目次
基本的なお焼香の仕方
葬儀や告別式などのお焼香の仕方は一般的に立礼焼香が多く、宗派によってさまざまですが、お焼香の仕方の基本やマナーは同じです。
参列者は祭壇に向かって1列または2列に並びお焼香の順番を待ちます。
お焼香の仕方の基本(立礼焼香)
- 自分の番になったら焼香台の手前(焼香台の手前3歩ほど)に移動します。
- 遺族に一礼し、焼香台の前まで進み、遺影に向かって一礼します。
- 抹香を右手の親指、人差し指、中指の3本でつまみます。
- 頭を軽く下げ、つまんだ抹香を目の高さに上げます。
- 抹香を香炉の中に静かに落とします。これを宗派ごとに定められている回数だけ繰り返します。
- 遺影に向かって合掌して一礼し、遺族に一礼したら自分の席に戻ります。
これが基本的なお焼香の仕方になります。
尚、お焼香での正しい合掌の仕方は、胸の前で右と左の手のひらと指先までぴったり合わせ、指先を少々上に向けます。頭を30℃くらいの角度に下げて目を閉じます。
お焼香の種類と仕方
お焼香の種類は3つあり、焼香の仕方も少々異なります。
立ったままお焼香を行う「立礼焼香」、座ってお焼香を行う「座礼焼香」、炉と焼香をのせたお盆を移動させて自分の席で焼香する「回し焼香」です。
斎場で葬式を行うお焼香の仕方は一般的に「立礼焼香」がほとんどですが、「座礼焼香」と「回し焼香」の仕方もご紹介したいと思います。
座礼焼香の仕方
座礼焼香は正座をして焼香を行う形式です。お寺などではこのお焼香の仕方が多いです。また葬儀が行われる場所が和室や小規模な葬儀場なども座礼焼香が使用されることが多いです。
座礼焼香は座布団に座ってお焼香の順番を待ち、順番がきたら焼香台まで移動します。座礼焼香の仕方は立って行う立礼焼香の流れと変わりはありません。
座礼焼香の手順
- 祭壇前に置かれている座布団の手前に座り、僧侶と遺族に一礼します。
- 膝をついたまま祭壇に向いて座布団の上に移動し正座をします。※数珠を持っている場合のお焼香の仕方として、右手に持っていた数珠を左手に持ち替えます。
- 抹香を親指と人差し指と中指の3本でつまみ、頭を下げて目の高さに抹香を上げます。※数珠を持っている場合、数珠を両手にかけます。
- 抹香を香炉に静かに落とし、遺影に向かって合掌します。
- 膝をついたままの姿勢で座布団から下がり、遺族に一礼して立ち上がり自分の席に戻ります。
以上が正しい座例のお焼香の仕方です。
回し焼香の仕方
回し焼香とは、座った状態で焼香をする形式です。
故人の自宅など狭い場所で葬儀や告別式を行う場合、参列者が焼香に移動するのは手間や面倒がかかりますので座ったままで焼香ができる回し焼香にします。
回し焼香の仕方として、香炉や線香がお盆に載せられて参列者に前に順番に置かれます。それを座ったまま焼香をした後、隣の方にお盆を回すのが正しい回し焼香の仕方です。
回し焼香の手順
- 隣の方から香炉が回ってきたら軽く頭を下げて香炉を受け取ります。
- 香炉を自分の前に置き、遺影に向かって一礼します。※数珠を持っていた場合、右手に持っていた数珠を左手に持ち替えます。
- 親指と人差し指と中指の3本で抹香をつまみ、頭を下げたまま目の高さに抹香を上げます。
- 抹香を香炉に静かに戻します。抹香をつまむ・香炉に戻すなどの回数は宗派によってことなりますが、宗派が分からない場合は一回で大丈夫です。※数珠を持っている場合は、両手にかけなおして再度合掌します。
- 両手で香炉のお盆を持ち上げ、隣の方に焼香を渡します。
線香を焚く場合の手順
お通夜や法事などでは、抹香をつまむ形式ではなく線香を立てることが多いです。線香でのお焼香の仕方は宗派によって線香の本数や線香の立て方などが異なります。
