法事・法要のマナーとは 服装や香典の金額、のしや引き出物について

時代の流れと共にマナーも様々に変化し、多少の失礼であれば許されることもあります。しかし、法事や法要などの弔事に関しては、やはり正しいマナーを知っておくにこしたことはありません。故人や遺族に対して哀悼の意を示せませんし、何より自分が恥をかいてしまいますよね。服装や香典の金額など、基本的なマナーについて、ここでしっかりとおさらいしておきましょう。

法事のマナー①出欠の返事

筆ペンと便箋

法事の案内状が届いたら、すぐに返事をするのがマナーです。予定が分からないということがあるかもしせんが、法事には出来るだけ参列できるように日程を調整するのが基本です。参列できなくなるような用事が入るかもしれない時には、あらかじめ電話をして、その旨を相手に伝えておきましょう。

どうしても欠席せざるを得ない時には、出席の時よりも一層早く返信するように心がけます。できれば直接、相手に断りの電話を入れた方が良いですね。返信状にも一言お詫びの言葉を添えます。

加えて三回忌までは、香典を現金書留で送るか、お花やお供え物を贈るのが原則です。ちなみに、法事の日程をこちらから相手に尋ねるということはマナー違反ですのでやめましょう。

法事のマナー②服装

法事の服装

略礼装が基本

法事における服装は、男女ともに「略礼装」が相応しいとされています。略礼装というのは、結婚式などのお目出たい席の場合には白いネクタイ、お葬式や法事のような弔事では黒いネクタイなど、ネクタイや小物を付け替える事によって色々な場面への対応が可能となる服装のことです。いわゆるブラックスーツや、シンプルな黒のワンピーススタイルのことですね。

法事の席での略礼装は、男性の場合、ブラックスーツに白いワイシャツ、黒のネクタイを合わせます。スーツはシングルでもダブルでも、どちらでも大丈夫です。

女性の法事の略礼装は、男性と同じように黒のスーツか、黒のワンピースです。ストッキングや靴も黒色で揃えます。バックも、黒のハンドバックを準備しておきましょう。

黒いものを着用し派手なものは控える

その他、ベルトや靴下、靴も黒いものを着用します。時計は着けていても良いのですが、派手なデザインのもの、金色などのメタリックなものなどは避けた方が良いでしょう。光り物でマナー違反というだけではなく、実際に袖口から見えた時にもかなり目立ちます。それしか時計がないという場合には、随時付け外しをして対応するなどした方が無難です。

靴には注意!黒くてもNGな場合も

また、靴についても注意が必要です。黒いものであれば何でもよいというわけではなく、やはり法事にふさわしい靴があります。望ましいのは、「紐が付いたシンプルなデザインの黒い靴」です。ファッション性が高いロングノーズや、ウイングチップは好ましくありません。自分の足に合ったものを探すのは時間がかかるので、弔事用の靴はあらかじめ一足準備しておくと良いですね。

アクセサリーとその他の注意点

アクセサリーですが、パールであれば身に付けて構いません。また、結婚指輪も可です。近年では、あまり格式ばらずにお別れの会のような形で法事を行うケースも増えてきました。中には「平服でお越しください」とされていて、何を着ていけば良いのか逆に困ることもあるかもしれませんが、基本的には紹介したような略礼装で参列すれば失礼にはあたりません。

法事のマナー③香典

香典

服装の次におさえておきたいのが、香典に関するマナーです。

香典の金額相場

参列時にどのくらいの金額を用意すればよいのかは、非常に困りますよね。法事では一般的に5千円から1万円程度を包むのが相場です。

但し、仏式で一般的な法事の場合には、僧侶がお経をあげた後に食事が出されることがあります。その際には、会食の分も考慮して包むのがマナーです。勿論、仏式ではなくても、食事が出されるのであればその分の金額をプラスして包むようにしてくださいね。

