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2021年の110番通報は784万件以上!
昨年、2021年に届いた全国の110番通報の件数をご存知でしょうか。実に、その件数は784万件を超えたとのことです。あまりにも多くの通報数に、ピンとこない方も多いでしょう。この件数は、前年の2020年よりも19万件多かったと伝えられています。
何かトラブルや事件、事故が起こった時は、110番通報し、警察官に適切な対応を求めることが必要です。この通報件数は、それだけ警察が頼られていることの裏返しとも言えるでしょう。
しかし、110番は、本来緊急性の高い事件や事故、トラブルが起きたときに通報する番号です。2021年に通報された784万件の中には、明らかに警察が介入するものとは思えない通報も多くあったと注意喚起されています。
緊急性の低い通報や警察対応ではない通報は全体の19%以上
2021年に寄せられた110番通報の件数は、前述した通り784万件以上に上りました。しかし、実はその中の19%強は、緊急性の低い通報や警察が対応する必要のない通報だったと言います。
例えば、以下のような通報が110番通報としてかかってきたと言います。
その中には、「息子が起きないので警察官に電話で起こしてもらいたい」や「自動販売機で当たりが出たのに商品がでない」「酔っぱらったのでパトカーで自宅に送ってもらいたい」といった内容もあったということです。
いかがでしょう。「どういうこと?」と思わず頭の上に疑問符が出てしまうような内容です。
こうした通報が増えていることも、2021年の110番通報件数が増加した一因であると考えられており、警察庁はこうした緊急性の低い通報や110番通報するべきか迷った場合は、警察相談専用電話「#9110」を利用するよう呼びかけています。
『日本一110番通報が多い都道府県』ランキングワースト5
ここではここ数年で110番通報が特に多い都道府県をワーストランキング形式でご紹介していきます。やはり、110番通報の件数が多い都道府県には、人口自体が多い都道府県がランクインしている傾向にあります。
ワースト5位 埼玉県
埼玉県の1年間の110番通報の件数は、約50万件超えと公表されています。最も多い通報内容は、交通事故に関する通報や警察に対する要望や苦情などが多かったそうです。
ただし、通報を受けた中でも2割程度は緊急性の低い通報だったという注意喚起も出されています。最初にご紹介したような警察が対応する必要のない内容を通報している人もいるのでしょう。
ワースト4位 愛知県
2021年の愛知県警察に寄せられた110番通報は、57万件を超えたと公表されています。しかし、やはり愛知県でもかかってきた通報の4分の1は緊急性の低い内容だったとして、愛知県警察から『適切な110番通報のお願い』としてホームページ上で呼びかけが行われています。
愛知県警察への適切な110番通報の内容として、犯罪に関する情報が最も多く、次いで交通事故に関する通報が多かったとのことです。
ワースト3位 大阪府
大阪府の110番通報件数は、年々減少傾向にありますが、やはり人口が多いこともあり、年間約100万件ほどの110番通報が寄せられています。しかし、その2割は緊急性が低いものやいたずらなどが含まれており、こちらは受理していないと公表されています。
大阪府の110番通報は、交通事故などの交通関連通報が最も多く、次いで苦情や相談が多かったとのことです。また、不審人物や不審者量に関する情報も多く寄せられたと報告されています。
ワースト2位 神奈川県
大阪府とほぼ同じ通報件数が寄せられている神奈川県ですが、2021年は大阪府よりも通報件数が少々多く、ワースト2位となりました。
神奈川県では、コロナ禍の影響もあり通報件数自体は減っているものの、緊急性の低い通報も含まれるため、110番通報の適切な利用についてホームページ上で呼びかけています。
ワースト1位 東京都
人口の多さと人口密度の高さも関係し、毎年ワースト1位に上るのが首都・東京都です。ワースト2位の神奈川県を大幅に超え、通報を受理した件数だけでも135万件を超えています。
実際かかってきた110番通報は180万件を超えていると公表されており、通報の約3割が緊急性の低い通報内容であったことがわかります。
緊急性の低いものや通報に迷ったら「#9110」にかけよう
いかがでしたか。全国的に見ると、交通事故や犯罪・不審者などの目撃情報について110番通報されているケースが多く見られます。ただし、中には緊急性の低い通報もあるため、相談や苦情を含め、110番通報に迷う内容は「#9110」に相談するようにしましょう。