触れておきましょう。

「黒砂糖」は、純度の低い精製で作られた砂糖です。なので、純度の高い精製で作られた「白砂糖」よりも不純物が多いのが特徴です。「不純物」とはいうものの、それは決して「余計なもの」というわけではありません。

精製の過程で純度が低いということは、サトウキビに本来含まれているミネラルなどの栄養素がこし出されずに残存しているということなのです。しかしそんな「黒砂糖」には弱点があります。「白砂糖」に比べて劣化しやすいということです。

なので、「黒砂糖」はメーカーによって「賞味期限」が記されているものがあります。しかも、その期限はメーカーの製造方法によってバラツキがあります。購入の際には、あらかじめ確認しておきましょう。

また、黒砂糖は「高温多湿」の環境下ではカビが生えることがあるので、くれぐれも保管場所には気をつけましょう。白砂糖はダメですが、黒砂糖の場合は開封後冷蔵庫に保管するのがオススメです。

砂糖の正しい保管場所

調味料の戸棚

白砂糖の保管場所について整理していきましょう。

「湿度」と「温度」が一定に保たれている場所

白砂糖の保管場所は、温度と湿度が一定に保たれているところが望ましいです。キッチン周りは、火を使う場所なので、温度が安定しません。やはりある程度離れた場所に砂糖ケースを置くのがいいでしょう。

臭いがうつりやすいので注意

白砂糖は臭いがつきやすいという性質があり、臭いの強い調味料や石鹸などの近くに保管するのも避けた方がいいでしょう。また、当然ですが料理の臭いもうつってしまう恐れがありますので、その意味でもできるだけ調理場から砂糖ケースを遠ざけるのがベストですね。

さいごに

ビンの砂糖

さて、みなさんいかがでしょうか。白砂糖は思っていたよりもデリケートな調味料だということが少しでもお判りいただければ幸いです。

保管を上手にやれば賞味期限はほぼ気にする必要はないのですが、失敗するとすぐに固まってしまったり変色したりしてしまいます。くれぐれも保管場所や保管方法には気をつけましょうね。

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