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オートミールがスープジャーで溶ける理由
近年では日本でもダイエットフードとして注目を集めているオートミール。そんなオートミールをランチにしようとスープジャーに入れて持っていったら、溶けてしまっていたという方も少なくないはず。一体どうして溶けてしまったのか原因を解説します。
オートミールはスープジャーの中で溶ける
スープジャーにスープとオートミールを入れてリゾットを食べるはずが、蓋をとったらスープジャーの中はトロトロに!「なにこれ?」って、びっくりする気持ちは分かります。実はこのトロトロになっているのがオートミールなんです。
なぜ、スープジャーに入れたオートミールが溶けてしまっているのか?それはスープジャーに入れたオートミールが小粒で水に溶けやすいクイックタイプだから。
クイックタイプはその名の通り、お湯に混ぜれば2~3分で丁度いい状態になる優れもの。忙しい朝のご飯代わりにピッタリな食べ物です。
一方でクイックタイプは水に溶けるのが早く小粒であるため、あっという間にトロトロになってしまいます。ランチに食べようとスープジャーに入れておくと、食べるころにはべちゃべちゃな糊みたいになって美味しくなくなってしまいます。
市販で販売されているオートミールは、このクイックタイプの商品が多いため、お弁当に入れようと思っている方は注意しましょう。
オートミールの特徴
そもそもオートミールとは「燕麦(エンバク)」や「オーツ麦」という穀物を食べやすくフレーク状態に加工したもの。カロリーが低いのに栄養価は高いためダイエットフードとして女性から注目を集めています。
食物繊維が豊富なので腹持ちもよく、間食としてもピッタリです。お湯でふやかせば、ちょっとした雑炊感覚で味わえます。
オートミールは加工の仕方によって、5種類に分類されます。粒の大きさ、硬さ、溶ける時間などそれぞれ特徴が異なるため用途にあったオートミール選びが重要です。
オートミールの種類
オートミールは主に下記の5つに大別されます。
- オートグローツ:オーツ麦のもみ殻(外皮)を取り除いただけのもの。加工されていなので食べることはできない。
- スティールカットオーツ:粒々の食感がある。
- ロールドオーツ:噛み応えがあり腹持ちが良い。
- クイックオーツ:水に溶けやすいので、スープジャーで溶ける。
- インスタントオーツ:最も粒が細かく、味付きのものも多い。
スーパーなどの売り場でよく目にするオートミールは「クイックオーツ」と「ロールドオーツ」です。その中でもクイックオーツは、水に溶けやすい性質を持ちお湯をかけて1~2分で食べることができます。スープジャーで溶けてしまうのは、このクイックオーツタイプのオートミールとなります。
加工したオートミール5種類の特徴を、もう少し詳しく見てみましょう。
オートグローツ
オートミールの中でも特に栄養価が高いタイプです。加工としては材料となるオーツ麦のもみ殻(外殻)を取り除いただけ。
胚芽や外皮がそのままなので、栄養を維持しやすいのです。ただし、オートグローツは最低限の加工しか施していないため、食べるためには加熱処理が必要です。他のタイプよりも美味しくするのに加熱時間がかかる点には注意しましょう。
スティールカットオーツ
スティールカットオーツは、オートグローツを1/2~1/3サイズに割ったものです。粒サイズは小さくなってしまいますが、その分オートグローツの弱点であった調理時間が短縮されるというメリットがあります。目安としては20~30分程度、調理すれば美味しく食べられます。すぐに食べるのであれば煮込み料理にも使うことができます。
施す加工がオートグローツを細かくするだけなので、オーツ麦の栄養価を維持しやすいのも魅力といえます。
ロールドオーツ
ロールドオーツは、オートグローツを蒸して、ローラーで平らにして食べやすく加工したものです。ロールドオーツは日本市場にも多く流通していることから、オートミールの代表格ともいえます。
食べるために加熱は必要ですが、調理時間は4~5分程度。噛み応えも十分あります。腹持ちがいいのでダイエットにおすすめです。粒が大きいのでお米代わりに食べるのに向いています。
