目次
そもそも食べ物の原価率って何?
飲食店のメニューを選ぶ際、料理のおいしさや量だけでなく、「原価率」にも注目してみると面白い発見があります。原価率とは、商品を作るのにかかった材料費が販売価格に占める割合のことで、以下のような計算式で表されます。
原価率(%)= 原価 ÷ 販売価格 × 100
一般的な飲食店の場合、原価率は約30%前後が目安と言われます。ただし、業態や提供する料理によって大きく変わるため、全ての食べ物が同じ原価率というわけではありません。中にはびっくりするほど原価率が低く、お店側が儲けやすいメニューも存在します。
それでは、実際に原価率が非常に低い食べ物を具体的に見ていきましょう。
原価率がものすごく低い食べ物8選
外食でよく目にするメニューでも、実は原価率が驚くほど低いものがあります。身近な食べ物が意外な低コストで提供されている事実を知ると、新たな視点で楽しめるかもしれません。
1. わたあめ(原価率:約3%)
お祭りやイベントで人気のわたあめですが、実は驚異的に原価が低く、約3%ほどと言われています。
わたあめの材料はほぼ砂糖だけで、一本あたりの原価はわずか10円程度。販売価格が300円ほどであれば、材料費の割合が極端に低くなります。ただし、機材の購入費や職人の人件費など、目に見えないコストもかかるため、単純に利益が大きいとは限りません。
ふわふわした見た目とは裏腹に、意外なほど原価が抑えられた食べ物なのです。
2. ソフトドリンク(原価率:約5〜10%)
ファストフード店やレストランで提供されるソフトドリンクも、原価率が非常に低いメニューの代表格です。
コーラやジュースなど、一般的なソフトドリンクの原価率は5〜10%程度とされています。原価が10円以下で販売価格が150〜200円の場合も多く、飲食店にとって利益率の高い定番メニューとなっています。
セットメニューとしても活躍するソフトドリンクは、お店側の経営を支える重要な役割を果たしています。
3. フライドポテト(原価率:約10〜20%)
子どもから大人まで人気のフライドポテトも、実は原価率が非常に低い食べ物です。
じゃがいもは安価で大量に仕入れることが可能なため、原価率は10〜20%前後に抑えられています。販売価格が280円程度だとすれば、材料費はわずか30〜60円程度になります。ただし、油の管理や揚げる手間などのコストもあり、必ずしも容易に儲かるとは限りません。
それでも、利益率の高さから、多くの飲食店でメニューに取り入れられているのも納得です。
4. かき氷(原価率:約13%)
夏場の定番スイーツであるかき氷も、原価率が低い食べ物の一つです。
氷とシロップだけで簡単に作れるため、原価率は約13%ほどとされています。販売価格を500円に設定した場合、材料費は約65円程度です。ただし、専用機器の導入やシロップの種類を増やすことによる管理費用、人件費なども考慮する必要があります。
夏祭りやカフェなどで広く提供されており、気軽に楽しめる低原価の代表格と言えるでしょう。
5. スナップエンドウ(原価率:約12%)
おつまみとして居酒屋でよく提供されるスナップエンドウも、実は原価率が低めの食べ物です。
その原価率はおよそ12%前後とされ、販売価格300円の場合、原価は約36円ほどになります。特に冷凍品を使う場合は調理が非常に簡単で、さらに手間を省くことができます。マヨネーズなどの付け合わせを追加すれば、手軽に利益率を上げられることから、飲食店で重宝されているメニューです。
シンプルでありながらも、提供側にメリットの大きい食材の一つと言えます。
6. ペペロンチーノ(原価率:約15%)
パスタ料理の中でも特にシンプルなペペロンチーノも、実は原価率が低いメニューの代表格です。
材料はパスタ、にんにく、鷹の爪、オリーブオイルと調味料のみで構成されており、原価率は約15%前後といわれています。800円ほどで提供されるペペロンチーノの場合、材料費はおよそ120円程度になります。ただ、作る際の火加減や味付けに技術が必要で、失敗のリスクも伴います。
見た目のシンプルさ以上に調理の腕が問われる、意外と奥深いメニューです。
7. マルゲリータピザ(原価率:約15〜20%)
ピザの定番として人気のあるマルゲリータピザも、比較的原価率が低い食べ物です。
生地にトマトソースとチーズ、バジルというシンプルな具材で作られるため、原価率は15〜20%程度です。1枚1,000〜1,200円で提供されるピザの場合、原価は150〜240円ほど。とはいえ、ピザ窯の維持費や生地作りにかかる手間、人件費などが発生するため、利益は必ずしも単純計算通りにはなりません。
それでも原価が比較的低いため、多くのお店で気軽に楽しめる人気メニューとして提供されています。
8. 冷凍カットケーキ(原価率:約18〜20%)
飲食店やカフェでよく見かける冷凍カットケーキも、実は原価率が低めです。
ケーキの種類にもよりますが、原価率はおよそ18〜20%程度とされています。400円程度で販売されるケーキであれば、原価は約80円前後という計算になります。冷凍されたものを解凍して提供するだけのため、調理の手間が少なく、失敗のリスクもほとんどありません。
気軽にメニューに取り入れられる便利さから、特に喫茶店やカフェなどで人気があります。
満足感が高い?原価率が比較的高めなメニュー
原価率が低い食べ物はお店にとって利益が出やすい反面、原価率が高めの食べ物は食材そのものにコストがかかっているため、素材の品質や鮮度が良いことが多くあります。
そのため、必ずしも原価率が高いことが悪いわけではなく、むしろ消費者側から見ると満足度が高い食事を楽しめる可能性があります。
以下に、比較的原価率が高いメニューの例を紹介します。
▶刺身の盛り合わせ(原価率:約40〜50%):
魚介類は鮮度が命で、保存や管理に手間がかかるため、仕入れ価格も高くなります。そのため、原価率が非常に高く、居酒屋や和食店では利益率が低めになる傾向があります。
▶手作りアイスクリーム(原価率:約30〜40%):
専門店や洋菓子店で提供されるアイスクリームは、生クリームやフレッシュフルーツなどの高級な食材を使うことが多く、比較的原価率が高めです。その分、味わいや品質にこだわりを感じられます。
▶国産牛を使ったステーキ(原価率:約40%以上):
高品質な国産牛を使ったステーキなどは、素材自体の価格が非常に高いため、原価率が高くなりがちです。そのため、提供価格も高めになりますが、素材本来の美味しさを存分に楽しむことができます。
こうした原価率が高めのメニューを知っておくと、値段に対する納得感や食事の満足感がさらに高まるでしょう。食材や調理の質の高さが反映された料理を楽しむことができます。