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ナスのアク抜きを省くと起こること
ナスのアク抜きは簡単ですが、少し面倒に感じることもあります。ナスはアク抜きをしなくても食べられますが、想像とは異なる仕上がりになる可能性があります。アク抜きを省略すると、なぜ味や見た目に影響が出るのかを確認しましょう。
ナスのアク抜きを行うべき理由
ナスのアク抜きを行う主な理由は3つあります。それぞれ詳しく見ていきます。
1. 切り口の変色を防ぐため
ナスを切ったまま放置すると、切り口が茶色っぽく変色してしまいます。これは、ナスが持つポリフェノール(クロロゲン酸)が空気に触れて酸化するためです。りんごやじゃがいもなど他の野菜でも見られる現象で、特に見た目を重視する和食や生食では注意が必要です。
2. 苦みやえぐみ、渋みを取り除くため
ナスのアク抜きを省くと、以下のような味が残りやすくなります。
- 苦み
- えぐみ(刺激的な苦み)
- 渋み
これらの味は料理の仕上がりにマイナスイメージを与えがちです。せっかく調理しても、後味が悪く感じられてしまうかもしれません。
3. 料理本来の味や仕上がりを邪魔しないため
アクを抜かないまま調理すると、特に薄味の料理ではナスの渋みが邪魔をして、せっかくの繊細な味付けが台無しになることがあります。特に和食やサラダなど素材そのものの味を楽しむ料理では、仕上がりに大きく影響します。また、アクが強すぎると食べ残しや廃棄につながる可能性もあります。
ナスのアク抜きは、切ったナスを水にさらすだけで簡単に行えます。調理前に短時間浸けるだけで済むので、面倒だと感じずに行いましょう。
アク抜きしなくてもよいナスの見分け方は?
アク抜きは基本的な処理ですが、ナスの種類や調理法、季節によっては省略しても問題ありません。具体的な判断基準を詳しく解説します。
後半の内容を以下に記載いたします。
油を使った調理方法を選ぶ
ナスを油で揚げたり炒めたりすると、アクによる苦みや渋みはほとんど気になりません。特に天ぷらやかき揚げ、素揚げのような料理であれば、アク抜きをしなくても十分においしく仕上がります。また、炒め物の場合も、軽く塩を振って数分置いて水気を拭き取るだけで問題ありません。
味付けが濃い料理に使う
麻婆茄子や味噌炒めなど、中華料理のように味付けが濃く、特に辛味や旨味がしっかりしている料理では、ナスのアクを感じにくくなります。このような場合も、アク抜きの手間を省略して調理しても問題ありません。
旬の前の若いナスや水ナスを選ぶ
ナスは、品種や季節によってアクの強さが異なります。例えば、6月頃の旬の前の若いナスや水ナスなどは、もともとアクが少ない傾向があります。そのため、こういったナスを使用する場合は、アク抜きを省いても料理の仕上がりにほとんど影響しません。
一方、秋ナス(9月〜10月)はポリフェノールが豊富な反面、アクが強めです。アク抜きを行う場合も、できるだけ短時間にすることで、栄養を活かしたまま料理を楽しめます。
ナスのアク抜きを手軽にするコツ
ナスのアク抜きを手軽に済ませつつ、栄養も最大限に活かす方法があります。以下に紹介する手順やポイントを押さえておきましょう。
塩水や酢水を活用する
ナスの変色防止には、水にさらすよりも短時間で効果を発揮する塩水(濃度0.5~1%)や酢水(水2カップに対して酢小さじ1程度)がおすすめです。塩水なら2~3分、酢水なら約5分で十分に効果が出ます。これにより、短時間でアク抜きを済ませられるため、栄養素の流出も最小限に抑えられます。
電子レンジ調理で時短する
電子レンジを使えば、アク抜き自体を省いて手軽にナス料理が楽しめます。ナスを切ったあと少量の油を絡めてラップをかけ、600Wの電子レンジで約2〜3分加熱することで、アクが気にならない状態になります。また、加熱後に色鮮やかに仕上げることもでき、忙しいときにも便利です。
アク抜き後の水気を拭き取る
アク抜きをした後は、ナスの表面についた水分をキッチンペーパーで軽く拭き取ることが大切です。水分を取り除くことで、料理の際に油はねを防げるだけでなく、栄養素の流出を最小限に抑えることができます。油や酢を調理に使用することで、ナス本来の鮮やかな色を保ちながら栄養価も維持できます。
ナスのアク抜きを少し工夫することで、手軽に美味しく、また栄養も逃さず楽しめます。ナスを調理する際には、今回紹介したポイントをぜひ取り入れてみてください。