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社会問題化している『歩きスマホ』の実情とは?
ここ10年ほどでスマートフォンは私たちの日常に欠かせない存在になりました。若い世代はもちろん、高齢の方でもスマホを自在に使いこなす人が増えています。便利なアプリが次々と登場し、スマホに夢中になる人が増加する一方で、新たな社会問題として『歩きスマホ』がクローズアップされるようになりました。
街中でスマホ画面を見ながら歩く人は、どこでも見かけるようになりました。しかし、スマホを見つめている時、当然ながら前方への注意が散漫になります。このため、歩行中の転倒や人・自転車との衝突事故、ひいては深刻な交通事故に繋がる可能性が高まるのは、想像に難くありません。
また、近年の調査によると、日本国内で歩きスマホを毎日行う人が全体の4割を超え、常習的な使用者も少なくないことが分かっています。特にメールやSNS、地図アプリなどに没頭してしまい、事故リスクが増えている現状があります。
こうした問題は日本だけでなく、世界的にも深刻な問題として認識されるようになっており、各地で規制が進められています。
海外では罰則を伴う規制を導入する地域も
『歩きスマホ』の危険性が認識されるにつれ、海外では具体的な罰則を設ける都市が増えています。
例えば、日本人にも人気の観光地、アメリカ・ハワイ州のホノルル市では条例で歩きスマホを禁止しています。違反した場合の罰則として、初回は約4000円の罰金が課され、1年以内に3回取り締まられると、罰金額は約12000円に引き上げられます。
日本国内ではまだ罰則付きの法律や条例は少ないものの、神奈川県大和市では公共の場所での歩きスマホを禁止する条例を制定しています。罰則がないため効果については課題が残っていますが、東京都内などでも歩きスマホの自粛を促す条例が制定されるなど、規制への動きが徐々に広がっています。
こうした動きは、歩きスマホがもはや個人のマナーの範疇を超え、公共の安全に関わる重要な課題であることを示しています。
『歩きスマホ』で実際に起こりうる5つの深刻なトラブル
歩きスマホが危険だと認識していても、実際にどんなトラブルが発生しているのか具体的に把握している人は多くありません。ここでは、実際に報告されている深刻なトラブルを5つ紹介します。
前半部分は以上となります。内容に問題がなければ、後半部分の作成に進んでよろしいでしょうか?
①道路上の段差や溝でつまずき転倒する事故
歩きスマホをしている人の視線はスマートフォンの画面に集中しています。そのため、前方の状況だけでなく、自分の足元にも注意が及ばなくなります。その結果、ちょっとした段差や道路の溝などを見逃し、つまずいて転倒するケースが非常に多いです。
特に、スマホを持ったまま転倒すると、とっさに手を前に出せず、顔面や頭部を強打することがあります。東京消防庁の調査でも、歩きスマホによる事故で最も多いのが「転倒」であり、軽視できない深刻な問題となっています。ちょっとした不注意が取り返しのつかない事故につながるリスクがあることを自覚しなければなりません。
②階段での踏み外しによる重大事故
特に階段での歩きスマホは極めて危険です。階段では通常以上に足元への注意が必要ですが、スマホに意識が集中すると段差の見落としや踏み外しが起こりやすくなります。実際に階段を踏み外して落下すると、大怪我につながる恐れがあり、高所からの転落では命に関わる事故に至る場合もあります。
さらに、階段での事故は自分自身だけの問題ではありません。もし階段で転倒や落下した場合、下にいる他人を巻き込み、多数の人を巻き込む事故に発展する可能性もあるのです。安全な場所で立ち止まることがいかに重要かを改めて考えるべきでしょう。
③歩行者や自転車との衝突事故のリスク
道路上で歩きスマホをしている人は、自分以外の歩行者や自転車の存在に気づきにくくなっています。スマホに視線が奪われることで周囲の状況を把握できなくなり、他の歩行者や自転車との衝突事故が起こりやすくなります。
特に、高齢者や子どもとの接触事故は重大な結果を招く可能性が高く、実際に衝突された高齢者が転倒して重症を負ったり、最悪の場合、命を落とすケースも報告されています。
「歩行者同士なら大した事故にならない」という考えは捨てなければなりません。自分が事故を引き起こす側になる危険性も十分認識する必要があります。
④赤信号を見落として車やバイクと衝突する危険性
スマートフォンでのメッセージ送受信やゲームに夢中になると、周囲の交通状況への注意力が著しく低下します。そのため、横断歩道で赤信号に気付かずそのまま歩き続け、青信号で走行する車やバイクと接触するケースもあります。
歩行者と車両が衝突すれば重大な事故になることは言うまでもありません。内閣府の交通安全白書でも、歩行者の不注意による交通事故が年々問題視されています。自分自身の安全を守るだけでなく、運転者にとっても迷惑な行為となるため、道路上での歩きスマホは絶対に避けるべきでしょう。
⑤犯罪被害に遭うリスクが増加する
歩きスマホによって犯罪の被害に遭うケースも少なくありません。スマホに集中している人は周囲の変化や危険に気づきにくいため、ひったくりやスリ、置き引きのターゲットにされやすくなります。
特に都市部や人混みの多いエリアでは、バッグから財布や貴重品を盗まれたり、スマートフォン自体を奪われる事件も増えています。また、スマホに夢中になっている間に他人に因縁をつけられ、トラブルに巻き込まれるといった事例も報告されています。安全を確保するためにも、スマホの使用時は立ち止まり、周囲に注意を払う必要があります。
街中でスマホを安全に使うための注意点
スマートフォンの利便性が増す中で、それを使う際の安全確保も重要な課題となっています。特に歩行中のスマホ操作は危険が伴うため、公共の場所では歩行を止め、安全な場所で立ち止まって使う習慣をつけることが必要です。
例えば、東京都葛飾区では歩きスマホを控えるよう啓発を進め、スマホを操作する場合には他人の通行の妨げとならない場所で立ち止まることを呼びかけています。歩きスマホによる事故やトラブルは、自分だけでなく他人を巻き込む可能性があることを忘れてはいけません。
公共の安全を守り、快適な社会を実現するためにも、一人ひとりがスマホの使用マナーを見直し、正しい使い方を心がけましょう。