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ポリエステル素材のプリントのはがし方①除光液を使う
無地のTシャツもプリントをアイロンでペタッと貼るだけでお洒落になりますね。でも、貼ったあとに「位置を右にずらしたい」「違う絵柄にしたい」などとやり直したいこともあると思います。でも、一度貼ったポリエステル素材のプリントは簡単にははがせません。
間違ったはがし方をすると生地が傷むし糊も残る・・・そんな失敗をしないためのポリエステル素材のプリントのはがし方やコツをご紹介します。
ポリエステル素材のプリントのはがし方の一つとして、除光液を使うはがし方があります。でも、どんな除光液でもはがせるわけではありません。
除光液はアセトン入りを使う
除光液にはアセトン入りの除光液とノンアセトンの除光液があります。
アセトンとは、溶剤など様々な用途で用いられる成分のひとつ。ゴムや油脂、塗料を溶かす際に使用されることもあります。女性であればマニキュアを落とす際に使用することが多いはずです。
ポリエステル素材のプリントのはがし方で使うのはアセトン入りの除光液です。
除光液のアセトンがポリエステル素材のプリントの糊を溶かしますのではがすことができます。
除光液を使うポリエステルプリントのはがし方
除光液でポリエステルプリントを溶かす場合には下記の物を準備します。
用意するもの
- アセトン入りの除光液
- コットン
除光液ではがす手順
- ポリエステル素材のプリントが貼ってある部分の裏側に除光液をたっぷり塗ります。プリント全体が濡れるくらい塗りましょう。
- プリント部分全体が除光液で濡れたら、すぐプリントをゆっくりはがしましょう。
糊が残ってしまった場合
- 中性洗剤を糊の部分に塗ってなじませます。
- 水洗いします。
アセトン入りの除光液は100均でも販売しています。100均にはノンアセトン除光液も取り扱われているので必ず購入前にアセトン含有の有無を裏面の含有成分でチェックしましょう。
もし、お家に除光液があるならアセトン入りかを確認しましょう。未開封であれば数年品質が維持されやすいです。一方で既に開封から日数が経過していると、劣化が進んでいる可能性があるため上手にポリエステルプリントをはがせないかもしれません。
注意点
生地の素材によっては生地が傷んだり色落ちすることがあります。事前に除光液で色落ちしないか、色落ちテストで確認しましょう。
色落ちテストは生地の裏側の目立たない位置でテストします。
- 生地の裏側に白い布を敷きます。
- 除光液を少々塗ります。
- 白い布に色が移っていなければOKです。
残った糊を中性洗剤で洗う際はゴシゴシ力を入れて洗うと生地を傷めますので注意しましょう。
アセトン入り除光液の取り扱いにも注意
ポリエステルプリントを簡単にはがせる便利なアセトン入り除光液ですが、取り扱いには注意しましょう。アセトンは揮発性が高いため、空気に触れるとすぐに気化してしまいます。
気化したアセトンを不用意に吸い込むと頭痛など体調不良を引き起こす恐れがあります。特に体力がない子どもは影響を受けやすいため、アセトン入り除光液を使う際は不用意に吸い込まないよう注意しましょう。
また、アセトンは引火性が高いことでも知られています。過剰に心配する必要はありませんが、アイロンなど電化製品は、アセトン入り除光液を片付けてから使用されることを推奨します。
ポリエステル素材のプリントのはがし方②除光液を使わない方法
アセトン入り除光液を使えば簡単ですが、中にはアセトンが苦手という方もいらっしゃるはずです。
ポリエステル素材のプリントのはがし方は除光液だけではありません。除光液以外のポリエステル素材のプリントのはがし方として、アイロンを使うはがし方、濡らしたタオルを使うはがし方、ドライヤーを使うはがし方、食器用洗剤を使うはがし方、消毒用エタノールを使うはがし方などさまざまな方法があるんです。
