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「離婚したい」と思ったとき、感情に振り回されないために
離婚を考え始めると、心の中にさまざまな感情が溢れてきます。怒り、悲しみ、不安…。それらが絡み合って、自分自身でもどうしたらいいのか分からなくなりがちです。だからこそ、感情の波に飲み込まれてしまわないよう、まずは落ち着くことが重要です。
とはいえ、冷静になれと言われても簡単ではありません。私たちは人間である以上、感情を消すことは難しいもの。でも、自分の感情を少しだけ外から眺めることはできます。感情に支配されるのではなく、自分で感情をコントロールする意識を持つだけでも、行動の誤りを防ぐことができるのです。
次に紹介する6つの行動は、感情に振り回されてしまった結果、ついやってしまいがちなことばかりです。ぜひ、自分に置き換えながらチェックしてみてください。
離婚前にやってはいけない6つのNG行動
離婚を決意したつもりでも、いざその場面になると、つい冷静さを失いがちです。その結果、離婚後に不利な状況を招いてしまったという話も珍しくありません。自分の未来を守るためにも、特に注意したい行動を確認していきましょう。
1. 不倫や浮気をしてしまう
夫婦関係が悪化すると、心の隙間ができ、他の人の優しさが魅力的に感じることがあります。「もう夫婦関係は終わっているから」と自分に言い訳をして、新しい恋愛に走ってしまう方もいるかもしれません。しかし、法律上では婚姻関係が続いている間の浮気は「不貞行為」と呼ばれ、離婚調停や裁判で不利な材料になりやすいのです。
弁護士の解説によれば、浮気が明らかになると慰謝料として高額なお金を請求される可能性があるそうです。相手に精神的苦痛を与えたことが法的に認められれば、数十万円から場合によっては数百万円の負担を強いられることもあります。また、浮気をした側が親権争いでも不利になるケースが多く、子どもとの生活にも影響を与えてしまいます。
離婚したいと思った瞬間こそ、慎重な行動を心がけましょう。自分の将来を守るためにも、不倫や浮気に走らないよう注意してください。
2. 離婚の決心がついてないのに軽率に離婚を口に出す
口論が激しくなったとき、「離婚する!」とつい勢いで口にしてしまった経験がある人もいるかもしれません。一時的な感情で強い言葉を口にすると、言った本人が後から後悔することになります。相手は「離婚」という言葉を簡単には忘れません。その言葉が二人の間に深い溝を作ってしまい、修復が困難になるケースもあります。
ある離婚カウンセラーは、「離婚を本気で考えていないうちに言葉にすると、相手との信頼関係が決定的に崩れてしまい、話し合いが難しくなる」と話しています。離婚という言葉は重く、一度放たれれば簡単に取り返しがつきません。
本当に離婚を考えている場合でも、感情が高ぶった状態ではなく、冷静になってしっかり考えをまとめた上で口にすることが大切です。離婚という決断が本当に自分にとってベストなのか、じっくり自分の心と向き合ってから話すようにしてください。
3. 子どもを置いて自分だけ家を出る
「今すぐこの場所から逃げ出したい…」と思うほど追い詰められたとき、人は正常な判断力を失ってしまいます。特に、配偶者による暴力や精神的な虐待がある場合は、一刻も早く家を出る必要があるかもしれません。しかし、そこで注意したいのが子どもの存在です。
親が子どもを置いて単身で家を出ると、その後の親権争いに大きな影響を与える可能性があります。裁判所は「子どもを置いていった」という事実を、「子どもへの関心が薄い」「養育能力に疑問がある」と判断することが多く、結果的に親権を失ってしまうケースも珍しくありません。
弁護士も「緊急の場合でも、可能な限り子どもを連れて避難することが重要だ」と指摘しています。自分だけが逃げる選択をする前に、将来的に親権を取りたいのであれば、慎重に行動しましょう。
4. 財産をこっそり持ち去る
離婚が現実的になると、「少しでも自分のお金を守りたい」と考える人がいます。自分名義の貯金なら問題ないだろうと、こっそりお金を動かしてしまう人も少なくありません。しかし、これは法律的には「財産隠し」と見なされ、後々自分に不利な状況を招くことになります。
実際に財産分与の調停や裁判では、預金や資産の動きが徹底的に調査されます。財産隠しが発覚すると、裁判官からの信用が失われ、財産分与で不利な立場に追い込まれる恐れがあります。弁護士の見解でも「財産を隠したことがバレると、結果的に取り分が減らされることもある」と指摘されているほどです。
財産を守りたい気持ちは理解できますが、不利な状況を作らないためにも、誠実に対応することが結果的に自分を守ることになります。
