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買った服は洗うべき?
みなさんは買ったばかりの服、着る前に洗いますか?それともそのまま着ているでしょうか?店頭に並べられている新品の服は形が整っていてシワのない状態なので、キレイだと思われがちですが、必ずしもそうではありません。
誰でも自由に手にとって見ることができるということは、たくさんの人が触っているということですよね。触れているその手が汚れていたり、短い時間とはいえ誰かが試着したときの汚れが洋服についてしまうこともあるでしょう。
また、不特定多数の人が行き交う店内では、常にホコリが舞っている状態なのでそのホコリが付着することも。汚れが付着していることを考えて「着る前には必ず洗う」という人は多くいます。
一方で、「買った服は嬉しくてすぐにそのまま着てしまう」「目に見えない汚れは気にしない」といって洗わずに着用する人も少なくありません。
これらの意見をふまえると、着る前に一度洗ったほうがいいのかどうかに関しては、いろいろな考え方があるようです。買った服の汚れや埃を落とす意味で洗うという人と、洗わずにそのまま着るという人の「洗う派」と「洗わない派」の二つの意見に分かれることがわかりました。
それぞれの意見をさらに詳しく調べてみると、買った物によって洗うか洗わないかを判断している人も多いようです。
シャツは洗わない
新品で買った服を自宅で洗濯すると、型崩れを起こし新品特有の張り感や肌触りがなくなってしまいます。中でもシャツ類はシワができやすいので、そのリスクを避けるためにも洗わないまま袖を通すという意見があります。
また、袋に入っている服なら洗わないけれど、袋から出した状態で売り場に出ていた服は必ず洗うというように、服すべてを洗うのではなく、販売されていた状態によって洗うか洗わないか判断しているという方もいらっしゃいます。
下着やパジャマは洗う
下着やインナー、パジャマなどは直接肌に触れるものです。いくら新品とはいえ、一度洗ってきれいな状態にしてから着用するという方は少なくありません。パジャマも同様で、洗った後の生地が柔らかくなったときの肌感が気に入っているという意見もありました。
《 ポイント 》
- 汚れやホコリを落とすために洗う、洗わずにそのまま着るという人に分かれる
- 販売されていた状態によって洗うか洗わないか判断する
- 下着やパジャマは一度洗ってきれいな状態にしてから着用する
買った服を洗うべき5つの理由
服は完成するまでにいろいろな工程があり、たくさんの人がその服に触っていると思われます。
新品の服でも一度洗濯してから着た方が良いと言われる理由はいくつか考えられますが、そのうちの主な理由を5つご紹介します。
化学物質が付着することでアレルギーの原因になる
新品の服には、衣類を加工するのに必要な薬品が残留している可能性があります。
染色やプリント、シワや縮み防止、防臭、防虫のために化学物質を使っていることがほとんどなので、肌に触れるインナーなどを洗濯せずにそのまま着ると、皮膚が過敏な人はかゆみやかぶれなど炎症を引き起こすことも。
化学物質の中のひとつであるホルムアルデヒドは、洗濯すると水に溶け出す性質を持っているので洗い流すことができます。
日本では、法律によって化学物質の使用に規制があるので安心ですが、アレルギー体質の方や、輸入された子供服などは気をつけたほうが良さそうです。
生産や流通の間に汚れが付着している可能性がある
すべての衣類が清潔な縫製工場で作られているとは限りません。コストをギリギリまで切り詰めているような縫製工場で作られた安い商品は、衛生面が疎かになっているなど、保管状態が不明なものもあるようです。
また、新品の服といっても、完成後すぐに店頭に並べられるとは限りません。ダンボールに入れられた在庫品を不衛生な倉庫に長期間保管していたものが店頭に並べられることもあるでしょう。湿気の多い段ボールに長く放置されている服には、ダニや虫が付いている可能性も考えられます。心配なのは保管状態だけではありません。
服を製造していく過程で多くの薬品が使用されている以外にも、流通環境での衛生面も気になるところです。工場から店頭に届くまでの長い距離を移動する間、製品をきれいに保つために化学薬品を吹き付けていることもあるのです。
店内で多くの人に触られている
キレイにたたまれた状態でお店に並べられていても、多くの人の手に触れられているうちに汚れがついてしまうことも考えられます。
お店の中では、不特定多数のお客様が試着室で着替えていますよね。その試着したお客様がどのような手で服を触っているのかは分かりませんし、店員さんが手を滑らせて床に落としてしまうこともあるでしょう。
特にセール品は長く売り場に残っていた可能性があり、より多くの人の手に触れていることになります。感染症のウイルスが付着してしまうことも無いとは言い切れません。
また、店頭にある服はたたまれて並べられていることも多いでしょう。長時間たたまれていた服には、折りジワやたたみジワがついていることもあります。
目に見える汚れは購入する前に気付きますが、一見キレイでもシワや目に見えない汚れが付いているということを頭に入れておいた方が良いかもしれません。
洗濯のりが付いているから
新品の服の多くには洗濯のりが付いています。洗濯のりが付いている服は水分を吸収しにくいので、着用した時に汗をかいてもうまく吸い取ることができません。汗をかくような環境下でべたべたした着心地になると嫌な気分になってしまいます。一度洗えば洗濯のりは落ちますので、汗をかいても気持ちよく服を着ることができるでしょう。
新品特有のニオイを落としたい
袋に入っている新品の服でも、特有のニオイや湿気っぽいニオイ、染料や生地のニオイがついていることは少なくありません。中にはその店独自のニオイが染みついていることもあるようです。