アイロンを使うはがし方
ポリエステル素材のプリントをアイロンではがす方法があります。アイロンで表面からはがす方法とアイロンで裏面からはがす方法があります。
用意するもの
- アイロン
- あて布またはタオル
- ピンセット
表面からアイロンではがす手順
- ポリエステルプリントの上にあて布を置きます。
- あて布の上から、力をいれずアイロンをあてて温めます。
- プリントの糊がふやけてきたらピンセットなどでプリントの端をつまんでゆっくり丁寧にはがしましょう。
注意点
アイロンを強く押さえないでください。押さえすぎると逆にプリントが強く貼りついてしまいますので注意しましょう。
またプリントをはがす際、非常に熱くなっている可能性があるため迂闊に手で触らず、ピンセットなどではがすようにしてください。
裏面からアイロンではがす手順
- ポリエステルプリントの裏側に力を入れずにアイロンをあてて温めます。
- プリントの糊がふやけてきたらピンセットなどでプリントの端をつまんでゆっくり丁寧にはがしましょう。
注意点:裏面からアイロンをあてて糊をふやかす際、プリント部分に限定して温めます。アイロンをあてたとき擦ったり強く押し付けたりしないでください。溶けた糊が広がって残ってしまう可能性がありますので注意しましょう。
濡らしたタオルを使うはがし方
ポリエステル素材のプリントを濡らしたタオルではがす方法があります。上記で解説したアイロンを用いる方法と大まかな流れは同じです。変更点は当て布を濡れタオルにすることで蒸発熱が加わります。
用意するもの
- アイロン
- 濡らしたタオル
- ピンセット
手順
- ポリエステルプリントの上に濡らしたタオルを置きます。
- 濡れたタオルの上にアイロンをあてて温めます。
- 蒸気が出てプリントの糊がふやけてきたらピンセットなどでプリントの端をつまんでゆっくり丁寧にはがしましょう。
注意点
濡れタオルを使ってポリエステルプリントをはがすとき、非常に高温の蒸気が発生します。火傷しないよう手や腕の位置には注意し、熱くなったプリント部分を決して素手で直接つまんだりしないでください。
また濡れタオルにアイロンを当てる際、過剰になるとタオルを焦がす可能性もあります。火事を起こさないことに対しても注意を払いながら取り組んでください。
アイロンのスチームを使うはがし方
ポリエステル素材のプリントをアイロンのスチームではがす方法があります。
スチームアイロンは高温蒸気によって、衣服のシワをのばすときに用います。通常アイロンとは異なり、商品によってはアイロン台を必要としないためプリントシャツなどをハンガーにかけた状態ではがすことができます。
用意するもの
- アイロン
- ピンセット
手順
- ポリエステルプリントの上にあて布を置きます。
- あて布の上にスチームが出ているアイロンをあてて温めます。
- プリントの糊がふやけてきたらピンセットなどでプリントの端をつまんでゆっくり丁寧にはがしましょう。
注意点
アイロンを強く押さえないでください。押さえすぎると逆にプリントが強く貼りついてしまいますので注意しましょう。
またスチームアイロンは高温蒸気によって衣服を温めます。アイロン部分に触れていなくとも、蒸気に接触することで火傷を負う恐れがある点にはご注意ください。
ドライヤーを使うはがし方
ポリエステル素材のプリントをアイロンではがす方法があります。
用意するもの
- ドライヤー
- ピンセット
手順
- ポリエステルプリントの端にドライヤーの熱風をあてます。
- ドライヤーをあてた部分の糊が溶けてきたらピンセットなどでゆっくり丁寧にはがしましょう。
注意点
使用直後のドライヤーは排気口周辺が非常に熱くなっています。ポリエステルプリントをはがすとき、うかつに排気口をつかんでしまうと思わぬ火傷を負う恐れがあります。他の方法同様、ドライヤーも取り扱いに注意しましょう。
