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冷蔵庫カーテンが逆効果になる理由
冷蔵庫のカーテンは、一見便利な節電グッズに思えますが、実際には効果がないどころか、逆に電気代が高くなったり、食品を傷めたりする恐れがあります。その理由を詳しく解説していきます。
カーテンで冷気の流れが悪くなる
冷蔵庫は、冷気が循環することで全体を均一に冷やしています。しかしカーテンを取り付けると冷気の流れがさえぎられ、一部の場所だけが冷えてしまいます。特に卵や牛乳を入れるドアポケット部分に冷気が届かなくなり、食品が傷みやすくなる恐れがあります。
温度センサーが正しく動かない
冷蔵庫には庫内の温度を感知するセンサーがついていますが、カーテンを取り付けて温度ムラができるとセンサーが混乱します。すると、冷えている場所があるのに冷蔵庫は「もっと冷やさなきゃ」と判断してしまい、余計な電力を消費して電気代が高くなります。
ドアを開ける時間が長くなる
冷蔵庫にカーテンを付けると中が見えにくくなり、食品を探すのに時間がかかります。実は冷蔵庫のドアを10秒間開けただけで庫内温度は約1〜5℃も上がり、それを元の温度に戻すために冷蔵庫は余計な電力を使います。カーテンによってドアを開ける時間が伸びると、電気代がかさむのです。
結露やカビが発生する原因にも
カーテンをつけることで冷蔵庫内の温度差が広がりやすくなります。その結果、結露(水滴)が発生しやすくなり、カビや雑菌が繁殖する原因にもなります。衛生面でも問題が生じる可能性があります。
メーカーも推奨していない
多くの冷蔵庫メーカーは、カーテンの取り付けを推奨していません。理由は冷蔵庫の性能が発揮できず、消費電力が増えたり、食品の保存状態が悪くなる可能性が高いためです。メーカーが推奨していないということは、安全や性能面でのリスクがあると考えられます。
カーテンの代わりに試したい冷蔵庫の節電方法
冷蔵庫カーテンに効果がないことがわかったら、他にできる節電方法を試しましょう。冷蔵庫の節電に本当に役立つ方法をわかりやすくご紹介します。
冷蔵庫を置く場所を見直す
冷蔵庫は、実は置く場所がとても重要です。冷蔵庫の周りに熱がこもったり、熱い空気が入り込んだりすると冷蔵庫の働きが悪くなり、電気代が高くなります。冷蔵庫は直射日光が当たる場所やガスコンロなど熱を出す機器の近くを避け、壁から5cm以上離して置きましょう。これだけでも電気代がぐっと抑えられます。
設定温度を「強」から「中」に下げる
冷蔵庫の設定温度を強から中に変えると、食品が傷まずに年間で約61kWh(約1670円相当)の電気代が節約できます。「強」でなくても、通常の食品は問題なく保存できるため、安心して設定を変えてみてください。
食品を詰め込みすぎない
冷蔵庫に食品を詰め込みすぎると、冷気の流れが悪くなり、電力を余計に使ってしまいます。庫内は7割くらいまでを目安に収納すると効率よく冷やせます。特に奥の壁が少し見えるくらいが理想です。常温保存できるものは冷蔵庫から出すのも効果的です。
熱い料理は冷ましてから入れる
熱い料理をそのまま冷蔵庫に入れると庫内の温度が急激に上昇し、余計な電力を消費します。さらに、他の食品も傷みやすくなります。熱い料理は粗熱を取り、常温程度に冷ましてから冷蔵庫に入れましょう。急ぎの時は氷水につけて早く冷ます方法もあります。
ドアを開ける回数や時間を減らす
ドアを頻繁に開け閉めすると冷気が逃げてしまいます。一度に必要な食材をまとめて取り出し、冷蔵庫を開けている時間を短くしましょう。使う頻度の高い食材を手前に置き、すぐ取り出せるようにすると便利です。
ドアパッキンの状態をチェックする
意外に見落としがちなポイントが冷蔵庫のドアパッキン(ゴム部分)です。パッキンが傷んでいると、冷気が漏れて余計な電気代がかかります。亀裂や隙間がないか定期的に確認し、傷んでいる場合は交換すると節電になります。
まとめ
冷蔵庫カーテンは、節電どころか電気代を増やしてしまったり、食品を傷めたり、衛生面での問題を引き起こすリスクがあります。冷蔵庫の節電を本当に考えるなら、日々のちょっとした行動やメンテナンスの積み重ねが効果的です。
実は冷蔵庫の電気代は家庭全体の約14%を占めるとされており、適切に節電を行うと年間3000円以上の節約になることもあります。今日からぜひ実践して、家計にも地球にもやさしい生活を送りましょう。