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バルサンは服についても大丈夫?
独自の殺虫成分で部屋の隅まで隠れているダニなどの害虫を一度に駆除できるバルサン。強力な分、使用するときどんな点に注意したら良いのか気になるところです。
クローゼットや押し入れの中はダニが発生しやすいので、服をたくさん置いてある部屋でバルサンを焚くこともありますよね。では、バルサンは服についても大丈夫なのでしょうか?
中には、「服にカバーをかければ大丈夫」「クローゼットの中に入れっぱなしなら心配ない」という意見もあります。その一方では、バルサンの成分の性質から、服や布団のある部屋で使用することはおすすめできないとされています。
バルサンの安全性
バルサンは哺乳類に対して高い安全性が確認されている害虫駆除薬です。適切に使用すれば害を及ぼすことが少なく、多少服に付着したとしても大きな問題に繋がらないケースがほとんどです。
ただし、化学物質を使用している性質上バルサンの安全性には個人差があります。特に肌がまだ弱い赤ちゃんの衣服には付着させないよう配慮した方がいいです。
また、化学物質によって体調不良を引き起こすシックハウス症候群の方は使用を控えた方が安心です。バルサンに含まれる化学物質で体調を崩す恐れがあります。
かぶれる可能性がある
服は肌に密着するため、口から入らなくても肌が弱かったり、アレルギーを持っている方やお子様が、バルサンの煙がついた服を着ると肌が過剰反応してかぶれる可能性があります。
また、薬剤が服にかかると時間が経つにつれ変色することもあります。もし衣類に煙がついてしまったら、服にブラシをかけるか、洗濯できるものは洗濯した方がよさそうです。
《 ポイント 》
- 服や布団のある部屋で使用するのは避けた方が良い
- 肌が弱かったり、アレルギー体質の方は、肌が過剰反応してしまう可能性がある
- 薬剤がかかると服が変色することもある
- 煙がついてしまった服はブラシをかけるか洗濯した方が良い
バルサンを服にかけない対策
服を別の場所に移動させる
バルサンを使用する際は、念のためクローゼットに収納してある服でも別の場所に移動させましょう。
薬剤が服にかかると時間が経つにつれ変色する可能性があるとお伝えしたように、高価な服やしばらく洗濯する予定のない服は、事前に別部屋に移動させておくと良いでしょう。
服にカバーを掛ける
肌が弱かったりアレルギー体質の方は、小さなお子様の服でなければ服の上から洋服カバーをかけておいたり、クローゼットの扉やタンスの引き出しをきっちりと閉じておくだけでもOKです。
服を別の部屋へ移動させなくても洋服カバーや特大ポリ袋などを活用し、しっかりと袋の口を閉じて煙が直接つかないようにするだけでも良いのですが、クローゼットやタンスの内部まで害虫駆除したいのであれば移動させた方が無難でしょう。
定期的にバルサンをしている人は移動させなくてもOK
クローゼットやタンスに薬剤が入らないようにしておくだけでも大丈夫ですが、収納せずに部屋に服を置きっぱなしにしている方もいると思います。
出来るだけ出費を抑えて簡単に行いたいという方は、新聞紙やビニールシートを服の上からかけるだけという方法もあります。
バルサンを使った後、部屋の換気をしっかり行えば、バルサンのニオイが服につくこともありません。かえって服に潜んでいる害虫を一斉に退治できるので、あえて服をそのままでいいのでは?という方もいるようです。
心配な場合は干して風や日光に当てるか、肌に直接触れる服であればしっかりと水洗いしてから着るようにしてくださいね。
《 ポイント 》
- クローゼットに収納している服でも事前に移動させておく
- 服の上から洋服カバー、や特大ポリ袋などをかけてしっかりと袋の口を閉じる
- クローゼットの扉やタンスの引き出しをきっちりと閉じておくだけでもOK
- 部屋の換気をしっかりおこなえばバルサンのニオイが服につかない
- 干して風や日光に当てるか、肌に直接触れる服はしっかりと水洗いしてから着る
バルサンを使う時の注意点
部屋の至るところに隠れているダニなどの害虫を駆除するということは、使用するときにいくつか注意する必要があります。
子どもやペットのおもちゃなどにかからないようにする
家庭でバルサンを使用する際に注意してほしいのが、小さな子どもやペットを飼っているご家庭です。服や布団だけでなく、おもちゃや床にもバルサンの薬剤が付着しないように気を付けなければいけません。
室内で飼っているペットは人間より小さい分、有害物質の影響を受けやすい傾向があります。バルサンを使用する際、服や布団にかからないようにするのはもちろんのこと、おもちゃや家具もくまなく掃除し、未然に薬剤を吸い込まないようしておきましょう。
直接口に入る物は水洗いしておいた方が安心して使うことができるでしょう。
布団なども押し入れにしまう
寝室でバルサンを焚く場合、布団やマットレスをそのままにせず、バルサンの薬剤が直接付着しないように押し入れなどに収納したり、別の部屋へ移動させましょう。
焚き終えたら部屋を掃除し、換気を済ませてから布団を元の位置に戻します。また、大きなマットレスが重くて移動が難しい場合は、シーツをかけたり、掃除機で付着した薬剤を吸い取るのもひとつの方法です。
クローゼットの中までバルサンする場合は衣類を全て出す
クローゼットの中はダニが発生しやすいので、定期的にバルサンしておきたいものです。そんな時は、服をたくさん置いてあるクローゼットの扉を開けたままバルサンを焚くのではなく、服を全てクローゼットの中から出してしまいましょう。