夫婦で参列する場合には、相場を単純に2倍した金額を包むのでも大丈夫ですが、1人分は「御供物料」として別に渡したり、お花を贈るのも良いでしょう。

弔事の香典では、金額はきりのよい数にするのが原則です。また、偶数はダメで、奇数にしなければならないという考え方があるようですが、基本的には2万円でも全く問題はありません。但しこれは、地域によって異なる部分でもあるので、心配な場合には周囲の人に確認しておきましょう。

香典のし

のし袋の表書きですが、宗教によって異なります。

  • 一般的な仏式:浄土真宗以外は四十九日前には「御霊前」、四十九日以降は「御仏前」
  • 浄土真宗:四十九日前か以降か問わず「御仏前」
  • 神式:「御玉串料」「御神前料」「御神撰料」など
  • キリスト教式:「お花料」

※ちなみに、「御供物料」という表書きであれば、どの宗教であっても対応が可能です。

水引

水引きのデザイン

水引は、仏式であれば、四十九日の忌明けまでは黒白の水引です。四十九日以降は黄色と白の水引になります。三十三回忌と五十回忌では紅白の水引です。神式の場合には、双銀の水引を使用します。キリスト教では白い封筒に入れるだけで、水引は用いません。

香典の渡し方

香典を渡す際の基本的なポイントは3つあります。1つ目は、香典は袱紗(ふくさ)に包んで持って行くということです。袱紗が無い時には黒やグレーなどのハンカチで代用します。むき出しのままで渡したり、封筒を買った時のビニール袋に入れて持参するのはマナー違反です。

ポイントの2つ目は、香典は香典用の黒盆に置くということです。法事会場の受付のテーブルには、大抵は黒いお盆が用意されています。このお盆のところで袱紗を開き、香典封筒を出してお盆に乗せます。この時、相手から見て正面になるように、必ず封筒の向きを変えてください。

3つ目のポイントは、渡す時の挨拶です。「どうぞお供えください」などの言葉を添えても良いですが、何も言わなくても問題はありません。基本的に弔事の際には、ハキハキと明瞭に挨拶することは逆に失礼になります。どのような言葉をかければ良いか分からない時には、無言でお辞儀をする方が場にふさわしいでしょう。

また、自宅でこじんまりと法事を行い、受付がないケースもあります。その際にも基本的なマナーは変わりません。

遺族に挨拶をして部屋に通されてから、袱紗から香典を出し、遺族に渡します。香典を乗せるためのお盆が用意されていないことも多いので、その時は畳んだ袱紗の上に香典を乗せ、両手で持って遺族に渡しましょう。相手から見て正面になるように封筒の向きを変えることは、忘れないでくださいね。

法事のマナー④引き出物

引き出物

お葬式の場合であれば、引き出物は頂いた香典の「半返し」と言われていて、香典金額のおおよそ2分の1の金額のものを用意するのがマナーとされています。

しかし法事では、香典を頂いた当日すぐに引き出物をお返ししますから、あらかじめ金額を知ることができません。ですから、お返しは大体、3千円から5千円前後というのが一般的な目安になっています。

ちなみに、法事ではお経の後に会食することも多いですが、この際の金額目安は一人あたり5千円から1万円です。法事の香典の金額相場は1万円ですから、ほぼ「全返し」することになります。

品物の内容については、何が相応しいかは地域によって大きく異なります。周囲とよく相談するのが良いでしょう。近年増えている、カタログタイプのお返しでも良いですね。

正しいマナーを知って法事に参列しよう

喪服姿で手を合わせる人

多くの人が参列する法事のような場面では、人が多いから少しマナーに外れていても目立たないだろう、などと思いがちです。しかし、弔事は基本的に、皆が同じような服装をして、同じマナーに則って参列します。少し違った服装をしていたり、マナー違反の行動は、悪目立ちしてしまいかねません。恥をかかないように、正しいマナーをおさえた上で参列しましょう。