ニオイを落としたいのなら、アウターや洗えない物以外は洗濯するのがおすすめです。新品だからこその張り感や肌触りは多少失われてしまいますが、パリッとした硬い感じが苦手な方や、着古した着こなしを好む方にとってはかえって良いかもしれませんね。
《 ポイント 》
- 衣類を加工するのに必要な薬品が残留している可能性がある
- 安い商品の場合、縫製工場や倉庫の衛生面がおろそかになっていることもある
- お店で多くの人の手に触れられているうちに汚れがついてしまう
- 洗濯のりが付いている新品の服は汗を吸収しにくい
- 新品の服でも特有のニオイがついていることも少なくない
買った服の洗い方
買ったばかりの新品の服を洗濯する時にはいくつかのポイントがあります。ご紹介するポイントをしっかりおさえて洗濯すれば、気持ちよく服を着ることができるでしょう。
新品の服は水洗いだけでOK
買った服は着る前に洗った方が良いと言われるのは、アレルゲンや汚れ、洗濯のりなどが付着しているからでしたね。買った服には汗や皮脂汚れは付いていないので、水洗いだけでも問題ありません。
目安は「洗い3分」「すすぎ1分」「脱水3分」で十分かと思われますが、どうしても水洗いだけでは不安という場合は洗剤を入れて通常通りに洗っても良いでしょう。
洗濯後は日光に当てる
日光には殺菌効果があります。新品の服を洗濯する際、水洗いだけで十分なのですが、それに加えてできれば晴れた日に裏表の両面に日光を当てて殺菌やダニを死滅させましょう。天日干しができない服もありますので、事前に洗濯表示の干し方を確認してくださいね。
おしゃれ着用洗剤で洗うのがおすすめ
どうしても水洗いだけでは不安という人は、洗剤を入れて洗っても良いでしょう。基本的には水洗いや通常の洗剤で良いのですが、一歩進んだ手入れを行いたい方にはおしゃれ着用洗剤をおすすめします。
おしゃれ着用洗剤を使用すると、特にセーターなどは普通の洗濯洗剤よりも見た目の新品感が長持ちしますので試してみてください。
手洗いかドライやソフト”などのコースで洗濯する
新品の服ですから、できるだけ傷めずに洗いたいですよね。そんな時には洗濯機を使わずに優しく手洗いしてみましょう。洗濯機を使用する場合でも、「ドライコース」「ソフトコース」を選んで洗濯するようにしてください。洗濯機に入れる時には、洗濯ネットを使いましょう。洗濯ネットを使えば、服のダメージや型崩れを軽減することができます。
シーツや寝具類は肌に触れるので洗う
買った服を洗濯したほうが良いかどうか悩んだ場合は、肌に直接触れるかどうかを基準にします。シーツや寝具類などの布製品も同じです。
化学物質やダニなどのアレルゲンや汚れ、洗濯ノリが肌に付いて皮膚トラブルを起こすのを防ぐためなので、直接肌に触れる布製品は買った服のように水洗いすることをおすすめします。
色落ちしそうなものは単独で洗うようにする
新品のタオルなど色落ちしそうなものは、色が他の洗濯物に移らないように気をつけなればいけません。中性洗剤(酸性とアルカリ性の中間に位置する性質を持つ中性タイプの洗剤)を使い、単独で洗うようにしてくださいね。特にデニムは色落ちする可能性がとても高いです。単独でデニム専用の洗剤を使い、手洗いすることをおすすめします。
《 ポイント 》
- 汗や皮脂汚が付いていないため水洗いだけでOK
- 水洗いの後、日光に当てて殺菌やダニを死滅させる
- 水洗いだけでは不安という人はおしゃれ着用洗剤を入れて洗う
- 肌に直接触れるシーツや寝具類も水洗いがおすすめ
- 色落ちしそうなタオルなどは単独で洗うようにする
買った服でも洗わないほうがいい服とは
肌に直接触れることがないスーツやコートはどうしたらよいのでしょうか?
新品の服でもスーツやコートなどのアウターは、肌に直接触れないので洗わずにそのまま着ても問題ありません。
かえって型崩れしてしまうので洗濯しない方が良いのですが、どうしても気になるのであれば洗濯タグを確認してからクリーニングに出して洗ってもらいましょう。
基本的にスーツやコートは洋服ブラシでブラッシングすることでホコリやチリ、花粉を落とし、繊維の流れを整えることができます。
ブラッシングするときはハンガーにかけて、最初は繊維と反対方向にブラッシングをして汚れを浮かし、次に繊維の流れに沿ってブラシをかけましょう。ブラシは強くこするのではなく、軽く洋服に当てて肩から順次下に向かってブラッシングしましょう。
《 ポイント 》
- スーツやコートなどのアウターは肌に直接触れないので洗わない
- 気になる場合は着る前にクリーニングに出す
最後に
買った服を洗うべき5つの理由について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
新品の服は着る前に必ず洗うようにしましょうという意見もありますが、洗うかどうかは自分次第です。明確な決まりはありませんので、肌に直接触れる服の場合は洗うなど、状況に合わせて判断してみましょう。
肌に直接触れるシャツや肌着などは軽く水洗いして汚れを落としておくと良いでしょう。店頭に陳列されている服は、いろんな人が触ったり試着したりしています。
せっかく買ったお気に入りの服は、できるだけ清潔に着たいですよね。神経質と思われたとしても、最初の一回を着る前に洗っておくことで心のもやもやが解消され、気持ちよく着ることができるならそれにこしたことはありません。
洗濯タグを確認したうえで、自分がやりやすい方法を取り入れて下さいね。自分で洗うのが難しそうであれば、クリーニングに出すことも検討しましょう。買った服を洗うか迷った時には、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。