目次
天ぷらを冷凍保存するメリット
天ぷらを保存するなら冷凍保存がおすすめです。冷凍保存すれば以下のようなメリットが得られます。
油の酸化を防ぐ
天ぷらは油がまわることで、酸化してしまい味が劣化してしまいます。冷凍保存すれば酸化を防ぎ、美味しさをキープできます。
保存期間を長く保てる
天ぷらを常温で保存した場合の保存期間は、4時間から6時間ほどです。冷凍保存ならそれ以上に長い期間、美味しい状態で保存できます。
違う料理にアレンジできる
天丼や、卵とじ、ソースとからめて他の料理にアレンジすることができます。
以上のようなメリットがあります。
また、天ぷらを冷凍で保存しておくためには、粗熱をとってから保存するようにしましょう。熱いまま冷凍庫内に入れてしまうと、冷凍庫内の温度が上がってしまい、庫内に保存してある他の食品に悪影響を及ぼしてしまうためです。
《 ポイント 》
- 冷凍すれば、余った天ぷらを美味しく長い間保存できる
天ぷらの冷凍保存の手順
揚げたての天ぷらを冷凍するときの、正しい手順を見ていきましょう。
1.粗熱をとる
冷凍する前に、揚げたての天ぷらが冷えるまで少し時間を置きます。急速に冷やすために、金属製のトレイに乗せるかアルミホイルに包むと良いでしょう。
粗熱をとらない状態で冷凍保存すると、衣がべたつき美味しさが半減してしまいます。また温かい食材を入れることで冷凍庫の温度が上がり、他の食材を傷める場合があるので、必ず粗熱をとってから保存しましょう。
《 ポイント 》
- 金属製のトレイやアルミホイルを使えば、素早く冷凍できる
2.余分な油を吸わせておく
天ぷらに余分な油がついていると、冷凍庫内に広がって、ベタベタとくっついてしまいます。そうなる前に、粗熱を取ったあとは衣についた油をクッキングシートに吸わせましょう。
「余分な油を吸わせるにはキッチンペーパーの方が良いのでは?」と思うでしょうが、キッチンペーパーだと衣にくっつき、はがすときに破れやすいためおすすめしません。
また、油を吸わせることで、天ぷらに油が回りにくくなり、酸化防止にもなります。
《 ポイント 》
- クッキングシートで油を吸い取る
- 油を吸い取れば、周りに油がつくことや、酸化を防げる
3.密閉容器に入れ空気を抜く
粗熱を取り、余分な油を吸わせたら、密閉容器に天ぷらを入れてください。空気を遮断することで、酸化を防ぎます。
容器に移すときは天ぷらをラップで包み、重ならないように、平らに並べましょう。容器の中はクッキングペーパーを敷いておくと油が広がらないのでおすすめです。
天ぷらは素早く冷凍することで美味しさを保てます。なので、冷凍庫に「急速冷凍機能」がついていれば、ぜひ使ってください。
《 ポイント 》
- 天ぷらは密閉容器に移して酸化を防ぐ
- 早く凍らせた方が美味しく食べられるので、急速冷凍機能がついていれば使用する
天ぷらを冷凍した場合の保存期間
天ぷらは冷凍したらどのぐらいの期間保存できるのでしょうか。3つの保存方法で、保存期間を見比べてみましょう。期限は、油で揚げてすぐの状態で美味しく食べられる期間を指しています。
- 冷凍保存した天ぷらの場合:2週間(解凍後の期限)
- 冷蔵保存した天ぷらの場合:半日
- 常温保存した天ぷらの場合:2時間から3時間
この期間を過ぎると徐々に酸化が進み、油っぽい天ぷらになってしまいます。冷凍保存したとしても酸化はするので、早く食べるに越したことはありません。
ちなみに天ぷらをそのまま食べるのではなく、他の料理のトッピングにしたり、えび天丼や卵とじなど調理して食べることもあるでしょう。
そのような場合には、期間を過ぎても美味しく食べられるかもしれません。ただし長期間の冷凍は冷凍焼けを起こすことがあるので、一か月以内には食べるようにしましょう。
また天ぷらを使ったアレンジ料理は解凍いらずでそのまま調理することができるので、手間がかからないというメリットもあります。
《 ポイント 》
- 天ぷら単体で食べる場合は、解凍した天ぷらなら2週間美味しく食べられる
- 調理する場合は、解凍せずに冷凍のまま使うこともできる
