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助手席のマナーは、相手への気遣いから始まる
車を運転しているとき、助手席の人にされて思わずイラっとした経験はありませんか?
自分が助手席に乗っているときには気づかない行動でも、実は運転手にとって大きなストレスになっていることがあります。ドライブは運転手と同乗者が互いに気遣いながら快適に過ごすことが大切です。助手席に座るときに必要なのは、特別なスキルではなく、小さな配慮とマナーなのです。
助手席に乗ったとき、自分の行動を振り返ってみましょう。運転手がどんな気持ちになるのかを知ることで、今まで気がつかなかった自分の行動が見えてくるはずです。
車の助手席でされたらイラっとする行動
助手席でやってしまいがちな行動の中でも、特に運転手に嫌がられるものを順番に解説します。自分が当てはまらないかチェックしながら読み進めましょう。
①運転への口出しやヤジ
運転手が一番ストレスに感じやすいのは、運転への過度な口出しです。助手席の人は運転席より周囲の状況が見えやすいため、「今いけたよ」「もっとスピードを出して」など、ついつい言いたくなることがあります。しかし、これらの発言は運転手にとっては「運転が下手」と言われているのと同じ。自分では親切のつもりでも、運転手には不快感やプレッシャーを与えてしまうのです。
どうしても言わなければならない場合は、穏やかな口調で必要最低限のことだけを伝えるようにしましょう。運転手が安全に集中できる環境作りが助手席の基本的な役割であることを忘れてはいけません。
②ずっとスマホをいじる行為
助手席に座っているとき、スマホばかり見ている人は無意識のうちに運転手を不快にさせています。なぜなら、ずっとスマホに夢中になっている人は、「あなたと一緒にいるのはつまらない」と無言のメッセージを送っているように見えるからです。また、運転手が道に迷ったときや休憩を取りたいときに、助手席の人がスマホに夢中になっていては、気軽に相談や提案をすることも難しくなります。
スマホをまったく使ってはいけないわけではありません。道案内や休憩場所を調べるなど、運転手のサポートになる使い方を意識しましょう。
③ドアを勢いよく閉める
助手席に乗った後や降りるときに、ドアを勢いよく閉める行動も運転手にとって不快な行動です。特に自分の車を大切にしている人にとっては、車体が傷ついたり壊れたりすることを気にしています。また、静かな住宅街などでは騒音トラブルにもつながりかねません。
ドアを閉めるときは、丁寧にゆっくりと閉めることを心がけましょう。ほんの数秒の心遣いが、運転手との関係性を良好に保ちます。
④ダッシュボードに足を乗せる
助手席でくつろぎすぎてダッシュボードに足を乗せる人もいますが、これは運転手にとって大きなストレスです。この行為は単純に行儀が悪いだけでなく、事故が起きた際に大ケガをする可能性もあります。急ブレーキや衝突事故が起こったときに、エアバッグが展開すると、足や骨盤に重大なケガを負う危険が高まります。
助手席でリラックスすることは構いませんが、最低限の安全を守った姿勢で座ることを心がけましょう。
⑤食べ物や飲み物をこぼす
助手席で飲食をするときに、食べこぼしや飲みこぼしをしてしまうと、運転手はとても不快に感じます。なぜなら車内を汚されることで、運転手が後で掃除や消臭をしなくてはならなくなるからです。また、食べ物や飲み物の臭いが車内に残ってしまうこともあります。
車は基本的に密閉された空間です。食べ物のカスや飲み物がシートや床にこぼれると、その汚れや臭いは簡単には取れません。運転手にとって大切な車が汚れてしまうことは、気分を損なうだけでなく、車の価値を下げることにもなります。
⑥強い香水やタバコの臭い
車内の臭いにも気をつけなければなりません。自分では良いと思っている香水の香りでも、密閉された車内ではきつく感じられ、運転手や他の同乗者が気分を悪くしてしまうことがあります。また、タバコの臭いは吸わない人にとっては非常に不快であり、車内に臭いが残ってしまうと、次に乗る人にも迷惑になります。