- 右手に線香を持ち、ろうそくの炎にかざして線香に火をつけます。
- 線香から炎がでたら左手であおいで消すか、線香を軽く下にふって消します。この際、息を吹きかけて消すのは禁止です。また線香を左手に持ち変えるのも厳禁です。重要ですので忘れないでください。
- 線香を香炉に立てて合掌します。線香を香炉に立てる際は、他の線香にぶつからないよう気をつけてください。
お焼香の順番
お焼香の仕方として、基本的にはお焼香の順番は故人との関係が近い順番に行います。
①喪主、②遺族、③親族、④一般参列者という順番が一般的です。一般参列者以外の特別の参列者の場合はお焼香の順番が変わります。
代表焼香
代表焼香とは会社や団体などを代表して行う焼香のことです。会社や団体の方全員が焼香をすると長時間になってしまいますので代表を立ててお焼香するのが一般的です。代表者焼香は親族の次にお焼香します。
お焼香の順番は、①喪主、②遺族、③親族、④代表、⑤一般参列者になります。
来賓焼香・指名焼香
来賓焼香とは、国会議員や地方議員、町内会の会長、会社の代表、その他団体の代表などを葬儀の来賓として指名することで、来賓は葬儀の喪主や遺族が決めます。
来賓がいる場合のお焼香の順番は、①喪主、②遺族、③親族、④来賓・代表、⑤一般参列者になります。
止め焼香
止め焼香とは西日本や関西地方で行われるお焼香の形式のことです。お焼香の順番でもめることが無いように最後に親族の代表一人がお焼香します。これにより参列者に「もしお焼香の順番に不備があっても許してください」という意味があります。止め焼香は一般的に喪主の家族や故人の兄弟姉妹から選ばれることになります。
宗派によって違うお焼香の回数と線香の本数
仏教でも宗派ごとにお焼香の回数が違います。葬儀の宗派に合わせた作法をする必要はありませんので自分の家の宗派の定めるお焼香の仕方をしましょう。
天台宗のお焼香の仕方
お焼香の回数に決まりはなく、1回か3回お焼香します。線香は3本立てます。
真言宗のお焼香の仕方
お焼香は3回です。線香は3本立てます。
浄土宗のお焼香の仕方
お焼香の回数に決まりはありません。線香は1本立てるか、1本を2つに折って後香炉の中に寝かせます。
浄土真宗本願寺派のお焼香の仕方
お焼香は1回で、額には持っていきません。線香は1本を2つに折って後香炉の中に寝かせます。
浄土真宗大谷派のお焼香の仕方
お焼香は額には持っていかずに2回します。線香は1本を香炉の大きさに合わせて2つか3つに折って後香炉の中に寝かせます。
日蓮宗のお焼香の仕方
お焼香は1回です。線香は1本立てます。
曹洞宗のお焼香の仕方
お焼香は2回ですが、1回目は額に持っていき、2回目は額に持っていきません。線香は1本立てます。
臨済宗のお焼香の仕方
お焼香は1回で額に持っていかない場合が多いですが、お焼香は2回で、1回目は額に持っていき、2回目は額に持っていかない場合もあります。また、3回お焼香する場合もあり、線香は1本立てます。
自分の家の宗派が分からない方は身内に確認しましょう。参列者が多い場合、お焼香は参列者全員1回に統一することがあります。葬儀上で1回のみでお願いしますと指示があった場合はそれに従いましょう。
お焼香の意味
お焼香とは故人や仏に対してお香を焚いて拝むことです。線香をあげることもお焼香に含まれますが、一般的にお焼香というとお通夜や葬儀や告別式などで抹香を焚くことを指す方が多いです。お焼香は仏教の供養の方法のひとつで、お香を焚くことで不浄を祓うという意味があります。
まとめ
お焼香の仕方は宗派によって作法が違いますが自分の宗派が分からない場合、お焼香は1回にしましょう。宗派より一番大切なのは故人の冥福をお祈りすることですので作法ばかり気にせず故人を思いながら心をこめてお焼香しましょう。