天ぷらの解凍方法と温め方
天ぷらを冷凍保存した場合は、食べる前に温める処理が必要になります。冷凍した天ぷらを解凍する方法と、美味しさを損なわずに温める方法を紹介します。
解凍方法
一度冷凍した天ぷらを解凍する方法は3つあります。
- 冷蔵庫で一日かけて自然解凍する
- 電子レンジで解凍する
- フライパンで解凍する
1.自然解凍
基本的には時間をかけて解凍した方が美味しく食べられるので、自然解凍がおすすめです。自然解凍といっても、実際には冷蔵庫を使って解凍していきます。冷蔵庫の温度設定にもよりますが、おおよそ1時間みておけば解凍できるでしょう。
ただし自然解凍した天ぷらは冷たいままなので、オーブントースターや魚用グリルで温める必要があります。アレンジする場合は、そのまま使ってもいいでしょう。
2.電子レンジで解凍
どうしても時間がない時は、電子レンジで解凍するとよいでしょう。ラップやクッキングペーパーを取り除き、数分間電子レンジで加熱します。最適な加熱時間は食材によって変わるので、様子を見ながら加熱しましょう。
なおイカや卵を揚げた天ぷらは、電子レンジを使って解凍するとレンジ内で破裂することがあるので、冷蔵庫で解凍します。解凍されるまでに時間がかかってしまうので、イカや卵だけは前の晩から冷蔵庫に移動させておくといいでしょう。
3.フライパンで解凍
フライパンで解凍する方法は、電子レンジよりもサクサク感が戻りやすいというメリットがあります。やり方は簡単で、油をひいて数分間温めるだけ。アレンジする場合は、そのまま調理に使えて便利です。
《 ポイント 》
- 一日かけて、冷蔵庫で自然解凍した方が美味しく食べられる
- 時短で済ませるなら電子レンジ
- サクサクさせたいならフライパン
温め方
自然解凍した天ぷらはまだ冷たいので、温めてからいただきます。また電子レンジで解凍した場合も、しなしなになってしまことがありますね。そんな天ぷらをサクサクに仕上げる温め方を見ていきましょう。
- オーブントースターに入る大きさのアルミホイルをしわくちゃにし、広げます。
- 1の上に天ぷらを載せてください。
- アルミホイルごとオーブントースターに入れて、数分間加熱します。以上で温め完了です。オーブントースターによってワット数が異なるので、様子を見ながら加熱しましょう。オーブントースターがない場合でも、魚焼き用のグリルを使うことで同じように解凍することができます。
冷蔵解凍や電子レンジで解凍した天ぷらは、どうしても作り立てよりサクッとした食感がなくなってしまいます。
オーブントースターや魚焼きグリルで余分な油を落とすことで、カリっとした天ぷらに仕上がるというわけです。ちなみに、アルミホイルをしわくちゃにするのは、天ぷらから出る余分な油を落としやすくするためです。
もちろん時間があるときは、油でもう一度揚げるとよいでしょう。まずは解凍した天ぷらを水にくぐらせ、キッチンペーパーでしっかり水気を取り除きます。そのあとは通常通り、160℃程度の油で揚げていきます。少し面倒ですが、最もサクサク感を復活させられます。
《 ポイント 》
- アルミホイルをしわくちゃにして、天ぷらの油を落としやすくする
- オーブントースターで数分間、様子を見ながら加熱する
- 一番仕上がりがいいのは二度揚げ
冷凍天ぷらの美味しい食べ方
冷凍した天ぷらは、そのまま食べても美味しく食べられます。ですが、元のサクサク感は揚げ直さないと戻りません。それならば、解凍後の天ぷらでも美味しく食べられるように調理するのはいかがでしょうか。
アレンジのポイントは、衣のサクサク感ではなく、天ぷらの油を上手く利用することです。このポイントを抑えたアレンジレシピを、いくつかご紹介します。
卵とじ天丼
天ぷらのアレンジレシピといえば、天丼は欠かせません。とくに卵とじ天丼は油っぽさもやわらぐので、少し時間の経った天ぷらでも美味しくいただけます。まずはつゆを作り、天ぷらを入れて煮込みましょう。最後に溶かした卵を割り入れれば完成です。
お茶漬け