強い香りがする香水や整髪料を使う場合、事前に一言「香水をつけていますが大丈夫ですか?」など、相手の許可を取るようにしましょう。タバコを吸う場合も同様で、喫煙できる場所で済ませてから乗車するか、乗車前に運転手の了承を得る必要があります。
⑦窓ガラスに指紋をつける
助手席の窓ガラスに無意識に触れてしまい、指紋や手の跡を残してしまうのも運転手が嫌がる行動の一つです。特に車をきれいに保っている人にとっては、指紋が目立つ窓ガラスを見るとがっかりしてしまいます。夜間や日差しの強い昼間など、汚れが目立ちやすい時間帯だと余計に気になるものです。
助手席に乗った際は、窓ガラスを必要以上に触らないよう意識しましょう。もし汚してしまった場合は、自分から「汚してしまいました、ごめんなさい」と一言伝えるだけでも、運転手の気持ちはだいぶ違います。
⑧渋滞時にイライラを見せる
渋滞にはまると誰でもイライラしてしまいがちですが、その不機嫌さを助手席から運転手に向けるのはNGです。渋滞は運転手にとってもストレスフルな状況であり、助手席の人がイライラした態度や不機嫌な言動を取ると、運転手は余計にプレッシャーを感じます。車内の空気も悪くなり、お互いが嫌な気持ちのまま過ごすことになってしまいます。
渋滞に巻き込まれたら、「仕方ない」と割り切り、明るい話題を提供するなど、車内の雰囲気が良くなるよう努めましょう。また、運転手の疲れを察して、休憩を促したり、会話をして気を紛らわせたりするのも良い方法です。
助手席で守るべきマナー
助手席に乗った際は、運転手が気持ちよく運転できるよう配慮することが大切です。具体的にどのようなマナーを心がければよいのか、以下のポイントを見ていきましょう。
シートベルトを必ず着ける
助手席に座ったら、まずはシートベルトを着用しましょう。運転席だけでなく助手席も法律で着用が義務付けられており、違反すると運転手に罰則や違反点数が課される場合があります。安全のためにも必ず着用してください。
スマホはサポートのために使う
助手席ではスマホの使い方に気をつけましょう。運転手を無視してスマホばかり見るのは避け、道案内や休憩場所の検索、渋滞情報など、運転手の役に立つ使い方をするのがおすすめです。必要以上の使用は控え、運転手との会話を楽しむことも大切です。
飲食は停車中か控えめにする
助手席での飲食は、車が停まっているときか、こぼれにくいものを控えめに摂るようにしましょう。特に汁気や匂いの強い食べ物は避けるべきです。どうしても食べたい場合は、事前に運転手に一言断りを入れるようにしましょう。
車内をきれいに保つ
乗車中に出たゴミは放置せず、持ち帰ることが基本です。助手席のスペースは運転手の視界や操作性に関係するので、荷物を整理し、足元に置かないようにします。車内の美観と安全のために気をつけましょう。
ドアは静かに開閉する
乗り降りの際は、周囲の状況を確認して、ドアを丁寧に静かに閉めるよう心がけましょう。静かな環境を壊さないだけでなく、車へのダメージを防ぐことにもなります。
運転手の疲れを気にかける
運転中、助手席の人は運転手の状態に配慮することも大切です。適度に会話をして眠気を防ぎ、休憩が必要そうであれば積極的に提案しましょう。運転手への小さな気遣いが、安全で快適なドライブを作ります。
トイレは早めに伝える
トイレに行きたくなったときは、早めに運転手に伝えるようにしましょう。渋滞や高速道路など、すぐにトイレに行けない状況もあるため、運転手が休憩ポイントを計画的に決められるよう配慮することが重要です。
まとめ
助手席のマナーとは、自分の振る舞いを通して「運転手への感謝」を表現することです。ドライブ中はただ楽しく過ごすだけでなく、目的地に着くまで安全を守るためにも気遣いが必要です。
自分が助手席に乗せてもらったときには、降りるときに「運転ありがとう」「運転してくれて助かりました」といった感謝の言葉を伝えることも忘れないようにしましょう。その一言が、運転手に「また乗せてあげたい」と思わせる最大のポイントなのです。