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意外と知らない?掃除機で吸ってはいけないもの
掃除機は家庭での掃除に欠かせない便利な家電です。しかし、小さなゴミやホコリを手軽に吸い込めるため、つい何でも吸わせてしまいがちです。実は掃除機は精密機械で、モーターやフィルターなど繊細な部品が使われています。
本来吸ってはいけないものを掃除機で吸ってしまうと、火災や故障の原因になることがあります。 長く安全に掃除機を使い続けるために、どのようなものがNGなのか、その理由を詳しく理解しておく必要があります。
掃除機で吸ってはいけないもの7選
身近にあるものでも、掃除機で吸ってはいけないものがあります。なぜそれらを掃除機で吸ってはいけないのか、理由を丁寧に解説します。
1. 水や飲み物などの液体
掃除機で絶対に吸ってはいけない代表的なものが、水や飲み物などの液体です。水を吸ってしまうと、掃除機内部の電気部品が濡れてしまい、漏電やショート、さらには火災の原因となる可能性があります。少量だからと油断すると危険です。また、飲み物には糖分や成分が含まれていることも多く、乾燥してもべたついてしまい、内部が傷んで掃除機の寿命を縮めます。
掃除機は電気製品のため、液体が入ると故障する可能性が非常に高くなります。誤って吸ってしまった場合は、すぐに使用を中止し、コンセントを抜いて内部を十分に乾燥させる必要があります。
液体を吸わないようにするためには、こぼれた水分は雑巾などで拭き取ってから掃除機をかける習慣をつけましょう。
2. ガラスや針など尖ったもの
ガラスの破片や針など尖ったものは掃除機のホースや内部を傷つける可能性があり、大変危険です。ガラスの細かい破片は目視では確認しにくく、知らずに掃除機をかけてしまうことがあります。
しかし、掃除機で吸い込むとホースやフィルターを傷つけ、掃除機自体を破損させてしまいます。破損すると吸引力が弱まるだけでなく、故障や怪我の原因にもなります。
ガラスの破片など尖ったものは、厚手の手袋をして手で回収するか、粘着テープを使って取り除く方法が安全です。掃除機をかける前に十分注意しましょう。
3. カレー粉や香辛料など臭いが強い粉末
掃除機に吸い込んでしまうと臭いがなかなか取れないのが、カレー粉やシナモンなどの香辛料です。直接故障にはつながりませんが、掃除機内部やフィルターに臭いが染みついてしまいます。その結果、掃除機を使うたびに嫌な臭いが部屋中に広がることになります。
フィルターを何度洗っても完全に臭いが取り除けないこともあり、結局買い替えを余儀なくされることがあります。これらの粉末は湿らせた雑巾で拭き取るなど、掃除機を使わずに処理するのがおすすめです。
4. ティッシュペーパーや紙くずなどの詰まりやすいもの
ティッシュペーパーやお菓子の袋、小さな紙くずなど軽くて薄いものは、掃除機の中で詰まりやすいため注意が必要です。掃除機でこれらを吸い込むとホース内やフィルター周辺に引っかかり、吸引力が低下します。一度詰まってしまうと、取り除くためには分解や修理が必要になる場合もあります。
特にティッシュペーパーは吸い込まれる際に膨らみ、内部で複雑に絡み合って簡単には取れなくなることもあります。詰まりがひどくなるとモーターに負荷がかかり、最悪の場合はモーターが焼き付いて故障につながります。
ティッシュペーパーや紙くずは掃除機を使わず、手で拾い集めるか、ほうきとちり取りで処理しましょう。万が一詰まった場合は、無理に引っ張らず、ホースを外して慎重に取り除きます。
5. 長い髪の毛や糸くず、服の紐など
長い髪の毛や糸くず、服の紐などは掃除機のブラシやホース内部に絡まり、掃除機の動作を妨げる原因になります。
絡まったまま使用を続けるとブラシが回転しづらくなり、モーターが過熱して故障に繋がります。特に服の紐や長い糸は、ブラシに絡んで巻き取られてしまい、簡単に取り除くことが難しくなります。
これらのものは掃除機をかける前にあらかじめ取り除きましょう。絡まってしまった場合は、ブラシを外して絡んだものをはさみなどで慎重に切り取ります。掃除機を傷めないためには、絡まりを定期的に確認する習慣をつけることが重要です。
6. カビの生えたものやホコリ
