目次
結婚式のご祝儀の相場
結婚式のご祝儀の相場一覧
以下に、日本で有名な結婚情報誌「ゼクシィ」を参考にしながら結婚式のご祝儀の相場についてまとめました。相場は、自分と新郎新婦との関係性によって変化するのがポイントです。
新郎新婦との関係 | 新郎新婦の年齢 | |||
24歳以下 | 25~29歳 | 30~34歳 | 35歳以上 | |
友人(知人)や同僚 | 3万円 | 3万円 | 3万円 | 3万円 |
夫婦で参加する場合 | 5万円 | 5万円 | 5万円 | 5万円 |
上司 | 3万円 or 5万円 |
3万円 or 5万円 |
3万円 or 5万円 |
3万円 |
恩師 |
3万円 |
3万円 |
3万円 or 5万円 |
3万円 |
親族(兄弟や従妹) | 5万円以上 | 5万円以上 | 5万円以上 | 5万円以上 |
親戚(姪や甥) | なし | なし | 5万円 | 5万円以上 |
知人や同僚のご祝儀が「3万円」の理由とは?
上記の表をみてみると、友人(知人)・同僚に対する基本的なご祝儀の相場が「3万円」だということがわかりますよね。では、どうして「3万円」なのでしょうか? その金額に果たして根拠はあるのでしょうか?
じつは、この「3万円」という具体的な金額には、ちゃんと根拠があると言われています。ブライダル業界では、結婚式をするにあたって新郎新婦にかかる負担の費用相場が、平均「2万5000円」と考えられています。芸人さんなどの特別ゲストを呼んだり、特殊な演出を施すなどの費用は別にして、シンプルに「料理」や「引き出物」だけの部分をみると、参加者ひとりあたり約「2万5000円」の計算になるというのです。
つまり、式の参加者がご祝儀に包む「3万円」のうち「2万5000円」は、新郎新婦の負担額に相当しているということになるわけです。そして、「3万円-2万5000円」の「5000円」は、参加者が“気持ち”を乗せている部分に相当すると考えられています。
「3万円」というご祝儀の金額には結婚式の費用に関する金銭事情が背景にあり、意外にも合理的な理由付けがあるということがわかりますね。
上司や恩師の立場でご祝儀が「5万円」になる理由とは?
では、友人(知人)や同僚という立場同士で「3万円」のご祝儀が成立するのに対し、自分が上司や恩師という立場の場合に「5万円」となるのは、なぜでしょうか? これにも一応、根拠があります。
まず一般的な常識の側面から考えてみましょう。自分が目上の立場で、祝福する相手が“下の者(部下や教え子)”である場合を想像してみてください。自分よりも階級や偉さの違う下の者たちが「3万円」を包むなかで、目上の自分が同じ金額を包むシチュエーションには、違和感をおぼえませんか?
そうです。部下や教え子にまじって、目上の立場である自分が同じ金額のお祝儀を包むわけにはいかないのです。そこはやはり、部下や教え子たちとの“違い”を金額で示して威厳を保たなければならないのです。
しかし、それではどうして「5万円」なのでしょうか? 「部下や教え子が「3万円」なら、金額をもう1万円引き上げて「4万円」でいいのでは?」と疑問に持たれる方もいるはずです。じつは、上司や恩師の立場にあたる人が新郎新婦に「5万円」のお祝儀を包む理由にこそ、“マナー”の本質があるのです。
みなさんもすでにご存じかもしれませんが、昔から日本では、「4」という数字に不吉なイメージを持っています。当て字をすると、「死(し)」という言葉と同じ発音になりますよね。そのため、マナーや作法の世界では、晴れやかな舞台で「4」は忌避されるべき数字とみなされているのです。一方で「奇数」は「2で割り切れない」からかえって縁起の良い数字と考えられています。だから「3万円」の次の金額は、「4万円」でなく、ひとつ飛んで「5万円」というわけなのです。
またそれとは別に、もうひとつ「4」を回避する理由があります。結婚式において「偶数」は、好ましくない数字だと考えられています。なぜなら、「偶数」は「2で割れる数」だからです。この「割れる」から「別れる」に連想することができてしまうため、基本的に結婚式では、「偶数」が縁起の悪い数字としてタブー視されているのです。だから、目上の立場の者がご祝儀を包むときは、「3万円」ではなく「5万円」が妥当とされているわけですね。
ただし、古来日本から非常に縁起が良いとされている偶数もあります。それが、「末広がり」を意味する「8」です。もしもみなさんが、新郎新婦にとって上司や恩師の立場であり、お祝儀を「5万円」以上包もうと考えたときには、「8万円」にすれば間違いないでしょう。参考にしてくださいね。
夫婦で参加する際にご祝儀が「5万円」になる理由とは?
結婚式に夫婦ともども招待されることは、よくある話です。もっともわかりやすい例でいえば、自分たち夫婦と新郎(あるいは新婦)が大学時代の友人同士である場合です。素敵ですよね。
では、夫婦で結婚式に招待されたときのご祝儀が「5万円」である理由は何なのでしょうか? 知り合い同士なのだから、夫婦ふたりで「3万円」でいいのでは? そう思う方もいるかもしれません。これについては、さきほど説明した「参加者ひとりあたりにかかる平均費用が2万5000円」という話を前提に考えれば、理由がわかります。
もしも夫婦ふたり合わせて「3万円」しかお祝儀を包まなかった場合、新郎新婦側は果たして得をするでしょうか? それとも損をするでしょうか? 大切なポイントはここにあります。もうおわかりですよね。夫婦ふたりで「3万円」ということは、ひとりあたり「1万5000円」ということになります。参加者にかかるひとりあたりの負担は「2万5000円」なので、新郎新婦側からすれば、「1万円×2人」ぶんだけ赤字になる計算となります。
じつはこうした理由から、最低でも夫婦ふたりあわせて「5万円」をお祝儀に包むのが望ましいとされているのです。もちろん、あくまでもこれは最低ラインなので、「気持ちを乗せたい」というのであれば、夫婦ふたりで「7万円」ほど包めばよいでしょう。「6万円」は偶数なのでNGとなります。
親戚関係のときに「5万円」以上のご祝儀になる理由は?