クイックオーツ
クイックオーツは、ロールドオーツを細かく砕いたものです。水に溶けやすい特徴がありますので、スープジャーに入れて時間が経つと溶けて糊状になってしまいます。
お湯を入れてから1~2分程度が食べごろなので、スープジャーに入れるお弁当としては不向きです。その一方でクッキーなどのお菓子作りに向いているタイプです。加熱しなくても食べられるためお菓子のトッピングとしても活躍します。
インスタントオーツ
インスタントオーツはロールドオーツを加熱・乾燥・調理加工したもので、味付けが済んでいる物が多いです。最も粒が細かく、ミルク、ヨーグルトなどに混ぜてすぐ食べることができます。牛乳などをかけるだけなので調理時間は1分程度で済みます。
簡単に摂取できるため、就寝前の間食など生活に取り入れやすいオートミールといえます。
オートミールをスープジャーに放置できる時間
スープジャーにオートミールを入れておける時間は、衛生面を考慮すると長くとも6時間までです。ただし、この6時間はあくまでも目安。外気温が高い夏の季節は、さらに短くなると考えておきましょう。
一方オートミールを美味しく食べられるか、という視点から考えると6時間の放置はやや長い傾向にあります。日本で入手しやすいオートミールの中で、比較的粒が残りやすいロールドオーツでも6時間お湯に浸らせておくと糊化が進行します。
基本的にお湯を入れるだけで食べられるタイプのオートミールは食べる数分前にお湯を入れた方が、美味しく食べられます。スープジャーにオートミールを入れてお弁当として持っていくときも、お湯は外出先で入れた方が失敗しにくいです。
《 ポイント 》
- オートミールがスープジャーで溶けるのは、水に溶ける種類のクイックオーツを入れたから。
- オートミールは大きく分けて5種類ある。
- オートグローツは、もみ殻を取り除くだけなので栄養価が高い
- スティールカットオーツは粒々の食感がある。調理時間20~30分程度
- ロールドオーツは噛み応えがある上、腹持ちも良い。調理時間4~5分程度
- クイックオーツは水に溶けやすく、スープジャーで持ち運ぶには不向き。調理時間1~2分程度
- インスタントオーツは最も粒が細かく味付きが多いため牛乳などに混ぜて楽しめる。調理時間1分程度
オートミールはスープジャーで溶けても大丈夫?
スープジャーで溶けるのは水に溶けやすい種類のオートミールですが、溶けてトロトロになったものを食べたらどうなるのでしょうか?
答えは「傷んでいなければ食べても問題ない」です。
スープジャーで溶けていても、オートミールであることには変わりありません。トロトロしているのはオートミールに含まれるでんぷんの性質。でんぷんは水を加えると粘りが出る特徴があります。
そのため基本的にはオートミールがスープジャーに溶けてしまっても食べられます。ただし、オートミールとしての食感は完全に損なわれているため、美味しさは感じにくいです。
スープジャーでの放置は夏だと腐る可能性がある
お湯を加えたオートミールを長時間、スープジャーに放置することには、当然腐敗が進行するリスクがあります。特に気温が上昇しやすい夏の季節は注意が必要です。
水分が多く温度も高いと雑菌が繁殖しやすくなります。夏の季節にお湯を加えたオートミールを持ち運ぶことは危険だということを頭に入れておきましょう。
腐ったオートミールの特徴
オートミールがスープで溶けただけなら食べることはできますが、次のような症状があるときは腐っている可能性があります。
- すっぱい臭いがする。
- 異臭がする。
- 糸が引く粘りになる。
- カビが生えている。
お湯に溶けたオートミールは乾燥時より傷みやすくなります。どんなに長くともお湯と共にスープジャーに入れてから6時間以内には食べられることを推奨します。ただし、あくまでも目安に過ぎないため、少しでも異変を感じたら食べないで廃棄しましょう。
《 ポイント 》
- スープジャーで溶けたトロトロのオートミールは傷んでいなければ食べても大丈夫。
- 夏の季節は腐敗が進行しやすいので注意。
- オートミールにお湯を加えたら、なるべく早く食べ切ることを推奨。
