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ワインの保存方法は正確に守るべき
ワインは非常にデリケートな飲み物です。普段の飲食物と同様に、開封後は冷蔵庫で保存すれば安全というわけではありません。間違った保存方法は、ワインが次第に劣化してしまう可能性があります。このような事態を防ぐために、よくある間違った保存方法を把握して、適切な保管方法を実践しましょう。
ワインでやりがちなNG保存法5つ
ワインを長持ちさせるためには、品質を損ねる保存方法を避けることが重要です。無意識のうちに行っているかもしれない、NGな保管方法を見直し、ワインの劣化を防ぎましょう。以下に具体的な例を挙げて解説します。
1.日光の当たる場所での保管
ワインは直射日光にさらされると、「日光臭」と呼ばれる特有の臭いが発生しやすくなります。このため、ワインは日光が届かない場所で保管するのが望ましいです。日光臭は、たまねぎや茹でキャベツのような硫黄臭で、ワイン本来の香りを大きく損ねてしまいます。
2.適切でない湿度での保管
ワインの保管に適した湿度は65~80%です。湿度が80%を超えるとラベルにカビが生えやすくなり、65%未満ではコルクが乾燥してしまいます。特にエアコンが効いた部屋では乾燥が進みやすいので、注意が必要です。
3.不適切な温度での管理
ワインは大きな温度変動や高温・低温が続く環境下では保存に適していません。特に30度を超える高温や寒すぎる場所での長期保存は避けるべきです。理想的なワインの保存温度は13~15度とされています。
4.コルクの乾燥
コルクが乾燥するとワインの成分が変化するリスクがあります。ワインボトルを立てて保管したり、乾燥しやすい場所に置いておくのは避けましょう。また、コルクは外部の臭いを吸収しやすいため、強いにおいのする物を近くに置くのも避けるべきです。
5.ワイン開封後の常温保存
ワインを開封後、瓶内に空気が混入し、徐々に酸化が始まります。また、空気中の酸素には微生物も含まれており、常温での保存はワイン内での微生物の繁殖を促すことがあります。
ワインの正しい保存方法
ワインを長く美味しく保つためには、適切な保存方法が非常に重要です。ここではワインの保存方法を詳しくご説明します。
暗い場所での保存
ワインは光を避けることで長持ちします。特に、直射日光や蛍光灯の光はワインの劣化を早めるため、暗い場所での保管が理想的です。さらに保護するためにワインボトルを新聞紙で包むこともおすすめします。
温度変化の少ない涼しい場所での保存
ワインの保管には安定した温度が必要です。理想的な保存温度は13~15度で、この範囲を保てる涼しい場所が適しています。30度以上の高温や寒すぎる環境ではワインが適切に熟成せず、風味が損なわれることがあります。
高湿度の場所での保存
ワインの保存において、もう一つ重要な要素が湿度です。65~80%の湿度が理想的で、この範囲を保つことでコルクの乾燥を防ぎ、ワインの酸化を最小限に抑えることができます。また、ワインボトルは振動からも保護する必要があります。
自宅でのワインの保存場所の工夫
自宅でワインを適切に保存し、その品質を維持する方法はいくつかあります。以下に、家庭内で最適な保存場所について詳しく解説します。
床下の冷暗所での保存
ワインセラーを持っていない場合でも、床下の収納スペースが冷暗所として利用できます。ここは比較的一定の温度を保ち、光が遮られるため、ワインの保存に適しています。
ただし、夏場は温度が上昇する可能性があるため、定期的に状況を確認し、適切な保存温度が保たれているかをチェックすることが重要です。
北向きの部屋の押し入れを利用する
ワインセラーや床下収納の代替として、北向きの部屋の押し入れが有効です。こちらは温度が上昇しにくい特性を持ち、比較的安定した環境を提供します。ただし、湿度が高くなる梅雨時は注意が必要ですし、夏場はエアコンの使用による乾燥が懸念されます。
冷蔵庫の野菜室を活用する
特に夏場などの暑い季節には、冷蔵庫の野菜室がワインの保存に適しています。温度が適度に低く、ドアの開閉も少ないため、温度変化が少なく済みます。
保存時はコルクの乾燥防止のためにキャップシール部分をラップで保護し、さらに新聞紙でボトルを包んで振動から守ることが推奨されます。長期保存の場合は、季節に応じて保存場所を変更することがワインの品質を保つための鍵です。
開封したワインの保存
開封後のワインは、フタをして冷蔵庫で立てて保管することで、酸化を遅らせることができます。冷蔵庫内の他の食品からのニオイ移りが懸念される場合は、フタをラップでさらに包むと良いでしょう。
開封したワインの保存方法で長持ちさせるコツ
開封したワインの鮮度を保ち、美味しさを長く楽しむための保存方法についてご紹介します。適切な方法を実践すれば、開封後のワインも長く保存できます。
コルクを再利用して短期保存
飲み残したワインは、コルクを再利用して2~3日間保存することができます。開封時にコルクにできた穴や隙間が気になる場合は、ラップを巻いて再度ボトルに挿すことで酸化を防ぎます。
小さなボトルへの移し替え
余ったワインをより長く新鮮に保つためには、小さなガラスボトルに移し替える方法が効果的です。開封直後に半分程度しか消費しない場合は、すぐに移し替えることで空気との接触を減らし、酸化を遅らせます。ボトルは空気を極力排除できるほど小さいサイズを選び、ワインをぎりぎりまで満たして保存しましょう。
ワインストッパーと真空ポンプでの密閉
2日以上ワインを保存する場合は、ワインストッパーと真空ポンプの使用がおすすめです。これらを使用することでボトル内を真空状態にし、酸化を大幅に遅らせることができます。
酸化防止アイテム「アンチ・オックス」の使用
開封後のワインの酸化を効果的に防ぐためには、「アンチ・オックス」という酸化防止アイテムが便利です。これをボトルにかぶせるだけで、内蔵されているカーボンフィルターが酸化の原因となる成分を吸収し、ワインの香りと味を保護します。
コルクを抜かずにワインを注ぐ「コラヴァン」の活用
「コラヴァン」という革新的なアイテムを使用すると、コルクを抜かずにワインを注げるため、ワインの酸化をほとんど防ぐことができます。
このアイテムは窒素ガスを用いてワインを注ぐ際に、ボトル内の空気を触れさせずに保存が可能です。高価なワインを少しずつ楽しみたい場合に特におすすめの方法で、長期にわたって同じ品質を楽しむことが可能です。
開封したワインの風味が変わる理由
ワインは栓を開けた瞬間から空気と接触し、酸化が始まります。ワインの成分は空気中の酸素によって容易に変化し、その結果、香りや味が変わることがあります。酸化が進むと、果実の風味が減少し、味が落ちることがあります。
未開封のワインの最適な飲み頃
未開封のワインの最適な飲み頃は、ワインの種類や品質によって異なります。軽い白ワインは購入から1~2年以内、フルボディの白ワインは3~5年、赤ワインは3~10年が目安です。
また、スパークリングワインや手頃な価格のワインは購入後すぐに飲むことをお勧めします。高級ワインの中には熟成させることで味わいが深まるものもあり、10年以上熟成させることで最高の風味を楽しめるワインもあります。
まとめ
ワインは非常に繊細な飲み物で、適切な保管が不可欠です。正確な保存方法を用いれば、長期間にわたってワインを楽しむことが可能です。だからこそ、ワインを保管する際には、光や温度、湿度といった要因に細心の注意を払い、最良の状態で保存することが大切です。