新郎新婦の知人や同僚とは異なり、兄弟や従妹などの親戚はお互いに血がつながっていますので、関係性は他の人たちよりも濃いはずです。なので、ご祝儀に上乗せする「気持ち」の部分が比較的大きいと考えるのが一般的です。「3万円」以上の金額を想定したほうが望ましいでしょう。当然ですが、「偶数」にならないようにくれぐれも気をつけてくださいね。
結婚式に欠席した場合のご祝儀の相場
せっかく結婚式に招待されたのに、仕事の都合などで、どうしても出席できなくなるときがあります。結婚式が遠方でおこなわれるとなれば、なおさら参加が難しくなってしまいます。そんなときでも、やはり自分の「気持ち」は新郎新婦に伝えて祝福したいですよね。ご祝儀は、結婚式に欠席する場合でも包むことができます。その際には、「3万円」を包む必要はありません。最低でも、「1万円」程度の金額であれば十分と言われています。このご祝儀を新郎新婦に渡す方法は、式の1週間前までに直接渡すか、郵送かのどちらかです。
一方で、「もともと出席する予定だったが、急な用事で欠席しなければならなくなった」というケースもありますよね。出席できなくて大変残念ですが、仕方ありません。そんなときは、言葉を添えつつ新郎新婦にご祝儀を渡して、気持ちをしっかりと伝えて祝ってあげましょう。ただし注意が必要です。このケースでは、もともと出席を予定していましたので、ご祝儀「1万円」では不十分です。というのも、新郎新婦側はあなたが出席する前提で式の計画を進めているため、その際にかかる費用もすでに織り込んであるからです。たとえ欠席しても、費用はかかってしまいます。自分のためにかけてくれた費用分は、ご祝儀という形で相手にお返ししてあげましょう。当初に包む予定だった「3万円」のご祝儀をそのまま新郎新婦に渡すが妥当です。
知っておきたいご祝儀袋のマナー
ご祝儀袋は実際に包もうとしている金額にふさわしいものを選ぶ
「ご祝儀袋」にはいくつかの種類があります。これについては、結婚式に多く参加した経験がある人にはわかるかもしれませんが、そういう機会に恵まれないと、なかなか知ることができません。はじめて人の結婚式に参加するとき、どんなご祝儀袋を選ぶべきか悩む方は、けっこう多いはずです。
じつは「ご祝儀袋」には、金額の数字に応じていくつかグレードがあります。
①袋に「水引」や「赤帯」が印刷されているご祝儀袋(1万円程度の金額)
「水引(みずひき)」とは、ご祝儀袋に飾り付けられている“ヒモ”のことです。欠席する際などに渡す1万円ぶん相当のご祝儀袋は、この「水引」や「赤帯」などがシンプルに「印刷」されています。
②金や紅白の水引が掛けられているご祝儀袋(3万円程度の金額)
実際に結婚式に参加してご祝儀を包むときには、金色や紅白の「水引」が実際にお祝儀袋にかけられているものを選びましょう。印刷されているのではなく、実際に「水引」が掛けられているのがポイントです。
③上等な紙に豪華な水引が掛けられたご祝儀袋(5万円以上の金額)
明らかに上等と思われる美しい紙(和紙であることが多い)に、仰々しい結び方をされた「水引」が装飾されているご祝儀袋は、今日用いられているご祝儀袋のなかで、もっともグレードが高いものです。5万円以上の金額を包む際には、これを使いましょう。
ご祝儀袋に表書きをする際のマナー
みなさんも経験上わかると思いますが、冠婚葬祭で「ボールペン」はマナー上ふさわしくありません。結婚式のご祝儀袋に表書きするときも、当然そうです。なので、自分の名前をご祝儀袋に書くときは、「筆」や「筆ペン」を使いましょう。
ご祝儀袋は「袱紗(ふくさ)」に包むのがマナー
ご祝儀袋を持ち歩くとき、みなさんはどうしますか? じつはこれにも大切なマナーがあります。ご祝儀袋を、そのままカバンに入れたり胸ポケットに入れるのは行儀が良くありません。原則、ご祝儀袋のような金封は、「袱紗(ふくさ)」と呼ばれる“包み袋”に入れて持ち歩くのが望ましいとされています。大人になるにつれて、金封を必要とする機会が増えていくので、まだ持っていない方は、デパートなどに行って、購入をおすすめします。祝い事のときに使う「袱紗(ふくさ)」は明るめの色を選ぶのが望ましいです。ちなみに、葬祭に使う金封(香典)は暗めの色を選びましょう。
最後に
さて、みなさんいかがでしょうか。結婚式のご祝儀には、さまざまな取り決め事が存在します。マナーのツボをびしっと抑えておけば、周囲から一目置かれることもあります。冠婚葬祭は、マナー知識などの面でその人の「大人力」を試される場所でもあるからです。この記事をきっかけにご祝儀の知識を学んでいただけば幸いです。