衣類はバルサンの煙が届かないところに一時的に移動させてください。衣類カバーをかければクローゼットの中に入れっぱなしでも大丈夫という意見もありますが、アレルギー体質の方の肌に悪影響を及ぼさないように移動しておくことをおすすめします。
食器類や家電製品にもカバーをかける
食器類
直接口に触れる食器類は、煙に触れないようにする必要があります。食器棚の扉が完全に閉まっていれば、そのままキッチンでバルサンを焚いても問題はありません。
それでも心配だという方は、食器棚に食器が入っている状態でガムテープや養生テープで隙間を塞いでしまいましょう。
万が一、食器が煙に触れてしまった時は、水洗いしてから使うようにしてください。また、食器棚の中に潜んでいる虫も駆除したいのであれば、食器棚の中の食器を別の場所に移動させるか、ポリ袋に入れてカバーすることで食器棚の中までバルサンすることもできます。
家電製品
冷蔵庫や電子レンジのように扉がついている家電は、特に対策をする必要はありません。
ただし、パソコン、テレビ、オーディオ製品などの精密機器は、煙やミストが隙間から入り込むと故障の原因になってしまうので、部屋を移動させるか、移動が無理な場合はポリ袋や大きめの布で覆って煙がかからないように対策しておくと安心ですね。
観葉植物やペットは換気が終わるまで部屋に戻さない
バルサンは哺乳類に対して安全性が高い成分とはいわれていますが、当たり前ですが、ペットは必ず外に出してからバルサンしてください。観葉植物なども枯れる場合があるので部屋の外に出しておきましょう。使用後は1時間ほど換気することも忘れずに。
犬や猫などペットを飼育している場合は、床に座ったとき散布された薬剤が被毛に付着し舐めてしまうリスクがあります。バルサン使用後は念のために掃除機やワイパーをかけて床掃除もされることを推奨します。
熱帯魚や昆虫はしばらく部屋に入れない
同じペットでも熱帯魚や昆虫類、爬虫類、両生類にとっては毒性が強いので、水槽のある部屋では使用しないようにしましょう。
水槽にカバーをするだけでは不十分です。部屋に置きっぱなしの水槽やエアーポンプなどに薬剤が付着しているからです。
水槽ごと部屋の外に出した場合でも、3日間かけて十分に換気をしてからでないとバルサンを使用した部屋には入れないほうが良いでしょう。
引火しないように細心の注意が必要
バルサンの煙は、想像以上に引火しやすいので細心の注意が必要です。焚く部屋にガスの元栓がある場合は元栓をしっかり閉め、ライターなど引火の可能性のあるものもおかないようにしましょう。
バルサンを買うと火災報知器専用の袋が付いてきます。煙や微粒子を感知する警報器はバルサンを焚くと反応してしまう可能性があるので、事前に袋で覆っておきましょう。
《 ポイント 》
- 小さなお子様やペットを飼っている家庭は特に注意が必要
- 布団やマットレスにバルサンの薬剤が直接付着しないようにする
- クローゼットの中までバルサンする時は服を全て出してから
- 食器棚に食器が入っている状態でガムテープや養生テープで隙間を塞ぐ
- 家電製品はポリ袋や大きめの布で覆って煙がかからないようにする
- 観葉植物やペットは換気が完全に終わるまで部屋に戻さない
- ガスの元栓を閉めライターなどに引火しないように細心の注意を払う
バルサンの手順
バルサンには色々なタイプがありますが、説明書を読めばどなたでも簡単に使用できます。
ただし、バルサンを使う前の準備をしっかりしておかないと、後で処理が大変だったり効果が半減したりするので気を付けなければいけません。
バルサンを使う前の準備
- 人の口に直接触れるものは、別の部屋に移動させます。外に運び出せないものはカバーをかけるかポリ袋をかぶせてしっかり閉じます。
- ダニが潜んでいる可能性が高いタンスやクローゼット、押し入れは中の物を全部別の部屋へ運び、扉を全開にします。閉めたまま行うと、バルサンの殺虫成分が隅々まで届きません。
- 窓や換気口など屋外に通じるところはしっかりと閉め、バルサンが部屋全体に行き渡るようにしておきます。バルサンの殺虫成分が外に出てしまうと効果が半減するだけでなく、周りの人たちに迷惑をかけてしまいます。
- ガスの元栓はしっかり閉め、引火の可能性のあるライターなど置かれていないか確認します。
- バルサンを部屋の真ん中に置き、説明書に記載されているとおりにスタートさせます。
バルサンを焚き終わったら十分に換気をする
バルサンを決められた時間が焚き終わったら、窓を開けて最低でも1時間ほどかけて十分に換気しましょう。この時、煙を吸い込まないように注意してくださいね。
床にはダニなどの害虫の死骸がありますが、この死骸もアレルギーの原因になるので最後の仕上げとして念入りに掃除機をかけておきましょう。
《 ポイント 》
- 説明書を読めばどなたでも簡単に使用できる
- 焚き終わったら、窓を開けて十分に換気する
- 最後の仕上げとして念入りに掃除機をかける
最後に
バルサンは服についても大丈夫なのか、また衣類や寝具の対策と注意点について解説しました。
バルサンの使い方はとても簡単で、説明書を一読しただけでどなたでも行えますが、焚く前の準備に注意が必要です。バルサンの煙は殺虫成分が強いため、煙がつかないようにものを移動させるなど十分に配慮しましょう。
また、バルサンを焚いた後のダニの死骸までもアレルギーの原因になる可能性が高いので念入りに掃除をすることもポイント。定期的にダニを駆除したい方は、バルサンを正しく活用してくださいね。