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割れた卵やヒビの入った卵はいつまで食べられる?
卵の殻には外から菌が入るのを防ぐ役割があります。割れたりヒビが入った卵は細菌が侵入しやすく、特にサルモネラ菌による食中毒のリスクが高まります。割れてしまった卵やヒビの入った卵はどのくらい日持ちするのか、目安を以下で詳しく説明します。
殻にヒビが入った卵の場合
殻にヒビが入っている卵は、冷蔵庫(10℃以下)で保存しても菌が入り込むリスクがあります。そのため、ヒビが入った卵はできる限り当日中にしっかりと加熱して食べるのが理想的です。どうしても食べきれない場合でも、冷蔵保存で48時間以内に必ず加熱調理を行いましょう。
- 生で食べるのは絶対NG
- 目玉焼き、炒り卵、卵焼きなど、十分に加熱できる料理がおすすめ
完全に割れて中身が出た卵の場合
完全に割れて中身が出てしまった卵はさらに傷みやすいため、保存期間が非常に短くなります。必ず殻を取り除き、清潔な容器に移し替えて冷蔵保存し、当日中に加熱調理して食べ切りましょう。
- 時間が経つほど菌が増殖するため、割れたらすぐに調理
- 他の食品に卵液がつかないよう注意する
割って容器に入れた生卵の場合
割ってしまった生卵をすぐに調理できない時は、溶き卵にして密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存します。ただし、長く保存すると雑菌が繁殖する恐れがあるため、翌日までに必ず加熱して食べきるようにしてください。
- 生の状態で数日置くのは危険
- 生食は絶対にしない
割れたりヒビが入った卵の正しい保存方法と安全な扱い方
割れたりヒビが入った卵は、通常の卵よりも取り扱いに注意が必要です。安全に食べるためには、保存方法を守りながら衛生面に注意を払うことが大切です。
卵の保存方法と置き方のコツ
割れたりヒビが入った卵は、そのままの状態で冷蔵庫に入れると雑菌が入り込みやすくなります。必ず清潔な容器に移し替えて、ラップで密閉してから冷蔵庫に保管しましょう。
卵を安全に保存するポイントは以下の通りです。
- 密閉容器やラップを使い、空気に触れないように保存する
- 殻が残ったまま保存しない
- 冷蔵庫の温度を10℃以下に保つ
また、卵パック内で1つの卵が割れて他の卵に卵液が付着した場合、付着した卵も傷みやすくなります。その際は水で洗わず、乾いたキッチンペーパーでやさしく拭き取り、その日のうちに加熱調理で食べるようにしましょう。
割れた卵をゆで卵にしても日持ちは延びない
「割れた卵をゆで卵にすると日持ちが延びるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、実際にはゆで卵にしたからといって長く保存できるわけではありません。
ヒビが入った卵や割れた卵で作ったゆで卵は、菌がすでに入り込んでいる可能性があるため、当日中に食べきる必要があります。
- ゆで卵にしても菌の増殖リスクは変わらない
- 半熟ではなく完全に固ゆでにする
ゆで卵を作る際、卵にヒビが入るのを防ぎたい場合は、あらかじめ卵を室温に戻しておき、水の状態からゆっくり加熱していくと効果的です。卵を鍋に入れるときも、お玉などでそっと入れるとヒビ割れを防げます。
卵の冷凍保存についての注意点
卵を生の状態で冷凍保存することも可能ですが、殻が割れたりヒビが入った卵を殻のまま冷凍することは絶対に避けましょう。殻ごと冷凍すると内部で膨張し、さらに菌が繁殖する恐れがあります。
冷凍保存をしたい場合は、次の手順を守ってください。
- 割れた卵は必ず殻を取り除き、溶き卵にして密閉容器や製氷器に入れて冷凍する
- 冷凍保存は1ヶ月以内に使い切る
- 食べる時は必ず十分に加熱調理を行う
卵黄は冷凍すると食感が悪くなるため、生食には向きません。加熱調理する料理に使いましょう。
食べてはいけない卵の見分け方と注意点
割れたりヒビが入った卵は菌が入り込みやすく、傷みが早くなります。そのため、調理前に必ず卵の状態をしっかりと確認しましょう。見た目や臭いで判断できるポイントを以下に紹介します。
見た目で分かる傷んだ卵の特徴
傷んだ卵には、以下のような特徴があります。調理前に一つでも当てはまれば、迷わず捨ててください。
- 黄身が崩れて白身と混ざり合っている
- 白身が水のようにサラサラしている
- 黒っぽい、緑っぽい、ピンクっぽいなどの変色がある
- 卵の殻の内側や表面に黒い斑点がある(カビの可能性)
また、「卵が水に浮く」状態は、卵の内部で腐敗ガスが発生していることを示しているため、絶対に食べないようにしてください。
臭いで確認できる傷んだ卵
卵を割った時に以下のような臭いがしたら、細菌が繁殖しているサインです。加熱しても食中毒の危険性がありますので、直ちに廃棄しましょう。
- 強い腐敗臭やアンモニア臭がする
- 普段と異なる不快な臭いがする
特に免疫力の弱い乳幼児や高齢者、妊婦などが食べる場合、異常が少しでも感じられたら使用しないよう注意しましょう。
割れた卵についてのよくある誤解と正しい知識
卵は身近な食材のため、割れたりヒビが入った場合にも誤った知識が広まりやすく、自己流で対応する人も少なくありません。ここではよくある誤解を取り上げ、正しい知識を簡潔にお伝えします。
誤解1:「うっすらヒビが入った程度なら生でも大丈夫」
正しい知識:ヒビが入った時点で雑菌が入りやすくなるため、どんな小さなヒビでも生食は避け、必ず十分に加熱して食べることが必要です。
誤解2:「ゆで卵にすれば日持ちする」
正しい知識:すでにヒビが入っている卵をゆで卵にしても安全性は高まりません。菌の増殖リスクはそのままなので、当日中に食べきりましょう。
誤解3:「冷蔵庫なら割れた卵でも数日持つ」
正しい知識:割れて完全に中身が出た卵は、冷蔵庫で保管しても当日中に食べる必要があります。ヒビだけの場合でも48時間以内に加熱調理を行いましょう。
誤解4:「卵は割れたら水で洗えば衛生的」
正しい知識:卵の殻を水洗いすると、殻の小さな穴(気孔)から雑菌が入りやすくなります。汚れた場合は乾いたキッチンペーパーで優しく拭き取りましょう。
誤解5:「卵液がついた他の卵は洗えば安全」
正しい知識:卵液が付いた他の卵も洗わずに拭き取って、その日のうちに加熱調理を行ってください。水洗いすると逆に菌が入り込むリスクがあります。
以上のような正しい知識を身につけることで、安全に卵を扱うことができます。
まとめ
卵の殻はデリケートで、割れたりヒビが入ると非常に傷みやすくなります。普段から冷蔵庫の温度管理を徹底し、割れ卵はできるだけ早く加熱して食べることを習慣にしましょう。
また、万が一食べてしまった後にお腹の調子が悪くなったら、水分補給をしっかり行い、必要であれば医療機関を受診してください。普段から卵の状態をよく確認する習慣をつけておくことが大切です。