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知らないとこわい!熱湯とコップの相性
熱いお茶やコーヒーを入れる際、手近にあったコップに熱湯を注いでしまい、コップにヒビが入ったり、変形した経験はありませんか?
コップには、それぞれ耐えられる温度の限界があります。これを超えると、熱による膨張や素材の軟化などが原因で、コップが破損してしまいます。特に、室温と熱湯の温度差が大きい場合には、急激な温度変化によってさらに破損リスクが高まります。
安全にコップを使用するためには、コップがどんな素材でできているか、耐熱温度がどの程度なのかを知っておく必要があります。
お湯を入れてはいけないコップの素材
熱湯を入れると危険な素材のコップを理由とともに解説します。日常的に使っているものでも意外な危険が潜んでいますので、素材ごとの特徴をしっかり確認しましょう。
1. 普通のガラス製コップ
一般的なガラス製のコップは、熱に弱い「ソーダライムガラス」という素材が多く使われています。この素材は温度差に弱く、急に熱湯を注ぐとガラスの内側と外側の温度差が大きくなり、ひび割れたり割れたりすることがあります。
特に、冷蔵庫で冷やしていたガラスコップに熱湯を入れると割れる確率が非常に高くなります。ガラスの破片で怪我をする恐れがあるため、熱湯は絶対に入れないよう注意しましょう。
2. 普通のプラスチック製コップ
家庭でよく使われるプラスチック製のコップも、熱湯を入れると非常に危険です。一般的なプラスチックは熱に弱く、熱湯を注ぐと急激に軟化してしまいます。
その結果、コップが縮んで変形したり、底に穴が開いてしまうことがあります。さらに、熱により化学物質が溶け出す可能性もあるため、安全の面からもおすすめできません。プラスチック製のコップは冷たい飲み物専用に使いましょう。
3. 紙コップ
紙コップには、耐水性を持たせるために内側がポリエチレンでコーティングされています。このポリエチレンは85℃を超える熱に弱く、熱湯を注ぐと素材が軟化したり、紙がふやけて持ちにくくなったりします。
また、熱湯を長時間入れるとマイクロプラスチックという微細なプラスチック粒子が溶け出す可能性も指摘されているため、紙コップに熱湯を入れるのは控えるようにしましょう。
4. 木製のコップ
木製のコップは自然素材で温かみがありますが、熱湯を注ぐとひび割れたり、変形したりすることがあります。
木材は急激な温度変化によって膨張・収縮を繰り返すため、熱湯を入れることで表面にひびが入ることがあります。また、木材から強い香りが出て、飲み物の風味が変わってしまうこともあるため、熱湯を注ぐのは避けましょう。
5. 漆塗りのコップ
漆でコーティングされたコップは、美しい艶がありますが、熱湯に弱いという特徴があります。特に100℃前後の熱湯を注ぐと、漆の表面に細かい筋(ひび)が生じてしまい、一度できると元には戻りません。せっかくの美しい外観が損なわれるため、熱湯の使用は避けてください。
6. 保冷専用のステンレスボトルや樹脂ボトル
ステンレスや樹脂製のボトルであっても、保冷専用のボトルには熱湯を入れてはいけません。
これはボトルの内部構造が冷たい飲み物専用に設計されているため、熱湯を注ぐとボトル内部の圧力が高まって飲み口から熱湯が噴き出したり、容器が変形したりする可能性があります。熱湯は保温専用や保温・保冷両用のものを選びましょう。
熱湯を入れても安全なコップの素材
ここからは、熱湯を注いでも安全に使える素材を紹介します。それぞれの素材の特徴を把握し、自分の使い方に最も適したものを選びましょう。
陶器や磁器のコップ
陶器や磁器でできたコップは、熱湯を注いでも安全に使用できます。陶器や磁器は高温で焼成されているため、日常的な熱湯の使用では割れにくくなっています。
ただし、冷蔵庫から出したばかりの冷たい器に急に熱湯を注ぐと、まれにヒビが入ることがありますので、あらかじめ常温に戻してから使うとより安全です。
耐熱ガラスのコップ
一般的なガラスとは違い、「耐熱ガラス」と呼ばれる特別なガラスがあります。これは熱による膨張率が小さい素材(ホウケイ酸ガラスなど)で作られているため、急激な温度差でも割れにくいのが特徴です。
具体的には、120℃以上の温度差にも耐えられるため、熱湯はもちろん電子レンジや直火にも対応した製品もあります。
ステンレス製のコップ
ステンレス製のコップは非常に丈夫で、熱湯を注いでも問題なく使えます。特に二重構造のステンレスカップは保温性が高く、熱い飲み物を入れても外側が熱くなりにくいため、火傷の心配がありません。
ただし、保冷専用と書かれているものは熱湯を入れられないので、必ず保温機能や両用機能があることを確認して使用してください。
チタン製のコップ
最近ではアウトドア用品として人気の高いチタン製のコップも、熱湯に強い素材のひとつです。チタンは非常に軽く、熱伝導が低いため、熱湯を入れてもコップが熱くなりにくく、直接火にかけてお湯を沸かすことも可能です。ただし二重構造のチタンカップは直火が使えないため注意しましょう。
耐熱性プラスチックのコップ
プラスチック製のコップの中には、熱湯に対応できる耐熱性のものもあります。特にポリプロピレン(PP)は耐熱温度が約100〜140℃、トライタン(Tritan)という素材は100℃までの耐熱性があります。
また、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの特殊な耐熱プラスチックは200℃以上の高温にも対応しますが、一般家庭ではあまり使われていません。購入の際には、製品の底やパッケージにある耐熱表示をしっかり確認しましょう。
まとめ
コップの素材によっては、熱湯を入れると破損や変形、さらには有害物質の溶出につながることがあります。普段使っているコップが何の素材でできているか、耐熱温度はどのくらいかを理解し、安全な使い方を心がけましょう。
また、熱湯を安全に扱うためには、コップだけでなく、コースターや鍋敷きといった周辺アイテムも耐熱性を考えて選ぶことが大切です。お気に入りのコップを長く大切に使うためにも、素材の特性に合わせて適切な使い方をしましょう。