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忘れっぽい人に見られやすい性格
忘れっぽさというものは、誰にでも多少はあるものです。しかし、その頻度が高く、仕事や日常生活に支障をきたすレベルになると、「性格だから仕方ない」では済まされません。
あなたも「大事なことなのに、どうしてまた忘れてしまったんだろう?」と自分にがっかりした経験はありませんか?
実は、忘れっぽい人には、ある共通した性格の傾向があります。
- 自信がない(不安感が強い)
- 周囲の反応を過剰に気にする
- 他人に興味が薄く、自分の世界にこもる
まず、「自信がなく、いつもどこかで不安を感じている」という点です。自分に自信が持てないため、「ちゃんと覚えているかな?」と疑心暗鬼になります。
また、「周囲の反応を過剰に気にしてしまう」ことも特徴です。周りの目が気になりすぎて、本当に集中すべきことに意識が向きません。
さらに、「他人への関心が薄く、自分の世界にこもりやすい」という性格の人も、周囲の情報を無意識に遮断しがちです。その結果、大切な情報が記憶に残らないことが多いのです。
忘れっぽい人が持つ特徴
性格以外にも、忘れっぽい人に共通した具体的な行動パターンがあります。自分にも当てはまるものがないか、次の具体例を見て確認してみてください。
1. 人の話を最後まで聞かず、要点を聞き逃す
誰かが話している途中で、自分の頭の中で勝手に結論を出してしまい、重要な情報を聞き逃してしまう人がいます。職場で上司から仕事の手順を説明されているとき、途中まで聞いたところで「わかった」と思い込み、細かな注意点を聞き逃したことはありませんか?
また、家族から買い物を頼まれたときにも、話の途中で理解したつもりになり、買うものを間違えたり忘れてしまったりすることがあります。
こういった人は、話が少し長くなると頭の中が次のことに切り替わってしまい、肝心の要点を取りこぼしてしまう傾向があります。
2. いつも慌ただしく、集中力が散漫になりがち
常に忙しく動いている人は、心の余裕がなくなりがちです。朝、慌てて家を出ようとするとき、財布や鍵、スマートフォンなど必要なものをどこかに置き忘れてしまう経験がある人は少なくありません。
また、仕事中にメールを打っている途中、急に他のタスクを思い出して、そちらに気を取られてしまい、もとの作業をすっかり忘れてしまうケースもよくあります。
このような人は、頭の中が常に慌ただしく、ひとつのことに集中し続けることが難しい傾向があります。何かをやりながら、つい別のことを考えてしまうため、大事な情報を取りこぼしやすいのです。
3. チェックや確認作業を忘れがち
忘れっぽい人は、最終的な確認作業をつい怠りがちです。
例えば、仕事で作成した資料を提出前にもう一度読み返さず、後から致命的なミスが見つかることがあります。買い物でも、「財布にお金が入っているか」「割引券をちゃんと持ったか」などの確認を省略してしまい、いざレジで慌ててしまうことも多いです。
こうした確認漏れが頻発するのは、作業が終わった瞬間に「やり遂げた!」と安心して気が緩んでしまうからです。「きっと大丈夫」という甘い見通しが、繰り返しミスを招いてしまいます。
4. メモを取る習慣がないためすぐ忘れる
メモを取る習慣がない人は、後で思い出せずに困る場面が多くなります。
職場の会議で、「メモを取らなくても覚えているだろう」と考えた結果、後になって「あの件、何だっけ?」となった経験はありませんか。家庭でも、家族から頼まれた買い物をメモしなかったために、いざお店で商品を思い出せず困ったということが起こります。
メモを取らない人は、記憶力への過信や、メモをするという行為自体への抵抗感があります。結果として情報を正確に保持できず、同じ失敗を繰り返してしまいます。
5. 整理整頓が苦手で物をなくしやすい
物をよくなくす人は、整理整頓が苦手です。
例えば、スマホや財布、鍵、イヤホン、書類といった小物をよく紛失します。必要なときに限って、どこに置いたか思い出せず、焦って部屋中を探し回ることもしばしばです。
特に、日頃から物の置き場所を決めず、無意識にあちこち置いてしまう癖があります。重要な物でも「とりあえずここに置いておこう」と考えてしまい、結果として大事な場面で物が見つからないという悪循環を引き起こしてしまいます。
忘れっぽさを改善する方法