食器洗い用中性洗剤を使うはがし方
ポリエステル素材のプリントを食器洗い用洗剤ではがす方法があります。中性洗剤に含まれる界面活性剤が糊を溶かす作用をします。
用意するもの
- 食器洗い用洗剤
- 洗面器
- 布
- メラミンスポンジ
手順
- 洗面器にプリント部分が浸かるくらいのお湯を入れます。
- お湯の中に中性洗剤を数滴溶かし、プリントの部分を浸けます。
- プリントに中性洗剤がしっかり染み込むまで放置します。
- 布に中性洗剤をつけてプリント部分をこすります。
- プリントが残ってしまった場合は、メラミンスポンジでこすります。
消毒用エタノールを使うはがし方
ポリエステル素材のプリントをアイロンではがす方法があります。
用意するもの
- 消毒用エタノール
- 綿棒またはコットン
手順
- 綿棒またはコットンに消毒用エタノールをたっぷり染み込ませます。
- プリント部分にたたきながら消毒用エタノールをプリントに染み込ませます。
- プリントの糊が溶けたらピンセットなどでプリントの端をつまんでゆっくりはがします。
《 ポイント 》
- アイロンを使ってはがす
- 濡らしたタオルを使ってはがす
- ドライヤーを使ってはがす
- 食器洗い用洗剤を使ってはがす
- 消毒用エタノールを使ってはがす
ポリエステル素材のプリントをはがす時のコツ
プリントはゆっくり丁寧にはがす
ポリエステルプリントのはがし方は、除光液を使うはがし方、アイロンを使うはがし方、濡らしたタオルを使うはがし方、ドライヤーを使うはがし方、食器用洗剤を使うはがし方、消毒用エタノールを使うはがし方などさまざまな方法がありますが、共通するコツは、ゆっくり丁寧にはがすことです。
一気にべりッとはがさすと生地に糊が残ったり傷める可能性がありますので注意しましょう。
できるだけ早くはがす
ポリエステル素材のプリントははってから時間がたつほど綺麗にはがせなくなります。時間がたった方が糊の力が弱くなり、簡単にはがせそうな気がしますが糊はしっかり貼りついています。
昇華プリントの剥がし方
昇華プリントは、ポリエステルの素材にインクを染色するプリント方法です。時間がたつほど生地の繊維に浸透して落とすのが難しくなりますので、できるだけ早く落としましょう。
ポリエステルの素材の昇華プリントのはがし方として、消毒用エタノールで落とす方法を紹介します。
用意するもの
- 消毒用エタノール
- 固形石鹸
- コットン
- 布 2~3枚
手順
- プリント部分の裏側に布を敷きます。
- 除光液または消毒用エタノールを別の布にたっぷり染み込ませます。
- 消毒用エタノールを染み込ませた布で、裏に敷いた布にインクが移るようプリントの上からたたきます。
- 裏に敷いた布にプリントが移ったら、布を外します。
- プリントが残っていたら、再度新しい布を裏に敷き、新しい布に消毒用エタノールをたっぷり染み込ませます。
- 再度、上からたたきます。
- プリント部分を固形石鹸でもみ洗いします。
- いつも通り洗濯し干します。
注意点
プリントが敷いた布の下に移る可能性がありますので、ビニールシートなどを敷いてから作業しましょう。1回の作業だけでは、ポリエステルプリントが完全に落ちない場合もあります。そうしたケースでは何度か繰り返すことで少しずつ残った部分も落ちていきます。
《 ポイント 》
- 昇華プリントは、ポリエステルの素材にインクを染色するプリント方法
- 消毒用エタノールで落とす方法がある
最後に
ポリエステル素材のプリントのはがし方をご紹介しましたが、糊が残ってはがせない場合は、その上から違うプリントを貼りましょう。上に貼るプリントは下の糊が完全に隠れるくらい大き目のプリントを貼るのがコツです。
ポリエステル素材のプリントのはがし方に悩んでいる方は、ご紹介した方法で一度試してみてはいかがでしょうか。