目次
法事でお供えに包む香典の金額相場
最近の法事の際のお供えは、品物ではなく「御供物料」として現金で包むケースが多くなっています。法事でお供えとして持参する香典の金額は、法要の規模や故人との関係、また年齢や地域によって異なります。一般的には、通夜・葬儀に持参する香典の5~7割程度が相場とされています。
法事には、法要の後に行われる会食なども含めた仏事の全ての過程が含まれていますが、法要とは、故人の冥福を祈るため、僧侶を招いて供養してもらう儀式のみを指しています。そのため、法要だけでなくその後の会食に出席する場合は、法要のみ出席の場合より、香典を多めに包むのが一般的です。
通夜や葬儀では、連名で香典を出すこともありますが、法事の場合は連名ではなく、個人個人で持参するのがマナーです。家族の場合は、家族単位で持参しても問題ありません。
なお、法事での香典でも、死や苦を連想させる4と9がつく数字の金額は避けるのがマナーです。
法事でお供えに包む香典の金額の立場による違い
法事でお供えに包む香典の金額は、故人との関係性や立場によって異なります。例えば、祖父母が亡くなり、孫がまだ20代や30代など比較的若い年代の人は、40大50代と比べて少なめとなります。
仏教の法要には、亡くなった日から日数単位で行われる忌日法要と年単位で行われる年忌法要とあります。年忌法要はいわゆる法事と呼ばれているもので、三回忌は亡くなってから満二年目の命日で一周忌の翌年となります。命日に行われるのが理想ですが、実際は参列者の都合もあるため、週末や祝日に行われることが多いです。
四十九日の忌日法要
- 故人との関係性が両親の場合:金額の相場は3~10万円
- 故人との関係性が兄妹・姉妹の場合:金額の相場は1~5万円
- 故人との関係性が祖父母の場合:金額の相場は5千円~3万円
- 故人との関係性が祖父母・叔父叔母・姪甥の場合:金額の相場は5千円~3万円
- 故人との関係性がいとこなどの親戚の場合:金額の相場は3千円~1万円
- 故人との関係性が友人、職場の関係者の場合:金額の相場は3千円~1万円
※法事の後の会食に出席する場合は、プラス5千円~1万円を上乗せします。
一周忌三回忌の年忌法要
- 故人との関係性が両親の場合:金額の相場は1~5万円
- 故人との関係性が兄妹・姉妹の場合:金額の相場は1~5万円
- 故人との関係性が祖父母の場合:金額の相場は5千円~3万円
- 故人との関係性が祖父母・叔父叔母・姪甥の場合:金額の相場は5千円~3万円
- 故人との関係性がいとこなどの親戚の場合:金額の相場は3千円~1万円
- 故人との関係性が友人、職場の関係者の場合:金額の相場は3千円~1万円
※法事の後の会食に出席する場合は、プラス5千円~1万円を上乗せします。
法事でお供えに包む香典の金額の回忌法要による違い
年忌法要の数え方は、亡くなってから満一年目が一周忌となり、回忌法要は満年数から一年を引いた年に行われます。
七回帰は満六年目に営まれる法事、十三回忌は満十二年目に営まれる法事のことを指します。省略されやすい年忌法要ですが、一周忌と三回忌は遺族や関係者にとって精神的な節目として行われることが多いです。
また、この後からの法要は、7回忌、13回忌、17回忌、23回忌、33回忌と続き、宗派や団体によっては50回忌で終わりを迎えるというのが一般的です。回忌を重ねると共に、法要としての規模は小さくなり、香典の相場も、下がってくるのが一般的です。
親族以外が参列することが無くなり、親族だけでアットホームに行われる法事となることも多く、香典の費用も事前に打ち合わせをしたり、お供えの供物を持ち寄って故人と共に楽しむというケースも多くみられるようです。
7回忌・13回忌などの年忌法要
- 故人との関係性が両親の場合:金額の相場は1~3万円
- 故人との関係性が兄妹・姉妹の場合:金額の相場は1~3万円
- 故人との関係性が祖父母の場合:金額の相場は5千円~1万円
- 故人との関係性が祖父母・叔父叔母・姪甥の場合:金額の相場は5千円~1万円
- 故人との関係性がいとこなどの親戚の場合:金額の相場は3千円~1万円