5. SNSに相手の悪口や愚痴を書く
イライラや不満が募ると、ついSNSに気持ちを書き込みたくなることもありますよね。誰かに共感してもらいたい、味方がほしいという気持ちになるかもしれません。しかし、その投稿が離婚裁判や調停で不利な証拠になるリスクを忘れてはいけません。
実際に、SNSに書いた相手への誹謗中傷や愚痴が裁判所で証拠として提出され、慰謝料を請求される原因となるケースが増えています。さらに子どもの親権を争う際にも、「相手を攻撃する内容」を投稿したことがマイナス評価になる場合があります。
弁護士は「ネットの書き込みは、削除したつもりでもキャプチャなどで残ってしまう可能性が高い」と警告しています。SNSに投稿する前に一度冷静になり、「この内容は公開しても大丈夫か?」と問いかけることが大切です。
6. 話し合いを録音しないまま口約束をする
離婚に向けて話し合いが進むと、慰謝料や養育費、親権など、さまざまな約束ごとが交わされることになります。しかし、「口約束」だけでは後々「言った、言わない」のトラブルになりやすいものです。
「相手が納得していたから大丈夫」と安心していると、後日になって話をひっくり返されるケースも多いと、専門家は指摘します。こうしたトラブルを避けるためには、話し合いを必ず録音しておくことが重要です。
録音と聞くと抵抗感があるかもしれませんが、これはあなた自身を守るための手段です。スマホのボイスレコーダー機能を使えば簡単に録音できます。証拠として残すことで、安心して話し合いを進められるでしょう。
離婚後に後悔しないために準備すべきこと
離婚という大きな決断をする以上、その後の生活をしっかり見据えておく必要があります。離婚経験者の多くは、準備不足で思わぬトラブルに巻き込まれたり、経済的・精神的に追い詰められたりしたことを後悔しています。そうならないためにも、次のポイントを押さえて、万全の態勢で離婚後を迎えましょう。
経済的な自立の道筋をつける
離婚後の生活で真っ先に問題になるのは「お金」です。特に専業主婦(夫)の場合、離婚すると収入が途絶えるため、経済的自立を急ぐ必要があります。「離婚後すぐに仕事を探せばいい」と考える人もいますが、現実には離婚直後の精神的負担が大きく、新たな仕事探しに集中できないケースも少なくありません。
経済的な準備は、離婚前から始めておくのが理想的です。パートやアルバイトからでもよいので、自分で稼ぐ経験を積んでおきましょう。また、専門家は「資格やスキルを身につけることが、将来的な収入を安定させる」とアドバイスしています。資格取得の勉強やキャリアアップを早めに進めることで、離婚後の生活がスムーズになります。
離婚理由を明確にする
離婚の理由をしっかり整理しておくことは、離婚を円滑に進めるための重要なポイントです。「ただ何となく離婚したい」では、相手も納得しにくく、揉め事が長引くことになりかねません。
離婚理由を明確にすることは、自分自身の心の整理にも役立ちます。離婚調停や裁判になった際にも、明確で具体的な理由があると、話し合いがスムーズに進む可能性が高くなります。弁護士も、「離婚理由を具体的に示せる人は、交渉でも有利になりやすい」と指摘しています。
感情だけではなく、自分が離婚を望む理由を紙に書き出すなどして整理しておくと、冷静に話し合いができるようになります。
もらえるお金を整理する
離婚時には財産分与、慰謝料、養育費など、さまざまなお金の問題が絡んできます。何も知らずに離婚を進めてしまうと、本来もらえるはずのお金を見逃してしまうこともあります。
専門家のアドバイスによれば、離婚前に夫婦で築いた財産(預貯金・不動産・車など)は基本的に財産分与の対象になります。慰謝料は離婚原因によって変動しますが、不倫や暴力などがあれば請求できる可能性が高まります。また子どもがいる場合は養育費が発生しますが、その金額もきちんと交渉し、書面で取り決めることが重要です。
離婚を決意したら、弁護士の無料相談などを利用して、自分がもらえるお金について具体的なイメージを持っておくことをおすすめします。
新しい住まいを探しておく
離婚後すぐに直面する現実的な問題が「住む場所」です。とりあえず実家や友人の家に一時的に身を寄せる人も多いですが、長期的には安定した居場所が必要になります。
専門家は「離婚後の生活を安定させるためには、早い段階で住む場所を決めておくことが重要」とアドバイスしています。新居を探すときは、自分や子どもの生活環境を考慮し、経済状況に見合った無理のない選択をしましょう。可能であれば、離婚前に契約や引っ越し準備を進めておくと、離婚後の精神的ストレスが軽減されます。
離婚は大変なことですが、事前準備を丁寧に行うことで、未来をより明るく、前向きなものにできます。焦らず、一歩ずつ前に進みましょう。