簡単に天ぷらをアレンジするなら、お茶漬けがおすすめです。お茶漬けといっても、天ぷらにおすすめなのは白だしベースのお茶漬け。白だしと水を鍋で沸かして、天ぷらを盛りつけたご飯にかけましょう。
天ぷらの油が程良くご飯に絡み、食の進む1品になります。そのままでも美味しいですが、お好みでネギやワサビを添えても素敵ですよ。
味噌汁
いつもの味噌汁の具を天ぷらに変えると、ちょっぴり豪華なレシピになります。天ぷらだけでもいいですし、その他に野菜を加えてもいいでしょう。その場合は先に野菜を投入し、最後に天ぷらを入れます。
たっぷりと具が入った味噌汁は、食べ応えがあり子供にも喜ばれそうですね。衣がはがれて味噌汁に回り、コクのある味噌汁になります。
《 ポイント 》
- 解凍後の天ぷらは、おつゆやお出汁と一緒に食べる料理に最適
天ぷらに関するQ&A
冷凍した天ぷらをより美味しく食べるために、サクサクの美味しい天ぷらと油はねに関する質問にお答えします。
A.天ぷらを均等にサクサクの状態で揚げるコツは、ムラのない温度で揚げることです。天ぷらを揚げるときは、大量の油を使って少しずつ揚げましょう。
一度にたくさんの衣を入れると、油の温度が一気に下がってしまいます。また、油の量が少ないと、温度が下がりやすくなるので、鍋の1/3以上は油を入れてください。温度が下がった状態で揚げると、ネバネバした状態で仕上がってしまいます。
A.具材に含まれている、水分が油はねの原因です。具材を衣で包む前に、キッチンペーパーでしっかりと水気を拭き取ってください。特に、魚介類は全体に水分を多く含んでいます。冷凍エビなどを使う場合も、解凍後に尻尾の先端までしっかり水気を拭き取りましょう。
A.衣に意外な材料を入れると、サクサクの状態で揚げることができます。
- 衣を混ぜる水の代わりに炭酸水
炭酸が衣をサクサクにしてくれます。ただし、油はねしやすいので注意してください。 - 小麦粉にベーキングパウダーを加える
衣のボリューム感がアップします - 卵ではなくマヨネーズを使う
衣をふわっと仕上げる効果があります。
これだけでサクサク、ふわふわの衣に仕上がります。ぜひ一度、試してみてください。
《 ポイント 》
- 天ぷらは油の温度を下げすぎないように揚げれば美味しく仕上がる
- 具材の水分を拭き取れば、油はねを防げる
- 炭酸水・ベーキングパウダー・マヨネーズを衣に入れればサクサクに仕上がる
天ぷらを上手に上げる時間と温度
天ぷらを美味しく揚げる条件は、具材ごとの正しい温度と適切な時間で揚げることがポイントです。
《180℃の高温で揚げる食材》
キノコ類や、エビ、イカなどの魚介類は火の通りが良いので、高温で素早く揚げます。
- キノコ類
揚げる時間=1分間 - 魚介類
揚げる時間=30秒から1分間
《160℃の中温で揚げる具材》
さつまいもやかぼちゃ、ごぼうなどの根菜類は、中温で少し時間をかけて揚げると良いでしょう。
- さつまいも
揚げる時間=3分間 - かぼちゃ
揚げる時間=2分間
《150℃の低温で揚げる具材》
大葉や葉野菜類の鮮やかな色(青み)を残したい場合は、低温で揚げると上手く色が残ったまま仕上がります。根菜類の中でも、とりわけ火の通りにくい野菜も、低温でじっくり火を通すと良いでしょう。
- 葉野菜
揚げる時間=30秒から1分間 - レンコン
揚げる時間=3分から4分間 - ジャガイモ
揚げる時間=3分から4分間
《 ポイント 》
- 火の通りが良い食材は高温で揚げる
- 根菜類は中温で揚げる
- 根菜でも火の通りにくい食材、また野菜の色味を活かしたい時は低温で揚げる
最後に
天ぷらは調理が面倒な上に、一度揚げると酸化が始まるので、足がはやく作り置きができません。しかし、冷凍保存することによってその悩みも解決できます。
冷凍するとさすがに元のサクサク感はなくなりますが、おつゆやお出汁を使った料理なら美味しく食べられます。サクサク感を戻したいなら、揚げ直しをすればOK。冷凍食品の天ぷらを買わなくても、ストックしておけば幅広い料理のトッピングに利用できます。
お酒のつまみとしてそのまま食べることもできるので非常に便利です!上手く活用すれば、献立を考えるのも楽になるでしょう。