目次
シルクのパジャマを洗う前にすること
洗濯表示のマークのチェック
シルクはとてもデリケートな素材ですが、自宅で洗えるものもあり、特にパジャマは手洗い洗濯ができるものがほとんどですので、洗濯をする前に、洗濯表示をチェックしてみましょう。洗濯表示に手洗いマークがついていれば、自宅で手洗いができます。
ただ、洗えると言ってもデリケートな素材のため、優しく丁寧に洗うようにしてください。そして、パジャマであっても手洗いマークがなければ、クリーニングに出すことをおすすめします。
おしゃれ着用洗剤推奨マーク
桶に水が入っているイラストに手洗いのマークがついているものは、洗濯機の使用は不可ですが、液温30度(40度限度)で弱い手洗いが良い、という意味になります。
家庭での洗濯禁止マーク
桶のイラストに大きく×マークが描かれているものは、手洗いNGのため、クリーニングに出しましょう。
その他、漂白剤の使用の可否、アイロンの温度設定、ドライクリーニングの場合の溶剤、干し方など洗濯表示一覧を参照にすれば、分かりますので、不安な点があったら洗濯表示一覧で確認してから洗濯をするようにして下さい。
参照元:新しい洗濯表示 | 消費者庁
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/laundry_symbols.html
色落ちしないかチェック
シルク素材に限らず、洗濯表示で手洗いできると表示されていても、洗うことで色落ちしたり、縮んでしまうことがあります。特にシルクは水によって色落ちがしやすいため、手洗いする前には必ず、目立たない箇所で色落ちしないかチェックするようにしましょう。
色落ちしないかのチェック方法
白い布や白いタオルに中性洗剤を少しだけつけ、シルク生地をトントンと軽くたたきます。
白い生地に色移りがなければ手洗いできますが、色落ちが合った場合は手洗いOKの表示であってもクリーニングに出すことをおすすめします。特に、海外の染色シルク製品は、日本製に比べ色止めの加工がゆるく、色落ちするケースが見られますので気をつけましょう。
シルクのパジャマの洗濯方法
30℃以下の水での手洗い
シルク生地は冷たい水だと汚れが落ちないのですが、熱すぎても色落ちの原因になります。洗う温度は20度から高くても30度くらいまでのぬるま湯が適切でしょう。また、風呂の残り湯は皮脂汚れがついているので、使用は控えたほうが良いです。
洗い方は、洗い桶を用意して、その中にパジャマをつけ数分待ちます。数分後、洗剤の入っていないキレイなぬるま湯に変えて、数分おいてすすぐという工程を、泡が無くなるまで繰り返します。生地に負担のかかる揉み洗いなどは避けてください。
中性洗剤を選ぶ
使う洗剤は、シルク用の洗剤もありますが、市販の中性洗剤などのおしゃれ着洗い用洗剤で洗えます。
普通の洗濯洗剤は、弱アルカリ性でタンパク質できた皮脂汚れに強いものです。シルクはタンパク質でできているため、中性洗剤などおしゃれ着洗い用洗剤でないと生地が劣化しますので、必ず中性洗剤、おしゃれ着洗い用洗剤、シルク用の洗剤を使いましょう。
どうしても洗剤が用意できないときは、髪の毛用のシャンプーで代用することもできます。髪の毛もタンパク質のため、シャンプーはシルク生地を傷めずに洗うことができるからです。
また、どんなに落ちにくい汚れがあったとしても、塩素系漂白剤は色落ちや生地が著しく傷むため、使用はやめましょう。
脱水のコツ
パジャマをすすいだ後は、軽くしぼって形を整えます。シワや型崩れがおきないように、優しくバスタオルなどに包んで押しながら、水分を吸いとると繊維が傷みにくくなります。力いっぱい絞ったり、洗濯機の脱水は控えましょう。水気が少し残っているくらいの方が、水分の重みで、シワになりにくくなりますので、無理に絞らなくても大丈夫です。
陰干しのポイント
シルクのパジャマを洗った後は、パジャマを両手に持って上下に振りながら大きなシワを伸ばします。シルクは直射日光に弱いため、風通しの良いところで陰干ししてください。
アイロン掛け
乾いたパジャマのシワが気になる時は、アイロンがけでシワを戻す事もできます。
シルクのパジャマを洗った後の注意点
シルクはシワになりやすいため、干すときはハンガーを使わないで、物干し竿などにふんわりと掛ける干し方がおすすめです。または、平干し用のネットを使うのも良いでしょう。シルクは紫外線を吸収するため、直射日光に当てると変色の可能性がありますので、陰干しで乾かしましょう。
アイロンをかける際は当て布をして、低温設定でアイロンを当てて下さい。低温でもシルクは簡単にシワが伸びます。スチームアイロンを使う場合は、汚れた水を使うとシミになるので、気をつけましょう。
シルクの洋服を収納する方法
引き出しの上段に収納する
タンパク質でできているシルクは、きちんとお手入れをして保管しておかないと、カビが発生し虫食いの害を受けやすいです。収納する前には、当然ですが洗濯をして汚れを落とし、直射日光を避けた涼しいところで保管します。
引き出しに収納する場合は、床に近い方が湿気を受けやすいため、上段に収納するのがおすすめです。ハンガーにかけられる場合は、ハンガーにかけて洋服ダンスに収納しておきましょう。
防虫剤を入れる
防虫剤は2種類以上の防虫剤を同時に入れず、途中で交換の時期を迎えた場合も同種の防虫剤を使うことをおすすめします。クリーニングから戻ってきた場合は、ビニール袋がついたままでは通気性が悪くなるため、取り外して収納するほうがよいです。
汚れはすぐに落とすようにする
汚れや臭いが目立たないからと洗わずに放っておくと、シミや黄ばみの原因になることがあります。シルクは、漂白剤が使えないため、一度シミができるとクリーニングに出すか、あるいはクリーニングに出しても落ちないこともあります。黄ばみやシミができる前に、汚れたら早目に自宅で手洗いすることをおすすめします。
シルク素材の特徴
メリット
シルクには光沢があり、通気性や保温性に優れています。シルクは断面が三角形のため、光を当てるとプリズムのように反射するので、それが美しい光沢となり高級感が感じられます。また、繊維が細かく肌触りが柔らかく、ずっと触っていたくなるような心地よさも魅力の一つです。
熱伝導率が低いため、夏は涼しくて冬は暖かい素材です。18種類のアミノ酸で構成されているため人の肌の成分と似ていて、素肌に優しい繊維であり、保湿性に優れているので、静電気が起こりにくいという特徴もあります。
デメリット
タンパク質でできているシルクは、太陽の光に弱く長時間、日光に当て続けると黄色く変色してしまいます。また、水分にも弱いため、シミができやすい点もデメリットです。さらに、繊維が細いことからカバンが擦れたり、生地の上からかいてしまうなどの行為で生地に大きなダメージが受けやすくもあります。
そして、シルクは縮みやすい素材のため、ウオッシャブルシルクという防縮加工が施された素材以外は、水洗いすると縮む可能性が高く、一度縮むとアイロンなどで伸ばすこともできませんので、覚えておいてください。
まとめ
シルク繊維は着心地もよく素肌に優しいけれど、扱いが難しいと思われがちです。ですが、汚れが目立つ前であれば、手洗い方法も簡単に自宅で行えますね。通気性や保湿性の高いシルクパジャマは、質の良い睡眠へと導いてくれますので、洗い方をマスターして、積極的に取り入れたいですね!