- 故人との関係性が友人、職場の関係者の場合:金額の相場は3千円~1万円
※法事の後の会食に出席する場合は、プラス5千円~1万円を上乗せします。
法事でお供えに包む香典のマナー
法事の香典の書き方
香典袋
一周忌までは黒白か双銀の結切り、またはあわじ結びの水引で、三回忌以降は青白、双銀が一般的です。
表書き
「御香典」と書くケースもありますが、基本的には宗教宗派に合わせて変えることになります。神式では「御霊前・御玉串料」、キリスト式では「御霊前・献花料」などありますが、法要そのものが仏教由来のもののため、多くが仏式で渡すことになります。
四十九日までは「御霊前」と書くのが一般的ですが、四十九日以降はどの仏教でも四十九日が明けると、故人は仏になっていると解釈されているため「御仏前」を使っておけば問題はありません。また、仏教においては、どの宗派に置いてもお香が大切にされているため、迷う場合は「御香典」とするのが良いでしょう。
名前
名前は香典の名称下に書きます。親族の場合は、誰が出したか分かるようにフルネームで、夫婦や兄弟など連名で出す場合は、代表者を一番右側にフルネームで書き、以降は名前だけを故人との関係性が高い順に書きます。
友人や知人の連名で出す場合は、全員のフルネームを書きますが、3名までが限度としておくのが無難です。団体や企業で包む場合は、右側に団体名や企業名を書き、役所がある場合は真ん中に役職名と代表者のフルネームか、○○一同など書きます。
墨
お通夜・告別式、四十九日の法要までは「薄墨」で、その後の法事は全て「黒墨」を使います。
法事の香典の包み方
お金の入れ方:お札は顔のあるほうが見えないよう裏にして入れるという考え方がありますが、気にしなくても良いそうです。ただし、複数枚の場合は向きを統一して入れましょう。また、地域によっても異なりますが、新札は不幸を見越して用意していたようだという考え方から、用いないほうが良いとされています。ただし、シワが多すぎるお札も失礼にあたるため、注意して下さい。
包み方
お金を中袋に入れ、裏面の左側に住所・氏名を書き、表面には金額の頭に「金」と書き、金額を記入します。漢字は旧字体(壱、弐、参、伍、七、阡、萬など)を使用することが正式なマナーです。すべて記入できたら、中袋を外包の中に入れます。裏の折返しは、下向きと言い上側が重ねた時に上に覆いかぶさるようにします。
渡し方
持っていくときは、紺や紫色の袱紗(ふくさ)に包み、渡すときは、必ず相手に表を向けて渡しましょう。袱紗がない時は、寒色のハンカチに包んでも問題ありません。そして香典は、自ら仏様に備えず、必ず施主の方に手渡しすることが大切です。「心ばかりですが、仏前にお供えください」と一言添えて施主の方に渡しましょう。
法事でお供えに包む御供物料の金額相場
御供物料とはお供え物に代わって包む弔慰金のことをお供物料と言い、香典とは別に包む場合と、香典の代わりに包む場合があります。御供物料の相場は、5千円から1万円が目安です。
法事でお供えに包む御供物料のマナー
渡し方
御供物料は、必ず不祝儀袋か白無地の封筒に入れて、袱紗に包んで持っていきます。渡すタイミングは、法事が始まる前に施主ご本人に直接渡しましょう。袋に入れずそのまま渡したり、自ら仏前にお供えするのはマナー違反です。
書き方
香典とは別に包む場合
表書きの半分上に「御供物料」と書き、下に名前を書きます。連名の場合は、代表者を中心に、左横に名前を連ねて記入しましょう。
香典の代わりに包む場合
香典の代わりとして包む場合は、「御仏前」と書きます。四十九日法要より前は「御霊前」と書いて下さい。
墨
お通夜・告別式、四十九日の法要までは「薄墨」で、その後の法事は全て「黒墨」を使います。
まとめ
法事も回忌を重ねていくにつれ、法要の規模や香典の相場も変わってくるのですね。また、故人との関係や、立場、年齢でも金額は変わってきます。また、近年ではお供えを品物ではなく、お供物料としてお金で渡したり、香典の代わりとして渡すことが多いようですが、地域によって異なることも多いようです。
失礼があってはいけませんので、迷ったりするときは身近な人に聞いたり、調べてから用意するようにしましょう。