「規定」と「規程」の違い!使い分けの方法【大人の参考書】

規定と規程はどちらも決まりごとを表し読み方も同じ言葉ですが、どのような状況でどちらの言葉を使用するのが正しいのかわかりますか?漢字の違いで同じ決まりごとでも意味は異なります。ビジネスシーンにおいて書類を作成したときに間違いを指摘され恥ずかしい思いをしないよう意味を理解しておくことは大切です。今回は規定と規程の違いについて紹介します。

「規定」と「規程」の違い

規定と規定

「規定」と「規程」どちらも「きてい」と読むこのふたつの言葉は、ビジネスシーンで使われることが多いと思いますが、皆さんは「規定」と「規程」の違いや使い分けを正しく把握していますか?

「規定」と「規程」の両方に使われている「規(き)」は、「決まり」や「言動や判断のもとになる基準」という意味です。

「規定」と「規程」の違いをひとことで表すと「規定」は個別の決まりごとを意味して、「規程」は個別の決まりごと(規定)の集合体を意味します。簡単に言うと、「規定」を集めたものが「規程」ということになります。

  • 規定:個々の決まりごと
  • 規程:規定を集めたもの、規定の全体

「規定」と「規程」それぞれどのような決まりがあるのか?その違いや使い分けの方法を、もっと掘り下げて説明していきます。

「規定」とは

規定

「規定」の「定(てい)」は、「決まりや規則」のことで、「規定」は「物事を一定の形式に定めること」や「個々の決まり」という意味になります。簡単に言うと「ルールのひとつ」ということです。

使い方としては、なにかの物事に対しルール(規定)を定めることですので「規定に従う」「規定する」「規定を設ける」「規定に基づく」などのように使います。

例えば、「取引規定」とは仕事の取引などにおいての決まりごとを意味し、「規定料金」は決められた料金のことです。また、「規定種目」や「規定演技」などの言葉に使われ、競技に必ず取り入れなければならない種目や演技を意味します。他にも「法令の条文でこうと決めること」という場合にも「規定」を使います。

「規定」を使用した例文

  • このサービスを受けるんだったら規定をちゃんと理解しておかないとね。
  • 説明を受けてからより詳しいことは利用規定を読んで確認しよう。
  • O選手は明日の試合で3打席立てば規定打数に達するね。
  • 規定の時間より5分遅れているよ。

「規程」とは

規程

「規程」の「程(てい)」は、「決まりや規則」のことで、「規程」は「ある一定の目的のために定められた一連の条項」や「一連の決まり」という意味です。簡単に言うと規程は「複数のルールをまとめたもの」で、「規定」をまとめたものが「規程」になります。

使い方としては、「規程」は「○○規程」という形で使用します。「規程」は名詞としてつかわれますので、「規程する」などの動詞では使用されません。

例えば、「就業規程」「服務規程」とは「業務に関しての決まりごとをまとめて定めたもの」という名詞で、従業員が守らなければならないルールのことです。「給与規程」は給料に関してまとめたルールで、「規程の書式」はあらかじめ決められている書式のことです。また、「規定」は国と地方公共団体の諸機関の官公署において、従うべき決まりごとを表すときに使うことが多い言葉です。

「規程」を使用した例文

  • 個人情報保護に関する規程がしっかりしているのはプライバシーを守るためである。
  • 育児休業規程は細かい点までしっかり決められている。
  • パワーハラスメント防止に関する規程があるからしっかり確認してください。

「規定」と「規程」の関係

規定と規定
規定と規程の違いはこれまでに紹介したとおり、規定は物事の個別に定められた決まりを意味し、規程は個別に定められた決まりの規程をまとめたものになります。規程の中にいくつかの規定が含まれると考えるとわかりやすいと思います。

わかりやすい例で説明すると…野球という球技の全体のルールブックが「規程」とすると、9人1チームで試合をすることや3ストライクで1アウトということが「規定」となります。

違う例で説明するなら…規程を1つのフォルダとして考えるのならば、その中に入れておくファイルを規定となります。

規程=規定+規定+規定+規定…という風に考えると理解がしやすいかと思います。ちなみに規程を集めた集合体が「規則」になります。

「規定」と「規程」の使い分けと類義語比較

規定と規程

規定と規程の違いはこれまでの解説で理解していただけたかと思います。ここではより理解を深めるために、使い分けの方法として会社勤めの経験がある方ならわかりやすい就業規則という言葉を使って規定と規程の違いを解説します。

就業規則とは働く上で守らなければならないルールをまとめた物です。就業規則は会社ごとに違いますが会社と労働契約を結ぶときに確認するので見たことがある人は多いと思います。その就業規則の中に人事に関する人事規程や人事に関する賃金に関する賃金規程などの規程があり、その各規程の中に第○条という1つ1つ細かい規定が含まれます。

就業規則人事規定第2条第4項に規定されているとおり…という使われ方をします。

似ている言葉が並ぶので使い分ける際に混乱を招いてしまうかもしれませんが、規程>規定と規程の中に規程があるとおぼえましょう。

英語で比較する「規定」と「規程」

英語で規定と規程を調べてみるとほとんどの場合regulationsやrulesと出てきます。またprovisionsやpolicyとされている場合もあります。

法令辞書では規則をregulationsとして規程はrulesで規定はprovisionsと分けていますが、会社における規定は英語圏で一番使われているのがpolicyです。品質や安全性に関する規定はregulationsになります。

日本語では漢字で区別をつけることができますが、英語の場合には状況によって単語が変化すると考えて使用する際にどの規定の英訳が正しいのかその都度確認するようにしましょう。

類義語との使用比較

規則(きそく)の類義語

規則とは、行為や手続きなどが、決まりに基づいて行われるように定めた事柄で、使用例としては、規則を守る、就業規則、生活規則、などがあります。

規則と規程の違いは、規程は規則の一部分を詳しく説明するためのもので、たとえば「就業規則」は従業員の労働条件や規律など労使に関する全ての規程の総称です。さらに、「就業規則」の中には「○○規程」(人事規程や経理規程など)が多くの規程が含まれます。また、「規程」の中にはさらに細かく定められた「規定」があります。

規約(きやく)の類義語

規約とは、団体内や企業内で協議して決めた規則のこと。使用例としては、規約的、規約によると、社会規約、など。

規律(きりつ)の類義語

規律とは、おきて、人の行為の基準として定められたもののこと。使用例としては、規則正しい生活、規律が厳しい、など。

使用比較

  • 「○○を守る」で使うのは、「規定」「規程」「規則」「規約」「規律」
  • 「○○違反」で使うのは、「規定」「規則」「規律」
  • 「会の○○により総会を開く」で使うのは、「規定」「規約」
  • 「第三条に○○する」で使うのは、「規定」

使用比較ですべてに使えるのは「規定」です。

同じ「きてい」と読む言葉

規定と規程以外にも「きてい」と読む言葉に「既定」があります。既定は「あらかじめ決められていること」や「前もってきめられていること」という意味です。既定路線といった言葉で使用されることが多く、これは物事を進めていく上で前もって決められた方針のことです。

ちなみに既定の反対語は「未定」となります。

最後に

笑顔の女性

同じ決まりごとを意味する「規程」と「規定」ですが、規程の中に規定が含まれています。言葉にすると読み方は同じで似ていますが意味は違います。ちゃんと理解して使い分けるようにしないとビジネスシーンにおいて思わぬ恥をかいてしまうこともあるので、違いをしっかりおぼえておきましょう。

規定と規定

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