スープジャーで溶けないオートミールの種類
オートミールは大きく分けて5種類ありますが、スープジャーで溶ける種類とある程度粒が残る種類があります。スープジャーで簡単に溶けてしまうのは「クイックオーツ」で、粒が残りやすいのが「ロールドオーツ」です。
ロールドオーツは、粒が大きい、粒感が残る、噛み応えが良いなどの特徴があるのでお米の代りに食べることができます。ただし、長時間スープの中に入れておくと水分を吸い取ってふにゃふにゃになる可能性があります。
スープジャーにスープとロールドオーツを入れて持って行くのではなく、スープジャーにスープだけ入れておくのもオススメです。食べる5分ほど前にロールドオーツを入れると、食感が残っていますので美味しく食べることができます。
《 ポイント 》
- スープジャーで溶けにくいのが「ロールドオーツ」です。
オートミールをお弁当に持っていくコツ
スープジャーでオートミールが溶けるのは温かいスープの中に浸しているからですが、オートミールをお米のように調理すれば溶けることはありません。オートミールをお米のように食べるのを「米化」と言います。「米化」をすると普通のご飯と同じにお弁当箱に詰めて持って行くことができます。
オートミールを米化させる方法
オートミールを米化させることは簡単です。手軽に電子レンジで調理できるので参考にしてみてください。
《材料》
- オートミール(ロールドオーツ):30g
- 水:50cc
《手順》
- 耐熱容器にオートミールと水を入れ、軽く混ぜます。
- ラップをかけずに、電子レンジ(600W)で約1分30秒加熱します。
- 加熱したオートミールをほぐしたら完成です。
続いてお弁当向きのオートミールを使ったレシピを紹介します。簡単に作れるものばかりなのでぜひ、ご家庭でも試してみてください。
オートミールの鮭こんぶおにぎり
《材料》
- オートミール:100g
- 水:160cc
- 鮭フレーク:20g程度
- 塩こんぶ:10g程度
- 白ごま:少々
《手順》
- 耐熱容器にオートミールと水を入れ、軽く混ぜます。
- ラップをかけずに、電子レンジ(600W)で1分40秒加熱します。
- 加熱したオートミールをほぐします。
- 具材を入れてオートミールとなじむように混ぜます。
- 三角に握り、のりを付けたら完成です!
インスタントオートミールスープ
《材料》
- オートミール(ロールドオーツ):20g
- インスタントスープ:お好みのスープ
- お湯:インスタントスープの外袋・外箱に記載
《手順》
- スープジャーの中にインスタントスープとお湯を入れて溶かします。
- オートミールをパラパラ入れ、4~5分放置し、柔らかくなったらOKです。※クイックオーツは1~2分。
冷たいオートミールスープ
《材料》
- オートミール(インスタントオーツ):100g
- お好みの具材
- 任意のスープ:お好みのスープ
《手順》
- スープジャーの中に冷蔵庫や氷水で冷やしたスープを入れます。このときのスープはどのスープでもかまいませんが、おすすめはトマトスープです。もしくはコンソメスープも手軽に用意できます。
- 食べる直前にインスタントオーツタイプのオートミールを混ぜて食べるだけです。インスタントオーツは冷製スープでも簡単に溶けます。手軽に栄養アップ出来る上、ひんやりと涼めるので暑い夏の季節のランチにピッタリです。
《 ポイント 》
- オートミールをお米のように食べるのを「米化」と言い、オートミールに水を混ぜて電子レンジで加熱するだけ。
最後に
オートミールがスープジャーで溶けるのは、スープジャーで溶ける種類のオートミールを入れるからです。スープジャーで溶けるタイプはクイックオーツであることがほとんどです。
一方、溶けにくいタイプは「ロールドオーツ」です。「ロールドオーツ」にはさまざまな種類があり、スーパーなどで販売されているオートミールはロールドオーツも多いです。
オートミールをフレークの感覚でミルク・ヨーグルトと混ぜて食べる方は「クイックオーツ」や「インスタントオーツ」がおすすめ。ご飯代わりに食べたい方はロールドオーツを購入しましょう。
今回の記事を参考に、ぜひ毎日の生活にオートミールを取り入れてみてください。