意外かもしれませんが、カビを掃除機で吸うことは逆効果です。カビを吸うと掃除機内部で胞子が拡散し、排気口から部屋中にカビをばら撒いてしまうことになります。その結果、部屋の環境がさらに悪化し、アレルギーや喘息など健康にも悪影響を与える可能性があります。
カビが生えた部分は、アルコールを染み込ませた布や専用の除菌剤で拭き取るのが適切です。掃除機を使用する前に、カビがないか確認しましょう。もし掃除機内にカビを吸ってしまったら、フィルターやダストカップを念入りに清掃し、十分乾燥させる必要があります。
7. ゴキブリなど生命力の強い虫
ゴキブリなど生命力が強い虫は、掃除機で吸っても死なないことがあります。掃除機内部に生きたまま留まり、繁殖したり卵を産んだりする恐れがあります。その結果、掃除機が害虫の巣となってしまい、衛生的にも問題が発生します。
虫を発見した場合は、掃除機を使わずに殺虫剤や粘着トラップなどで捕獲・処理しましょう。もし誤って吸ってしまった場合は、紙パックやダストカップをすぐに取り外し、密封して廃棄します。掃除機内部の徹底的な清掃も忘れずに行いましょう。
掃除機でNGなものを吸ってしまったときの対処法
掃除機で吸ってはいけないものをうっかり吸い込んでしまった場合、すぐに適切な対処を行う必要があります。対処法を間違えると掃除機の故障や火災を引き起こす可能性がありますので、正しい方法を身につけておきましょう。
まず最初に行うべきこと
掃除機で吸ってはいけないものを吸ってしまったときは、まず掃除機の電源を切り、必ずコンセントを抜きます。コードレス掃除機の場合はバッテリーを外します。電源を入れたまま異物を取り除こうとすると、感電や故障の危険があります。必ず電源を切って安全を確認した後、慎重に対応しましょう。
吸ったもの別の対処方法
ここでは、吸ってしまったものごとの正しい対処法を具体的に説明します。焦らず、適切に対応しましょう。
水や液体を吸った場合
水や液体を吸い込んだ場合、内部がショートして火災につながる恐れがあります。ホースや吸込口、本体を分解し、内部を布で拭いて十分に乾燥させます。特に内部の乾燥は重要なので、風通しの良い場所で丸一日以上乾かしましょう。異常な音や臭いがした場合は使用を中止し、修理に出してください。
ティッシュや紙類を吸った場合
ティッシュが詰まった場合はホースやノズルを取り外し、細い棒や針金を使って丁寧に取り除きます。ホースを逆さにして軽く叩くことで詰まりを解消できることもあります。ただし無理に押し込むとさらに悪化しますので、慎重に行いましょう。
ガラス破片や尖ったものを吸った場合
吸い込んだ尖ったものが内部に残っていると、使用中にホースや本体を傷つけます。ホースやダストカップを慎重に分解し、破片を取り除きます。破片が小さい場合は粘着テープを巻いた棒などを使って取り除く方法も有効です。ガラス破片を取り扱う際は、手袋を着用するなど安全対策を忘れずに行いましょう。
カビを吸った場合
カビを吸った場合は掃除機内部で繁殖を防ぐため、フィルターやダストカップを念入りに清掃します。アルコールなどを使って消毒すると効果的です。掃除機をしっかりと乾燥させ、胞子が拡散しないように、屋外で作業を行うことを推奨します。
虫を吸った場合
虫を吸ってしまった場合は、紙パックやダストカップをすぐに密封して廃棄します。虫が逃げ出したり繁殖したりしないよう、早急に対応しましょう。心配であれば殺虫剤を少量袋に噴射してから処分するのも有効です。
掃除機を長持ちさせるコツ
掃除機を長く安全に使うためには日常的なメンテナンスが必要です。以下のような簡単な手入れを意識して行いましょう。
- ゴミパックやダストカップはこまめに空にする
- フィルターを定期的に掃除する
- ブラシやホースに絡まった髪の毛や糸くずを取り除く
- 掃除機のコードは黄色の印まで引き出す。無理に引っ張らない
特にフィルターのメンテナンスは重要です。目詰まりすると吸引力が低下し、モーターに余計な負担がかかります。掃除機をかけた後、フィルターやブラシ周辺をざっと確認し、汚れがあればその都度取り除く習慣をつけましょう。
まとめ
掃除機は、ゴミやホコリを手軽に吸える便利な家電ですが、正しい使い方を守らないと寿命を縮めるばかりか、事故の原因になることもあります。
特に掃除機で吸ってはいけないものを吸い込むと、火災や健康被害にもつながります。日頃から掃除機の吸込口付近を定期的にチェックして、小さな異変に気付く習慣をつけることが大切です。