これまで紹介してきた特徴に当てはまる人も、日々の行動を少し工夫するだけで、忘れっぽさを大きく改善できます。具体的な改善策を見ていきましょう。
人の話を最後まで注意深く聞く
人の話を途中で遮らず最後まで注意深く聞くためには、相手の話のポイントを頭の中で短くまとめることが大切です。
例えば職場で上司が話すとき、「この話の要点は何か」と意識しながら聞きます。要点ごとに小さく相槌を打ったり、話の途中で「つまりこういうことですか?」と自分の言葉で要点を復唱するのも効果的です。
実際にこのような工夫をした人の中には、ミーティング後の記憶がはっきり残るようになっただけでなく、仕事のミスが減り、職場での信頼度が高まったという事例もあります。
メモを取る習慣を身につける
メモを取る習慣を身につけるためには、「メモを取るハードル」を下げることが大切です。
具体的には、付箋や小型のメモ帳をいつも手元に置いておきましょう。スマホのメモアプリを活用するのも手軽でおすすめです。
特に効果的なメモは、「やること」「買うもの」「日付や時間」といった、すぐに行動に移すべき具体的な情報です。これらを後から見て一目で理解できるよう、簡潔に書くことを意識しましょう。
「後で書こう」と思ったときにはすぐ忘れてしまうので、話を聞いたその場でメモするのが一番のポイントです。
作業の優先順位をつけて計画的に行動する
作業の優先順位をつけるためには、「緊急度」と「重要度」の二軸で考えることがポイントです。
まず、仕事の場面を例に挙げると、緊急度の高い仕事(締め切りが迫っているもの)と、重要度の高い仕事(ミスすると大きな問題になるもの)を明確に分けましょう。その上で、「緊急かつ重要な仕事」を最優先にし、「重要だが緊急ではない仕事」は計画的に取り組むなど、明確な順番を決めます。
この優先順位を決める習慣を取り入れた結果、頭の中が整理され、次に何をすべきかを忘れることが減ります。気持ちに余裕が生まれ、作業を丁寧に進められるようになります。
生活習慣(睡眠・運動・食事)を整える
生活習慣を整えることは、忘れっぽさ改善にとても重要です。
睡眠については、6時間半〜7時間半を目安にとるのが理想的です。睡眠不足になると脳の働きが鈍くなり、記憶力が低下してしまいます。
また、週2〜3回、20〜30分程度の軽い運動(ウォーキングなど)を取り入れるのも効果的です。運動によって脳の血流が良くなり、記憶力や集中力が向上します。
食事面では、脳に良いとされる栄養素(DHAやビタミンB群、鉄分)を積極的に摂るよう意識しましょう。魚介類や青魚、ナッツ類などをバランスよく取り入れるのがおすすめです。
デジタルデバイスの使用時間を見直す
スマホやパソコンなどのデジタルデバイスの使用時間を制限することは、忘れっぽさ改善に大きな効果があります。
例えば、スマホやパソコンの利用を1日2〜3時間以内に抑えるなど、具体的な使用目安を設けましょう。スマホの設定で通知をオフにしたり、専用の時間制限アプリを活用する方法もあります。
デジタルデバイスから距離を置くことで脳が不要な情報に振り回されなくなり、本当に必要な情報に集中できます。その結果、作業の質が上がり、日常での「うっかり忘れ」が少なくなるというメリットがあります。
落ち着いて行動する習慣をつける
落ち着いて行動する習慣をつけるためには、「焦ったときにいったん動きを止める」ことがポイントです。
具体的には、焦りを感じたときにはまず深呼吸を3回しましょう。それだけで気持ちが落ち着き、頭が整理されます。
また、あえて動作をゆっくりすることも大切です。例えば、外出前に焦ったときこそ、玄関で一度立ち止まり、財布や鍵などをゆっくり確認します。焦りの感情が減り、忘れ物を大幅に防ぐことができます。
習慣として定着すると、「落ち着いて行動する」こと自体が当たり前になり、毎日の安心感も生まれてきます。
自分を見つめ直して忘れっぽさを改善しよう
忘れっぽさは性格だから仕方ないと諦める必要はありません。ここまで挙げた具体的な改善策をひとつずつ取り入れていけば、誰でも確実に改善できます。
大切なのは、すべての方法をいきなり完璧に行おうとするのではなく、まずは1つずつ、自分に合う方法から試していくことです。毎日の小さな行動の積み重ねが、忘れっぽさの改善に必ずつながります。
「自分は忘れっぽいから」と悩むのではなく、「今日から忘れない自分になる」という気持ちで、できることから始めてみてください。努力した結果、自分に自信が持てるようになり、より充実した毎日を送れるはずです。