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香典返しを選ぶ前に知っておくべきこと
香典返しとは、お通夜やお葬式で故人に向けて贈られた香典のお返しに贈る品物のことです。初めてのお葬式の場合、香典返しはどういったものにすべきか悩みますよね。実は、香典返しには長い歴史と深い意味があります。
香典返しの基本は、「不祝儀を後に残さない」という考えに基づいています。これは、悲しみや不幸を引きずらないようにという願いが込められているのです。そのため、使ったり食べたりすることでなくなる「消えもの」を選ぶことが一般的です。
しかし、全ての「消えもの」が適切というわけではありません。香典返しには、避けるべきタブーな品物があります。これらを知ることで、相手に失礼にならず、故人の思い出を大切にする適切な香典返しを選ぶことができます。
それでは、香典返しには不向きなものをご紹介します。タブーといわれている理由も詳しく解説していきますので、しっかりチェックしてみてください。
香典返しで贈ってはいけない品物4選!タブーの理由も解説
香典返しに贈るべきではないものは、以下のものがあります。
1. 慶事(祝い事)に贈るもの
慶事に贈られるものは、香典返しには不向きです。具体的には以下のようなものが挙げられます。
- かつおぶし
- 昆布
- お酒
- 高級な嗜好品
これらがタブーとされる理由は明確です。大切な人がなくなっているのに、香典返しで慶事に贈られるものを選んでしまうのは、場違いで不適切だからです。
例えば、かつおぶしや昆布は日本の伝統的な祝い事に使われることが多く、めでたい席には欠かせない食材です。お酒も同様に、お祝いの席で振る舞われることが一般的です。これらを香典返しとして贈ることは、故人を悼む気持ちとはかけ離れてしまいます。
高級な嗜好品も避けるべきです。たとえ消費すればなくなるものであっても、故人を偲んでいる時期に贈るものとしては適切ではありません。これらは、お歳暮やお中元などの別の機会に贈る方が良いでしょう。
2. 生もの
日本では昔から、「四つ足生もの」といわれるものは香典返しに不向きとされています。具体的には
- 肉類(牛肉、豚肉、鶏肉など)
- 魚(刺身、切り身など)
これらがタブーとされる理由は、主に二つあります。
- 生命を連想させるため
- 保存や扱いが難しいため
「四つ足で立つもの」という表現は、主に哺乳類の肉を指しますが、鶏肉や魚なども同様に避けるべきです。加工品であっても、元が生ものであれば選ばない方が無難です。
3. 生菓子
香典返しでお菓子を選ぶ方は多いですが、生菓子を贈るのはよくありません。例えば
- 生クリームを使ったケーキ
- カスタードクリーム入りの和菓子
- 日持ちしない羊羹
これらがタブーとされる理由は、主に以下の点です。
- 日持ちしない
- 保存が難しい
- 縁起の悪さ
また、お菓子を選ぶ際は個数にも注意が必要です。4(死に通じる)や9(苦に通じる)といった語呂の悪い数のお菓子を贈ることは避けましょう。相手の宗教や文化的背景にも配慮して、お菓子の種類や個数を決めることが大切です。
4. 記念品など、あとに残るもの
香典返しとして、以下のようなものを選ぶのは不適切です。
- 時計
- 置物
- アクセサリー
- 写真立て
これらがタブーとされる理由は、「不祝儀を後に残さない」という香典返しの基本的な考え方に反するためです。
記念品や装飾品は、長く使用されることを前提としています。しかし、香典返しの品として受け取ると、故人や葬儀を思い出させる可能性があります。これは、受け取る側にとって心理的な負担になる可能性があります。
また、好みが分かれるものでもあるため、受け取った側が使いたくないと感じても処分しづらく、負担になってしまう可能性もあります。
香典返しに贈るべきもの
香典返しにぴったりの品物は、以下のようなものがあります。
1. 飲み物
コーヒーや日本茶、紅茶などの飲み物は、香典返しの定番です。
- 特徴:日持ちが長く、多くの人が日常的に消費するもの
- 例:高級茶葉のセット、ドリップコーヒーの詰め合わせ
- 注意点:相手の好みがわかれば、それに合わせて選ぶとより喜ばれます
2. 日持ちするお菓子
賞味期限が長く、個包装されているお菓子も良い選択肢です。
- 特徴:保存が容易で、少しずつ消費できる
- 例:クッキーの詰め合わせ、せんべいアソート
- 注意点:前述の通り、個数や種類に注意が必要です
3. 調味料
砂糖や塩、高級オイルなどの調味料も適しています。
- 特徴:日常的に使用され、確実になくなるもの
- 例:高級塩の詰め合わせ、オリーブオイルセット
- 注意点:瓶詰めの場合は重さに注意が必要です
4. 日用品
石鹸や洗剤、タオルなどの日用品も人気があります。
- 特徴:誰もが使う実用的なアイテム
- 例:高級ハンドソープ、今治タオルセット
- 注意点:あまり大量に贈ると保管に困る可能性があるので、適量を心がけましょう
香典返しは、消耗することができて日持ちするものを選ぶようにしましょう。日用品は好みが分かれることがありますが、あって邪魔になるものではありません。日用品を選ぶのであれば、デザインや品質にこだわったものを香典返しに選びましょう。
カタログギフトという選択肢
最近では、カタログギフトを香典返しとして選ぶ方も増えています。カタログギフトには以下のような利点があります。
- 贈る側がタブーを気にせずに贈ることができる
- 受け取る側が好みのものを選べる
- 幅広い年齢層や関係性に対応できる
- 金額の調整が容易
カタログギフトは、相手の好みや必要性に合わせて選んでもらえるため、無駄なく喜んでいただける可能性が高い選択肢といえます。ただし、カタログギフトを選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
- 弔事用のデザインのものを選ぶ
- 掲載されている商品が香典返しにふさわしいものかを確認する
- 相手の年齢や関係性に応じて、適切な価格帯のものを選ぶ
カタログギフトは、特に相手の好みがわからない場合や、遠方に住んでいる方への香典返しに適しています。
まとめ:香典返しを選ぶ際のポイント
香典返しを選ぶ際は、以下のポイントを押さえておきましょう
- 「消えもの」を基本に選ぶ
- 慶事に関連するものは避ける
- 生ものや日持ちしないものは選ばない
- 相手の負担にならないよう配慮する
- 個包装や日持ちするものを優先する
- 迷った場合はカタログギフトを検討する
これらのポイントを意識しながら、故人への思いと感謝の気持ちを込めて香典返しを選びましょう。適切な品を選ぶことで、相手への配慮と礼儀を示すことができます。